満足度★★★★
物語の面白さ、テンポの緩さ
チラシに「有島武郎に敬意を表して」とあり、彼の作品「生まれ出づる悩み」がこの芝居のベースにあるという。
極論すれば、人間は生まれた時、すでに死ぬことに向かって生きることになる。そう考えれば、なぜ生まれてくるのか、という疑問が生じる。さて主宰で脚本・演出の下平慶祐 氏は「…生き様の問題なのだ…」として、この芝居を作り上げたと、今どき珍しい 手書き 挨拶文を配付している。
さて、この舞台セット...暗幕で囲い、その内側(客席以外の三方)に白い板を横向きにブラインドのように組み込んでいる。その雰囲気は、有島武郎(芝居の主人公)の人生末を思わせるようにも感じた。