満足度★★★★★
今更ですが…
ドガドガプラスのTK Club 観てきました。
この劇団の作品は、番外公演も含めていままで4本観ただけですが、
私的には本作が一番気に入りました。
再演でリベンジ的な意味合いがあるとの事。
倍返しぐらいはできたんじゃないでしょうか?
どこまでも、どこまでも、「男目線」だった
それは、アングラの駐車場にしか咲くことのできない、可憐な踊子達だった。
太平洋戦中の、「国家」が蜘蛛の巣のように人間関係を窮屈にした時代性。
あるいは、敗戦後の、「国家」の網の目から脱した後に込み上がった「騙された」の感情。
舞台の構成からいえば、前半で後者の感情を扱い、後半で前者の関係性を扱ったということになる。
何と ややこしいのか。
普通、先に戦中の話を進めて、それが戦後へつながる方が分かりやすい。
ところが、この舞台は敗戦日本で営業中のCLUB周辺に出没する故人を掘り下げなければならないため、戦中日本(大陸中国)の話を繰り広げる構成を取った。
これは、アングラからの、戦中日本からの、反戦メッセージかもしれない。
エロティシズムを理解する舞台を、多くの観客は待望している。
現実の状況でいえば、若手劇団はエロティシズムを避け、それをもって「普遍性」だと考えたいようだ。
歌や踊りのパフォーマンスは、評判のほどエロティックでは なかった。
過激さ を述べたいわけじゃない。
私が述べたいことは、肝心の演技の部分で、身体から沸き上がったエロティックな感覚である。
戦中日本(大陸中国)、あるいは敗戦日本でしか描けない、荒廃した中の「匂い」「駆け引き」は現代の私たちからすれば、気品溢れる姿だった。
ところが、虫眼鏡で じっくり観察する舞台とも 100m離れた位置に あった。
テンポの早い、F1のサーキット並み の展開を 一部 見受けたのだ。
エロティシズムが、高速で現れる。
それこそ、鉄則のエンターテイメントなのだろう。
満足度★★★★
満足。
前半、少しゴチャゴチャした印象で、後半もこの調子だとかなわんなぁと思いましたが、後半を観てすべて納得しました。休憩終わった後は、あっという間でしたね。時間を感じさせませんでした。歌やダンス、ムフフなシーンもあり楽しかったです。
満足度★★★★
座席は2番目以降に
一番前に座ると、右横のステージが見えません。
追っかけらしいオジ様方が一番前に4人ほど陣どっておりましたが
それを外しても二番目以降がお勧めです。
一番前なら右端の席しか右横ステージが見えないかも。
さすがの作品でしたが、
ちょっと詰め込みすぎの感があり
役者の力量で押し流した感じでした。
と、思ったら「唐組」からの客演がいたのですね。どうりで。
助六は、前半もいいですが、
後半はシンプルな姿とのギャップがあり、ぐっと魅力的でした。
助六と赤松あげはの組み合わせがとてもよかったです。
満足度★★★★
居心地良し!
多くの芸人を生んだ元フランス座に私のイメージする浅草の空気が流れていました。観劇してて何かとても居心地が良かったです。(他にない感じです)
フィクションの中に史実を織り込ませ、婉曲的に社会へメッセージを投げかける。
練り上げられた台詞の中には耽美なものが伺える。
舞台だけでなく、客席通路をも幾度となく使い、そして何より舞台上手の階段が何とも言えず哀愁を感じる。とても良い芝居で楽しめました。
満足度★★★★★
アメリカと屈辱
何ともアイロニーに満ちたシナリオである。だが、正鵠を射ている。この植民地に暮らす人々の屈辱と意地、如何ともし難い現実を尚、我々自身が引き受けて行く為の、昏い決意を、自分も継承しよう。
本牧TK Clubは、進駐軍相手のクラブ。時は敗戦5年後の1950年、戦前、戦中の庶民の暮らしも決して楽ではなかったが、戦後数年の間は、法に従っていれば、栄養失調で死ぬのは、間違いなかった。従って、生き残った者は、生きる為には何でもやった。進駐軍相手の飲み屋ともなれば、無論、何でも売っていたのである。
アゲハは、この店のNo.1、付け人のサナギは彼女の妹だが、二人は戦時中、慰問団の看板女優と美少女ダンサーであった。然し、サナギは在る事件を境に人前で声を失う。
助六役の丸山 正吾がいい。隈取をアレンジした化粧も、その衣装も、敏捷な動きとジャンプ力、身のこなし、男伊達、何れも良い。無論、演技もこなれていて、本牧の助六の貫録、歌舞きぶり充分堪能させて貰った。
然し、よくこれだけの内容をエンターテインメントに仕立てた。お見事。(追記2013.8.31)
満足度★★★★
戦争と平和
役者さんが舞台を飛び降りて場内を駆ける。大勢いる役者さんの動きや配置がよく考えられていて見ごたえがありました。
デコラティヴかつ饒舌なセリフが心地よいリズムを産み出し、物語を押し進める。
本劇団の面目躍如たる歌と踊りも楽しい。
テンポがよく、躍動感がありとても楽しい舞台でした。
さて、物語では登場人物たちは戦争の悲劇を背負って描かれる。
どの人物もただただみんな懸命に生きている。
少女たちの魂魄が灯し火となって降りてくるシーンが印象的。