公演情報
「プライマ・フェイシィ」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
映画「ドライブ・マイ・カー」以来、舞台では初めて目撃する「演じる三浦透子」を楽しみにしていたのだが、たまたま直前に舞台版「チ。」配信を観て、「あ、出てる」と。正統派な演技者(歌も歌える)との印象だ。それはスズナリでの芝居でも確認され、栗山演出のミザンス指定をこなしつつのリアリズム演技には胆力を感じさせる。地の文の発語で自身の思考、感覚、行動を描写し、身体は「描写されてる」場面に身を置いている。
時間を積み重ねても前の人物像を裏切らず、深まり、物語上の決定的場面では脚本が紡ぐ的確な言葉で性交を強要される側の瞬間瞬間の反応を描写し、「何が起こったか」を如実に伝える。そして法廷というリングに上がった彼女の「闘い」を描く。試合では敗北を喫する。尊厳を踏みつける暴言、思いもしなかった嫌疑、まことしやかに持ち込み、仄めかす弁護側を陪審員は信じた。
が・・タダでは起きない意志をボロボロの彼女は高らかに宣し、彼女(のような者たち)に我々がどう対するのかを問いかける。彼女の姿に、正義が踏みにじられ汚辱の中に放逐された、歴史上の闘士たちの姿が重なる。
栗山が演出するスズナリ舞台は想像通り「初」だという。一人芝居では栗山演出的にスズナリが通常感覚なのかも。
実演鑑賞
鑑賞日2026/07/11 (土) 17:00
2度目の観劇。110分。三浦本人が慣れてきたようで、前半は笑いを誘う演技をする余裕ができていたが、その分、後半の絶望が深く響く。エンディング、前方に出てくる演出は、我々にも問い掛けているという意味なんだろうなぁ。
カーテンコール3回の価値があることは認めるが、あのタイトな作品を演じた後に3回も呼び出すのは、三浦に可哀相ではないかという気がした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
作品が非常に良くできていて、その魅力を三浦氏の演技が最大限に表出させている、という印象。一人芝居の中で、所々で感情の有り様が異なる複数の役を素早く切り替えたり、感情が強く高ぶる台詞の後にト書きのような客観描写や説明の台詞が挿入されたりするので、感情の振幅や流れのコントロールが難しいのではと感じられるが、見事にこなしている。
実演鑑賞
満足度★★★★
Prima facieはラテン語で法律用語、「一見して明らかな」こと。
オーストラリアの劇作家、スージー・ミラーによる2019年の作品。彼女は弁護士として働きながら戯曲を発表して来た。今作を小説化したものが現在映画製作中。
灰色の壁に囲まれたステージ背面、カーテンやドアの隙間のように縦に一条の光が差す。この演出が効果的。照明のおざわあつし氏にRESPECT。
何の話か全く知らずに観ていて、役者は魅力的だが話は単調だなと思っていたら、「あの日」から一気に持って行かれた。観る方もキツイ描写、これを演る方も相当辛いだろう。トラウマとの対峙、凝視、恐怖と屈辱と惨めさで心が張り裂ける。
三浦透子さんのことは全く知らず驚いた。このレヴェルの一人芝居を難なくこなせるとは。田畑智子さんっぽい演技派。前半のノリノリの遣り手弁護士振りは海外ドラマ調。
今作を観れたことは運が良い。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/07/04 (土) 17:00
三浦透子渾身の一人芝居はシビアでタイトで緊張感ある舞台。凄い。110分。
2019年にイギリスで書かれた作品が日本に初上陸、舞台・映像で活躍する三浦透子が初めて一人芝居に挑戦した。女性弁護士が被害者になり、立場が変わったことで…、の物語。個人の物語であると同時に、男性優位的な制度への問いかけという気がした。一人芝居なので、全てを一人で背負うので、シビアでタイトなセリフに心を削られるんじゃないかと心配するほどの熱演だった。トリプルコールも当然か。