満足度★★★★★
期待通りの秀作でした
常に、満足度の高い作品を観れるので、見逃せない。そんな期待を裏切る事のない、素晴らしい作品でした。
国、抱える過去、逃れられない現実、立場により、それぞれのの正義も変わってしまう。矛盾や痛みを抱えても、良心を信じたいと思いました。
いつもの但し書き通り『史実を元にしたフィクションです。』だが、過去の物語でありながら、現在そして未来へと語りかける威力は、絶大でした。
満足度★★★★★
さすがの公演…
当日パンフとは別に、本公演で描かれる当時の状況(年表)や台詞(語句)の説明が書かれた別冊付録が添えられ、正確に伝えようとする姿勢が好ましい。
さて、公演は朝鮮半島を舞台に戦中(1941年)から戦後の朝鮮戦争(1953年頃)という特異な状況下における人間ドラマ。上演するには、現在の国家間情勢を考えると躊躇しそうな題材であるが、そこはしっかり向き合い重厚な作品に仕上げていた。戦争中という極限状態における不条理が丁寧に描かれ、観ている人の心魂に響く。多くの人は、誠実でありたいと願うところだが、その判断基準は時と状況によって異なる。それでも自分の信念を貫けるか…。
「残酷な事実・現実」と「釈明する動機・状況」の溝を埋める術があるのか。過去から現在にも続く怨嗟の連鎖…人間の尊厳、国家間の友好などの美辞麗句は建前だけ。その深い溝を覗きどのように埋めて行くかを考えさせられた。
その舞台は、後方に変形回廊のような階段舞台(時空間差の表現か)、前方に平舞台(床・地面)で、その状況が重層的に描かれる。また、当時の重苦しい雰囲気は、モノトーンの照明や低(重)音響等の技術で素晴らしい効果を上げている。もちろん役者の演技も確か。
本当に素晴らしい公演で感動した。
次回公演も期待しております。
劇団チョコレートケーキにしかできない
終演後アフタートークがあった回を観劇。
アフタートークで、劇作家の古川さんが「5年後にはできないのではないかと思って。やるなら今しかないと。」とおっしゃっていましたが、今でも、このご時世の中、劇団チョコレートケーキにしかできないと思う。この劇団だからこそできたのだと思う。韓国の演劇祭で上演できなかったのは最もだろう。
というか、むしろこれは日本でさえも、やって良かったのか?とさえ、思う。
それほどデリケートな問題にぶつかった作品である。
本当に、この劇団の作品は期待を裏切らない。濃厚で重厚で繊細で緻密。一人一人が主人公。どの人の気持ちも分かる。
その時代背景の中、各人の立場、思想、思惑、役割…人間とは何か?戦争とは何か?人種とは、祖国とは、誇りとは…そういったものを考えさせてくれる。
歴史問題(戦争責任)とかってことよりも、「人」に焦点を置く作品。
ただ、今回の作品は、今までと違って、分かりやすくはない。着いてはいけるけれども。
過去の作品でも、現代からのモノローグ→過去の回想、の繰り返しの多用(扱うテーマ的にそうなる)はあったが、今回は、シーンごとの時系列が前後したり、モノローグが現代からのものであったり、過去のモノローグから更に過去の回想になったりした為だと思う。
舞台衣装の眼鏡にレンズは入れないとか、フレームは光らない素材にするとかした方が良い。
牢獄の中では少し声が響くようにしてあった。細かいこだわり。
客入れの音響の重低音がずっと続くのは…頭痛くなってくる。
色々書いたけど、やはり劇団チョコレートケーキの世界観は素晴らしい。名古屋から見に来て良かった。
満足度★★★★★
追憶のアリラン
今回も見応えあり、最初から最後まで息をつかなかった気さえする作品。見逃さず良かった。ますます大好きチョコレートケーキ!こんなスイーツ大好きみたいな感想は合わないと思うけれど、私はいつもこの劇団に忘れてはいけないことを気づかされます。
エッシャーのだまし絵のような階段のある美術が印象的(美術:蒲田朋子)入り組んだセットで入り組んだ人間模様。
あらゆる人たちにお勧めしたい舞台です。
満足度★★★★
とても上質な舞台
初日観劇しました。
ただただ、俳優さんの演技に浸り、居られる舞台。 色んなものを削ったからこそ見える、俳優陣の根っこからの芝居が興味深かったです。
特に浅井さんの演技に目が留まり、感情よりも行動で魅せる姿が素敵でした。
久しぶりにとても上質な現代口語演劇を観たという印象で、満足でした。
観劇からは時間が経ちましたが
これからも、ニュースを眺めたり、ふとした時にこの空気を思い出すのかな、と感じました。
満足度★★★★★
圧倒的な作品
完成度の高さは他の追随を赦しません。
テーマといい、脚本、演出、演技 圧倒的です。
全く無駄のない台詞を訓練された役者が伝える。これぞ演劇!
国という観念が我々を不必要な諍いに参加させているのかも知れませんね。
個人同士の「信」で付き合えたら、多くの問題を解決に向かわせることができるのかも知れません。
正しく生きる…当たり前の事が難しいのだと改めて感じました。が、そうせずには「信」が生じない。
虚言に埋もれる現代に確実に一石を投じている作品だ。
絶対に観て欲しい。
満足度★★★★
贅沢なのはわかってるんですが。
緊張感がね、やっぱりよかったです。場面転換もなんかも、広い空間をうまく使っていて。ってなんか偉そうですが。
ただなんというか、全体にすごくわかりやすくて。言葉で全部説明してくれているので、理解しやすくて、そういうのは悪くはないんですが、その分、なんというか演劇的にはいつもの濃密さが半減したかなあと。
すごく面白かったし、考えさせられもしたんですけどね、だから贅沢な感想なんですが、わかりやすさが逆に演劇的には浅くなったかなあと。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。すごく面白かったんです。
それはそうなんですが、「でも」っていうところがあって。
すいません、うまく言葉にできなくて。
すごくよかったと思うんですが、手放しで喜べない感じもあって。広さのせいですかね?
満足度★★★★★
これだけスキなく出来た作品は...
相互の立場の違いや心情が複雑に絡み合って、目が離せないまま終演した感じでした。浅井さんに泣かされちゃった!ハンカチが必要な作品は(知っている人が少なくなったが、昔の『ぴあ』には、そんな作品にはハンカチのアイコンがついてました)あらかじめ教えて下さい!!! 当日パンフレットにあったように、相互が理解しあえて共栄できる日が来ることを祈りたいです。ぜひ、ご覧頂きたい。
満足度★★★★★
最高の舞台でした
出演者の方から薦められて、今回、こちらの劇団さんの舞台を初めて拝見しました。
全てにおいて素晴らしかった!
脚本も、舞台セットも、役者さん達の演技も。。。
2時間以上の芝居にずっと入り込んでました。
満足度★★★★★
思いつく言葉がすぐには見つからない
終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。
約135分。
満足度★★★★★
濃密かつ重厚な舞台
非常に濃密で重厚な舞台でした。
テーマ的にも重く、息苦しいくらいの緊張感で、息を飲みながらの観劇。
2時間超えの舞台で、客席側ではただの一度、終盤で笑い声が出たのみ。(晩酌代の箇所です。)
内容的には、個人個人の受け止め方、考え方に差異があるので、色々な意見が出るかと思いますが、観れて良かったと思える舞台でした。
噂に聞いていた劇団さんでしたが、他の公演も観てみたいと思いました。
満足度★★★★★
目の前50cmの「熱狂」はもう見られないのか?
今回も史実を通じて人間を描くドラマだが、期待以上に見応えがあった。同じ良心をもった人間でも立場や過去の経験によってものの見方や判断が変わり対立が生まれる。大切なのは相手の立場で考えることと思いやり。ストレートだが強烈な訴求力だ。
これまでと違うのは舞台が広くなったこと。立体的な構成で多面の舞台を作り、照明ワークで場面を使い分けることで広くなっても臨場感が損なわれることはなかった。しかし初めて観た時のサンモールスタジオ最前列での目の前50cmの「熱狂」が忘れられない。もっともっとメジャーになってもらいたいという反面、客席との距離が開いていくのは少しさみしい。
満足度★★★★★
ザワザワ
心揺さぶられ…。歯痒さも感じ、自分を守る事・生きる事とは!?を考え、そして他人とは?愛情、憎しみ…、国、仲間、家族…。観劇後時間が経てば経つほど色々と想いをめぐらすことのできる作品です。
満足度★★★★★
必見の舞台
「国家」、「民族」、センシティブなテーマを、奇をてらうことなく、真摯に、誠実に作り上げた素晴らしい作品。2時間以上ありましたが、あっという間でした。
立場や考え方の違いを超え、一人でも多くの人に見てもらいたい、そう思える舞台でした。
満足度★★★★★
アリラン
よかった。人間のいいところ悪いところを垣間見たような気がする。
豊川検事の人間性がよかった。スーツと着物の衣装変えの速さに驚きました。照明の使い方もよかった。チョコレートケーキ。他の作品も観てみたい!