満足度★★★★
息をつかせぬ会話劇と、静けさと
公演期間の終盤、大阪から向かって当日券で観劇のため見切れ席でしたが、あの空気を味わえただけでも価値がありました。
強烈なプライドを隠さない長男次男と、それを見てきた故か強烈さは無い三男、そして政治家である次男の秘書たち、普段は関わりの無い長女、、
関係性を説明する時間は政治劇だと思って身構える観客をほぐすかのようなコメディタッチ。
三男の発言の、絶妙な間。観客に悟らせる技術。
長男の「ダメだこいつ」感、次男の「やればできるじゃないか」感。
そして、最後に次男が見せる決断と、それを受け淡々と仕事を始める秘書たち。
いろんな姿が終始色濃くえがかれていました。面白かったです。コメディ的な部分と、わかりやすい静謐のバランスでぐいぐい引き込まれるお話でした。
ただ、父親が結局どうしたかったのかを、わたしは一度の観劇では読み取ることができませんでした。そこをわかりやすくするか否かは作家さんの好みでやればいいことですしそこを考えるのが観劇後の楽しみであったりするので文句ではありませんけれど、自分の記録として記載しておきます。
もともと政治に無関心だったわけではない自分が、なんとなく啓蒙されてしまったのがちょっと癪です(笑)(褒めています)