満足度★★★★★
共感して…
20代の頃、演劇研究者の故中山幹雄 氏から近世文学(鶴屋南北、近松門左衛門など)を学んだことを懐かしく思い出した。当時は、どれほど理解していたか定かではないが、「女殺油地獄」の朗読劇を発表したことがある。今でも写真とテープが残っており、恥ずかしいが記念でもある。
さて、近松門左衛門の作品についてはチラシ説明で詳しく書かれているが、その魅力は、登場する人物が皆追いつめられて破滅の道を選ぶ。追いつめられる状況が物語であり、その道を選択せざるを得えない、そこに共感が生まれるのだろう。
芝居は、その選択の過程が観客の機敏に触れることが大切だと思う。しかし、制作側が結果・結論を示しては面白くない。”どうして“は観客に委ねることで解釈が画一的ではない広がりが出来る。
本公演は、近松作品の物語としては忠実であるが、その演出は生演奏音楽、舞台美術としての映写文字など新しい試みで観(魅)せていた。
満足度★★★★
イメージがいまひとつ湧かない!
唄、演奏、効果音とも素晴らしく、役者陣も上手いのだが、
舞台セットがほとんどないことと、、台詞自体に意識が行き過ぎて私にとっては芝居内容のイメージがいまひとつ湧きにくかったです。
役者の台詞と映像の台詞を確かめる作業はいささか疲れた。
満足度★★★★★
素晴らしい演出
近松門左衛門の作品を、演劇として観たのは初めてだが、
『伝統の手法を参考にしながら現代劇の手法を取り入れた演出を心がけました。』と、当日パンフに記された通り、その素晴らしい演出で物語に惹き込まれた。
殊に、“舞台美術としての文字の映写”は、文字通り舞台美術として機能しており、更に物語が解りやすくなる、いい演出だ。
満足度★★★★★
心中
三味線、薩摩琵琶、笛の演奏と歌は最高にすばらしいです。
障子の手前と向こう側を離れて演ずるのは面白い趣向ですね。
セルフの長いこと、セリフにすごい迫力があって圧倒されました。
バックにセリフを投射されたので、少しはわかったが、昔の言葉遣い難しいですね。
満足度★★★
文字の投影
古典的な言葉遣いだったので、正直すべてを理解できなかったけれど、
後ろに文字を映し出すことによって「そういう言葉か!」とわかるのがよかった。
また、ト書き部分というのか、会話以外のところを拍子木きっかけで役者の動きを止めて文字を読ませるという演出も面白い。
満足度★★★★★
素晴らしい!
『心中天網島』は,男と女の話だ。治兵衛は,意に添わない結婚で子どもまでいるが,気が付くと遊郭の小春に夢中になって身を崩していく。実の兄はひどく心配する。自分の娘を傷ものにされたと,おさんの父親は激昂する。二人は,世間の厳しい批判の中で,心中にいたることになる。
言葉の使い方が,特殊なので全体的にわかりにくい部分があった。しかし,それはそれでよく聴いているとなんとなく感じとれる。かえって,迫力があった。
今回一番の魅力が,三味線と,琵琶と,横笛だった。邦楽を聴く機会は意外と少ない。とりわけ,笛の演奏に興味がわいた。
近松門左衛門の世界は,歌舞伎とか,浄瑠璃の世界。そこは,少し敷居が高い。そちらの世界はマニアが,古典芸能を支持し,守っているところ。私は,たまにはのぞいてみたいと思うが,チケットが手にはいるか,心配がある。
満足度★★★
観てきました
映画では近松門左衛門の作品は観ているのですが、なかなか私には画面を追って考えている間に舞台は進み
セリフを理解するのにまた必死で感情移入する余裕もなく
なかなか歌舞伎など見慣れてない私 頭がついていけなくて。
年配の方がたちは満足そうでした。経験を積めばまた変わって来てくれることを祈りつつ
無題1641(15-330)
19:00の回(やや曇)。
18:20会場着、受付(整理券あり)、18:30開場。
正面に白い布(スクリーン)、左右に障子のようなもの、床に小さな男女の人形が横たえてあります。
19:04前説(105分)、19:05開演~20:55終演。
「近松門左衛門」「心中天網島」は聞いたことがある、程度しか知らない(馴染みない)のでこの機会にと思い観に来ました。
古典芸能の素養が欠けているため本作の良さがつかめない、ということはどうしようもないことですが、よいきっかけにはなったのではないかと思います。
観客のおひとりがご自分のとなりの席にバッグを置き、後から来るであろう方のために席をとっているのかと思っていましたが、どうも誰かを待っていたのではなくそのまま開演、終演後はわびれる様子もなく出ていきました...だいぶご年配の方。
当パンで大筋はわかったもののセリフのニュアンスまで踏み込めず。
先日、他の公演で琵琶が使われ、また聴きたいと思っていたところでした。
調べると、青田さんは「ありがとうの夕陽(2014/7@中目黒)」を観ていました。
満足度★★★★★
こんなの初めて!
あの時代が、場面が、活き活きと蘇る。発語としての日本語の美しさ、面白さが、見事な語りと演奏で盛り上がる。己の語彙の乏しさを超えて流れに呑み込まれた。‘時代物’の新たな魅力に目を開かれた気分。
満足度★★★★★
民
近松門左衛門の心中物の中でも最高傑作の誉れ高い今作であるが、義理(人が人として守るべき人倫の道)と人情(例えば恋、己の理性で律すること能ぬ本能の齎す欲求)の機微を、これほどドラマチックにまた悲劇的に同時に美的に描いた作品は古今東西実に稀である。(追記は文化的なレベルで述べる。前段はここまで。追記2015.11.1午前3時)
満足度★★★★★
濃い!面白い!!
三味線、薩摩琵琶、笛、太鼓、語り、影、文字の映像を使い、役者同士が対面しない演出は文楽の要素も感じられたりして、面白かったです。
役者さんたちもとても味わいがあって、それぞれの役の心情を余すところ無く伝えてきて、素晴らしかったです。
私はこの演目では兄の孫右衛門が好きなのですが、山谷勝巳さんの情け深く、情の細やかなお兄さんはとても素敵でした。彼らの心中姿を見たら、いっぱい泣くんだろうなぁ・・・・。きっと残された子どもたちも大事に育ててくれると思いました。
簡単には死ぬことが出来ないラストもとても良かったです。