満足度★★★★
息をつかせぬ会話劇と、静けさと
公演期間の終盤、大阪から向かって当日券で観劇のため見切れ席でしたが、あの空気を味わえただけでも価値がありました。
強烈なプライドを隠さない長男次男と、それを見てきた故か強烈さは無い三男、そして政治家である次男の秘書たち、普段は関わりの無い長女、、
関係性を説明する時間は政治劇だと思って身構える観客をほぐすかのようなコメディタッチ。
三男の発言の、絶妙な間。観客に悟らせる技術。
長男の「ダメだこいつ」感、次男の「やればできるじゃないか」感。
そして、最後に次男が見せる決断と、それを受け淡々と仕事を始める秘書たち。
いろんな姿が終始色濃くえがかれていました。面白かったです。コメディ的な部分と、わかりやすい静謐のバランスでぐいぐい引き込まれるお話でした。
ただ、父親が結局どうしたかったのかを、わたしは一度の観劇では読み取ることができませんでした。そこをわかりやすくするか否かは作家さんの好みでやればいいことですしそこを考えるのが観劇後の楽しみであったりするので文句ではありませんけれど、自分の記録として記載しておきます。
もともと政治に無関心だったわけではない自分が、なんとなく啓蒙されてしまったのがちょっと癪です(笑)(褒めています)
満足度★★★★
卑近な悪と家族愛
印象に残るキラー台詞、というかパンチラインがあるものはそれだけで素晴らしい。 二男の世間に対する「ある台詞」がそれです。でも、舐めてた世間に強烈なカウンターパンチを喰らってしまっているのが因果応報。
満足度★★★★
緊張と緩和
物語の内容がここまで思想がかかわるのをはじめてみたのでそれも新鮮でした。
自分の今の暮らしが金銭的に豊かになることだけ目先のことだけを考えるのと、この国の行く末を考えることと…。もう一回見たかったです。
主人公の嫁がほんわりしたしゃべりなのに、きっとこいつはぶれないんだ芯が強いんだって思わせる演技好きです。
息の抜ける笑のシーンはしっかり笑えて、あの狭い中で人が程よく立ち位置を変えていくのも、当日券で見切れ席でしたがとても楽しめました。
満足度★★★★★
素晴らしい
アトリエ公演でした。目の前で行われる展開にぐっと引き込まれ、あっという間の時間でした。役者陣はもちろん、脚本・演出も素晴らしかったです。
政界の話だったので難しい言葉が多かったのですが、内容が深くなる前にわかりやすく解説してくれるシーンをうまく挟み込んでいただいていた点が観客への親切心を感じました。会話のテンポが早く、言葉一つを考える時間が少なかったので、それがなければついていけなかったかもしれないです、本当に感謝です・・・
また丁度良い頃合い笑いも挟みつつ思わずプッと笑ってしまうシーンがあるかと思いきや、シリアスなシーンで緊張感を感じたり、本当に素敵な時間でした!!
満足度★★★★
始まりは突然…
劇場に着くまでに迷ってしまった。
地下室の小さな劇場で、左右から真ん中で行われる劇を観る。
大道具、小道具がすごい凝っていて雰囲気が出てる。
場面展開はほぼ無く、全て一つの部屋で完結する会話劇。
斬新でシリアスで面白かった。
満足度★★★★★
守るべきもの
憲法改正を巡る小難しい話かと思いきや二世議員とその一族の「守るべきもの」を問う、息もつかせぬ論争劇。合間合間にずっこけたシーンもあり、とても観やすかったです。十七戦地さんは「土台が腐ってる」集団なり組織なりの話が上手ですね。
満足度★★★★
比良坂物語の一幕ってところでしょうか!?
今回もよく練られた脚本、次男のキャラが少し行き過ぎに感じなくもなかったですが、三兄弟のキャラ設定でシリアスになりすぎずに多少の笑いもあり、憲法九条の時事ネタもまじえながらも少し考えさせられるステージでした。
満足度★★★★
演出の妙
相当狭いアクティングスペースに10人近い役者がぎっちり。対面座席でいろいろと観づらいこともあるはずなのだが、意外とそうでもない演出の妙。ワンシチュエーションできっちり観せきるシナリオ構成に、ところどころに差し込んでくる笑いが好きだった。
満足度★★★★★
奢る平家
「国民の理解を得て比良坂家を守るため」平易な言葉を使って
証人喚問のリハーサルをするものだから、政治の話が大変解り易くなった。
国を守ると言いながら、守りたいのは一族とその立場、プライド、既得権。
過去作品のようなダイナミックな展開や大胆なファンタジー要素は薄れたが
その分現実とリンクして“多分絶対あるある”的なリアリティが色濃く漂う。
キャラの立った一族に加えて有能な秘書達が事態を引っ張るのが面白く
過去の経緯はともかくラスト次男の選択は、潔くて清々しい。
このラストは作者の理想・ファンタジーか、国の行方を託すひとすじの光か。
それにしてもスペース、テーマ、人数など、敢えて難しい制限をかけた中での
この設定と会話の緊張感は素晴らしい。
また意外なキャスティングで役者の新たな面を見事に引き出している。
満足度★★★★★
2度目
2度目を拝見。シナリオの質が非常に高いだけに、役者相互の役作りで、もっとがちのぶつかり合いを練習で積んで、そのあと、滲み出るようなものが、出せるようになると、もう、これは、鬼に金棒、鉄壁だろう。非常に大変な作業になるが、今後とも目の離せない劇団である。
満足度★★★★
緊迫した会話劇
濃密なワンシチュエーションの会話劇で、ぐいぐい引き込まれて観劇しました。
クライマックスの緊迫感、空気の流れが止まるような感覚を肌で感じられる、そんな演劇の醍醐味を存分に味わえました。
面白かったです。
満足度★★★★★
結局
3代に渡って政界の家系で それぞれが要所についていても
やっぱり 人間なんだなと
それぞれが家名に誇りを持って 自分に正直に生きて
外から見れば悪いコトでも 当人には一生懸命で
コミカルでもあり シリアスでもあり
それでいて考えさせられる
とにかく とても80分とは思えない緊張感
こんな創りをする劇団は初めて!
キャストさんも魅力的!
次回公演も期待出来る
満足度★★★★★
この臨場感が楽しい。
☆4.5
狭小スペースでの緊密なやりとりがとても贅沢な味わい。リピート観劇したいくらいだが、とりあえず家族や友人に勧めます。
満足度★★★★★
ワンシーンの80分間だけど大満足
ワンシーンだけの80分間でしたが、緊迫したシチュエーションの中でいろんなことがどんどん明らかになり、登場人物が次第に追い込まれていく。そして最後には仕組まれた意外な筋書きが明らかに・・・。しかしところどころに笑いも散りばめられ、とても盛りだくさんで観応え十分でした。大満足です。
満足度★★★★★
濃厚濃密
初めて行くスペースでしかもあの広くはない空間に見事に出演者さん達がマッチしててとても濃厚で素敵な時間でした。観劇前は小難しいかと感じてましたがそんなこともなくあっという間の80分でした。
満足度★★★★
心地よい緊張感
昨年末に『狼たちの午睡』(前日譚)を観て、今回の『眠る羊』だったのですが、見応えのある作品だったととても思います。
当日パンフレットには「国防部会」だの「防衛省」だのなんだか難しい漢字ばかりで、正直なところちゃんと理解できるか不安だったのですが、そこはいらぬ心配でした。
椅子や机などの最低限の小道具で、照明や音響には頼れない場所だからこそ、台詞一つ一つがしっかりと練られていたのではないでしょうか。ほんの少しですが笑える部分も散りばめられていたため、そこまで重くなりすぎずに観ることが出来ました。しかい、観終わった後にはいろいろ考えさせられる。
80分間が本当にあっという間でした。