シー・ザ・ライト 公演情報 シー・ザ・ライト」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★

    切迫感が感じられない
    とある映画製作集団のお話。今はインディーズの映画を撮影して、賞を取るのを目指しているわけですね。ぶっちゃけ今は映画製作での収入はないわけです。
    もうそんなに余裕はない・・・その悲壮感、必死さが伝わってきませんでした。
    あまりに恵まれすぎている気がするのです。事務所を持って。野菜の配達サービスなんか頼んだりしてて。その財源はどこから来るんだろう。
    自主映画や演劇をやっているなら、これらの苦しみは身近に見ているハズなのに・・・。

    ネタバレBOX

    オープニングのダンス・役者紹介はプロジェクターをうまく活用して、今後の展開に期待したのですが・・・。
    この映画製作集団が、あまりにリアリティがなく。だんだん見るのが苦痛に感じられました。自主で映画を撮る人、少しは取材したのでしょうか。
    そもそも、映画の脚本というのは皆でアイデア出しながら、合議制で作るものかなぁ。また話の最初から、順番に最後まで書いていくものなのかなぁ。
    やっぱり(金銭的に)恵まれた環境で、まだまだプロになりきれない、作った映画が評価されないのは本気で作品を作っていないから、そんな印象を受けました。

    役者さんは皆若く、20代前半が中心だそうで。女優さんにいたっては高校三年生だとか。
    もうちょっと社会に揉まれて、深みのある作品を作ってください。
  • 満足度★★★★★

    三人の芸術家。そして、自分。
    数日経ってもなお、自分の中での感想を整理しきれていないですが、
    一つ思ったのは、この一つの劇から三人の生き様が描き出されているということです。

    1人目は今回の主役の前嶋さん。映画人の役柄に対する、役者としての情熱のようなものが表れていました。
    2人目は主宰の下平さん。これまでの演劇人としての原体験が、セリフの一つひとつにこもっていたように感じました。
    もちろん3人目は有島武郎。"生れいづる悩み"を早速読み始めましたが、筆一本で食べていくという彼の覚悟をひしひしと感じます。

    といった感じで、その点非常に見応えがあったと感じています。

    …「何をしたか」より、「どう生きたか」ということを常に自分に問い続けていきたいですね。

  • 満足度★★★★

    物語の面白さ、テンポの緩さ
    チラシに「有島武郎に敬意を表して」とあり、彼の作品「生まれ出づる悩み」がこの芝居のベースにあるという。
    極論すれば、人間は生まれた時、すでに死ぬことに向かって生きることになる。そう考えれば、なぜ生まれてくるのか、という疑問が生じる。さて主宰で脚本・演出の下平慶祐 氏は「…生き様の問題なのだ…」として、この芝居を作り上げたと、今どき珍しい 手書き 挨拶文を配付している。

    さて、この舞台セット...暗幕で囲い、その内側(客席以外の三方)に白い板を横向きにブラインドのように組み込んでいる。その雰囲気は、有島武郎(芝居の主人公)の人生末を思わせるようにも感じた。

    ネタバレBOX

    物語は、映画制作に携わる人々が、某映画賞を獲得するまでの人間関係...主人公・斎藤雅樹(前嶋優治サン)の優柔不断、周りの人々の生活、恋愛が絡み、少し切ない思いも描く。
    さて、舞台セットは主人公の高校生時代の教室(机が2つ)と、映画制作事務所(中央に作業台並列・小物、冷蔵庫)の2シーンで構成。相互の場面転換はなく、時間は未来に向かって経過する。そして黒と白というモノトーンが囲む...まるで鯨幕のようである。そこには原作小説家の自死をイメージするような深淵が観てとれる。下平 氏が描きたい(自分の演劇人としての)思いも、この芝居の映画制作人に重ね合わせているようだ。その意味で物語は面白いが、そのテンポ、流れが緩く冗長(飽き)になるシーンもあった。その第一がワンシーズンという設定だとしても、衣装が同じであり時間の経過が感じられない。空気、雰囲気の流れがなく澱んでいる。また役者の沈黙時間が若干長い。その間(ま)は必要かもしれないが、それにしても...。
    全体としては観せたいという“思い”が十分伝わるので、それをどう観客に伝える(観せる)かという工夫をしてほしいところ。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★

    淡々としたお芝居でした
    少し単調な演技で、淡々としたお芝居でした。有島武郎を知らないと冒頭に言わせてましたが、理解の切り口が最後まで判りませんでした。

  • 満足度★★★

    リアルでした
    若い世代の等身大の姿が、リアルに描かれた作品でした。リアルが故に物足りなさも感じましたが、息詰まるシーンが多々ありました。文学作品をベースにしているので、途中飽きてしまう人がいるかも・・と感じましたが、役者さん達の演技力もあり、段々惹き込まれました。リアル感たっぷりの重厚な雰囲気の舞台でした。

  • 満足度★★★★

    リスカに惑う
    ‘物足りないほどリアル’な演出。場面転換に工夫がされていて途切れを意識させない。深い感情移入に誘われた。人生は必ずしも一本の光で貫かれている訳ではない、と気付き始める不安やもどかしさが懐かしい。際どいところをハッキリさせる、という通過儀礼を踏むことで訪れる淋しさの暗がりから、人それぞれの真の光の在りかを見きわめていくのだと思った。‘演劇だからこそのリアル’の引き出しもあるはず、覗いてみたくなる。

  • 満足度★★★★★

    大好き。
    今回のもぷろは最高に面白くって最高だったと思いました!
    前作のメモリーアンドメモリー、保健室探偵カネコよりすごく好きだった。ストーリーもキャストも。演技がさらに上手くなっているように見えました!
    最初、文学を演劇に…って少し不思議でどーなんだろって思ってたんですけど、その予想とは正反対で面白くて感動的で。ノンフィクションにかなり近いなっておもって。
    個人的には前作に続いて竹下さんが可愛かった!真奈美役の!
    前嶋さんはかっこ良かったし。演技的には上田さんが上手かったかなって思いました。仕草、間の取り方、滑舌など。さすが役者って思いました!この作品のおかげで演劇がさらに好きになりました!

    今度の有島武郎の生まれ出づる悩み借りてみようかな。
    興味持った。

    お疲れ様でした!3日まで頑張ってください!
    calvin頑張ってね。

  • 満足度★★★

    物足りない
    「光を求めて、必死に。」
    頑張っていることと、必死なのは違うと思うんです。
    必死さが伝わってこなかった。

  • 満足度★★★★

    優柔不断
    優柔不断な映画監督とその仲間たちのお話。

    主人公の優柔不断で我儘っぷりはイライラするものの周りの軽快な台詞回しでとても理解しやすいお話でした。

    特に健さんは声も聞き取りやすく間の取り方も良かったですね。

    ラストは『ん~』と唸るラストなので星ひとつ減らしちゃいます。

  • 満足度★★★★★

    花五つ星
     小劇場のみならず表現する者の、位置を正確に見、正当な表現に迄高めた今後、期待すべき才能。前回の試みも、幅を広げる役を果たしているのではないか? シナリオの良さのみならず、演出の手順、役者陣のいずれ劣らぬ自然で示唆に富む表現も実によい。

    ネタバレBOX

     舞台奥、下手側、上手側黒地に白塗りの板を隙間を開けて貼り付けたセンスがとても良い。無論、下手側では。2か所の出捌け口部分が設けられているし、上手側は、窓に擬した隙間が作られているが、基本的には観客の想像力に委ねられている。舞台上で用いられる器材は、半暗転時、役者達によって準備される。当初は、学校で用いられる簡易型の机と椅子のセットが2つ。それぞれのセットに対して約45度の角度に離れて置かれている。観客席に近い下手のそれは、絵の上手い佐久間の席で、机上にはスケッチブックが載っている。斜め奥にある席は、斉藤の席。彼は、忘れ物を取りに戻ったのだが、彼女は家に戻ると余り真面目に勉強に集中できないという理由で学校に遅くまで残って課題を片付けていたのだ。が、彼が忘れ物を取りに来た時には、ちょっと席を外していた。
    彼は彼女を一目見るなり、その可愛らしさにぽ~っとなってしまう。一目ぼれだ。だが、彼女と漸く話をし、新たなスケッチが描けたら見せて貰う約束をしたにも関わらず、彼女は引っ越しを余儀なくされ、その後は会えずに居たのだった。が、大学進学後の彼にとっても、彼女は相変わらず、最愛の女であった。
     大学生時代、斉藤は、映画を作って過ごす。学生レベルでは高い評価を受け賞を取ったりもするのだが、卒業後、大学時代のメンバーを中心に立ち上げたプロ集団は鳴かず飛ばず。部外者としては客演の健一が居る。妻帯者の子持ちであるから、生活が掛かっている。
    卒業後2年が過ぎ、プロになってからは受賞歴もなく愈々、正念場だ。因みにこの集団に属するのは、斉藤の元カノの晴香、後輩で斉藤が好きでついてきた真奈美、親友の慧、客演だが、斉藤も彼の作品も好きでずっと一緒に作品を作ってきた健一に斉藤を加えた5人である。
     新作を作るに当たり会議が開かれた。その場で、斉藤の今までの路線では、弱いという結論が出、新作は、既に評価された作品を斉藤が脚本化し、それを映画化するという話になったのだが、原作では絵の才能のある者の描いた作品も映像化しなければ作品として、どうしても傷になるという判断が出た。然し、5人の中にそんなに絵の上手な者は一人も居ない。困っている時、事務所に野菜を納入している業者がやって来た。若い女性である。それは、何と他人の魂を奮わせる絵の描ける佐久間であった。斉藤が彼女に気付き、自らの名を明かすと彼女も彼を覚えていた。映画制作を手伝ってくれることになって、彼女はヒロインに抜擢される。初めて参加する世界で新人だという意識を持つ佐久間は、献身的に雑務もこなし、応募することが決まったコンクールに向けてタイトなスケジュールを精力的にこなした。然し、無理が祟って倒れてしまう。彼女の心臓には欠陥があったのだ。幸い、買い物に出た彼女の帰りが遅いので様子を見に行った仲間が彼女の倒れているのを発見、至急救急車で病院へ運び命に別状はなかったのだが、その後、彼女は入院生活を送ることになる。この間、残ったメンバーの間では斉藤を中心とした女たちの嫉妬が渦巻く。無論、元カノの晴香は、最も敏感に反応した。自分と付き合っていた間も、好きなのかどうか分からないような彼の態度の背景に佐久間が在ったことを感じ取っていたのである。助監督役になっているしっかり者の真奈美にした所で、抑えてはいるものの、嫉妬の焔が燃え上がっていることに変わりはない。
     同時期、妻帯者で2歳になった娘を持つ健一の“遊びせむとや生まれけむ”という表現者の理想と、生活を守らなければならない現実の軋みも斉藤への指弾に繋がる。親友で冷静沈着な慧の優柔不断も重なる。
     追い詰められた斉藤は、ちらっと聞いたリストカットの話を思い出し、自ら試してみようかとカッターを取り出すが、すんでの所で断念。そこで、この所問題Mになっていたラストシーンのヒントを得て科白を書くことができた。無論、この時点で作者としてのしっかりした手応えがあったのである。彼は早速原稿化し上演へ向けてハードルを越える。大事なことは、悩み悩んだ作家が宇宙全体にたった独りで向き合うような孤独に耐えて先に進み得たということである。その為に彼自身が認識を新たにした。そして、作品を自立化した。だから、燃えカスになった。その彼に受賞発表日の2分前、連絡が入った。佐久間の訃報であった。ラストシーンで斉藤はカッターで腕を切る。死亡率5%とされたその行為に彼は遂に踏み込んだ。少なくとも踏み込むことによって不合理・不条理の側に自らの生を置くことを選んだのだ。若い才能がこのように痛々しいが、表現する者として正しい選択をしたことにエールを送らない恥知らずが居るだろうか? 居るとすれば、そのような連中は表現する者の名に値しない。 

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