満足度★★★★
予習して臨むことを推奨
もちろん評伝的な部分もありつつ、現代演劇論を演劇を以て語る部分がスリリングで面白い。
しかもそれが実在した人物によって語られるワケで、観ているうちにどこまで虚構でどこまで現実なのか区別がつかなくなりドグラマグラ状態に…
さらにその演劇論が今の小劇場ムーブメントに繋がるようでもあり、観ていてもう頬が弛んでしまう。
一方、愛人と妻をめぐる面では至ってフツーのオトコで「本当に男ってヤツはしょうがないな…」と。(笑)
上手に自宅、下手に教授室を配置したシンプルかつシックな装置で交互に見せるスピーディーな展開(松枝さんによれば右脳と左脳を意識したとの由)の本編部分を、「クラウン」がガイドを務めるプロローグとエピローグ(と本編の一部)によって締める構造もスッキリして好み。
なお、本編に入った時にPARCO劇場の舞台のような印象を受けたのは予習で西武劇場のことを知っていたからか?
他にもウィキペディアでの予習によりはたと膝を打った部分があったので、これからご覧になる方々には予習することを強く推奨いたいます。
冒険…とは感じず
安部公房は好きな作家で この愛人だったという女優もよく知られているにで楽しみにしていたのですが、なんだか平面的に感じてしまった。冒険…どこが冒険なのか、と思ってしまう。
愛人役、妻役 それぞれの女優さん 凜として美しい。それにひきかえ 佐野史郎扮する安部公房は ただの男にしかみえなかった。あえて、の役作りかもしれないが、見終わって拍手しつつ不満が残ってしまったのでした。
満足度★★★★★
安部公房…人間ドラマ
新国立劇場_小劇場、舞台セットは下手に仕事場兼若手女優とのラブ場面、上手は家庭生活と妻との夫婦関係の場面に見立て、同時並行に二人の女性との間を揺れ動く様を観せる。人間、安部公房の魅力が濃縮された公演であった。
満足度★★★★
人間くさひ
妻と愛人か…眉をしかめたくなりつつも、ああこりゃ何十年、何百年先も人間(男性や作家)は同じことを繰り返すんだな、と諦めの心境になれました。
うまく言葉に出来ないけど、人間のこういう関係性が、面白いし、本能からの欲求だし、なんだかんだでみんな共感してしまうのだろうし、
人間臭さを十二分に満喫した舞台でした。セリフは良いけど、長くて出にくかったり噛んでしまったりで、ハラハラしました。
…才能に惚れる時って、相当いい匂いするんだろうな。
離れたくても離れられない、麻薬的なフェロモン…嗅いでみたいわー
満足度★★★★
自分都合の女好き!
あえて、下種な言い方させて頂きます。
病気も前立腺がんにより睾丸除去。本望ではないですか!
安部公房の私生活を浮彫にしたもので、ノーベル賞に近いと言われた人も私生活はただの人ということですか。自分の欲望のために若い女優を口説いたり、思いとどめさせたりする話術などは唸らせる。
佐野さん絡みか、女優の羽田美智子さん観劇してました。
満足度★★★★
ある意味純粋
舞台創作に、惚れた女にかける想いの純心さを演じる佐野さんの演技力に感動です。
出演する4名の役者の存在感が、舞台に緊張感を生んでいました。
満足度★★★★★
何度も観たい舞台
現在のこの国の演劇状況と、安部 公房が生き、演劇にのめり込んだ時期から亡くなるまでの10年余の時を、描いた作品だ。当時世界で活躍するピンター、ベケット、イヨネスコらと共に、米ソでも人気の高かった安部が、新劇と言えば、千田 是也と言われた当時、新たな可能性として出現した寺山 修司、唐 十郎ら若者に支持された日本のアングラ演劇状況に於ける単独者として新地平を切り開いて行こうとする姿勢を描くことで、作品そのものを用いた現代演劇批評として観ることができる。
満足度★★★★
情熱と悩みの中で
安部公房は天才で社会的な評価も高い小説家というイメージであったが、演劇に私生活にそれぞれ強い情熱と悩みの中で生きていた別の一面を知ることができて興味深かった。いろんな対比の中で"冒険"が内面的に描かれていたが、ドラマチックな展開があるともっと面白くできたのではないか。
満足度★★★
安部公房にひかれて観にいきました
安部公房の「砂の女」「友達」の、他にない世界感に圧倒された記憶があったため、この舞台に求める期待値が高すぎたかもしれない。興味がありながら知らなかった安部公房の人生を知ることが出来たのはよかったのだけど。
満足度★★★★
脚本がわかりやすく秀逸
それほど、安部公房を知っていたわけではないが。説明臭くなくどういう人なのかも判りやすく。徹夜明けにいっても眠くならない。面白かったと思います。もう一度見に行きます。
満足度★★★★★
かもめコンビ再び
☆4.5
手堅くも、やや面白味に欠ける演出。
縄田智子さんの体当たりの演技も見どころの一つでしたが、もっと軽妙で蜜月な雰囲気のシーンが有れば、メリハリが利いてより楽しくなったかも。