肥後系 新水色獅子 公演情報 肥後系 新水色獅子」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
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  • 満足度★★★★

    鑑賞日2014/07/27 (日)

    3月に観た『江戸系 諏訪御寮』というお芝居、大層、オイラの趣味と手が合いましたもんで、じゃあもう一回♪ということで、今日(27日)観てまいりました。

    ネタバレBOX

    教え子の女子高生に手ぇ出しまくりの、教育上ヨロシクナイ!高校教師を軸に、おはなしは進みます。

    設定A(メインのストーリー):くだんの高校教師は、全国大会出場を目指す女子高の演劇部顧問。部員の何人かとは性的交渉済み(おいおい!)。ところが、或る日、新たに入部してきた1年生の中に…

    設定B:彼が新人教師だった頃。この頃から、教え子に手ぇ出しまくり(こりゃこりゃ!)だったんですが、そのうちの一人と、いつしか本当の恋に落ちて…

    設定C:上記の設定Aで、全国大会への演目として選ばれたエピソード。太平洋戦争末期、神社に避難した村人たちを襲ったB29の編隊を、亡くなった夫や家族たちが水色の獅子にまたがって追い払った、という地元に伝わるものがたりの世界。

    設定D:そして現代。一人の女性記者が神社を訪ねてきます。以前、この神社の境内で自殺した高校教師のことで…

    といった具合の、幾重にも重なったミルフィーユ構造のお芝居ですが、観ている側にはスムーズに話が入ってきます。
    規律にうるさい女子高の演劇部だけあって、発生練習のシーンのみならず、普段の挨拶や応答も、声を張り上げて、のセリフ回し。
    それと相反する、どこか物悲しげな、女性出演者たちのコーラス。
    ピアノ・サックス・ヴァイオリン・ウッドベース・カホン(打楽器の一種)の生演奏も相まって、聴覚的に、観客の感情が幾度も揺さぶられます。
    芝居が終わって、ふと気付いてみれば、あのトンデモナイ・クソ高校教師に、あろうことか(笑)シンパシーまで感じる始末。
    単純な善悪論では割り切れない、人間の脆さ・尊さ、じんわりと胸に沁み込んできた、お芝居でした。

    なお、役者に関しては、一にも二にも、高校教師役・和知龍範さんの好演が印象的でした。
  • 満足度★★★★

    不思議と下品な感じがしない
    ガッツリ劇中劇が挿入されているのに分かり易い演出と演じ分け。教え子のほとんどに手を出すという、ドロドロで酷い話だが、不思議と下品な感じがしない。何故か漂う純愛感。主人公に同情すらしてしまう。鬼畜なのに。

    ネタバレBOX

    金子侑加、前園あかりの劇中劇での男役の熱演ぶりが印象的。当たり前だが、全く手抜きなく二役確り作り込んでいて観応えがあった。金子侑加、今作は二役真逆だったが好演。前園あかりの集団の中で異彩を放つ存在感はやっぱり好きだ。

    和知龍範、歪んだ人格の主人公がハマっていた。声が良くてが更にいい雰囲気。福永朱梨、木原実優の可愛い雰囲気も印象的。役柄に合ったキャスティングの上手さと演出の妙を感じた。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!
    旗揚げから観てるけど、進化のスピードが半端ない。今回の、よりエンターテイメントよりに振ってる感じも楽しかった。ストーリー、劇中劇、音楽どれも良かった。新戦力が加わった「あやめ十八番」期待も高まる。

  • 満足度★★★★★

    音楽が牽引する美しい劇。
    今回の楽隊は吉田能さん率いる「花掘レ」+。前回公演ではオールディーズや昭和歌謡のアレンジが殆どでしたので彼の真の実力は発揮されていなかったと思うのですが、今回はそれが十二分に炸裂。花掘レ独自の魅力とともに、堀越涼さん率いる「あやめ十八番」の魅力を余すことなく表現した可憐かつ壮麗なオリジナルサウンドトラックを聴いていると、今でも美しい照明に彩られた光景がありありと目の前に再現されて。終演しても物語をなお愛しく、透明感のある記憶にと昇華してくれるのです。今回、全て楽隊のアクションが観られる席(特にピアノを弾く能さんの表情が見える、中央よりは外れた席が一番のお気に入り。)で拝見しましたが、私には楽隊が視界に入らない観方は在り得ませんでした。音楽劇という総合芸術としてのあやめ十八番が最高に輝いた作品だと思います。幸福な、この上なく幸福な公演でした。ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    舞台は、女子高演劇部。顧問の男性教師・塚田(和知龍範さん)は元々脚本家志望で、「教師なんて仕事には興味が無くつまらない」という厭世観で女生徒を喰い散らかすクズ野郎。遊ぶなら大人の女にすればいいのに、その後禊で謝りに行くとかほんとどうしようもないな、と結局最後まで彼を好きになることは出来ませんでしたが(笑) 思うのは、このクズ野郎を主人公に据えて、言い訳も美化もせずに描ききった堀越さんの物書きとしての姿勢。森鴎外にその爪の垢を煎じて飲ませたいくらいの潔さ。これは私の経験則なのですが、物語を紡ぐときはどこかしら自分を登場人物に投影するもので、読む人は少なからず登場人物=書き手と思いこんでしまう。だから今回も、沢山のフェイクに塗れた堀越さん像を塚田に見出す人が多いはず。それを臆することなく舞台に載せた器の大きさ。感服です。

    そして、物語の冒頭・枕部分で堀越さんのお話を聞いていて、「嘘」と「真実」の境界線を曖昧にされたまま物語へと引き込まれていく・・・。音楽やダンス等SHOW的要素も多く、脚本も多重構造で構成されているため、一回観ただけでは複雑で難解だと思う方も多いかもしれません。しかし物語は、実はいたってシンプル。「ヤリ○ン教師が本気の恋をして、やはり本気で好きだった昔の恋人に天国に連れて行かれちゃった」というお話。しかしその輪郭を曖昧にしてぼやかした表現で全体を彩る堀越さんの手法は、まだまだ「好きな人は好き」というコアな魅力に思われますが、きっとこれから回を重ねることで(18回まで続くとのこと)驚くほど研ぎ澄まされていくことでしょう。

    なお、私は田山の正体はやはり千香だと踏んでいます。今回のテーマは「嘘」とのことですが、「千香ではない」と田山が答えたことがこの物語最大の「嘘」。そして、お祭りであの世から千香に会いに来た塚田を待ちぼうけさせることが、20年も待たせた彼への、彼女のささやかな復讐なのではと思います。

    この、塚田を演じた和知くん。今までに何度か拝見していますが、今回は突出して素晴らしかったです。初めて観たときはまだまだ若くて、童顔に似合わない低音ボイスで魅せてくれていましたが、男性として安定感を醸しだしてきた現在、クズ野郎でも憎めない不思議な魅力を堪能。これも堀越さんの演出の妙。素敵でした。

    そして、私は金子侑加ちゃんという女優さんが大好きになってしまったみたいです。凛とした瞳。美しい鼻筋の横顔。彼女が演じた「美鈴絢子」の、年齢に似合わない「耐える女」っぷりが心にしっとりと残っていて。どんな風に彼女が塚田に思いを寄せたか。どのように高まる気持ちを抑えて愛に身を沈めたか。きっと、自分を押し殺して押し殺して、そのうち押し殺したという事実さえ忘れるほど塚田を深く愛していたのだと、そう思います。塚田が彼女の深い愛に気付いたなら、あんな悲劇は起こらなかったのではないかな・・・。また、前回公演に続きタイトルロールの「水色獅子」の舞を任されるあたり、堀越さんに絶大な信頼を得ているんだなと実感させられます。これからも要注目の女優さんです。

    今回からあやめ十八番の副代表となり、ヒロイン・仁美を演じた大森茉利子さんは、壮絶な美しさで魅せてくれました。純潔の象徴である白百合を手に、自分のもとへと塚田を連れて行くクライマックスは、音楽の美しさと相乗効果で天に向かい螺旋を描くように昇華されて。このシーンを演じることができるのは、あやめ十八番の代表である堀越さんが演劇の世界を共に生き抜くパートナーとして選んだ大森さん以外にあり得ません。あらすじを読んだときから「この物語は堀越さんの大森さんへの壮大なラブレターになる」と思っていましたが、どうやらそれは当たったようです。

    一つだけ難を言いますと、物語の核となった「百合の花の中で眠ると死ぬ。最も美しい死に方」というファクターは、Twitterでは結構昔から出回っていてRTされまくっている情報だったりして・・・。なので、耳にしたときに「Twitterで得た着想なのかな」と思ってしまってちょっと冷めてしまいました、、新鮮な、未知の感覚を望むのは贅沢なものかなのかなと思いつつ。2回目以降はそんな感覚も忘れて楽しめたのも事実。

    そして・・・今回の物語は、個人的な恋愛事情と絡んで非常に美しく切ない物語として私の心に刻み込まれました。この辺りは誰にも言いたくないし文章に残したくない。あとでひっそりと、私の心を振るわせてくれる人に伝えられるときが来たらいいなと思います。女子高生の年齢はもうとっくに過ぎてますので彼女達のように白百合を散らすことはないけれど。人生のひとときに彩を添えてくれる恋の気持ちはいつでも大切な宝物です。それを抱きしめて日常を生きることの妙。そんな儚い幸せをも、演劇は私に優しく教えてくれます。
  • 満足度★★★★

    色々考えたけど…
    最後がよく分からなかったのでモヤモヤしました。音楽とお芝居がピッタリで素晴らしかったです!次回作も楽しみです。

  • 満足度★★★★★

    嘘と真実
    複数の時間軸を行き来しながら描く、どうしようもない男の嘘と真実。
    女子高演劇部の人間関係や劇中劇で描かれる戦時中の描写、神社で自死した高校教師を取材する女など、どの場面も繊細かつ鮮やかで、登場人物それぞれの想いが愛おしい。

    現実と虚構のあわいにある、ほの暗い空間。
    そいういう雰囲気が心地よくて、いつまでもそこにとどまっていたい、と思ってしまう。

    もしもいま、好きな劇団や好みの作り手の公演がすべて同じ日に重なったとしたら、選ぶのはこのユニットかもしれない。
    若々しさと老成した雰囲気。儚さとしたたかさ。そして、嘘と真実。この小さなユニットが、これからどこへ向かうのか、本当に楽しみだ。

  • 迷宮入り
    今回は謎が多くて、まだ整理しきれていない状態。最近の評価の高さゆえに自信溢れる役者さんたちが集まり始めると、あれもこれもと、見せ場が多様化してしまう。しかしながらあまりに足し算過ぎて少し息苦しいような。こうなると正直「ラブポ」のシンプルさが懐かしく思えてしまう。その後の2作も音楽は必然性があったし、選曲もうなづけるものがあった。
    今回のBGMも楽曲としては、よかったと思えたが、大音量に負けじと大声を張り上げるセリフの洪水には、まだ続くの?もうそろそろ終わりにして~~と疲労感が感動に勝ってしまった。今後はやりたい思いや才能を少しだけそぎ落として、時には八分目くらいで、すかしてみせる余裕も感じさせてほしい。

  • 満足度★★★

    見せ物としての演劇
    ちょっと弱い感じがしました。生演奏のおかげで物語に共感しにくいと言うか、中身が見えにくい気がしました。ショーアップとしては間違いないのですが、こういうタイプの芝居ではもっと集中力を中身にしたいものです。

  • 魅せる芝居。。。
    あやめ十八番初観劇。何処となく”古風で洒落た雰囲気”と”様式美”が新鮮に感じられた舞台でした。ジャンルで言うと歌謡劇?

    生演奏など、舞台ならではの醍醐味を味わえるし、歌も上手い。
    また出入口の多い劇場の特性を活かした演出も良かったと思う。


    けれど物語としてどうだったかと言うと、正直判断しづらい。小ネタは面白いと思うけど。芝居というよりショウ(見世物)的な要素を楽しむべき作品なんだろうと感じた。


    上演時間:120分

  • 満足度★★★

    思っていた期待していた
    生演奏での音楽を期待しての観劇。

    音楽が邪魔な瞬間を感じてしまったの残念。曲としては素晴らしいのかもしれないが芝居とのマッチングが前回同様いまいちでした。音楽の暴走と言うか、もっと色々なことに配慮した音楽の方が良かったのでは?

    ネタバレBOX

    生演奏ありきが売りのようですが、無い方がこのような芝居は良い気がします。特に音のバランスの悪さが今回も際立ちました。もう少し大きな会場での公演を切望します。
  • 満足度★★★★★

    虚実!?巧みに引き込まれました 
    死に際には思い残す事がないように、

    水色獅子よ、

    オイラの願いも成就させてくれ~っ!

  • 満足度★★★★

    意地
     基本的には、2つのストーリーが、含まれ、其々が、その時代を映した合わせ鏡のように、綯ったDNAの螺旋構造のように綯い交ぜにされた作品だ。音響に、生演奏が用いられているのも気に入った。使われている楽器はウッドベース、ヴァイオリン、クラリネット、キーボード、パーカッション等々。

    ネタバレBOX

      1本目の鎖は、百合の花を右手に持って神社の門前で死んでいたイケ面国語教師兼演劇部顧問の塚田の死の真相追究。
     2本目の鎖は、この神社の再興に関する縁起。
     冒頭、死の汚れを払う儀式が神主によって執り行われるが、この時、祝詞として裕仁の終戦の詔勅(玉音放送の内容)が、援用されている点、また、2本目の鎖で、英霊が、靖国ではなくこの神社に祭られている点に、反骨の美学とアイロニーを見る。(更なる追記後送)
  • 満足度★★★

    生演奏とか楽しめる要素はあったが・・・
    今ひとつ見せ方がすっきりとはしなかったかなぁ・・と感じた約2時間
    でアフターイベント(30分くらい)あって、
    ちょっと本編に絡ませた話をスパイスにした楽曲3つの演奏でありました。

    ネタバレBOX

    面白さはあるのだが、拙さがあったかなぁと・・・・。

    下種な女子高教師と、
    その変り種の獲物である新入生の掛け合いは楽しかったが。
    物語の進行や過去話なのか劇中劇なのかちょっと判別し難いトコなどもあり、
    (力を入れていた物販のパンフなどには詳細が記されているのであろうが)
    作品世界上ではチト話に乗り辛かったなと感じたデス。

    星の評価は・・・→3.5ぐらいでしょうか

    黒子さんの獅子舞とか楽しい要素も多かったんで、
    これからのノビに期待です(^^)。

    ・・・バイオリンさん頑張って♪
    (演技と演奏の掛け持ち大変だとは思うけどね(^^)

    プロローグは神社を模した舞台セット前で白い百合の花(紙細工)1輪手にした男の死亡を神主が語るところからスタートです

    下種な女子高教師が奥さんいながら女生徒に次々と手を出し、結局純粋な新入生に心奪われるも最初に好きになった亡くなった女子にひかれて死んでしまう話と。

    戦争末期に水色獅子が村を守った話

    現代で20年前に死んだ下種な例の教師の死因を探る女の話

    が同時時間進行で語られてゆくのですが・・・・


    いまから20年前で、女生徒孕ませまくっていた(誇張表現っす)下種が、ちょっと問題にならな過ぎやしませんかねぇ。

    先に教師が死んでるシーンやりますが、こーゆー女性関係のドロドロした話は結末をいろりろ想像させた方が観客の食いつきが良いと思ったデス。

    話を3つで進行するよりは、主軸を下種教師か、水色獅子に絞って語ってゆき。加える話は一つに絞って、オチに隠し玉として3つ目の話を進行役などに話させて物語を補完させるほうがスッキリと話がすると思えたデス。

    まだ若い劇団と言ってるコトもあり、盛り込みたくなる気持ちはわかるけど。
    わかり易さは基本で重要と思います。
    (引き算も重要と言いたい、ということです。)

    開演前には物販とかは言ってたが客席の温めは無かったなぁ

    象徴的な百合の使い方はよかった

    チカへの手紙で死んだ教師の話が戻って表現されるのですが、
    純真なチカちゃんのキャラクターは楽しかった。

    アフターライブのひねり方が気に入った
    私事私見緋色牛頭(シジシケンヒーローゴズ)
    これがタイトルのアナグラムで」、イとミが抜けてて「意味が無い」タイトルと。
    3曲演奏されまして、吉田3兄弟さんが女装しての演奏です。


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