花と魚(劇作家協会プログラム) 公演情報 花と魚(劇作家協会プログラム)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★★★

    感想遅れて申し訳ございません
    いろいろ衝撃

    ネタバレBOX

    今までギャラリーで何作か濃密な会話劇を拝見してたので一作目でこんな作品を作ってたのに驚き。あらすじにある価値観やモラルの対立で作っても十分傑作になり得たと思うがファンタジー的な要素も入り物語はさらに深みを増す。考えさせられる作品
  • 満足度★★★★★

    千秋楽
    終演から2週間 ようやくこの公演が終わったと思えるようになる

    今年は十七戦地に 柳井さんの脚本に
    かなりの影響を受けた

    全く同じキャストで台本で公演で
    観る位置や角度で違う芝居に観えると
    気付かせてくれた

    今まで 誰視点で観るかということを意識して観たことはあっても
    位置だけで何も考えず これだけの違うものを受け取った芝居は初


    芝居の観方をこれだけ実感した劇団は初
    演出も役者も凄い
    過去作品のDVDがないだけに他の作品も再演をしてほしい
    狭い空間でも 広い劇場でも それを活かす
    来年も楽しみだ

  • 満足度★★★★★

    十七戦地の中ではピカ一
    2011年に十七戦地旗揚げ公演として書き下ろされ、同年、第17回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した代表作。
    本公演の内容はもとより素晴らしいが、2014年という3年後に再演したところを評価する。
    ストーリーは解説文にあるが、その内容は東日本大震災の背景をモチーフにしていることは容易に想像できる。人間は”忘却”するという良し悪し両面がある、この特質を持っている。時間とともに風化しそうな問題をしっかり捉えて離さない、そんな柳井氏の強い思いが出ていた秀作である。

    ネタバレBOX

    村おこしのイベントを控えた住民たちは、怪物の駆除派と保護派で村が二分され対立が激しくなる。そして、村人の一人が襲われるという事件が発生する。

    地方都市の経済的は、政府の補助金、地元漁業、そして観光イベントといった現実感あるもの。一方、怪物という少し現実感から離れた生き物...これを自然保護に置き換えれば、原発の話が透けて見える。
    同じ土地で育ってきても、その境遇や立場によって考え方は違ってくる。しかし、彼らはその土地を愛しつつも、自らの故郷での産業発展が見込めないことも承知しているようだ。地方ならではの苦労を肌身に感じて育っているかのような、説得力のある会話(せりふ)である。
    この二分された住民の主張はそれぞれ理屈が通っており、怪物の駆除か保護かの判断は第三者(民間の野生動物調査員)に委ねる。怪物という危険排除と怪物を保護し、寄り添い、生命の神秘を探る。東京のど真ん中であったら、どう対処するのだろうか。地方という地域事情だからこそ切迫・切実感がある。

    とても芝居の中だけの話とは思えない切実感があるのは、都市的な経済発展志向の偏重のようだからである。それは現代社会が消費経済を優先するためには、例えば原発などを確保するため、将来のリスクを貧しい地方に押し付けるという構図に共感してしまうからだろう。

    この高円寺・1という小空間の中で、人類はどこに進むのかを問われているようだ。この鋭い投げかけが重く心に響く。壮大なテーマであるが、それを実にコンパクトに描いた秀作である。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    おさかな天国。
    生々しい人間関係や推理的要素が妙な空気を作り、先が読めなくて楽しめる展開でした。自身がグリーンツーリズムについて関わりが少しあったので、海での共存といったものも少し親近感が湧いた。伝統的な表現も好きで、舞台上の使い方も面白かった。終盤につれて、どうしても話が難解になってきて付いていくのが大変な方も出てきているよう。私も話は分かったが容易ではなかったので、もう少し分かりやすいとより観やすいかもしれないです。

  • 満足度★★★★★

    3回目
    マチネは上手から観たので、ソワレは下手から
    公民館の入り口を正面から
    神楽を横からの位置

    だからなのか神楽のシーンは室内の片隅から観ているかの錯覚
    逆に公民館のシーンは観客の目線になる
    視覚というのは不思議なもので
    通常観るステージと客席とはいえ舞台を左右に使うからか
    これだけ違う場所に見えるのには不思議だ

    それだけ入り込む芝居だったということだと思う

    ソワレの泣き所は何と言っても大和と日出子の親子のシーン
    大和の葛藤と日出子の親の気持ちが
    スーっと入ってきて涙が落ちる

    これをもって千秋楽に望む

  • 少し分からなかった
    自分の見る力が乏しいせいか

  • 満足度★★★★★

    2回目
    初日の終演後 柳井さんに観る位置が変わると違うモノに観える
    そう言われ 上手前方にて観る

    神楽を真正面から観る位置
    なので神楽宿を正面から 公民館を横から観るコトになる


    視覚から受け取るというのは本当で
    横から観る公民館のシーンはそこに居るような感覚になる
    距離もあったのに壁際で同じ場所で傍観している感じ
    それだけに 大次犯人疑惑~阿藤登場までのシーンと
    大和&日出子の親子シーンに入り込んでしまった

    ラストに近い花が赤い紐の上を歩いていくのには
    受け入れる先への歩みを感じる


    なんとも深い作品

  • 満足度★★★★★

    見応えありました
    リアルなお芝居で、役者さんの力演に引き込まれました。その中に人間性の本質が表現されており、リアルさと相俟って緊迫感や切迫感、それに得体の知れない不思議さを楽しめました。これは、このホールの特性も上手く使っていたように思います。一歩間違えば、滑稽な不思議話しに終わる恐れがありますが、演出も巧みでした。見応えがありました。

  • 満足度★★★★★

    奥深い世界に引き込まれました
    おとなしいタイトルと過疎化の進む小さな漁村という舞台設定からはおよそ想像もつかない奥深い世界に引き込まれました。奇怪な生物の保護か駆除かで村を2分する対立も、やがて事件の真相が明らかになったその時、村人はもっと大きな運命に飲み込まれ埋没していく。そこには自然への畏怖や抗い難い宿命の前での人間の無力さを表しているように思えました。謎解きの要素もあり物語としてもとても面白いのですが、現在のいろんな社会状況を投影させているのも明らかです。が、そこにもっと普遍的な意味で人間の営みの儚さを感じずにはいられませんでした。本当に素晴らしい舞台でした。

    【追伸】今、TVでは本日の衆議院選挙の結果に候補者の一喜一憂が映し出されていますが、全くスケールが小さい、小さい

  • 満足度★★★★

    繰り返し上演して欲しい作品
    初演、再演に続いて3度目の観劇。やはり秀作は何度観てもいいですね。会場が広くなり、セット、照明、音響などいずれもグレードアップして、スケール感は増したけど、最後方から観るとちょっと間延びした感もありました。個人的には小さな会場で演る方が好みです。

  • 満足度★★★★

    人により見える景色が違う
    脚本がとても素晴らしく、大変面白かった。ある事象について、人の見方が違うのは当たり前だが、その個々の心理や群集心理を十二分に見せてくれた作品だった。人間社会において、簡単に勧善懲悪はつけられない。人それぞれに考え方やその正義感が異なるのですから。
    正体不明の怪物の駆除か保護かが、焦点になっている舞台であるが、その背景の人間関係や次第に追いつけられていく人々の心理が痛い程伝わってきて、実に見ごたえのある舞台でした。

    役者さんは皆、技量が高くそれぞれ良かったですが、個人的には須田大知役を演じられた、鶴町憲さんが印象に残りました。

  • 満足度★★★★★

    現代社会の写し絵
    現代社会で一番問題となっていることを描いている。
    漁村の話だが、どんな地方でも、いや都会でも同じような力学で世界は回っている。
    人は自分の見たいように世界を見、そのためにあらゆる情報、手段、他者を利用する。それはどんな立場の者でも同様だ。右であれ、左であれ、上であれ、下であれ。この作品はそんな社会に蠢いている力学のことを描いている。

    私は再演を観ているが、再再演の今回では見え方が変わった。
    役者や演出、そして小屋が変わったこともあると思うが、
    社会状況が変わったことも大きな要因だと思う。

    その状況状況で、様々な捉えられ方のできる素晴らしい作品だと思う。

    ネタバレBOX

    今回改めて観て一番感激したのは、作家:柳井 祥緒氏の姿勢。
    一般的に社会意識の高い作家は、単純な体制批判に陥りがちだ。
    だが、社会はそんな単純な二項対立では成り立っていない。
    体制批判の力学は一歩間違えば第三者への暴力にもなりかねない。
    また根拠のない陰謀論をまくし立てるだけでは、批判をしているという話者のストレス解消にはなっても、本当の意味での問題解決には何ら近づけない。
    そのことは震災を契機として社会の前景となり、それらの暴力を様々な場面で私は見てきた。

    本当の批評性とは、そこで発動している力学を注視すること。
    そこからしか問題の解決に至る端緒は見いだせない。

    柳井 祥緒氏はそういう意味で極めて理知的で批評性を持った作家だと思う。
    その点にとにかく感服した。


    <再再演を観て>
    私は再演を観ていたこともあってか、再演の時ほど作品内のスペクタクルにのめり込めなかった。というのは、第一に物語を知っていたから。第二に小屋が大きかったから。どちらの要素が私にとってより大きかったのかは判別がつかない。どちらかというと後者のような気がしているが、「大きい舞台でも充分よかった」という評も多いので、前者が理由かもしれない。
    これは批判ではなく、向き不向きという話だが、柳井作品を充分に活かすにはやはり密室的空間で観客の集中力を最大限に高めるという方が良いような気がする。広い空間は、観客の意識も拡散してしまう。すると、どうしても柳井氏の知的な台詞の意味を充分には理解できずに、次のシーンに移ってしまうという場面が多かった。(私の頭が悪いだけかもしれないが。)
    ただ、これだけ力があり素晴らしい劇団は、もっともっと評価され、多くの人に観られてしかるべきだと思うので、座・高円寺のような大きなところ、更にもっと大きいところでもやって欲しいとも思っているので複雑だが。
    (私が問題にしているのは、「観客の意識」の問題であって、空間演出のことではない。空間演出については素晴らしかった。難しいテキストを聞き、理解する観客の集中力が劇場空間の大きさにも左右されてしまうと言っているだけだ。勿論、影響を受けない観客もいるだろうが。)

    また、役者さんが素晴らしかった。
    皆、素晴らしかったけれど、なんと言っても須田日出子役の関根信一さんが凄い存在感だった。『獣のための倫理学』での演技も凄いと思ったが、パワーアップしている感があって、見入ってしまった。
    鶴町憲さんも地味によかったな。
    いや、皆さん本当によかったんですけど、特に。

    柳井作品、次回作も楽しみです。
  • 満足度★★★★★

    劇場の大きさと世界観がハマッてくるのが圧巻
    狭い空間の会話劇を2作観てるので、
    大きな空間ではどうなるのかな、とドキドキしての観劇。

    舞台美術を効果的に使っていて、
    前半と後半の様相が変わるときや
    小道具の使い方が巧いなと思いました。

    一つの小道具を起点に場面が切り替わり、
    別のものとして扱われる演出など、
    雑多に見える舞台装置なのに演出はごちゃごちゃしてなくて好き。

    一つの言葉で
    周りの人々が思い思いの反応を見せるのが
    相変わらず細かクテ見ごたえがあります。
    賛成か反対か、肯定か否定か、
    次の言葉を待たずとも観るだけでわかるのが楽しかったです。

    言葉で説明しているのに、
    その内容がダイレクトに脳内で映像に浮かぶ
    脚本・役者の説得力に感激しました。

    半数以上の人間が宮崎弁で喋るのですが、
    初見でも大体のニュアンスは理解できました。
    (まくし立てる系のセリフはほぼ聞き取れなかったので、
     前後の様子で言わんとしてることを類推する感じ…)

    人物関係図・補足情報、とても助かります。
    観てればわかるのですが、
    登場人物の名前に振り仮名がほしいなぁと思いました。
    (大次=ひろつぐ が最初ピンと来なかったです。
     あと見た目でわかってたけど猟師さんの苗字がいまいち認識できず)

    上演時間は2時間だったけど、あっという間に感じられて
    体感時間は1時間、
    でも内容的の濃さ的には3時間レベルだと思いました。


    ネタバレBOX


    「坂根」が「さかな」と発音が似ているのが
    大きな伏線になっているということに後半の展開で気づき、
    「人間には止められない、でも抗うべき力」のいろいろに
    思いをはせました。
    小さな場所の問題が、大きな現象に広がっていく展開、
    この座・高円寺という劇場で観れてよかったと思いました。


    初演が2011年7月ということで、
    震災や原発などに通じる部分もありましたが、
    ダイレクトにそれをメインに語るんじゃなくて
    (阿藤所長がちょっと口に出してましたが)
    実際に詳細な描写が出てくるのが別の事件なのも
    巧いな、と思いました。
    繰り返してるんだな…というやるせなさを感じつつ。


    あと、「靴を脱ぐ」という単純な動作なのに、
    彼らがどうなったのかがこちらに伝わってきて、
    その後の彼らの動きとともに
    次の場面の七生の突飛なセリフに真実味を持たせていて
    すごいなと思いました。
  • 満足度★★★★★

    没入 

     いい芝居を観ると、自分は没入してしまうので、観劇後暫くはぼや~~~~んである。今日の「花と魚」もそうであった。観劇後、大好きな銭湯、小杉湯に入りに行ったのだが、下駄箱の札をロッカーに入れたつもりが入っておらず、探し回って大騒ぎ。貧乏人の自分は、一瞬、ヒヤリであった。それだけ、観劇後も茫然自失だったということだ。没入してしまうと暫く戻れない。それは、一所懸命に、作品と格闘しているからである。深い作品ほど、この度合いが強い。再演を1度拝見しているので、2度目なのだが、1度目より、深い所で今作を拝見できたと思う。そうやってみる度に新しい発見のある傑作ということだろう。(追記後送)

  • 満足度★★★★

    深い
    人ってなに?と問いかけられる。人の危うさを訴えてくるとても深い作品でした。

  • 満足度★★★★★

    新たな一面
    昨年末 SHOTGUNにて初めて柳井さんの脚本のお芝居を観た
    それ以降 十七戦地・ロデオ・他に脚本を書かれた舞台を観に行った

    どれも 設定が難しいにもかかわらず
    時代や場所や人物像が初っ端から理解できる
    観た後に息苦しくなるなんとも充実した舞台だった


    今回 3回目の再演というので楽しみにしていた。

    これが とてもいい意味で裏切られた
    設定は判るのに 理解が出来ない
    終始どこまでがこの舞台で事実で どこからが村人の妄想なのか
    多方面から考えてしまった

    それでも それぞれの人物の描き方はとてもリアルで
    空想の魚と世紀末的な花と現実的な人が
    上手く絡み合う


    セットの創りも幻想的で 下がっているのも床にあるのも
    色や形までも どんな意味があるのかと考える



    今まで観てきた舞台は 客席やセットの配置が面白く
    舞台の中で一緒にいるような感覚のモノが多かった
    勿論 今回も引き込まれ感は同じなのだが
    同じフィクションでも ここまで色々と想像したり考えたりした舞台は初めて

    公演期間も短いので完コンする
    全てを見逃さず噛み締めたい

  • 満足度★★★

    いい作品だが・・・
    “劇作家協会新人戯曲賞”受賞作品とのことで、期待を胸に観劇。

    当日、パンフにて“延岡弁(宮崎弁)”での芝居と知り、
    パンフの[“延岡弁(宮崎弁)”ワンポイントレッスン]に目を通すが、
    標準語から著しく外れている訳でもなく、問題はないと思った。

    しかし、早口&大声でまくし立てるシーンでは、台詞の50%も理解できなかった。
    字幕でもあると良かったか・・・?

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