かべぎわのカレンダリオ 公演情報 バンタムクラスステージ「かべぎわのカレンダリオ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    上質の舞台
    A→B 両公演観劇。(この順がお勧めですね。)
    ハードボイルドな復讐劇のA公演、スピンオフ的なラブコメディのB公演と
    どちらも面白く、世界観が備わっている上質の舞台でした。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    A公演 「マレーネの晩秋」 
    引退したギャングのボスの息子が舞い戻り、父を手始めに復讐を始める。
    現在のボス、殺し屋、ギャングの手下がそれぞれの思惑で、この硝煙漂う復讐劇に身を投じていく。
    死んだボスが守りたかった古い映画館とそこで働く愛娘もこの騒動に巻き込まれていく話。 各人物が実に良くキャラ立ちしており、恰好良い。
    明るい映画館関連と、薄暗いギャング側周辺も照明、音響含めコントラストに描かれより世界観を出していて楽しめました。
    主人公のカレンダーの幼少期の話なども含め奥深い素晴らしい脚本でした。

    役者さんは皆好演でしたが、やはり陰影あるカレンダー役の福地教光さん、凛としたマレーネ役の宮島小百合さん、ヒステリックなボス役の土屋兼久さん、復讐にひた走るバラキ役の牧島進一さん、そして深みのあるピストーネ役の上杉逸平さんが印象的でした。

    イタリア、ギャング、裏切り、硝煙、映画館と言葉だけでも先日の観劇が思い出されます。何度も観てみたいと思う上質の舞台でした。


    B公演 「ラウラの夏」
    A公演後に観たのですが、時間軸としては丁度「マレーネの晩秋」の序盤から中盤辺り。ギャング色がだいぶ薄まり、基本映画館が舞台。
    ラウラの元先生であるダドリーニ先生の現在の教え子達に映画を見せてやりたいという話がマレーネ達の映画館を巻き込み展開する。
    そこに、A公演ではすぐに消えてしまった(笑)サルディニアの死神の異名を持つ殺し屋モルテも加わりダーティな面も少し残してある。
    ラウラの恋愛を助けようとするマレーネやアルフレド等の気遣いが暖かい。

    あ、このシーンはそうか、こういう前振りがあったのか等、スピンオフ的に楽しめるので、観ると先の「マレーネの晩秋」がより楽しめる作品。
    A公演では見れなかった、マレーネやカレンダーの少しコミカルな面に代表されるそれぞれの違う一面を観られるのが楽しい。

    楽しい舞台で役者さんも楽しんでおられるようでしたが、B公演では大活躍のモルテ役の渡辺慎一郎さん、分かりやすい性格のジーナ役の緒方ちかさんが印象的でした。
    そして、当日ゲストの平野勲人さんはだいぶ笑いを運んできてくれました!

    A,B公演どちらも面白く、またスピンオフ的なものやそれぞれの続きが観てみたい作品でした。

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    2015/05/19 17:19

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