追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】 公演情報 追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
21-39件 / 39件中
  • 満足度★★★★★

    期待通りの秀作でした
    常に、満足度の高い作品を観れるので、見逃せない。そんな期待を裏切る事のない、素晴らしい作品でした。

    国、抱える過去、逃れられない現実、立場により、それぞれのの正義も変わってしまう。矛盾や痛みを抱えても、良心を信じたいと思いました。

    いつもの但し書き通り『史実を元にしたフィクションです。』だが、過去の物語でありながら、現在そして未来へと語りかける威力は、絶大でした。

    ネタバレBOX

    高低差(低めの2階建て位の高さ?)のあるセット、三ヶ所に階段があり、劇場空間を上手く使っていた。そのため、時空間、場面転換が、解かりやすく、とても良かった。
    階段の上り下りの音も、効果音として、とても活きていた。

    その上方に浮かぶ、木のオブジェ的(?)、クロスした木と、やや離れた並行に2本。入場して、ぼんやり十字架を思い描いていたが、観劇後、作品のイメージ通りだったと思った。

    全役者さん、素晴らしかった。

    豊川夫妻(佐藤誓さん、月影瞳さん)同じ痛みを分かち合う夫婦、素敵でした。

    中垣主席検事(岡本篤 さん)前向きでムードメーカー的な感もよく、それ故、裁判結果後の別れのシーンが、心に染みました。岡本さんの今までの役のイメージと、かなり違い、驚きましたが、さすがの演技力でした。

    李人民裁判官(大内厚雄さん)、冷酷な感は、爬虫類系の質感(表現悪いけど、褒め言葉です)を漂わせながらも、強かさや、他国の傘の下に庇護されなくてはならない脆さ、歩んできた道の滲み出し方が、素晴らしかった。

    金裁判員(西尾友樹さん)見えない仲間達の魂の叫びも伝わってくる、確かな演技でした。

    朴忠男(浅井伸治さん)秘めた想いの強さ一途さ、誠実さと優しさが滲み出て、素晴らしかったです。

    脚本力、演技力を信じて活かし、無駄を削ぎ落とした演出が、作品の魅力を際立たせるのに、成功していると思いました。


  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!!!
    何回もジーンと来ました。

    ネタバレBOX

    敗戦の混乱期に拘束され人民裁判に遭った日本人の公人の一人、朝鮮総督府平壌地方法院検事局豊川三席検事を中心に、様々な立場の人々の行動と人民裁判の行方を描いた話。

    信念を持つ人、時勢に乗る人、恨みを持つ人、友情に厚い人がいました。

    プロテスタントの中には反日運動家が多いということで軒並み逮捕した結果、プロテスタントでない農民も拘束され、その家族からの釈放要請に応じようとした豊川検事は憲兵隊長と交渉しましたが叶わず、逆にその農民は拷問に遭って死んでしまいます。ソ連の影響下にある人民裁判では豊川検事の指示で拷問が行われたと主張したその家族の証言に誘導される形で審理が進行しましたが、朝鮮人を差別しなかった豊川を尊敬していた朴元事務官がその家族に当時の経緯を説明した結果、危険を冒して南から戻ってきた朴の行動を信用した農民の義父は、豊川の行動が裏目に出たことを理解し証言を翻しました。人民裁判の判決は、主席検事と次席検事が有罪でシベリア送りとなり、三席検事の豊川と四席検事は無罪でした。

    走れメロス的な友情や、恨みを持っていても論理的思考を尊んだ理性故に豊川は無罪になったのでしょうか。人民の恨みは晴らしたいが、全員を有罪にするとアメリカなどから後にリンチのそしりを受けるかもしれず、被告人の半分を機械的に有罪にするようにソ連から指示が出されていたのではないかと推察します。恐らくそんなものだったのでしょう。それまでの振りは一体何だったのかと思わせるところに混乱時の様子が表れていて皮肉でとても面白く思いました。

    朴は無事に南に帰ることができたのか、人民裁判を執行する側のソ連で学んだ人間と抗日パルチザン出身者がその後粛清されたか生き延びたか、シベリア送りとなった検事二人の行く末も気になるところです。

    ところで朴という姓ですが、スタート時の会話で僕と朴が混乱してなぜややこしい姓を使うのかなと思いましたが、理性的で友情に厚い人間として朴を描くことで、パククネ大統領にもそうあってほしいとのメッセージが込められていたのではないかと推察してみました。
  • 満足度★★★★

    ズシンときた
    いろいろな賞を獲った「治天ノ君」を凌駕する出来。この劇団の最高傑作と言ってよい。

    ネタバレBOX

    みんなきれいな日本語を話していたのが残念。6人の朝鮮人が出てきたけれど4人は日本語が話せたとしても訴え出た父娘は日本語は話せないだろう。前出の4人にしても話せたとしてもあんなに流暢に話すことはできまい。朝鮮人同士で話すのに日本人がいないところでは日本語で話すこともないだろうし。父娘は朝鮮語のみ、他の4人にも朝鮮語を喋らせたり日本語もカタコトにしたり(日本人役にはカタコト朝鮮語)訛らせたりすればもっとリアリティーが増したのではないかと思う。字幕にすると観にくくなるし理解力も落ちるだろうが不自然なことよりも私ならその方がいい。


    以前にも同じようなことを書いたことだが、この劇団(作家)は実際に起きたことをベースにそれを脚色して構築することを得意(それしかしていない?)としているが、やはり純正オリジナルの作品を手掛けてほしいしそれが観たい。演出もいたってシンプル(脚本の内容からそうせざるをえないのだろうが)でおもしろみに欠ける。このような演劇がこの劇団の目指すスタイルならば仕方ないしこの作風でのしあがってきたのだから当面は変えないかもしれない。が、演劇はもっといろんなころできるのにもったいないと思えてしまうのだ。あと劇団名。余計なお世話だろうがやっぱり変えた方がいい。
  • 満足度★★★★★

    さすがの公演…
    当日パンフとは別に、本公演で描かれる当時の状況(年表)や台詞(語句)の説明が書かれた別冊付録が添えられ、正確に伝えようとする姿勢が好ましい。
    さて、公演は朝鮮半島を舞台に戦中(1941年)から戦後の朝鮮戦争(1953年頃)という特異な状況下における人間ドラマ。上演するには、現在の国家間情勢を考えると躊躇しそうな題材であるが、そこはしっかり向き合い重厚な作品に仕上げていた。戦争中という極限状態における不条理が丁寧に描かれ、観ている人の心魂に響く。多くの人は、誠実でありたいと願うところだが、その判断基準は時と状況によって異なる。それでも自分の信念を貫けるか…。
    「残酷な事実・現実」と「釈明する動機・状況」の溝を埋める術があるのか。過去から現在にも続く怨嗟の連鎖…人間の尊厳、国家間の友好などの美辞麗句は建前だけ。その深い溝を覗きどのように埋めて行くかを考えさせられた。

    その舞台は、後方に変形回廊のような階段舞台(時空間差の表現か)、前方に平舞台(床・地面)で、その状況が重層的に描かれる。また、当時の重苦しい雰囲気は、モノトーンの照明や低(重)音響等の技術で素晴らしい効果を上げている。もちろん役者の演技も確か。
    本当に素晴らしい公演で感動した。
    次回公演も期待しております。

  • 劇団チョコレートケーキにしかできない
    終演後アフタートークがあった回を観劇。

    アフタートークで、劇作家の古川さんが「5年後にはできないのではないかと思って。やるなら今しかないと。」とおっしゃっていましたが、今でも、このご時世の中、劇団チョコレートケーキにしかできないと思う。この劇団だからこそできたのだと思う。韓国の演劇祭で上演できなかったのは最もだろう。
    というか、むしろこれは日本でさえも、やって良かったのか?とさえ、思う。
    それほどデリケートな問題にぶつかった作品である。

    本当に、この劇団の作品は期待を裏切らない。濃厚で重厚で繊細で緻密。一人一人が主人公。どの人の気持ちも分かる。
    その時代背景の中、各人の立場、思想、思惑、役割…人間とは何か?戦争とは何か?人種とは、祖国とは、誇りとは…そういったものを考えさせてくれる。
    歴史問題(戦争責任)とかってことよりも、「人」に焦点を置く作品。

    ただ、今回の作品は、今までと違って、分かりやすくはない。着いてはいけるけれども。
    過去の作品でも、現代からのモノローグ→過去の回想、の繰り返しの多用(扱うテーマ的にそうなる)はあったが、今回は、シーンごとの時系列が前後したり、モノローグが現代からのものであったり、過去のモノローグから更に過去の回想になったりした為だと思う。

    舞台衣装の眼鏡にレンズは入れないとか、フレームは光らない素材にするとかした方が良い。
    牢獄の中では少し声が響くようにしてあった。細かいこだわり。
    客入れの音響の重低音がずっと続くのは…頭痛くなってくる。

    色々書いたけど、やはり劇団チョコレートケーキの世界観は素晴らしい。名古屋から見に来て良かった。

  • 満足度★★★★★

    追憶のアリラン
    今回も見応えあり、最初から最後まで息をつかなかった気さえする作品。見逃さず良かった。ますます大好きチョコレートケーキ!こんなスイーツ大好きみたいな感想は合わないと思うけれど、私はいつもこの劇団に忘れてはいけないことを気づかされます。
    エッシャーのだまし絵のような階段のある美術が印象的(美術:蒲田朋子)入り組んだセットで入り組んだ人間模様。
    あらゆる人たちにお勧めしたい舞台です。

  • 満足度★★★★

    とても上質な舞台
    初日観劇しました。
    ただただ、俳優さんの演技に浸り、居られる舞台。 色んなものを削ったからこそ見える、俳優陣の根っこからの芝居が興味深かったです。
    特に浅井さんの演技に目が留まり、感情よりも行動で魅せる姿が素敵でした。

    久しぶりにとても上質な現代口語演劇を観たという印象で、満足でした。
    観劇からは時間が経ちましたが
    これからも、ニュースを眺めたり、ふとした時にこの空気を思い出すのかな、と感じました。

  • 満足度★★★★★

    圧倒的な作品
    完成度の高さは他の追随を赦しません。
    テーマといい、脚本、演出、演技 圧倒的です。
    全く無駄のない台詞を訓練された役者が伝える。これぞ演劇!

    国という観念が我々を不必要な諍いに参加させているのかも知れませんね。
    個人同士の「信」で付き合えたら、多くの問題を解決に向かわせることができるのかも知れません。
    正しく生きる…当たり前の事が難しいのだと改めて感じました。が、そうせずには「信」が生じない。

    虚言に埋もれる現代に確実に一石を投じている作品だ。

    絶対に観て欲しい。

    ネタバレBOX

    月影さんが出演しているのに驚いたが、出来れば黒髪で出演して欲しいなと思いました。
    時代的にも、役柄的にも。
    それだけが不満でした。
    …重箱の隅ですが。
  • 満足度★★★★

    贅沢なのはわかってるんですが。
    緊張感がね、やっぱりよかったです。場面転換もなんかも、広い空間をうまく使っていて。ってなんか偉そうですが。
    ただなんというか、全体にすごくわかりやすくて。言葉で全部説明してくれているので、理解しやすくて、そういうのは悪くはないんですが、その分、なんというか演劇的にはいつもの濃密さが半減したかなあと。
    すごく面白かったし、考えさせられもしたんですけどね、だから贅沢な感想なんですが、わかりやすさが逆に演劇的には浅くなったかなあと。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。すごく面白かったんです。
    それはそうなんですが、「でも」っていうところがあって。
    すいません、うまく言葉にできなくて。
    すごくよかったと思うんですが、手放しで喜べない感じもあって。広さのせいですかね?

  • 満足度★★★★★

    これだけスキなく出来た作品は...
    相互の立場の違いや心情が複雑に絡み合って、目が離せないまま終演した感じでした。浅井さんに泣かされちゃった!ハンカチが必要な作品は(知っている人が少なくなったが、昔の『ぴあ』には、そんな作品にはハンカチのアイコンがついてました)あらかじめ教えて下さい!!! 当日パンフレットにあったように、相互が理解しあえて共栄できる日が来ることを祈りたいです。ぜひ、ご覧頂きたい。

  • 満足度★★★★★

    最高の舞台でした
    出演者の方から薦められて、今回、こちらの劇団さんの舞台を初めて拝見しました。
    全てにおいて素晴らしかった!
    脚本も、舞台セットも、役者さん達の演技も。。。
    2時間以上の芝居にずっと入り込んでました。

  • 満足度★★★★★

    思いつく言葉がすぐには見つからない
    終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
    真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
    何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
    役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。

    約135分。

  • 満足度★★★★★

    濃密かつ重厚な舞台
    非常に濃密で重厚な舞台でした。
    テーマ的にも重く、息苦しいくらいの緊張感で、息を飲みながらの観劇。
    2時間超えの舞台で、客席側ではただの一度、終盤で笑い声が出たのみ。(晩酌代の箇所です。)
    内容的には、個人個人の受け止め方、考え方に差異があるので、色々な意見が出るかと思いますが、観れて良かったと思える舞台でした。
    噂に聞いていた劇団さんでしたが、他の公演も観てみたいと思いました。

  • 満足度★★★★★

    目の前50cmの「熱狂」はもう見られないのか?
    今回も史実を通じて人間を描くドラマだが、期待以上に見応えがあった。同じ良心をもった人間でも立場や過去の経験によってものの見方や判断が変わり対立が生まれる。大切なのは相手の立場で考えることと思いやり。ストレートだが強烈な訴求力だ。
    これまでと違うのは舞台が広くなったこと。立体的な構成で多面の舞台を作り、照明ワークで場面を使い分けることで広くなっても臨場感が損なわれることはなかった。しかし初めて観た時のサンモールスタジオ最前列での目の前50cmの「熱狂」が忘れられない。もっともっとメジャーになってもらいたいという反面、客席との距離が開いていくのは少しさみしい。

  • 満足度★★★★

    こんなもんかな
    捻りの無い直球の作り。
    分かりやすく性善説を地で行く作劇。
    期待し過ぎたかな!?

  • 満足度★★★★★

    戦犯とは
    重厚な内容ながら面白く観劇。民族、家族愛など感じ入る素晴らしい舞台。

  • 満足度★★★★★

    ザワザワ
    心揺さぶられ…。歯痒さも感じ、自分を守る事・生きる事とは!?を考え、そして他人とは?愛情、憎しみ…、国、仲間、家族…。観劇後時間が経てば経つほど色々と想いをめぐらすことのできる作品です。

    ネタバレBOX

    かなり客席の年齢層が…。若い方々にも観て欲しいな。
  • 満足度★★★★★

    必見の舞台
    「国家」、「民族」、センシティブなテーマを、奇をてらうことなく、真摯に、誠実に作り上げた素晴らしい作品。2時間以上ありましたが、あっという間でした。
    立場や考え方の違いを超え、一人でも多くの人に見てもらいたい、そう思える舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    アリラン
    よかった。人間のいいところ悪いところを垣間見たような気がする。
    豊川検事の人間性がよかった。スーツと着物の衣装変えの速さに驚きました。照明の使い方もよかった。チョコレートケーキ。他の作品も観てみたい!

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