満足度★★★★
Don't think feel!
見沢知廉の随筆集(「テロならできるぜ銭湯は怖いよの子供達」)に基づく予定だったが、結果的に彼と母との関係(及び獄中での彼の「ある闘争」)を中心に描くことになったとの由。
極めて「演劇的な」表現が多く、「語る」のではなく「見せる」ことで「物語でなく思想を伝える」趣き。(=映像化は不可能)
従って「わかる」のではなく「(何となく)伝わる」感覚。(←個人差があると思う)
よって、椅子にふんぞり返って「さ、楽しませておくれ」な態度では楽しめず、「読み取ろうとする姿勢」が必要なのではなかろうか?
喩えて言えば、ただ送り出される番組を眺めていれば良いテレビではなく、書籍を開いて自分で読む読書のように。(もしかしてそんなところが「読書劇」たる所以?)
そう言えば従来の作品も題材について調べて臨むと、より面白かったし。
そんなワケで、その演劇的表現だけでも面白いが、演ずる側と観る側との「知恵較べ」(ちょっと違うか)的に観るとグンと面白いのではなかろうか?
ま、最終的には Don't think feel! であり共鳴できるかどうかが評価の分かれ目かな。
満足度★★★★★
人間性と権力
「読書劇」と銘打たれた上演形態に、大方の読者は朗読形式をイメージするだろうが、さに非ず。寧ろ、少し特殊な演出の演劇と考えた方が良かろう。見沢 知廉の作品から抜粋されたフレーズが、BGMの大きな音にかき消され乍ら言い募られる。舞台観客側には一面に張られた紙に知廉の文章が綴られている。時折、人のシルエットが浮かびあがる。和服の女性、知廉と思しき人物等である。ほぼ暗転した空間内に約10分、音響と言い募りに支えられた濃密な時間が流れ、懐中電灯によって照らし出された文字が浮き上がる。10分も終わりに近い頃、血の色で知廉の文章の上に重ねて文字が書かれる。そして紙が破られると下手には、底の部分まで鉄条網で編まれた鳥籠状の独房が現れ、周りには書籍が堆く積まれているのが見える。書籍は上手床の上にも観客席側にも或いは散らばり、或いは積まれてある。上手観客側には小さな机とスタンド。(追記2013.9.10)
満足度★★★★
今回も
前回観せていただいて、今回で2作目。
表現方法が独特で、見応えのある舞台。
台詞回しも心地よく響きます。
まさかのハードロックには度肝をぬかされました。
出演するのではなく、観ていたい舞台でした。
満足度★★★★
演劇というよりはアートパフォーマンス
今回はちょっとやりすぎの感ありでしたが、よかったです。
素晴らしかった。
自分が中二病だったころを思い出した。
あのころはまだ学生運動の気運があって
(同年代の人はなかったというけど)
小学生のころからフォークファンだった私は
中学の頃にはすっかり、学生運動気分の子供だった。
当然、反体制で学校には反抗した。
別にヤンキーなわけでも髪を染めるわけでも、
カバンや靴をつぶすわけでもないが
規則は破るためにあるんです!とか言ったりしていた。
そのことを観ていて思い出した。というよりも、
あれが本当の自分だったと思い出した。
終わって向かいのベローチェにはいるとこわだかに笑う奥さんがたがいて
この人たちとは一生わかりあえないと思った。
満足度★★★★★
無題814(13-253)
19:30の回(曇)。19:00受付、開場。入って右が客席、ベンチシートに座椅子4列。最前列、その目の前、全面に白い布、BGMにしわがれた歌声のフォークソング、足元に透明のビニールシート。上手にテーブル(これは前回みた「二十歳の原点」でも使っていたような気がします)、卓上ライト、飴、ガン(銃)、「テロならできるぜ銭湯は怖いよの子供達」。19:30開演、強烈なオープニング~21:01終演。濃厚な舞台、散らばった舞台、ヘヴィ(メタル)なBGM、あまりに異色。
喫煙シーンあり。