僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪 公演情報 僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★★

    モノクロ版
    白雪姫の天幕版解釈、大人の童話とでもいいましょうか!?しかも4人だけの濃密舞台、ダークだけれども面白かったです!カラフル版も気になります!

  • 満足度★★★★

    想像力を掻き立てる芝居!
    モノクロ版観劇。
    衣装や舞台は特に凝ったものではない。
    自分の想像力がどこまで芝居を膨らますことができるか、そんな芝居である。

    ネタバレBOX

    白雪姫を殺したのは彼女の言葉を信じることができなかったのは、嫉妬心の強い森の中の多重人格少年であった。
  • 満足度★★★★★

    面白かった
    童話「白雪姫」を下地に描かれた物語で、登場人物達の毛糸など小道具などを用いた心理描写がとても巧みで、全編を通したサスペンス的な要素にはらはらしました。私が観たのは、モノクロ版でしたが、機会があれば、カラーも観たかったです。

  • 満足度★★★★

    モノクロ版を拝見
     童話白雪姫をベースにした作品。

    ネタバレBOX


     童話の持つ本来の残虐性を継承して残酷童話劇として成立している点が良い。照明、音響とのコラボレーションもぴたりと嵌って見事だ。また、白雪を世話する7人の小人が実は多重人格(解離性同一性)障害者という解釈で造型されている点、彼が隠者として森の奥に隠れ住んでいる点も現代の闇を孕み込んで示唆的である。
     また、オープニングで合わせ鏡に時計を入れる(挟み込む)という科白が出てくる点にも注意を喚起したい。当然のことながら、この科白の背景には、西洋で謂われる言い伝えがあると考えねばなるまい。曰く、合わせ鏡をしてはならない。何故なら、悪魔が現れるからである。この悪魔を“知”或いは、人知を越えた能力と捉えるならば、白雪を助けた解離性同一性障害者の少年は、四次元能力、即ち時を止める能力を持ったキャラクターとして登場していることに気付くだろう。
     同時に、彼が重い精神障害に囚われていること自体に、現代社会の病弊が暗示されていることにも気付くハズである。では、彼は何故、このような障害を負ったのかについては述べられないものの、其処は、観客の想像力で補って欲しい。何れにせよ、彼もまた社会の暴力的性質の被害者であることは間違いあるまい。
     一方、これは無論、物語である。だから、物語を語る主体は、今作に於いて誰なのか? という問題も当然提起されてくるだろう。先ず、この物語の全体を知り得る存在は誰か? である。物語は、総て森の奥で起こる。女王即ち白雪の継母の王宮での鏡への問いを除いて。而も、鏡によって総てを見られていることは、森に居る少年と白雪によって発見され、鏡を砕くという行為によって監視を逃れるのであるから、これらの経緯総てを知り、且つ生き残った者が、今作を語る主体として顕現する。繰り返しになるが、然しこれは物語である。少年が「時を止めた」と言って王子や白雪を殺した所で、それは、あくまで少年の幻想空間の中の出来事なのである。彼を殺人者として捉えた通常の人々の間では、最早、彼の幻想は通用しないのだ。この点にこの物語の最後の残虐性が在る。この仕掛け人こそ、作品の背後に居る作家な訳だが。作家は物語の幻想性から日常へ舵を切ることによって、観客を舞台空間から日常空間へ戻してもいるのである。
  • 満足度★★★★

    独特の世界観[カラフル版]
    第一印象は、エンプティ-タイムといったところだ。時間を感じさせない、その不思議感覚を堪能した。

    ほぼ素舞台で、そこに色鮮やかなスカーフのよう布が一面に...。照明は薄暗く、その照度強弱によって、場面状況や感情表現を示す。物語は白雪姫をモチーフにしており、大まかな展開はわかる。この芝居は、その構成が3場面から成っているようだ。その観せ方は、文章で言う起承転結のような感じ、観てもらうということを意識したものだ。その現れが舞台を中央平台、少し高い位置に設営し、三方向にひな壇客席にしていた。どの角度から観ても楽しんでもらえる、そんな自負があったのだろう。雰囲気は夢幻・夢想の世界観を表現しており、先にも記したとおりインパクト・出来事などは明るい(強い)照射で効果を出す。時として動作は同じことの繰り返し、それは日常生活の淡々とした暮らし振りと変化の兆しの時に顕著になる。この照明と並び効果的だったのが小道具・小物の使用である。

    ネタバレBOX

    白雪姫の構成を見ると、第一は継母との美の競演、第二に小人との生活、第三に王子との出会いに大別できる。もちろん公演であるからよく知られた展開とは違う結末になる。それでも寓話性は健在で人が持っている優しさ、その反面(反動)に孤影の怖ろしさを現す寂しさ、自分を守るために主体(姫)の否定(死)という狂気に繋がる。

    舞台背景を明確にしないで、曖昧、抽象的にすることで観客が自由に想像できる舞台空間は良かった。だから観終わった余韻が心地よい。

    なお、気になったところ...

    継母との関係、美競演の場面は冗長に感じた。王子が現れるところと二分されるようで、物語としては分割してしまった。あくまで小人(スカーフの色で性格わけ)が持っている色々な側面を描いており、それは人間観察といったところ。この場面がしっかり描かれているからラストシーンが生きてくる。

    心残りは、「極彩色の絵」であるカラフル版と、別バージョンのモノクロ版、イメージとしては「白描絵」も観たかった。この公演…「額縁の中の濃密な芝居」を比較したかった。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    カラフル版
    とてもよかったです。お姫様(渡辺実希さん)の髪はほんとにきれい。

  • 満足度★★★★

    ファンタジーを纏った今を想起
    細かい部分はいろいろとあるのですが、良く構成されていたし、作品には観る側をその結末まで引っ張り切る力がありました。

    ネタバレBOX

    白雪姫の枠組みを根底から覆すことはありませんでしたが、一方で現代の家族や心を病むもののありようへの寓意を込めた作品であるようにも感じました。

    シンプルな小道具での表現などもしっかりと機能していたし、動きの速度などにはニュアンスを織り上げるためのしたたかコントロールを感る部分もありました。
    ただ、場に役者が作る密度が音楽をかぶせることで平板になったり、ひとつずつの台詞にも、物語の描こうとするものを際立たせるためのもう少しの精度があればと思う部分もあってあって少々もったいない気がした。

    作品には白雪姫という既知の物語を観る側にとっての新しいニュアンスとともに供する力があったし、役者達の身体の使い方にしても、会話の織り上げにしても、意図は理解しうるのです。
    でも、その世界の内外を逆転させ、ロールそれぞれが抱くものを観る側に理屈ではなく感覚として晒すためには、役者たちがその身体や台詞で刹那の肌触りや空気の濃密さを更に高い解像度を維持しつつ編むことが求められているように思う。それは、前述の音の使い方とか美しい場面の言い回しの凡庸さでもあり、役者達の台詞の小さな抑揚の抜け方だったり、舞台の外の所作のミザンスだったりもするのですが、舞台に描かれ語られるべきことはもっと強い浸透力で訪れるべきものであるようなするのです。

    物語を観客に繋ぎとめラストシーンまで導く力を感じつつも、白雪姫の物語と現代が重なる時、それぞれが互いの世界にボーダレスに入り込み、組みあがり、膨らむためには、研がれるべき要素がまだいくつか残っているように思えたことでした。









  • 満足度★★★★

    渡辺実希さんの美しさに尽きる
    モノクロ版を鑑賞。
    代表作の再演という触込みでしたが、どちらかというと近年の作劇の方がシンプルで力強くロマンティックで好みかな。
    とても好感度が高いのだが、独白がちょっと邪魔していて、面白味が少ない。

  • 満足度★★★★★

    見応えありました
    モノクロ版を見ました。独特の演出内容に魅せられました。舞台装置も魅せるものがありました。こういうお芝居が好きです。ただ、「繰り返し」の演出で、工夫があればもっと素晴らしかった。(私が感じ取れなかっただけかも。マダマダですね)

  • 満足度★★★★

    カラフル版観ました
    初演時に観ている作品ですが、やなり密度の高い見事なダークファンタジーであることを再認識。個人的には、初演版(モノクロ版)の方が視覚的コントラストが強くて、好みですけど。

  • 満足度★★★★

    カラフル
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。100分。

    ネタバレBOX

    白雪姫(渡辺実希)の若さと美しさを呪ったママハハの女王(佐々木豊)は狩人(渡辺望)を暗殺に仕向けるが狩人は白雪姫に女王の乱心を告げ、森の奥へ逃がす。力尽きて倒れた白雪姫を、多重人格の少年(加藤晃子)が助け、同居が始まる。白雪姫の生存に気づき、女王は老女に扮して白雪姫を殺そうとするが、白雪姫のママハハへの想いを知った女王は身を引く。二人だけの平穏な日々の中、脚を負傷した隣国の王子が来居する。少年は拒むが姫は王子を受け入れる。回復した王子は姫への想いを打ち明け、国に来るよう誘うが、少年に殺されてしまう。そして、王子に別れを告げ家に戻ってくるという姫を、少年はナイフで殺してしまう…。

    初演を見ているので、カラフルverを観劇。初演時よりも見やすくなったせいか、舞台の面白さがダイレクトに伝わってきた。
    自分を殺そうとしたママハハへの愛を求める白雪姫とその気持ちにやられる女王の構図や、孤独と弱さから他人格を作り出した少年と、まっすぐな気持ちをもつ姫とのズレとか、見せ場見せ場もしっかりしてた。

    カラフル版だけあってか、照明の使い方もよかった。少年が鏡を壊しまくるシーンは好き。
  • 満足度★★★★★

    よかった!
    演技も、脚本も、演出もすばらしいの一言!満足して帰って、家族に熱く語ってしまいました。

  • 満足度★★★★★

    カラフル版
    本当は両方観たかったが、初演を観ているのでカラフル版を観劇。
    文字通りカラフルな舞台で衣装も大変美しい。
    初演の時も、毛糸の赤い血やゴムで形作る鏡の枠などに感動したが
    今回のアイデアもまた素晴らしく繊細で効果的。
    スローモーションの安定感と美しさ、計算された緻密な動き、
    音響と照明の効果も素晴らしく
    スピーディーな展開であっという間に平和な日常は崩壊する。
    初演の時は「日常を喪う怖ろしさ」が印象に残ったが、
    今回のカラフル版でビシビシ伝わって来たのは
    「守ってあげられない自分、守ってもらおうと思っていない女」に対する
    絶望と怒りだった。
    “大人の男”としての王子に対する嫉妬と敵意をむき出しにした小人の心情が超リアル。
    ハッピーエンドどころか誰もハッピーにならない白雪姫、でも私はこの方が断然好きだ。

    ネタバレBOX

    一段高く四方囲み舞台が設えてあり、色とりどりの布が敷き詰められている。
    舞台下、四隅には小道具が整然と用意されていて、この劇団らしい几帳面な印象。
    登場した4人の役者さんはみな裸足で、それが布を敷き詰めた床に相応しく柔らかい。

    女王も白雪姫も、そして七人の小人もストールで装う。
    特に多重人格の小人はストールの色で人格を表現、めまぐるしい変化が
    視覚にも訴えて来る。
    モノクロ版では表に出すまいとする感情がくっきりと浮かび上がった。
    カラフル版では人の心の多様性に焦点が当てられているように感じた。

    “多重人格の小人”という衝撃的な設定の素晴らしさはそのままに、
    そうせずにいられなかった小人の孤独と、それ故に白雪姫を失いたくないという欲望、
    王子に対する敵対心や、自分を子ども扱いする白雪姫に対する怒りと悲しみが
    プリズムのように現れるところが素晴らしい。

    女王が己のしたことを悔いてとどめを刺さずに立ち去るところ、
    本当は継母に愛されたかった白雪姫の、指先まで神経の行き届いた動きの美しさ、
    王子の善人というだけでない、どこか小人のコンプレックスを見透かしたような
    勝ち誇ったような上から目線、
    それらがキャラに奥行きを与え、登場人物を一層立体的に見せる。

    冒頭に逮捕された小人を提示し、そこから時間を巻き戻す構成が成功して、
    “サスペンスファンタジー”の名にふさわしい見事な本歌取りになっている。
    このあっと驚くような、それでいて極めて人の心に忠実な設定こそが、
    天幕旅団の真骨頂で作・演出の渡辺望さんの豊かな発想力が存分に発揮されている。
    衣装のセンスの良さや効果的な照明も相まって、チーム力の高さも天幕の魅力だ。
    舞台の下で待機している時の、あの表情もまた見たくなる4人なのである。
  • 満足度★★★★

    美しく幻想的
    モノクロ版観劇。4人の役者さんがまず上手く、小道具、照明、音楽の使い方も効果的で、美しく幻想的な舞台でした。
    再演されるだけあり、脚本が実に奥深く面白かったです。
    公演中なので、以下ネタバレで。

    ネタバレBOX

    4面から見える舞台は一段高く作られており、大きな長テーブルと4脚の椅子だけが置いてある。童話白雪姫がモチーフだが、オリジナルの脚本であり、白雪姫が殺されている所から物語が始まる。そこから回想していくが、ストーリーが秀逸。誰が白雪姫を殺したかが焦点のサスペンスファンタジーとなっている。赤い糸を血にしたり、リンゴにしたりと小道具等の使い方も上手い。

    舞台的にはシンプルで、静と動を使い分け実に見応えあったのは、役者さん達の演技力の高さだろう。白雪姫は健気で美しく、女王は狂気と後半に見せた後悔が上手く、王子は静かな強さを感じさせた。そして、少年役の加藤さんには驚かされた。言葉は勿論、表情や仕草の使い分けが素晴らしかった。
    朗読的なシーンも多く、また役者さん達のハモリからも完成度の高さを感じた舞台でした。
  • 満足度★★★★★

    引き込まれます!
    モノクロ版観劇。素晴らしかった!最初から最後まで紡がれ続く言葉。最初から最後まで動き続ける登場人物。少人数の利点をとてもよく利用した演出が人数以上のパワーと奥行きを感じました。加藤さんの演じ分けが凄かった。とても完成度高い作品だと思います。カラー版も観たくなった!

  • 満足度★★★★★

    モノクロ版観劇
    もう素晴らしいの一言に尽きる。最近の天幕旅団,それはもう素敵な舞台を見せてくれており,最初から期待はしていたのだけど・・・3年前にもうこんな舞台を作っていたのね。ホンは完璧でしょう。そして,モノクロ版はオリジナルと同じ演出とのことだけど,演技は磨き上げられているんでしょうね。表情,動きの緩急,間,魅せ方,もうゾクゾクしちゃいました。期待以上のものをみせてもらいました。こうなるとカラフル版,気になるよね。同じ物語が全く違う舞台になるっていうんだもの。それも,このメンバーで演じるんでしょう。無理をしてでも,絶対,リピーター割引当日券で飛び込んで観てやる!そう決意をするくらいの見事な舞台でした。

このページのQRコードです。

拡大