終の楽園 公演情報 終の楽園」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    動画観劇は一旦停止もありUPもありとお得感ありますね♪
    黒ベースの舞台セットに小道具などを配して
    基本的に地主の北澤武生が住んでいる高級老人ホームの
    最上階の個室を中心として物語が展開されてゆきます

    役者さんは上手で
    話をメインに堪能できたなぁと

    ネタバレBOX

    北澤家の歪んだ関係を露見してゆくのですが

    親父は家族に酷いことしたんだから
    代償に金=遺産よこせ!
    との不幸自慢大会・・・・・獅子咆哮弾の打ち合いのような・・・(-_-;)
    でもその親父の息子の1人も親父と同じような酷いことをするんです・・・

    輪廻は巡るだろうと示唆もあり
    考えを深くさせる展開でありましたが
    全体として暗い・黒い感じの、舞台だったなぁと感想
  • 健闘されているとは思うのですが。
     長くそばにいるのになかなか分かり合えないやっかいな代物である家族や切れない血のつながりをモチーフに、愛憎渦巻く複雑な家族関係を通して命のつながりといったものを問いかけている作品で、ドラマとして難しいテーマに挑み健闘されていたとは思うのですが、個々の人物設定やその描写も含め全体として断片的になりそのつながりがスムーズでなくどこか運びが重たくなっている印象を受けました。

    ネタバレBOX

     家族や思索、信仰といったものを扱った前回アトリエ公演「信じる機械」や近いところでは「proof(プルーフ)-証明-」、「ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる」などといった公演から受けた強烈な印象に私自身が相当影響されているところからきているとは思うのですが、今回の公演では物語が表層的で深みがなく、登場人物たちが精彩を欠き、人と人とのぶつかり合いや葛藤が弱くなっていてドラマとしての息づかいがあまり感じられないという印象が拭えませんでした。



  • 満足度★★★★★

    濃密
    全ての人に濃密なドラマがある群像劇でした。

    ネタバレBOX

    気難しい90過ぎの大地主である父親と、父親の死を待つ商才の無い子どもたち、そして彼らを取り巻く人々の話。

    ラストを見れば老いた人が尊厳ある死を選択する終活の話として帰結しましたが、全体としては全ての登場人物に濃密なドラマを設定した群像劇でした。

    父親が急にまだらボケになったのには唐突感がありました。正常な意識の時に実行しなければならないとはいえ、いくら南方で辛い経験をしてきた元軍人だからといって、そして他に手段が無かったからといって、包丁で首を切りつける方法で自殺するものかなと思いました。

    イケメンは罪作りです。三男と付き合い妊娠した看護師に嫉妬して、三男に好意を寄せていた高級マンションの男性職員は看護師を階段から突き落としました。でも赤ちゃんは無事でした。

    老人には自殺させ、赤ちゃんには命を与えました。長田さんは、ここ最近実在の人物ばかり扱ってきたため歴史上の制約を受けてきましたが、今回初めて人を殺したり生かしたり、人の命を自由に弄んだなと思いました。やりたい放題は大好きです。

    様々な相続を巡る悲喜劇がありました。地主の北澤家も相続破産すると言っていました。資産が不動産に偏重し過ぎて流動性が乏しいとそうなるのかなと思いました。

    同じ高級老人ホームの階下に父が住む息子の話では、105歳のおばあさんよりも先に父が死ぬと、家が叔母のものになってしまうとのことでした。この息子は死にそうな父を生かそうと延命措置を取りましたが、おばあさんの死後今度は植物状態で生き続ける父が重荷になり苦しんでいます。

    そのようなことも起こるのだろうと長寿社会の皮肉な現実に素直に驚嘆しましたが、良く考えてみると、子どものいない未亡人であれば義理の親の死後起こり得ることも考えられますが、このケースでは父が死んでも息子は代襲相続ができるので特にそのようなことにはならないのではないかと思い直しました。

    客層には高齢者が多く、これらの演劇ファンが他の小劇場にも足を運んでくれたらなと思いました。
  • 満足度★★★★

    無題1187(14-235)
    13:30の回(晴、猛暑)。13:20会場着、受付、日陰で待ち13:00開場。

    受付で「文学座通信(100円)」を購入、登場人物の相関、長田さんのコメントなどあり。此処は初めてですが広いですね。椅子席が(たぶん)A〜G列、1列25人くらい。入口に段差があるので、スタッフ(ちゃんと名札をつけています)が1人1人に声をかけ、座席に誘導。いつもと客層が違います(女性の方が多い)…アフタートークで(てがみ座に触れ)「小劇場って??」という質問が出たくらい。

    というお芝居を観に来たのは、脚本が長田さんだからで、てがみ座以外では「くれない坂の猫(2012/10@赤坂RED)」「by the sea(2013/1@エコー)」「凪の樹海(2013/7@スズナリ」と本作で4作目。

    「カラマーゾフの兄弟」は読んだことがないのですが、そこは大丈夫みたいでした。

    ほとんどの回が売り切れ、当日券電話申し込み(開演の3時間前から受付)、2ケ所ある通路の補助席(右)。

    舞台は緑青をふいたような彩り。下手、白いテラステーブル、椅子。イーゼル。上手、木製のテーブルに椅子。数枚の衝立て。正面の衝立て裏にはソファが見えます。

    13:34前説(65分、休憩15分、80分→160分)、開演〜14:38、14:54〜16:11、アフタートーク16:22〜17:00。

    文学座関係では:Pal's Sharer「フラワーシャーベット(2014/6@楽園)」森さゆ里さん、青★組「星の結び目(2014/7@吉祥寺)」渋谷はるかさん、落ちないリンゴ「10978日目の鏡(2014/5@楽園)」藤崎あかねさん、ロ字ック「荒川〜(2014/5@サンモール)」増岡裕子さん等。

    三男役の大場さんはてがみ座の公演で観ています。

    絡まった糸と糸、そうなってしまったら元に戻せなかろう。どの糸(意図)を断つか…それともそのままにして捨て去るか、と思いながら観ていました。どうしてそうなってしまったのか、始まりは何処だったのか…それを知りたいと思うのでした。

    自分が喪われつつあることを知ったその瞬間、人はどうすればよいのか、いや…何かしたくなるものなのか。

    個人的には小さな劇場が好きなので、2/3くらいの広さでもいいかなと思いました。

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