かべぎわのカレンダリオ 公演情報 かべぎわのカレンダリオ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-19件 / 19件中
  • 満足度★★★★

    A→Bの順で観劇
    A公演「マレーネの晩秋」→B公演「ラウラの夏」の順で観劇。

    ABと作品は分かれてるが、確かにもう一方の作品を見てると人物がわかってるのでより楽しめるが、片方だけでも楽しめる作品にはなってた。

    ネタバレBOX

    「マレーネの晩秋」
    ハードボイルドでカッコよくて、ヒリヒリする。それでいて、ほのかな恋?もありなど。どのキャラもその世界を見せてくれたし、音の光の融合が更に世界を深めてた。今回も映画見てるようでした。

    「ラウラの夏」
    メディ作品とのことであったが、うん、コメディでした。それ以上に、A公演「マレーネの晩秋」と同じ時間軸の作品と思えなかった(笑)
    コメディ作品とは言え全編通してコメディではなく、そこはオンオフをきっちり分け作品自体はしっかりした物語でした。ただ個人的には、学校単独のシーンが合ってもよかったかなと思った。
  • 満足度★★★★★

    今更ですが(^^;;
    変わらずのバンタム節て哀愁あるお話でした。バラキの想いが切なかった。カレンダーの気持ちが痛かった。カレンダー。彼のまた違った一面がみれてよかった。牧島さんのバラキが似合いすぎててよかった。ひとつのチームの公演しかみれなかったけど、観にいけてよかったです。

  • 満足度★★★★★

    B→A観劇
    カレンダリオ観てきました。
    今回は一回ずつしか観れませんでしたが、十分堪能できました。
    Bを観てからのAでしたが、この間のシーンがBで起こった物語なのかとすぐさま納得でき、時系列も分かりやすかったです。
    Bは本当笑わせてもらったし、Aは銃声がよく鳴り響きバンタムさんらしい重みがありました。
    特に一番印象に残っているのは神父さまの銃を扱うところです。あの動きがかっこよくて惚れ惚れしました。

    小さい劇場だったので熱が伝わってきて見ごたえありましたが、雨の音が煩く感じたのでもう少し音量の設定を考えていただきたいかなと個人的に思いました。

  • ありがとうございました!
    【かべぎわのカレンダリオ】ご来場ありがとうございました。A公演にてヴェンチュラ役を演じておりました、劇団6番シードの土屋と申します。
    ご来場くださいますお客様のありがたみ。又、こうして楽しんでくださった方のあたたかいコメントを拝見し、大変嬉しく思っております。無事に千秋楽を終え今はほっとしております。今後ともバンタムクラスステージさん、また各キャストを応援ください。

    次回7月1日~5日まで笹塚ファクトリーにて【アンソロジー ~このうたにねがひをこめて】という作品に、今作の主演だった福地くんとわたくし土屋とで客演して参ります。お時間がございましたら、次回出演作品も観劇くだされば幸いです。

    この度はご来場くださいまして、本当にありがとうございました!

  • 満足度★★★★★

    ネホリーハホリー☆
    (^^)/ 5月21日の夜、池袋で
    [バンタムクラスステージ]の
    「かべぎわのカレンダリオ」A公演【マレーネの晩秋】
    を観てきました☆
    面白かったです!
    極上のハードボイルド♪
    物語のそれぞれの人間模様、
    役者さんたちの演技力、
    演出の上手さ、
    これぞ、バンタムの魅力!
    観劇日記をブログに書きました。

  • 満足度★★★★★

    A ⇒ Bになっちゃいました。
    結論から言いますと、B ⇒ Aが良かったかも?世界観をある程度認識してから、ハードなAへ行くべきでした。

    AのスピンオフがBみたいな位置づけだと思いますけどね。


    最初からAですと、身長高い男性役者2人が被ってしまい、今でもちょっと混乱。詳しくはDVDにて確認をば。6Cの椎名さんが、しっとりとした役だったので、驚き!(水玉ワンピはかなり反則かも?)自劇団でも、あんな味はいかが?当劇団主宰の先見の明を感じました。親方?を好演された、ガラかつとしさんがとてもステキでした。皆さんお疲れ様でした!

  • 満足度★★★★★

    あなたはA⇒B派?僕はB⇒A派(観劇順です)
    Bに引き続きA「マレーネの晩秋」観劇。

    フライヤーか何かに載ってて気づいたんですが、
    A110分、B70分だったんですね。

    作品自体もゲームで言えば
    Aが本編、Bはファンディスク的なものと感じました。


    で、観る順。
    (自分はB⇒A順だったので想像ですが)

    A⇒Bが本来正しい観賞順(#1、#2ですし)
    (A本編を見て、気に入ったらBであの人達のその後、を更に楽しむ形)

    B⇒Aは本来邪道なのでしょうが、自分はこれが逆に効きました。

    Bで表の顔と少しだけ裏の顔を眺めた人物達について、
    Aで知らなかった事実(伏線的な要素)を
    どんどん驚きながら回収していくという。

    だから「A⇒B⇒A」って言ってたんだな、あの人。
    (両方の楽しみ方が出来るから)。

    ※ 「かべぎわのカレンダリオ」で絶対にやっちゃいけない観劇方法。
      Bだけ観て「こんなものか」と判断してAを観ない。

      Aを観て同じ判断を下すのは仕方ないですが、
      Bはあくまでファンディスク、
      本編Aを観ないと観劇者として「完全燃焼」出来ず、
      「かべぎわのカレンダリオ」の面白さとカッコ良さ、
      作/演出の観せたかったものが正しく伝わらず、
      正当な評価が出来ないんじゃないかしら。


    で、感想。
    A「マレーネの晩秋」はBとは打って変わって
    光と闇、表と裏の世界が交互に映し出される
    かなりシリアス、ハードボイルド(?)寄りな世界。

    (ネタバレは避けるとして)
    メイン役から脇役までしっかりとした背景と感情の機微が
    設定/表現されている、
    非常に細やかさを感じさせる脚本/演出、
    そして何より各人の演技
    (特に大人でダークなカッコ良さの表現)が素晴らしい。

    メイン役はもちろんサイドの方の思わぬ一言や行動に
    漢(おとこ)と女、それぞれの美学が込められている、
    とても豪華なハードボイルド世界でした。
    (ある意味古き良き時代のルパン三世も入ってるんですよね( ´ー`))


    で、裏世界(マフィアの世界)から表世界(映画館スタッフと観客達)からの
    切り替わり、起伏と緩急のバランスが見事で
    恐ろしいほどの緊迫感を味わった後に、
    ほどよいゆるさで笑わせてくれる、
    かなり観客の「感情操作」が上手な舞台でした。


    ※ ただ、シアターKASSAIの前席のパイプ椅子。
      2劇続けて観劇したらどんどんどんどん
      お尻が痛くなってきてまいりました。
      しかも椅子の足がゆがんでいるのか
      ちゃんと固定されておらず、
      体重移動させると音が鳴ってしまって・・・
      (座布団しくなど工夫はしてくれていたのですが)

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ほとんど感想は表に書いてしまいましたが、

    ※ ちなみにカレンダー(カレンダリオ)は
      主役の殺し屋兼映画館の会計士の名前です。
      感想書いてて「こりゃ観てない人は意味分かんないな」と思ったので説明おば。


    ・ 「かべぎわのカレンダリオ」という言葉の意味が分かりました。
      かっけー、ハードボイルド小説の主人公って感じですわ( ´ー`)


    ・ この舞台(A、B)は、単に映画館での出来事ではなく、
      「映画」というものを物語の重要なキーワードとして使っている。

      ・ マレーネがカレンダーに好意(「おじさま」としての)を持つのも「映画」つながり。

      ・ 引退したマフィアボスの「映画」にかけた想い。
        そして、カレンダーが「映画」に詳しくなった理由。

      ・ マフィア兄の妹との真実のつながりを示す父の「映画」。

      ・ 神父の「何故あの娘(マレーネ)を殺さない?」の問いに対する
        カレンダーの答え。

      なんか、趣味「映画」ってだけでカッコ良く思えてしまいそうです( ´ー`)


    ・ 思わぬ裏設定(事実)
      ※ 多すぎるので覚えているものをいくつか

      ・ 映画技師と見習いはカレンダーが殺し屋である事を知って、
        なおかつ殺した死体の処理に手を貸していた(ちょっと怖い・・・)。

      ・ あの口うるさいだけのマネージャー(?)が
        マレーネの父(元マフィアボス)に娘の警護も
        任されたマフィア(?)だった。


    ・ 「ボス」と呼ばせた男が生み出す舞台上の緊張感がすごい。
      映画館の温かみのある場面を一転して
      マフィア達の恐ろしい世界に変えてしまう
      あの力に溢れた演技は素晴らしい。
      (そしてそれを途中退場させてしまう脚本がすごい、「アッ!」と驚く。)


    ・ 同時に映画館場面でほのぼの、笑える空気を作ってくれる
      各映画館スタッフ陣とぽっちゃりの観客さんのやりとりが素晴らしい。


    ・ カレンダーが「映画に詳しい殺し屋カレンダー」になるまでの過去が深い。


    ・ マフィア兄の、妾の子としての母親の死への復讐に始まり、
      カレンダーの過去から自分と重なるものを見出し、
      カレンダーの心を掌握しようとする行動。
      そして、父達が作った「映画」を観ることで
      義理の妹と自分との関係に対して生まれる葛藤の表現が演技含め見事。


    ・ (名前分かるので出します、「サイショさん」)
      単なる「ボス」の手下に始まり、
      かつて自分が子犬の件などでマフィア兄と
      非常に親しくしていた事を思い出し、仕える事を決意する。

      そして物語最後、映画館の抵当権書類をマレーネに渡し、
      マフィア兄の近況と
      「カレンダーはきっと戻ってくる」と予言して去っていく、
      マフィア手下はテライケメン( ´ー`)


    ・ マフィアから足を洗い、酒と映画の毎日を過ごす
      元マフィアボスに少々愛想をつかし、
      その上元マフィアボスの(かつてのマフィアとしての)
      面影を見た事からマフィア兄に協力する殺し屋「ピアス」。


    その他多くの役がみんながみんな
    ハードボイルド的(?)に「かっこいい」存在でした。


    ? 分からなかったのは、
      カレンダーが元の人格「ダンテ」だった頃、
      妹を亡くした事を何故元マフィアボスのせい、として恨んでいたか。
      (結局助からなかった、とかそういう事じゃなかったんですかね、
      直接的に元マフィアボスの何か悪の手が伸びたんですかね。)

      そして何故その記憶を失ったか。


    バンタムクラスステージさんをコメフェスで初めて観た時、
    「僕らの本来のスタイルは結構シリアス目な作品なんですよね」
    と言っていたのですが、
    その意味/劇団の本来の作風が非常に良く分かる良作でした。

    ただ、観劇順情報は欲しかったなあ。
    (Bだけ観て帰る、をやってしまう可能性があったので・・・)

    PS.他の方の感想を読んでいて「ああっ!」と驚いてしまいました。
      AとBって同時間軸内の物語だったんですね。
      どうりで「同じ芝居」が入ってる訳だ。。。

      自分はてっきり、Aが終わった後戻ってきたカレンダー達の日常が
      Bだとばかり思ってました。。。まだまだ観劇眼が足りないなあ(´;ω;`)

  • 満足度★★★★★

    A 納得のハードボイルド
    A公演 マレーネの晩秋 観劇。
    ラウラかわいいよ、ラウラ。←
    マレーネの宮島小百合ちゃんがとてもヒロイン力高くて、ラススマも楽しみ。バラキ牧島さん(StudioLife)を見れたのも嬉しいな。神父小川さんかっこよすぎだろう…ピアスとの対峙とかさ…
    先にBを見てから、今日のAだったので、数日反芻して溜まった謎が解決されていったのもアハ体験だったし、バンタムの特徴とも云われてるヒリヒリしたシリアスな展開も良かったな。
    完売続出も納得の公演でした。
    確かにA→Bの順の方がよかったかもねぇ。

  • 満足度★★★

    B⇒A順で観劇する事になり、本日B観劇時点での評価は凡ダッシュ
    B「ラウラの夏」観劇。

    自分にしては珍しいのですが、
    CoRichやツイッターでの本劇の評判の高さを聞いて
    慌ててチケット予約。

    5/24(日)朝からの公演順がB⇒A⇒Bとなっていた事、
    早い時間から観たかった自分は、
    (A⇒Bの順じゃないと問題あるんじゃないかな?)
    とは思いつつ、B⇒Aの順での観劇を選択しました。


    フライヤーで基本設定を知り、
    観劇を開始してすぐからの流れ、

    「アレ?フライヤーの説明での空気感とは違う?(全然明るい?)」
    と演技に笑いながらもその辺りに違和感を感じていました。

    しかしその後、舞台の暗転ごとに見えてくる
    同じ世界を違う角度から見たかのような雰囲気の切り替わり、

    そして一部メイン役の表と裏の顔が見え隠れするさまに
    「面白そう!」とは思えたのですが、
    「面白い!」と断定できませんでした。

    70分という短い時間の中でそれなりに動く物語展開、
    しかし感情がどうにも引っ張られきらない、
    それは何故?


    そう、気になっていたメイン役達の隠された背景が
    (全部)表に出てきてないのです。


    そして気付きました。
    共通キャストになっているこのメイン役達、
    この背景を知るには
    「やはりまずAを観る必要があったのではないか?
    その上でBを観るからこそB自体に
    すんなり入っていけるのではないか?」

    終演後、近くの観客の方が言ってました、
    「A⇒B⇒Aなのよ」と。


    また自分の「やっちまったなあ」系のミスです。

    きっとAでメイン役達の背景(過去)に触れて、
    そしてBでの展開を楽しむのが正しい観劇スタイルだったのかな、と。

    ※ つまり本作品は
      「A+B合わせて1本」、

      単独して1本で成立した作品というよりも、
      両方、順を追って観る事により
      面白さが格段に上がるタイプなんじゃないかな、と
      (特に後編的な位置にあるBは単独では成立しないのかと)。


    そういう意味で残念ですが、
    今の所Bを先に観ちゃった時点での評価は凡ダッシュ、
    いい所もあるけど、ちょっと物語の世界が自分には捉えきれていない
    (Aを観てない為)、という感じでしょうか。


    次にAを観たら自分の中のA+Bの総合評価が
    変わるような気がします。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 異国系の舞台での役の名前って
      何か特徴や「きっかけとなる出来事」がないと
      覚えにくいんですよね、

      そういう意味で最初、
      「どっちがマレーネでどっちがラウラだっけ?」
      と何度も分からなくなってしまいました。


    ・ 単なるキッチリタイプの映画館会計士、とみせておいて
      実はマレーネの頼りになる「おじさま」にして、
      「??(A観てないので背景不明)の元殺し屋」

      マレーネのピンチにかけつけ、
      殺し屋3人向き合う場面、
      すごく「いい空気感」を出した所で暗転。

      ※ Aを観てない自分は結局この会計士の
        隠された事実を知る事が出来なかったのが痛いです。
        そして、マレーネ、ラウラの義理の姉妹についても。
        (特にマレーネが命を狙われた理由が・・・)

        Aでそこが分かっていると
        多分短い時間で展開する各場面各場面について、
        もっと感じるもの、吸引力が高まったものと思われます。


    ・ 話が横にそれますが、
      イタリアの古い映画館のくだり、
      イタリアでの映画鑑賞は途中に休憩をはさんで
      ジェラートを楽しむ、というアレ、
      想像して「とてもいいアイデアだな」と思いました。

      日本の映画館は収入のほとんどをフード類の販売に頼っているとの事。
      だからポップコーンなどが売れるのは大いに結構なのですが、
      問題は映画観賞中にみんながそれをバリボリ食べる音。

      映画の構成方法に工夫が必要ですが、
      途中に休憩を挟んで
      小腹がすいたりのどが渇いたりしたみんながフード(ジェラート)を楽しめる、
      そんな観劇スタイルに変わったら
      自分ももっと映画+フード類を楽しめるのかなあ、と。


    ・ 先生が「8月の○○(映画のタイトル忘れました)はいい、
      亡き妻と最後に観た映画です」と語ったシーン、
      ちょっと涙腺引かれました。

      そして自分としては最初から気になっていましたが、
      せっかく世に生み出された1本の名作に、
      他人が勝手に手を入れてしまう行為、
      それを「今更だけどやっぱり良くない!」と
      いうマレーネの気持ちには同感です。


    ・ あの女教師は出てきて男先生とモメる段階から、
      「きっとこの2人はデキてる、
      あるいは最後に結ばれる存在なのだろう」
      と早い段階で勘ぐってしまいました。

      まあ、その後の流れで
      「もしかしてやっぱりラウラと??」と
      場面を観ていていろいろと想像を楽しめる形に
      物語を展開してくれたのは良かったです。



    さて、これからA「マレーネの晩秋」観劇。
    「かべぎわのカレンダリオの本当の力を見せてもらおうか!」( ´ー`)

    PS.☆は3つですが、
      「続き」(本来逆ですが)が観たい、
      舞台上の演技は良かった、
      という意味で「お薦め」に入れさせていただきました。
  • 満足度★★★★

    B公演からのA公演
    B公演わ、良い意味で細川作品っぽくない「静」の舞台で、A公演わ銃声鳴り響く「動」の舞台、両方の作品を見てこそ、物語の面白さを感じれると思う。
    個人的にわ、B公演を見てからA公演を見たほうが、時間軸がわかりやすいと思う。
    AとBでわ、演者が違うだけじゃなく、物語も違うので、どちらか一方だけでわ面白さが半減するので無理してでも両方見ることをお勧めします。

  • 満足度★★★★

    洗練された舞台
    AB両公演観劇しました。
    バンタムクラスステージの持ち味をギュっと凝縮しつつ、見事に洗練された非常に上品で美しい舞台でした。ハードボイルドでマフィアや殺し屋が出てくる芝居に「上品」という言葉は似つかわしくないかもしれませんが、舞台上にうみだされる凛とした空気が癖になる。
    とくに感嘆したのは場展のときの役者さん方の出ハケ。姿勢、足どり、ルート、薄闇のなかで動く人影がこんなに美しく整然としていることに感動しました。
    もともとバンタムクラスステージの場展は大好きでしたが今回は本当に鳥肌もの。
    物語面では、今回初めてバンタムクラスステージの作品を観るひとをかなり意識されたのかなぁというのが第一印象でした。

    ネタバレBOX

    個人的な好みとしては、もう少しメインの登場人物の心理描写を深く描いて欲しかったな、という気持ちもなくはなかったです。この辺は本当に人それぞれだと思いますが。
    それでも十分に見応えのある生きたキャラクターを表現しきっている役者さん方の力量には脱帽。宮島さんは愛されるヒロインを見事に体現されていて、だからこそ周りを取り巻く人々の感情の動きにも説得力が生まれていたように感じました。家族想いの青年から冷酷な殺し屋へと身を落とした(劇中での表現は倒置でしたが)主役の福地さんは静かな演技の中でも実に雄弁に感情表現されていて流石のひと言。
    傍を固める人々もみなさん素晴らしい方ばかりでしたが、とくに上杉さんとガラさんの存在感は実に物語に重みを持たせてくれていたように思います。
  • 満足度★★★★★

    無駄のない造り、でも他人行儀でない距離感
    Aはシリアスで100分、Bはラブコメ的な70分。

    ただ、Bは日替わりゲストなので多少前後するようです。
    開演前に制作さんが「ゲストの具合で多少前後します」と。
    具合…観てみると確かに具合だな、と(笑


    一つの言葉に複数の意味を持たせたり、
    センスのよい言い回しで構築された会話は
    映画を見ている気分になります。

    それを目の前で生身の役者さんが演じているので、
    ライブならではの温度や息づかいが感じられて、
    作り込まれているのに「他人事」にならず、
    のめり込めました。

    登場人物たちは過剰に過去を描かれたりすることはないのに
    彼らの仕草や話し方から
    今までの人生や、他人への感情が透けて見えるのも見事でした。

    場面転換が多めですが、暗転ではなく
    薄暗がりのまま人物を中心に背景が転換するので、
    集中力が削がれることがなくて良かったです。

    でも小難しい訳じゃなく、1回観劇で満足できるつくり。
    (回数を重ねるごとに新たなる発見があって、
     それも楽しい要素ですが
     本筋は初見でキレイに落ち着きました)


    ABセット券で観劇したとき、
    A観劇時に、チケットとは違う「B引換券」が一緒に渡されて、
    もう片方の時もお金は払わないけど受付に行くんだなというのが
    説明されなくてもわかって良かったです。
    (整理番号のもらい忘れ防止)

    チケットだけ2枚渡されて、
    「これってもう一度受付通すのですか?」と
    受付のスタッフさんに尋ねてしまう公演が多い中、
    いいシステムだと思いました。
    引換券にも
    「もうひとつの公演の予約はお済みですか」などと書いてあり
    親切な心遣いだなぁと。

    ネタバレBOX

    自分がAから観たからかもしれませんが
    「この人にはこんなシリアスな事情が…」よりも
    「この人にはこんなお茶目な面が!」のほうが好きだったので
    A→Bで観てよかったかなと思いました。


    Aでカレンダーをかくまっていた神父の
    「7日間で外の世界はずいぶん変わった」という言葉が
    旧約聖書を下敷きにしているようで、
    彼の職業と相まって格好よかったです。

    Bでの崖の表現は、
    舞台ならではで「こういう演出が観たかった!」と興奮しました。
    あとAの、「実際に戦う侵入者」と
    「脳裏に浮かんだ映像」がリンクするような演出も好きでした。

    地名が出てきますが、
    「○○なんてすぐ近くじゃないか!」などと使われるので
    地理に詳しくなくても全く問題ないのが親しみやすかったです。

    Bもただのコメディで終わらせず、
    ほろりとさせたり教育的だったりで胸に響きました。

  • 満足度★★★★★

    上質の舞台
    A→B 両公演観劇。(この順がお勧めですね。)
    ハードボイルドな復讐劇のA公演、スピンオフ的なラブコメディのB公演と
    どちらも面白く、世界観が備わっている上質の舞台でした。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    A公演 「マレーネの晩秋」 
    引退したギャングのボスの息子が舞い戻り、父を手始めに復讐を始める。
    現在のボス、殺し屋、ギャングの手下がそれぞれの思惑で、この硝煙漂う復讐劇に身を投じていく。
    死んだボスが守りたかった古い映画館とそこで働く愛娘もこの騒動に巻き込まれていく話。 各人物が実に良くキャラ立ちしており、恰好良い。
    明るい映画館関連と、薄暗いギャング側周辺も照明、音響含めコントラストに描かれより世界観を出していて楽しめました。
    主人公のカレンダーの幼少期の話なども含め奥深い素晴らしい脚本でした。

    役者さんは皆好演でしたが、やはり陰影あるカレンダー役の福地教光さん、凛としたマレーネ役の宮島小百合さん、ヒステリックなボス役の土屋兼久さん、復讐にひた走るバラキ役の牧島進一さん、そして深みのあるピストーネ役の上杉逸平さんが印象的でした。

    イタリア、ギャング、裏切り、硝煙、映画館と言葉だけでも先日の観劇が思い出されます。何度も観てみたいと思う上質の舞台でした。


    B公演 「ラウラの夏」
    A公演後に観たのですが、時間軸としては丁度「マレーネの晩秋」の序盤から中盤辺り。ギャング色がだいぶ薄まり、基本映画館が舞台。
    ラウラの元先生であるダドリーニ先生の現在の教え子達に映画を見せてやりたいという話がマレーネ達の映画館を巻き込み展開する。
    そこに、A公演ではすぐに消えてしまった(笑)サルディニアの死神の異名を持つ殺し屋モルテも加わりダーティな面も少し残してある。
    ラウラの恋愛を助けようとするマレーネやアルフレド等の気遣いが暖かい。

    あ、このシーンはそうか、こういう前振りがあったのか等、スピンオフ的に楽しめるので、観ると先の「マレーネの晩秋」がより楽しめる作品。
    A公演では見れなかった、マレーネやカレンダーの少しコミカルな面に代表されるそれぞれの違う一面を観られるのが楽しい。

    楽しい舞台で役者さんも楽しんでおられるようでしたが、B公演では大活躍のモルテ役の渡辺慎一郎さん、分かりやすい性格のジーナ役の緒方ちかさんが印象的でした。
    そして、当日ゲストの平野勲人さんはだいぶ笑いを運んできてくれました!

    A,B公演どちらも面白く、またスピンオフ的なものやそれぞれの続きが観てみたい作品でした。
  • 満足度★★★★★

    B ラウラが可愛すぎて夏。
    B公演【ラウラの夏】

    バンタムクラスステージ かべぎわのカレンダリオ B公演観劇。
    70分と短い中に物語の展開も思いもしっかり詰まってた。ホッとしてキュンとする。
    バンタムの福地さんがかっこいいのは当然ですが、亜音さんが超絶可愛いから見るべき。そして渡辺さんのかっこよさに悶えた。あのヒール役、しびれる。

    亜音さんとの面会、ラウラかわいいbot と化していた。←
    だって乙女だったんだもん…。
    しんにぃこと渡辺さんの役みたいな、キリッとしてて影のある人、ツボなんだよね。ヒールなら尚更。三竦みの場面、背筋ゾクッとしたもん。
    小川さんの神父も、ズルいなぁ。貫禄とでも言うべき、あの雰囲気。しかも闇落ちしてるんだからハンパない。
    ライツの林梨沙子ちゃんも、若さ溢れてて似合ってたなぁ。

    照明が素敵でした。舞台セットに組み込まれた透かしが美しい。窓の射し込む陽、教会の十字架、立ち位置のスポット、全部計算された芸術。

    あと、段差の演出、ほんとに高さの違いあったなぁ。

    変態発言なのは百も承知だけど、ハケが美しい。

  • 満足度★★★★★

    美しいバンタムクラスステージ、健在
    舞台は総合芸術、そう感じることのできる公演はあるにはあるわけだが、とりわけそれを感じる公演。
    キャストのたたずまい、声、語る言葉の抑揚といった役者の魅力に、音響、照明、舞台美術、音楽。そして、場面の構成。物語。物語に登場する人物たちに対して観客が感じるものまで含め、きっとすべてがうまく醸成されるよう計算されている。細川さんによって。

    B公演はロマンティック・コメディと謳われているだけあって笑えるように作られたシーンが用意されているわけだが、A公演もうまくガス抜きができるようなシーンがありライトに仕上がっていると感じた(もちろん重いシーンもある)。ハードボイルドタッチの長編ロマン。まさに。

    よく見かけるお涙頂戴の感動モノではない家族の物語、もっと娯楽に振れた作品である。
    ハードボイルドというエンタメを突き詰めたもの。
    ABともやさしい気持ちを持てる物語であり、くらいものに気付かされる物語でもある。かつ、キャストの個性・役の個性が際立つ作品。25日月曜日まで。ぜひ。

    ネタバレBOX

    これまでのバンタム作品とは違ったテイストになりそうとイベント(バンタムクラスパラダイス)でお聞きしていた通り。観劇後に「えっ?えっ!」とパニックになったりはしない作品。やさしい物語に仕上がっている物足りなさもあるが、しかしそれを補って余りある鋭利な語り口。観ている者を楽しませる仕掛けがたくさん施されている。
    なにより舞台美術。素舞台にパイプ椅子のスタイルに執着せず、美しい映画館を舞台美術と長椅子で表現した。高さの演出に椅子を使うのも流石。椅子やテーブルを持って整然と場転をするスタイルは放棄したが今回の場転の美しさは感動を覚えるほど。カーテンコールまで美しく整然とキャストさんたちが動く。

    ヒロイン二人にカレンダー、バラキまでが主役と見ていいのだろう。映画館で父親たちがつくった映画を観るマレーネのシーン、宮島小百合さんの演じ分けが秀逸。バラキも同じシーン、マレーネへの憎しみと憧憬が入り混じった視線からの、映像に驚く一連の流れにはっとする。
    カレンダーがピストーネに拾われるシーン、ヴァンチュラさんが卑しく笑うのが堪らない。おいしいところを持っていくマルティン、盛りだくさんな感情と動きを見せてくれるアルフレド、紳士然としているのに仔犬の意見を聞こうと言ったスタヨーラ……、挙げるとキリがない魅力的な登場人物たちと、確実に表現してくれるキャスト陣。安心して楽しめるという嬉しさを胸に、残りステージを楽しませていただく。
  • 満足度★★★★★

    ネホリーハホリー☆
    (^^)/ 15(金)の夜、池袋で
    [バンタムクラスステージ]の、
    「かべぎわのカレンダリオ」B公演【ラウラの夏】
    を観てきました☆
    面白かったです!
    コミカルなラブコメで、
    バンタムの新しいファンが増えそうな舞台♪
    A公演の【マレーネの晩秋】も絶対に観に行かなくては!
    観劇日記をブログに書きました。

  • 満足度★★★★★

    A観劇
    100分。名画の趣があって、どことなく古典的なところがかえって新鮮に感じた。味わいがあって、今後も注目していきたい劇団だ。

  • 満足度★★★★★

    A公演~銃声の意味
    いやー、大変面白かった。
    ギャングの抗争、裏切りと復讐というよくある設定なのに、
    登場人物が魅力的で魅せる。
    主人公のカレンダー(福地教光)のクールなだけでない隠れた苦悩や、
    ピストーネ(上杉逸平)の含蓄ある台詞、
    ヒステリックに怒鳴り散らしながら必死で不安を押し殺そうとするヴァンチュラ(土屋兼久)、
    日和見主義のピアス(ガラかつとし)の世渡りぶりなど
    人物像の陰影がくっきりしていてストーリーに厚みがあるのが素晴らしい。
    私の大好きなバンタムの銃声に“意味”を持たせるのは、このキャラの奥行きに他ならない。
    完璧なタイミングで放つ銃声と死に方、薬莢の乾いた音にたまらなく震える。

    ネタバレBOX

    ローマを牛耳るボス、ピストーネ(上杉逸平)が、手下のピアス(ガラかつとし)に裏切られ
    撃たれて死ぬところから物語は始まる。
    後継者ヴァンチュラ(土屋兼久)は、ピストーネが守って来た街の映画館を潰そうと計画、
    赤字を立て直すと称して映画館に会計士を送り込むが、この会計士が、
    実は殺し屋のカレンダー(福地教光)だった。
    ラウラ(椎名亜音)とマレーネ(宮島小百合)が二人で切り回す小さな映画館は、
    会計士の指示で少しずつ売り上げを伸ばしていく。
    マレーネの暗殺を命じられたカレンダーの真意はどこにあるのか。
    やがてマレーネがピストーネの娘であることや、カレンダーの悲痛な過去が明かされる…。

    舞台上で殺し屋ほど魅力的な役はないと思う。
    究極の緊張を伴い、人としてある部分が欠落していなければできない職業だけに
    その抑制の効いた行動とコンプレックスのギャップがアンバランスで面白い。
    カレンダーもその一人で、自信たっぷりだったかと思うと弱々しい過去を晒したり
    会計士として誠実に腕を振るったかと思えば、女の殺し屋をあっさり葬る。
    福地さんはその振れ幅が大きくてきれいなのが最大の魅力だ。

    ピストーネの映画に関する深い台詞もいいし、
    裏切者ピアスの日和った生き方も味がある。
    神父で殺し屋という超アンビバレントな職業を自在に行き来する男も面白かった。
    演じる小川大悟さんの2丁拳銃がかっこよかったし、カレンダーを助ける男気がいい。
    サイショモンドダスト★さんの抑えた声と崩れない姿勢が、とても印象的だった。
    女優さんがみなクラシックな雰囲気を持っていて綺麗。

    スピーディーな場転と出ハケ、時間と場所を瞬時に切り替える照明も効果的で
    教会の場面や回想シーンなど映画のようにドラマチック。

    結局マレーネを守ろうとした男たちは、誰かに守られて生き延びる。
    それが最後に温かな手触りを残すので、途中結構凄惨な場面もあったはずなのに
    何となくめでたし感を以て終わる。
    細川氏の向日性が感じられてちょっと嬉しい。
    カレンダーがいつか客席に座る日を、私も密かに待っている。


  • 満足度★★★★★

    ラウラの夏
    表題のようにさわやかな姉妹のしぐさが印象に残った舞台でした。
    一か所普通の舞台演出ではなかなか見ない演出法があり、なるほど!と手を打ったシーンがありました。
    あれは、舞台が狭いから取った手法だと思うのですが、横に二つのシーンが並べてあるのにちゃんと立体感が出る仕組みになっていてGOOD!!でした。
    舞台の尺もちょうどよく気持ちよく拝見できました!
    ありがとうございます。
    ゲスト出演の高田さんの演技もコミカルで面白かった♪
    A公演も早くみたい!!

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