紅白旗合戦 公演情報 紅白旗合戦」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 30件中
  • 満足度★★★★

    劇場入り口、手前の教師側・奥の生徒側の代表が一同に会して、卒業式の式次第について互いの案を通すため激論を戦わせます。
    議論はいたって真剣…なんですけど、一つ一つのセリフ、どこかトボケたところがあって、笑わせます。
    議題はいたって真面目…なんですけど、テーブルの下では陰謀・脅し・買収と、ありとあらゆる手練手管が繰り出され、その都度、うろたえ・慌てだす出席者の様子が爆笑を誘います。

    あっ、ポスターに「国旗と国歌で泥試合」とありますが、これは単なるおはなしの「きっかけ」に過ぎません。政治色の殆ど無いドタバタコメディですからネッ!

    2時間の上演時間、ほぼノンストップで笑わせる、それもギャグでなくセリフとストーリーで笑わせるコメディでありながら、中立の議長・副議長を含めて、出席者の人数が12名!
    互いに意見を出し合いながらラストの表決の際、決して全員一致ではないものの、一つの結論を導き出していく様…うがち過ぎかもしれませんが、往年の名作映画『12人の怒れる男』連想しました。

    場所は新宿・午後7時半開演ということもあってか、小劇場演劇の世界では、あまり目にしない20代後半~40代前半?の背広・ネクタイ姿の方もちらほら。そんな「オトナ」の観賞にも充分耐え得る作品、でした。

  • 満足度★★★★

    言葉の応酬劇
    会社の近くの劇場でやっていたのと、けっこう話題になっていたこと、好きな役者(川添美和さん(Voyantroupe))が出ていたので、とりあえず観に行きました。
    噂に違わず面白かった。

    ネタバレBOX

    先生と生徒会が「国旗君が代問題」で対立するわけですが、こういう「言葉の応酬劇」は、見てて飽きないよね。
  • 満足度★★★★★

    いやあ、楽しみました
    観劇中ずっと私は今楽しい芝居を観ている、いや楽しい芝居と言うか楽しいを体感しました。何度か心の中で「楽しいなあ」と呟きましたからね。
    大体、人数が多く出る会話劇は目立つ人と消える人が出てくるのですけど、皆生きていましたねえ。出来れば両側から見たかった所です。
    後から冷静になって考えるまでもなく、観劇中から脚本には小さい穴がポコポコあるなあと思いましたし、カミ噛み台詞回しもありましたが、観ている最中は特に気になりませんでした。

    ネタバレBOX

    少し襟を正したお気に入りのシーンは最後の多数決シーンですね。あの9対1には思わずニヤリとしましたし、拍手を一番初めにするのがあの人と言う流れは本当に美しかった。そして、あの流れの中での行動に対して本人も周りも何も言わないと言う演出は、圧倒的に品が良い。
    ここで、また本人が熱く心情吐露したり、周りが過剰台詞を吐いたりしていたら台無しでしたが、表情と拍手の手だけでそれを表現しているのは、正直グッとしました。
    途中、教育倫理的にはアウト?と言うシーンもこのコメディのリアリティライン的ならありですし、とにかく単純明快に面白いコメディですが、何かうっかり凄い高みまで行ってしまっている感じがしました。
    けっこうインセンシティブな問題を本当に見事に笑い飛ばしてくました。これ、個人的には傑作だと思いますよ。
  • 満足度★★★★

    面白かったが
    面白くは見れたが、「ナイゲン」程、会議を見てる感じではなかったかな。(爆笑でもなかったのもあるが)対立関係の違いなのかな。もくしは、題材は別にいいのだが、それをそうしてきた始まりの意志が見えないからか。
    また、校長が強硬な意思をもって、会議を終了してるのに、なんかなあなあで再び再開なのはちょっと納得出来なかったというか、校長の意思はそんなんだったのと感じたかな。そこは校長を折れさすシーン的なの欲しかったかも。

  • 満足度★★★★

    バラエティ豊かな笑い
    以前、「コーヒーカップオーケストラ」との合同公演で観て気になっていたアガリスク。本公演は初見。「ナイゲン」が好評だったようで、同じ会議物なので期待したがエンタテイメント感満載で楽しめた。登場したキャラクター(特に先生側)は定石通りでいかにもいそうな人物が配されているが、俳優陣の演技がキャラをさらに際立たせていて楽しい。(特に村松先生)

    笑いの面でいうと、賛成数確保のための入れ代わり立ち代わりの懐柔策が「ヒューマンコメディ」とでもいおうか、人間味あふれる笑い。議決を遅らせるための牛歩戦術が「ナンセンスコメディ」的なバカバカしさ。ラストに向けてテンポアップする校長室に両者が集結する場面がちょっと「ドタバタコメディ」チックな感じ。一つの笑いで押し通すコメディはたまに観るが自然な流れの中で笑いを変化させていく芝居はなかなか観ることがない。

    また生徒会顧問でありながらあまりやる気のなかった塩原が後半積極的に生徒会に関わっていく様、菊池に従い頼りなかった同じく生徒会顧問の川添が成長し逞しくなっていく様、また生徒会長として最後まで意見を曲げなかった熊谷など、ドラマとしてみても楽しめる作品になっている。最後はちょっとすんなりお互いに譲歩して決着した感はあるが、劇団名通り、エンターテイメントとして楽しめる、今後観ていきたい劇団が増えたなという感じです。

  • 満足度★★★★★

    あの手、この手!
    教師側古株女教師の老獪さ、弁はたつが物に靡き易い助っと学生がカギとなったが、何とか丸く収まっちゃった感強い!
    双方から繰り出す議決獲得のための施策の応酬が面白い!
    村松の演技光る!

    ネタバレBOX

    国歌斉唱と国旗掲揚が争点!
    教師側も1度承認したものを2月のいなって覆すとはいかがなものか。
    その理由が校長の「社会通念上不適切”ではお話にならない。
    とても大人とは思えない。挙句の果てには、絶対的な決定権を振りかざすとは・・・トホホ!
    女教師二人の落第ちらつかせの脅しも気に食わない。
    こんなこと教育委員会にたれこまれたら一発で終わり。
    それに引き換え、左翼教師村松の脅しに媚びない心意気は大いに感激!
  • 満足度★★★★★

    再演を期待
    結局2回しか観ることができなかったのがとにかく残念でならない。非常によく練らた脚本で笑いどころが随所にある。伏線も確りと巡らされていて回収の仕方も華麗。『ナイゲン』の発展系として会議前、会議後の情景をうまく表現。しかも、笑いだけでなく終盤の生徒たちのやりとりは、それぞれが大切にしているものに対する考えが交錯して胸が熱くなる。間違いなく逸作だと思う。『ナイゲン』同様再演を重ねることで、もっと良くなっっていくと思うので今後の再演に期待。(因みに『時をかける稽古場』も早めに再演してほしい)

    ネタバレBOX

    ただ残念なのは、前半で観た際には、演者に役が浸透していないのかセリフの噛みというよりも言い直しが多くて流れがブツブツ切れる場面があって勿体無かった。1週間後に観てガラッと雰囲気が変わっていたので、公演期間前半は恐らく役者の不安がそのまま全部舞台に出ていたのではないかと思う。初見時は、とにかく斉藤コータやボス村松、津和野諒、川添美和などがピンポイントで笑いを取っていくことで成立していた部分があって。(2度目を観ての比較として)全体的にセリフを吐いているだけの状態で脚本の面白さだけで成立していたように思える。2度目を観た際、全体的にセリフがない状態での細かいアクトが凄く目に入ってくるようになったし、熊谷(有芳)、木村(沈ゆうこ)などの生徒側の情感が圧倒的に豊かになっていて心から震えた。

    特にそれを感じたのは、序盤のつかみネタ(木村と前田のループ「いや、それは無理だね」ネタ)。初見時は津和野諒が突っ込むまで笑えない状態だったが、2度目観た時は2周目の「いや、それは無理だね」で笑えるキレが出ていた。細かい表情や言い回しが違っていたし、周囲のアクトのアシストも効いていた。しかも、このシーンで表現されている木村の融通の利かなさが、終盤の監査委員長として健気に職責を全うしようとして強硬策を主張する生徒会長の熊谷と衝突していく場面、そして、そこからのラスト熊谷が独り挙手せずに議決が決着する場面に繋がっていって、これには本当に感動した。初見時は成る程と思った程度だったあのシーンが(手を挙げないことを知っているのに)挙げなかった瞬間、鳥肌立つほど感動した。

    作品の構成上『ナイゲン』とどうしても比較をしてしまうが、全会一致の内限と多数決の連協の違い、生徒会内部の会議である内限と生徒会対教員の連協、この構造の違いが、作品の笑いのポイントの違いであり、どさまわりと熊谷が見せたラストの違いに繋がっていったのだろう。

    今作はどうやら完本が相当遅れたようなので、前半と後半で完成度の差が出ていたのは残念。再演重ねてもっと熟成させて欲しい。
  • 満足度★★★★★

    やっぱり、このスピード感だぜ!
    ボスがいい味出してる!と思ってたら、次はコータさんが、そして菊地さん、じわじわと川添さん。客演さんが頑張ってる!と思ったけど、彼らを引き出して『アガリスクエンターテイメント』のいい~テンポを刻んでいるのは、主に生徒の役の団員さんと毎度の顔ぶれだ!と気づきました。座組みが良いんだと思います。脚本のスピードについてけない人もあるかも知れませんが、演劇はおっとりばかりじゃないので。Negative なことを書かれる方は、他の公演でも不思議とNegative に感想をかかれてたりします。いや~頑張って欲しい!アガリスクエンターテイメント! 初めての方にも、ぜひおススメです!!!

  • 満足度★★★

    もどかしい
    以前コメフェスで拝見した作品が好みだったので初めて本公演を観劇。
    ・当日案内のメール
    ・役者さんの位置を示した図の掲示(座席選びの参考にするため)
    ・アンケート用紙+クリップボード
    など、気配りの行き届いた劇団さんだなぁという印象を受けました。

    面白いシチュエーション、面白い流れではあるのですが、
    微妙に(私の)笑いのツボを外れている感じでした。
    笑いたい、笑えそう、なのに笑えないというなんとももどかしい感じ。。。

    そういう意図はないとは言っても、「国旗」「国歌」ってやっぱりセンシティブな題材だと思う。
    その辺も影響していたかもしれません。

    登場人物では川添先生、淺越の2人が良かった。

    ネタバレBOX

    序盤の生徒側、教師側の駆け引きは面白かった。
    大の大人が牛歩戦術したり決を取らせまいとする姿は滑稽で良かったです。

    双方自分たちの案を通すことだけに腐心している姿と
    お互いに歩み寄り、落としどころを模索するという本来の意味での「協議」している姿の対比は良かったと思う。
    ただ、そこに至る心境の変化?みたいのが何きっかけだったのかが良く分からなかった。




    [memo]
    卒業式実施案について生徒側、教師側で意見が対立。
    国歌、国旗の扱いが争点。
    連絡協議会にかける。過半数を取った案に決まる。
    赤点や淫行ネタを元にお互い駆け引き。
    教師側がやや形勢不利な感じ。
    校長が権利を行使して教師案を採択。

    納得いかない生徒、教師?が校長室に集まり連絡協議会再開。 ←この辺の流れが良く分からず
    お互いの妥協点を探り合い、どちら側も納得できる案に落ち着く。
    校歌の2番まで歌うか、3番まで歌うかで、三度連絡協議会が始まる。
  • 満足度★★★★★

    楽しかった
    前々回の『ナイゲン』もまた観たくなった

    ネタバレBOX

    先生側 生徒側 どちらに座るか悩みました
  • 満足度★★★★★

    笑った!
    特に途中まで

    ネタバレBOX

    いったん認められた卒業式の式次第が突然学校側から拒否されたため、生徒会からの申し出により国府台高校の伝統的手法である生徒側と学校側が話し合って物事を決定する連絡協議会が開催されることになり、多数派工作が行われたものの埒があかず、最後校長が学校側の案を強行しようと裁量権を行使しようとした直前に、お互いが妥協点を見つけ出す話。

    仁義なき多数派工作のドタバタ振りや投票を遅らせる牛歩戦術など前半から中盤にかけては大笑いの連続でした。登場人物はそれぞれがキャラが立っていて良かったです。斉藤先生の分かり易いリアクションや川添先生のキョトンとしながら目をパチパチさせるシーン、松村先生の身体的特徴などベタですが最高でした。

    学習指導要領を満たすことだけが校長の本意であり、そこに気付いたか否かは別にして、卒業生の入退場を繰り返すことで妥協点が見つかり、生徒による自治至上主義者の生徒会長だけは反対しましたが賛成多数で決着しました。

    最後の連絡協議会の机の並べ方でお互いの距離感が近づいたことを表していましたが役者さんが見えづらくなったのも事実です。

    途中までが最高でした。
  • 満足度★★★★★

    ただのコメディではない
    よく出来た台本。わかりやすい演技。2時間の尺がありながら、テンポの良い会話で最後まで飽きさせない。各登場人物も個性・役割がきっちりと描き分けられ、見事です。題材の捉え方も良い加減。

    ネタバレBOX

    とても前日に完本したとは思えない、よく出来たお芝居でした。
    生徒のほうが規則や制度に固執する様は、若い人特有の潔癖さとか義侠心というものが見え、こういうことあるよなと思わせるものでした。
  • 満足度★★★★★

    初演拝見♪青春ど真ん中の青臭さ、大好きです♪
    学校行事を生徒が企画・運営し、自主自立を旨とする生徒会。
    建前をわきまえた真面目な学生たち。
    そんな中、一度は生徒会案で承認された卒業式の国歌斉唱・国旗掲揚の仕方を巡って、急に校長が手のひらを翻し、強権を発動する。
    生徒と教師の意見は平行線をたどり、事態を収拾すべく、教師と生徒の連絡協議会で調整を図るが…。

    自主自立を死守しようとする生徒、それを力でねじ伏せようとする校長。
    校長の強権を由としない教師。
    はたまた、留年をちらつかせて生徒を懐柔しようとする教師。

    教師と生徒の策略・謀略を繰り広げられ、二転三転の会話劇。
    本当にテンポ良く、青春の青臭さと純粋さを感じながら、臨場感溢れる舞台でした。
    面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    学校が舞台
    高校の卒業式の運営に関するシチュエーションコメディー。
    会話の内容がどうしょうもなく青臭かったりするが、それがまたこの劇団の特徴か。中でも、沈の才女タイプの役と,淺越の理屈っぽい役柄が特に面白くテンポよくストーリーが流れていく。いやはや何とも楽しい2時間であり、とても楽しませてくれた。

    ネタバレBOX

    終演後、次回の黄金のコメディフェスティバルの出場団体の座談会があったが、今年もアガリスク参加のこと。これも楽しみ
  • 満足度★★★★★

    「客観視して突き放して」を実感
    開場時間中に、スタッフの方が
    「お目当ての役者さんがいましたら、よく見える位置をご案内します」
    と言ってくれて、
    お目当てさんがいても1回しか観劇できない人に優しいなと思いました。

    役者さんの名前と役名が揃えられていたので
    名前を覚えるのに必死にならず、すぐに議論のほうに集中できました。
    公演を観ているだけで、
    初見の役者さんの名前が覚えられるのも得した気分でした。

    オープニングの演出からワクワクして、
    2時間があっという間、笑いっぱなしでした。
    ヤジやちょっとした会話の一つ一つにも
    「無駄話なんだけど、無駄じゃない感」があって、
    本当に今現在起きていることを覗き見ているような感覚でした。

    脚本としてこれが書かれていて、役者さんがしゃべっているのはセリフ…
    とは思えないようなライブ感で、
    次の回の公演をつづけて観たら
    全然違う展開なんじゃないかなと思うくらい空間全体が生き生きしていました。

    ネタバレBOX

    特に誰が上手とか、誰の演技が…っていうのじゃなく
    個性の詰まったあの空間で、
    鮮やかに話が展開することそのものが面白かったです。

    個人的に、淺越さんのキャラが好きでした。

    全会一致でないのが、現実的でした。
  • 満足度★★★★★

    Aga-risk Entertainmentは期待を裏切らないね!
    卒業式における「日の丸・君が代」の、コメディ(!)
    Aga-risk Entertainmentが、お得意の、会議バトル・コメディだ。

    ネタバレBOX

    新作が発表されるごとに、Aga-risk Entertainmentのレパートリーが増えていく印象。
    これも卒業時期に再演・再々演されても、また観たいと思わせる作品だ。
    学校の演劇鑑賞会とかにもいいよね。

    とても気持ち良く最初から最後まで笑い、楽しんだ。

    「卒業式における日の丸、君が代」という、一見すれすれのテーマに対して、正面からぶつかるのではなく、巧みにそれを観客に意識させながらコメディに持ち込むというセンスがいい。

    東京大空襲前日(!)という恐ろしい設定のコメディ『大空襲イヴ』や孤独死の現場を清掃する特殊清掃員を描いた『無縁バター』など、どちらもタイトルからして痺れてしまうテーマからの発想、視線がうまいカンパニーである。
    その部分を直接触るのではなく、観客には「直接部分」を頭の中に浮かべさせながら、その「周囲」の「面白いところ」に触れていくというセンスの良さがある。

    今回の作品も、「紅白旗」って、結構毒吐いてますよね(笑)。下手したら街宣車がサンモールスタジオ前にいてもおかしくない……はないとしても、このセンスからもAga-risk Entertainmentの面白さが始まっている。
    「国旗と国歌で泥仕合」「右も左もわからない」ていうリード文も好きだ。

    生徒の自主的な活動を妨げるモノに対して、ということでは、イデオロギー論争ではある。
    しかし、「(いわゆる)政治的イデオロギー論争」ではない。

    当然観客は、「日の丸・君が代論争」は頭にあるので、そこに熱くなる左派教師の饒舌さに笑い、生徒と教師の意見の「逆さ」にも、また笑うことができるのだ。

    Aga-risk Entertainmentは、チームプレイの劇団だ。
    個人の力が発揮されるが、チームプレイを大切にしているように思える。
    それぞれのポジションがしっかりしていての、戯曲なので、観ている側にも安心感がある。
    きれいに台詞や演技のバスが渡るさまは、観ていて楽しい。

    そういう意味でも「会議」という設定は、とても効いていると思う。
    過去作品の『ナイゲン』はもちろんこと、『時をかける稽古場』だって、会議モノですよね。

    少々、役者のパターンが固定してきたように思えるが、それがいいところも、ある。
    たぶん、観客のそれを刺激するのが、「委員に口の達者な淺越くんがいます」の台詞だ。
    過去の作品、特に『ナイゲン』を観ている観客にとっては、手を叩いて笑うところだ。
    だって、最初のメンバーに彼がいないのが不自然なんだもの(笑)。

    ただし、1人だけ得をした淺越くん(部屋を2つもらった?)は、もっと屁理屈、いや、ディベート、じゃなくて弁論を振るってほしかったと思う。まあ、村松先生とのバトルはなかなかではあったが。
    観客の多くも、それを期待していたのでは。

    今回の作品では、「おっ!」と思ったシーンがある。
    校長室に押しかけるシーンだ。

    校長室内での会話と、「どうやって校長室に入り、メンバーを集めるか」という話し合いが、渾然となるシーンで、ここには演出のうまさが炸裂していた。

    後半に向かって、畳み掛けることが必要なシーンなので、本当にここのリズムとスピードがいい。
    観客が深く考える前に進んでいる。
    このリズムでラストに引っ張るというのは、もの凄くうまい。
    もちろん、今までの作品でもスピード感を出していた演出はあったが、これほど印象的、かつ違和感のない演出は素晴らしい。
    演劇ならではの演出であり、舞台をライティングで区切って、さらに場所や時間の移動をさらりと見せる演出の集大成とも言えるもので、新しいワザを手に入れたのではないだろうか。

    なので、さらに次回作も楽しみになってしまう。

    ラストに、生徒会長・熊谷が、やっぱり手を挙げないというのも、好感が持てる。高校生は大人なんだから、そう簡単には丸め込められない。そして、基本、左派教師村松と校長以外は「日の丸・君が代」の扱いなんてどうでもいいと思っているのだろうし、会議は早く終わらせたい、というのが心の中の本音だろう。
    なので、折衷案が出てくれば、一気呵成に全員が乗るという図式はわかりやすい。
    生徒たちには、「あんときは、燃えたよねー」「熱く語ったよ」という「思い出」が残ればいいということなのかもしれない。というのは、高校に熱くならなかった者のひがみなのかもしれないが(笑)。

    今回の作品では、それぞれの先生たちと、生徒たちとの距離感がきちんとわかる戯曲も、生徒と教師の演技もうまいのだが、教師のほうの役者さんたちが特に印象に残った。
    1人ひとりが「いそうな」先生であり、ブレがない。最小限の人員で、必要なキャラクターを揃え、無駄も隙間もないのだ。

    特に、左派社会科教師・村松を演じたボス村松さんは、自身の劇団・鋼鉄村松でも見せたことのないような、伸びやかで、活き活きとした演技がとても良かった。「日の丸・君が代については、言いたいことがある!」という前のめり感がよく出ていた。
    菊池先生の菊池奈緒さんも、いいキャスティングだ。全体的に浮き足立ちがちな、こういう作品の中で、きちんと押さえるところがうまい。杖の演出が効いているのかも。

    個人的には、塩原先生のような、「いいこと言ってるでしょ」という、したり顔で、みんなをまとめようとする先生は嫌いだ(笑)。いや、役者さんとか演技ではなく、そういう人っているよねー的な意味で嫌いなのだ。なので、演じた塩原俊之さんが、うまいということでもある。

    それにしても、作・演の冨坂友さんって、出身高校LOVEなんですね。
    個人的には、卒業式とか、学校の行事などでこんなに熱くなる気持ちは、まったく理解できないんですけどね(笑)。
  • 満足度★★★★

    なかなかの議論
    難しい題材にも関わらずテンポの良いコメディでした。肝心の生徒側の主張にブレがなかったので、軸がしっかりした内容になっていました。
    ハチャメチャで、ノリも良く、セリプのリズムも心地よくてあっという間に2時間経過していました。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    劇団名のとおりの、110分間の素晴らしいエンターテイメント!だいぶ前に観た「人質はもとカノ」のイメージを持ったまま観劇したら、雲泥の差にビックリ。イヤー、かなりの勢いで進化してました。塩原さんのキャラは当時とあまり変わってなかったけど(笑)。ま、そこがウリだと思う。それにしてもホンの素晴らしさ、キャスティング(役づくり)の素晴らしさ、演出の素晴らしさを体感した110分だった。

  • 満足度★★★★★

    初の長編観劇!
    アガリスク作品はコントレックスで3回拝見していたものの、長編は初めて。周囲の評判があまりに良かったのと、客演に好きな俳優さん達が並んでいるのとでとても期待していたのですが、期待に違わない面白さでした!たまに役者さんが噛んでしまうと途端に現実に引き戻されてしまうものの、この点はきっと千秋楽に向けてどんどん良くなっていくと思われるので、次の機会にも期待大。出来ればリピートしたいと思いながらも時間なく無念(TT) 更なる笑いの渦に客席が包まれることを確信しています。

    ネタバレBOX

    「観劇女子会。」というコミュニティのブログにて詳しく感想を書きました!
    ご興味ありましたらこちらを読んでいただけると嬉しいです。
    http://ameblo.jp/kangeki-jyoshikai/entry-12004769945.html
  • 満足度★★★★

    安定したシチュエーションコメディ
    今回で3回目の観劇となる本劇団。コメディ劇団として安定した役者陣の技量と捻りの効いた脚本で相変わらず、面白い。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    本劇団の名作「ナイゲン」は観ていないが、それに続く会議物。
    先生側と生徒側に別れて、それぞれの案を通す為の裏工作が実に面白い。脅迫、取引、時間稼ぎ等、多くの工作を企てる。
    だが、どうしてもそれぞれの側で交互に行うためか、公演時間が2時間と、
    1テーマの会議物としては少し長いか。
    以前観劇した「出会わなければよかったふたり」が20分間で実に良くまとめられていて、スピーディだった為、余計に長く感じてしまった。
    国歌、国旗の議論は個人個人で見解があるので触れないが、会議初日で
    多数決を取れば、案外村松さんが生徒側に味方して終わったかも(笑)

    役者さんは技量が高い方が多く、安心して楽しめるが、舞台の関係上、ほとんど後ろ姿しか見えない方が出てしまうのが残念。
    (今回、生徒側後方に座ったので、生徒役の役者さんの議論中の表情などが見えなかった。セリフが無いシーンでの演技を観るのも好きなので。)

    最後の、多数決で9対1になる場面は印象的。


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