プルーフ/証明 公演情報 プルーフ/証明」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★★

    これはもう
    ダルカラの百花亜希さんの名演技に尽きる。彼女のライフワークにしてもらいたい作品。毎年再演しても良いのではないかと思う。きっと毎年観に行くに違いない。しかも最低2回ずつ。あの鬼気迫る迫真の演技に引き込まれずにいられない。演劇の素晴らしさがここにある。

  • 満足度★★★★

    自分の中にも異常性があるかもしれないこと、または逆に何も特異性がないという恐怖
    パンフレットの中にも、演じていて「辛い」という言葉が出てきていましたが、

    自分の中にも精神不安定さや異常性がある、またはありえるかもしれないという恐怖、
    または逆に何も特異性がないことへの恐怖、

    その両方の恐怖に脅かされました。

    この作品が、もっと自分に近い設定だとしたら、
    (例えば自分がニューヨークに住んでいて、オフブロードウェイで観ていたら)
    もっと身に迫って訴えかけられていたと思う(凄まじい…)。

    自分にとっての優先順位とは何か。
    “信じられるかどうか”

    ハロルドがノートの記述者がキャサリンだと信じられなかったシーン、
    お父さんが寒い日に、外で数式を必死に書いて娘に読ませる(内容はめちゃくちゃ)シーン、
    その二つが特に印象に残りました。

    プルーフ・オブ・マイ・ライフという映画が2006年に撮られているみたいなので、そちらも観てみたいです。

  • 満足度★★★★★

    凄まじい生き様!
    翻訳劇なのに堅苦しさが無くて、言葉が洗練されてる。プルーフはダルカラのしか見た事が無いけど、昨年の風姿花伝の時とは印象も全然違って、でもどちらもすごく印象深いプルーフだなと思いました。

    ネタバレBOX

    役者さん達が役になりきって生きていて、キャサリンに感情移入すると、周りの理解の無さにイライラするし、彼女の葛藤もよくわかる。百花さんは、役が憑依したみたいに一心不乱に演じていて、その激昂も、現実への諦めも、全身で表現していてゾクゾクした。こういう剥き出しの感情を発露し続ける演技を、観れる機会はそうそうないし、稀有な役者さんだなぁと思う。
  • 満足度★★★★

    完成度高い。
    完成度高い。シンプルな舞台装置に4人の役者の技量で魅せる。とにかく皆の演技がよくてプロ中のプロの舞台という感覚。特に発声が凄い。何でこんなに聞き取りやすいのか。小さい声を後ろの席まで透す発声には聞き惚れる。

    ネタバレBOX

    百花亜希が良かった。真っ直ぐで、勝気で、素直で、脆くて、生意気で、子供なキャサリンが魅力的だった。笑顔も泣き顔も、どちらも人を惹きつける。ふわっとした外見からあんなにも引き出しがあるのが凄い。もらい泣きしてしまった。

    大家仁志は抜群だった。声の透りのよさに独特の響きが加わって、なんともいえない味わいがでる。遠野あすかも流石宝塚の元トップ。声もいいし、綺麗。山本匠馬もカッコイイし。いろんな意味で完成度の高い舞台だった。
  • 満足度★★★★★

    文句なし
    素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい演技
    一年前のDULL-COLORED POP 『プルーフ/証明』(谷賢一演出:百花亜希主演)が素晴らしかったので、今回ももう一度観たいと思い、拝見しました。

    一年前に観た時と、微妙な部分で印象が違ったのがとても面白かった。
    前回同様、百花亜希さんの演技に圧倒された。

    今回も素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    一年前の百花亜希さん演じるキャサリは、頭脳明晰で、更に感受性も豊かであるが故に、微細なものを感受しすぎてしまう様、正気と狂気のギリギリのところに立っている様が壮絶だった。
    前回は、ストーリーから考えて、おそらくキャサリンが言っていることは正しいのだと思っていたが、心のどこかで、もしかしたら彼女の狂言の可能性もゼロではないとも思っていた。それほど、キャサリンは狂気を孕んでいるように見えた。

    今回のキャサリンは、もう少し人間的に見えた。ハルに恋心を持つ部分で見せる女の面などは本当に秀逸だった。全体としても、狂気を孕んでいるというより、普通の人であるキャサリンが、ハルや姉に理解してもらえないという絶望・孤独がとてもよく伝わってきた。
    その為、ラストも、まさにキャサリンは正しいことを言っているのに、なぜ皆理解してくれないのだ。というように、素直に見ることができた。(最後で、ハルは信じてくれる訳だが)

    この違いは、谷賢一さんの演出によるものなのか、
    百花亜希さんがキャサリンという役を内在化させる上で変化したことなのかはわからない。
    いずれにしても、それぞれの良さがあった。

    全体から受ける印象としては、前回の正気なのか狂気なのか判らないものの方がハラハラして面白かったが、
    百花さんの演技自体は、今回の方が、より深いところで演じているように見えて良かった。

    前回も今回も、違った面白さがあって良かった。
  • 満足度★★★★

    ディスコミュニケーション
    という、類型的な言葉で語りたくはないが、要するにそういうことだと思った。
    元の脚本もよいのだろうけれど、翻訳がよいのだろうと思った。

    極端な睡眠不足下での観劇であったにかかわらず、終始緊張感とともに見ることができた。
    役者さんたちがそれぞれ魅力的で、ともすれば「嫌なやつらばっかり」の登場人物に人間くささを与えてくれたのが救いになったのでは。

    ネタバレBOX

    見ている間「子どもに重すぎる荷物を持たせるのは酷だ」と思っていたが、果たして20代前半というのは子どもなのか重荷を背負える年齢なのか、今ちょっと考えている。

    キャサリンの自身の狂気への恐れはあまり感じなかったが、それは多分彼女が背負ったものが大きすぎてそこまで気が回らなかった、というところで納得した。
    それだけ、百花亜希さんのキャサリンがあどけない少女のように見えたのである。

    扉の開け閉めのマイムが妙に話の流れを分断している感もあり、演出意図なのかよくわからなかったのが私的には少し残念。

    クレアのジレンマは脚本上ではあまり描かれていないようだが、彼女の少々不気味なくらい世知長けた演技である程度伝わった。

    このような家族や恋人、友人のディズコミュニケーションによる崩壊(といったら言い過ぎか)は、想像以上に当たり前のように起きているが、それらは別に悪いことではない。
    ただ、このキャサリンのように、「なんとかしたい」と思っているのなら、「証明する」すなわち「なんとかする手立て」はかならずある、というラストには救われた。
  • 満足度★★★★★

    ドアの開閉の演出意図は?
    ずっと気になっていた谷さんの演出作品、初めて拝見しました。

    まず一言で言うなら、「呆れるほどの佳作」です。

    サイン、コサイン、タンジェント、√あたりが出て来た頃から、算数得意少女の足を洗い、すっかり数学音痴女子学生に成り下がった還暦目前おばさんとしては、観てわかる芝居なのかと大変恐怖心を抱いて観に行きましたが、全く心配いりませんでした。

    これは、人間関係の照明劇なんですね。心と体が融合して、それが一つの形に結びつくまでの綿密な公式を提示されたような芝居でした。

    何よりも驚いたのは、山本さんの役者としての資質の芳醇さ。声に力があり、声優としてもご活躍だということが納得できました。
    先日、従弟の長男が、アニソングランプリで、準グランプリになった映像を観たのですが、彼も、容姿が山本さんにそっくりでしたから、声優向きの体躯というのがあるのかもしれないと思いました。

    他の公演を観ていないので、比較できませんが、この芝居、ハル役の俳優の演技如何で、作品の成果が全く違ってしまうと思うので、その点からも、山本さんのキャスティングは大成功だと感じました。

    遠野さんも、宝塚ご出身とは思えない自然な演技が、姉役のスタンスを的確に表現されて、お見事でした。

    ただ、一つ、非常に気になったのが、庭に出るドアの開閉のジェスチャーが、人によって、状況によって、あまりにもマチマチなこと。架空のドアを開閉する動作が数えきれない程繰り返されるので、もしかしたら、ここにも谷さんの緻密な演出意図が隠されている可能性も感じたのですが、そこまで、深読みできないと、逆に、演者の動きが気になって、演技の粗のように感じられる欠点とも受け取られ兼ねず、むしろ、ドアはない設定での芝居にした方が、芝居の中身にドップリ浸れるのではないかと感じました。

    ネタバレBOX

    天才的な数学者を父に持つ、キャサリンとクレアの姉妹。妹のキャサリンは、数学者の資質を父から受け継ぎ、父子という関係を超えた師弟関係も育んで、痴呆の進む父親の介護のために、学業を断念して、父親の住む家に戻って来ました。
    姉のクレアは、家族への情愛が薄いわけではないのですが、妹と父親の関係にある意味嫉妬めいた感情もあるのか、二人とは距離を置いて、経済面で、父親と妹の生活をサポートしてきました。
    父親が亡くなり、父親を敬愛していた教え子であるハルが、父親の残した研究ノートを整理読破する目的で、キャサリンの所へやって来ます。
    奇しくも、その日は、キャサリンの誕生日。かつてキャサリンがハルと初めて会ったのも、誕生日の日でした。

    父親の研究ノートは、103冊とかあったそうで、まず小保方さんの研究ノートの数との落差に、勝手に受けてしまいましたが、ハルとの性的結合が成立した後で、キャサリンが彼に渡す1冊のノートが明るみに出た一幕ラストから、急激に舞台の空気が一変します。

    二幕は、果たしてこのノートは誰の手によるものかという視点から、舞台が周り出し、そのことが証明されるまでの過程で、登場人物3人の意識や、関係性が、より具体的に、観客に向けて提示されて行きます。

    何という、スリリングで、知的で、巧妙な脚本かと、兜を脱ぐ思いがしました。

    カラダが結ばれたことで、心も同時に結ばれたと思ったキャサリンが、心を許して彼に渡した秘密のノート。紆余曲折ありながら、ラストシーンでは、再び、二人の心は結ばれたと暗示して、幕となります。

    小粋!素敵!ブラボー!!

    機会があれば、演劇を愛する大切な家族に是非見せたいと思える、素晴らしい舞台作品でした。
  • 満足度★★★★★

    最初の証明
    数多く上演されているこの「プルーフ/証明」という戯曲だけれど、谷賢一氏の翻訳演出で、最初に観ることができてとてもよかったと思う。個人的に海外戯曲は少し苦手意識があったのだけれど、今回はそれをまったく感じずにすっと引き込んでくれた感じがした。シンプルな舞台の上で、同じ人間が生きている。割り切れないから、人は独りでは生きられないのだろう。数学のように、人生は美しくはないかもしれないけれど、その分人間の愛おしさを感じられた気がした。音楽と証明の使い方がめちゃめちゃかっこいい。
    主演の百花亜希さんが非常によかった。

  • 満足度★★★

    ハル♪゜・*:.。. .。.:*・♪
    ハル目当てで観劇しました♪゜・*:.。. .。.:*・♪
    他のDVDや舞台を観て、ハルはみんなイケメンで素敵でしたが
    キャラクター的にあまり好きではありませんでした。

    でも山本匠馬くんのハルは、
    嫌な部分が感じられず、
    純粋で明るくて、セリフは同じなのに
    表現が凄いと思いました!!

    正直内容が重い作品ですが、
    彼のおかげで全公演拝見出来そうです(*゚▽゚*)

  • 満足度★★★★

    素数の証明
    面白い。150分(休10)。

    ネタバレBOX

    キャサリン(百花亜希)…父から数学者としての才能を引き継ぐと同時に精神疾患への恐怖に怯える。素数証明をハルにみせるも疑われ1週間寝込む。
    ハル(山本匠馬)…ロバートを敬愛する数学者。キャサリンと寝たことをクレアに叱責される。また、キャサリンのノートを手に入れ天才と嫌味を言われる。
    クレア(遠野あすか)…父の面倒を直接みることもなかったが、費用捻出に尽力し、キャサリンの今後を気にかけつづけるお姉さん。数学の才能はそんなない。
    ロバート(大家仁志)…精神疾患にかかり心不全?で死んだ偉大な数学者。版園は研究らしいことができなかった。スパゲッティ(パスタ)が嫌い。

    自分が書いたと証明できない「素数証明」でハルを試したかに見える、女なキャサリンに対して、数学者として反応してしまったハルのチグハグさが男女なのかなと。直球なキャラであるハルと、天才だけど歪なキャサリンの戦いのように見えた。父を亡くし孤独になりかけ精神的に不安定なキャサリンが、不慣れで不恰好に支えを求める姿がいじらしい。証明できないことを愛(不確かなもの)で埋めようとする二人がとても人間的と思った。

    ユニークな調子のクレアが何気にいい効果。見た目の美しさと、妹を案じる心と、冷静な視線のバランスがいい。ロバートのキャサリン(自分の跡継ぎ)への接する温かみと掛け合いのテンポがいい。

    転換時の曲センスが○。
  • 満足度★★★★

    谷賢一翻訳すごい
    面白かった!改めて谷賢一翻訳すごいって思った。装置は極シンプル。俳優の演技で見せきる。照明、音楽がかっちょいい。これで8〜9種類の「proof」を観た思うんだけど1番好きかも。休憩含む2時間半。

  • 満足度★★★★★

    悲しくもあたたかい
    翻訳物の芝居は初めて観ました。
    色んな形の愛が詰まってるいい芝居でした。
    そういえば、虚数もI。考え過ぎでしょうか…

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