満足度★★★★★
美しいバンタムクラスステージ、健在
舞台は総合芸術、そう感じることのできる公演はあるにはあるわけだが、とりわけそれを感じる公演。
キャストのたたずまい、声、語る言葉の抑揚といった役者の魅力に、音響、照明、舞台美術、音楽。そして、場面の構成。物語。物語に登場する人物たちに対して観客が感じるものまで含め、きっとすべてがうまく醸成されるよう計算されている。細川さんによって。
B公演はロマンティック・コメディと謳われているだけあって笑えるように作られたシーンが用意されているわけだが、A公演もうまくガス抜きができるようなシーンがありライトに仕上がっていると感じた(もちろん重いシーンもある)。ハードボイルドタッチの長編ロマン。まさに。
よく見かけるお涙頂戴の感動モノではない家族の物語、もっと娯楽に振れた作品である。
ハードボイルドというエンタメを突き詰めたもの。
ABともやさしい気持ちを持てる物語であり、くらいものに気付かされる物語でもある。かつ、キャストの個性・役の個性が際立つ作品。25日月曜日まで。ぜひ。