赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス 公演情報 赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.2
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★

    人生は旅だ。雪のような白い肌。それが正しいか?
    公演四日目。夜19時開演。
    自分でも何をトチ狂ったのか分からないが、二度目の観劇である。(失礼)
    舞台は、最悪でも50%から70%のお客様が納得して楽しんで帰ってくれればまぁ成功かなと思う。
    でも、それを目的にしないのであれば、富士山の入山料のように、お金の支払いは任意にした方が良いのか? なんて夢の中で感じた。
    楽しませて巻き上げるのか、見せつけるだけ見せつけてパクるのか。どちらも非人道的だが。

    ネタバレBOX

    会場に入るまでの階段の壁には、様々な偉人の言葉や書物、諺から引用した格言が紙に印刷され、壁一面に張り巡らされている。
    格言は「男と女」「人生」についてのものが中心のようだった。「女とは決して口論するな。」「真理は醜いもの。」真実を突いていると思える言葉が多く、個人的には耳の痛い言葉たちだ。
    これだけ言葉を並べられると胸が一杯になり、逆に「嘘なのでは?」と疑いも生まれてくるし、これから始まる夢の中の話、入り込むと取り憑かれる迷宮への誘いのようにも感じる。面白い。
    しかし、通路も広くないから言葉をチェックしようとすると他の観客に気をつけねばならないし、何より開演前の時間だけでは全ての格言を見てそれについて考える事は出来ない。
    そして、芝居はやはりテンポが厳し過ぎる……
    テンポが遅くて本来の会話として成立しないし、「みみず」「湯たんぽ」「赤ずきんちゃんに気がつきました」「雑誌のフロク(←違う言葉だった)」「帰らせていただきます」「才能ですね、全然努力したみたいには見えなかった」こういった単語や一連の流れを更に大事にして欲しいし、自然に見たかった。
    折角ただ素直に見てくれる人も笑えそうなシーンなのに、どうしても一方通行に見える。
    あ、そうだ。ラブレターの宛名の字、薄いしぱっとしない。
    終盤は雪が降り、クリスマスという一つの心地よい夢のような揺りかごへと皆で乗り込み、そして赤ずきんちゃんは両親を思い出す……
    のだが、視覚的に雪が認識出来ない(舞台の背景を白照明で照らし、キャスト陣が雪をイメージしているのを観客が感じ取り一緒に夢に加わる感じ)からどうしても感動が薄い。せめて綿か何か……問題は山積みだが。
    子供達が夜遅くまで起きていても良いのは大晦日ではないだろうかという疑問が付きまとった……(笑)
    夢はおかしな世界だ。悪夢を見るし、気持ちの良い世界へと行ける。それでも夢は夢だ。それだけに価値などない。クソ喰らえだ。
    だが時に夢は現実よりも現実的なナイフを突き立てて来る。しかし夢は希望でもある……
    地獄の嘘のような夢から醒めた少女は、果たして生きて、生きた母の胸に抱かれたかどうか。心配である。
    魔女:お荷物だが日本シリーズでHRを打つ。夫婦:旦那は神。仲の悪いバイトの同僚。兎:いずれ売女落ちして欲しい見栄えだけ良い女達。狼:落ちぶれた男らしく優しいヤクザ達。森番:真の神。ただしバカ。案内人:夢のあるある探検隊。そんなイメージ。
  • 満足度★★

    私には合わなかったです
    脚本と演出が酷いです。エンターテイメント性が低く、見ていて辛くなりました。唯一の救いは、役者が上手かった事です。

  • 満足度★★★

    別役作品
     良く別役作品は不条理演劇といわれるが、果たして、ベケットやイヨネスコの作品のような不条理性を持つのだろうか。少なくとも、この作品は「ゴドーを待ちながら」でもなければ、「犀」のようでも無い。

    ネタバレBOX

     別役作品の特徴は、視点の転換にこそあるような気がする。例えば、この森の狼は、獲物の喉を一噛みで喰いちぎりガツガツ食べたりしないどころか、襲った相手の脇の下を擽って面白がっているのである。むしろ兎の方が怖い存在として描かれているのだが、何故、そうかというと兎は、擽ることさえしないからなのだ。その代わり、兎は、噂話をしたり、ちょっと斜めに構えて、他人の批評をしたりするのが得意である。そんな森の腐葉土は、古い新聞紙でできており、当然のことながら、森は、この腐葉土で養われているのである。ということは、好い加減だと言うことだ。F1事故を見ても分かる通り、この国のメディアの退廃は酷いの一語に尽きる。3.12以降、NHKは、爆発した建屋の外観を事故の起きる前の状態の物に差し替えてずっと放映していたし、東京新聞の記者が読者の知りたがる真っ当な質問を記者クラブ内で発した所、他の新聞社の記者から、攻撃され、記者クラブを抜けたこと、更に、その後、東京新聞は、メディアの機能をキチンと果たし続けている為、税の支払いで東京新聞にミスが無いか、アラ探しが徹底的に行われたこと等々、業界腐敗は、戦前と変わることなく現役である。
     このようにお粗末な内容の新聞記事から養分を得ている森と、其処に住む住民がイカレテいるのは必然である。物語はそのように読まれなければなるまい。鳥の声が聞こえ、木漏れ陽が射しこんできそうな森の雰囲気が、実は仮想でしか無い所に、別役作品の持つグロテスクを照射する視点がある。
     もっと日常的な視点で捉えても構わない。現在、この国では、ヒトの営む人間関係の基本さえ、訳の分からないものになっているのではないかということである。どこの家でも、パパ、ママが当たり前に使われ、誰も疑問を呈することさえない。文化の基本中の基本である言葉の表象する最も基本的な人間関係が、英語圏でも使われないようなへんてこな言葉で表象され、定着してしまっているのである。オゾマシサしか感じないのは自分だけだろうか?
  • 無題791(13-220)
    19:00の回(曇)。18:43会場着、受付、会場入口でスタッフの方から足下に気をつけるように…床一面に小さく千切った新聞紙、舞台(此処は奥行きがない)上、左右に四角い盛り上がり、やや下手、木のベンチ、中央に緑の木(人の背丈ほど)、床面見えず。椅子席4列。こちらの劇団は初めて。鳥の声、ピーチク、ピーピー、ホーホー、カァ、虫の声、どうやら森の中、よくみると床に赤、黄、緑、茶の葉っぱがちらほら。18:55前説、19:03開演、客席後方から男登場〜20:40終演。他になさそうな雰囲気のお話でした。説明通りの内容。

    ネタバレBOX

    役者の動きが全体として少ないのは舞台の広さだけではないように思えます。(演出)意図的なのでしょう…会話に一般的なテンポが(あまり)ないし…盛り上がるはず(?)の物語性はどこに...時々、絶叫調になりますがちょっと唐突でした。オオカミ、ウサギの役回りがよくわからない。

    他の別役作品は、てがみ座の企画公演で『眠っちゃいけない子守歌(2012/8)』をみただけです。確かに、そのときの作品もなんてこともないお話だったのですが、みている間ずっと引き込まれていました。贔屓の劇団であることを差し引いても今夜との違いはなんだったのでしょう。

    たぶん、別の作品をどう演じるかをみてみないと..と思いました。
  • 満足度★★

    やり方はそれぞれだが……
    最前列。初日。
    別役作品にしては、素直に観れる方の作品か?
    ある一つのおとぎ話である。

    ネタバレBOX

    客席内と舞台上一杯に落ち葉や土に扮した細かく刻まれた新聞紙が敷き詰められた演出は好印象。
    物語の舞台である「森」を作ろうという意志を感じられた。
    開演前の森の朝、夕暮れ、夜を表現した照明演出もなかなか味があった。
    別役作品に登場する「柱」は今回は「クリスマスツリー」のようなものだったがこれは正直チープだった。
    光る装飾や雪の演出は一切無し。これもどうか。
    芝居の内容も、原作の戯曲の良さを生かしているとは言い難い出来に感じた。むしろ戯曲を潰しているのではないか。
    台詞回しが贔屓目に見て及第点かと思われる役者は一人か二人居たものの、テンポは異常に冗長であまり褒められたものではないと感じる。いいから早く次の台詞へ行けと何度思った事か。
    動きが細かく決まっていないのか終始ごちゃついていて美しくなく、明らかに時間を無駄に使っている。
    台詞も台詞になっていない言葉、アドリブにしてもいい加減な部分が多かった。
    付け加えたギャグもはっきり言って温かい身内位しか笑ってくれる人は居なかったのでは。脈絡が無さ過ぎる。
    逆に原作でくすっと出来るシーンが面白く無くなっている。
    これは意識のし過ぎで変に強調したりして不自然になっているからだと思う。
    原作と変更した点に魅力があったとも思えない。「森番」から「案内人」という役を派生させ、衣装等頑張っていたが、分解するべき役だったかどうか……役者の人数に合わせただけ、ではあまりよろしくは無いはずだ。
    終盤、割と突然に無理矢理盛り上げるようなシーンはあるが時既に遅し。何故役者達がシリアスかつ繊細になったのか、自分としては付いて行けなかった。
    観客達は疲れきって感性をシャットアウトしているか、周りの年配の方などは眠りに落ちていた。
    最後のシーンでは赤ずきんちゃん達を使い何かメッセージを伝えようとしていたように見えたが……? 疲れていてよく分からなかった。
    決してキャスト陣が手を抜いているわけではない。感情は見えるし、目の奥で相手から受け取った思いを表現している役者も居た。
    しかし、人物の意図やキャラクターがそれらしいものだったかどうかは個人的に不満が残った。
    もう少し正面から戯曲に挑んでも良かったと思う。残念だった。
    尚、原作は音楽劇だが今回の劇中で伴奏が入ったりキャラクターが歌ったりする事はない。鼻歌はあるが。

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