テネシー・ウィリアムズ短編集 公演情報 テネシー・ウィリアムズ短編集」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    役者の腕
    楽しい話じゃないのに
    客層が、若く熱心な劇団員が多くて、ほんわか胸があたたかくなりました。

    ネタバレBOX

    舞台美術はあまりなく、役者の腕をみてほしいと前ふりがありました。
    解説の方が言っていましたが、チェーホフは良く流行りますが、テネシーウィリアムズは、まず聞きません。既成台本使う団体も減ってるし、台詞は不思議な調子だし、アンニュイ設定だし、個人的には1940頃のアメリカの田舎事情もピンと来ないからです。
    それを若い役者達がどう料理するのか、見ものの舞台です。

    4本の短編のうち、3編「財産没収」「しらみとり夫人」「踏みにじられたペチュニア事件」が前半にあり、休憩を挟んで4本目「バーサよりよろしく」が最後にある、2時間半の公演。

    前半の3つは、タイトルや台詞は意味深で雰囲気は出てるのですが、私には情けないことに感情や事情が飲み込めず、あまり入り込めませんでした。
    原作既読の人向けなんだなと思いました。

    感情が、「夢見るように言う」「時折声を荒げる」「怯えたようにイライラする」の3種類以外乏しかったように感じました。
    出演者の出入りがある「しらみとり夫人」は、それぞれのキャラクターの妙を楽しみました。

    休憩時間に入るとき、受付をされていた天然な感じの女性が、「あっ、その、休憩時間です」と普通に言った時が実は一番驚きました。

    後半の「バーサよりよろしく」が良かったです。
    心身が弱って、更年期障害のように、老人のようになってしまったバーサの、体の辛さ、周りは敵といった感情、女の見栄、意固地さ、悔しさ、惨めさが熱演で伝わってきました。
    この話は他の役者もよく練られていて、充実感のある、濃厚な内容でした。

  • 満足度★★★

    真摯な姿勢に好感
    翻訳劇というと、新劇の老舗劇団が上演するものというイメージがあるので今回のテネシー・ウィリアムズ(それも短編集)の上演は(どちらかというと)翻訳劇が苦手な私にはとてもいい機会だったと思う。皆さんのコメントにもある通り、当時の歴史的状況や作者の生い立ちと作品群が深く関係しているようで、よく事前に勉強してから観劇すべきだったと反省している。(幕間のガイドはとてもわかりやすかったですよ。)

    ネタバレBOX

    好みからいうと3本目の「踏みにじられたペチュニア事件」が好きかな。主人公の変貌していく様が、観ていて心地よかった。(最後が気にかかる終わり方だったけど。)役者でいえば4本のうち3本に出演の翠野桃の安定感のある演技、「バーサよりよろしく」のバーサ役、日下部あいの悲痛な叫びが印象的。今後、「テネシー・ウィリアムズ短編集Ⅱ」が上演されるようなので、次回はもう少し勉強してから伺いたい。
  • 満足度★★★★

    面白かったです♪
    テネシーウィリアムズ短編集面白かった!!!
    演出が好みでした♡
    幕間のMCでのテネシーウィリアムズの紹介が◎
    「ガイアの夜明け」風だな、と。
    舞台素人の私も楽しめました!

    ガイド役のカズヤさん
    おもわず別業界へヘッドハンティングしたくなりました笑

    オムニバス映画の様でドキュメンタリーみたいな。
    得した気分になりました♪

    いろんな作風で役者さんの力量がわかっちゃう感じもあったけれども、
    逆に「この人上手いんだな!」って思えて面白かった(❛ᴗ❛人)✧

    テネシーウィリアムズの他作品見たくなっちゃったー&彩見さんの他作品も見たくなりました!

    舞台畑でない自分からしたら、
    お付き合いで行く舞台は当たりハズレが大きすぎるのですが、
    エンターテイメントとして充分楽しめました。

    あえて課題点を挙げるとすれば、
    「演技力のバランス」が気になる所がありました、かな?
    素人的に感じてしまったので、厳しい人からしたら随分気になりそうかな、と。

    あと、受付の若い方も女優さんなのかな?
    彼女が演技してる所も見てみたいと思いました。


    「暗い、重い」イメージがある作品の様ですが、
    私自身はラブレターというか、
    そういった物の様に受け取れました。

    自分の人生を振り返るいいキッカケになりました。

    千秋楽お疲れ様でした!!

  • 満足度★★★

    T.ウィリアムス
     作品のセレクトの仕方と志の高さは良い。然し、T.ウィリアムスの生きたアメリカという国の特殊性、南部という地域の特殊性、カソリックとプロテスタントとの歴史的経緯、アメリカに渡ったピューリタンの特異性とWASPに象徴されるアメリカでのピューリタンの意味、更にキリスト教シオニズムとシオニスト「国家」イスラエルの関係及びイスラエルがグローバリゼーションに於いて果たした役割などまで含めて考えなければ、今回、選ばれた短編が、現代日本で、ウィリアムス本人が抱えていたような深刻な問題を個々の観客に提起することは、不可能だろう。
     彼の作品世界では、植民者と被植民者の関係が、社会的弱者個人と社会的強者とに投影されて描かれるが、弱者は”狂気”という表現形式しか持ち合わせていないことに注意すべきである。その弱者を宝石のように際立たせたいなら、舞台上で演じられることの10倍程度の知識は不可欠、表現するための技術も考え抜かれ、身体化されたものが滲みでるようでなければなるまい。
     一層の努力を期待する。

  • 満足度★★★

    現代と不気味にリンク
    名作「欲望という名の電車」等が書かれる前、彼の初期の作品だという
    4つの短編はいずれも作者の生い立ちと時代を色濃く反映している.
    今の時代から見れば古風な言い回しに、
    若干ついて行くのが精一杯のような場面も見受けられた。
    珍しく硬派なストレートプレイに取り組むこと自体評価されるべきだと思うが
    2時間半はちょっと長い、と感じてしまった。

    ネタバレBOX

    演目は以下の4つ。
    「財産没収」
    「しらみとり夫人」
    「踏みにじられたペチュニア事件」
    「バーサよりよろしく」

    テネシー・ウィリアムズは、父親の暴力や自分が病身であったこと等
    余り恵まれた家庭環境ではなかったという。
    彼の姉は精神疾患でロボトミー手術を受けさせられた。
    南部の特権階級から貧しいアパート暮らしへの激変もつらいものであった。
    それらは彼の作品に色濃く反映されていて、必然的に作品は暗く希望が見いだせない。

    簡素なセットは1話終わる毎に役者陣がみんなで運んで準備する。
    この動きが整然として無駄がなく好感が持てた。

    ナビゲーター役の小田和也さんが柔らかな話し方で、作者とその時代について
    解説をしてくれることが大変理解の助けになった。

    作品で使われる若干古風な言い回しや時代がかった繰り返し等
    役者さんも咀嚼しきれていない感じだし、それに伴って動きも単調になる。
    その中で自然に役になり切っていたのが
    「バーサよりよろしく」のバーサ役日下部あいさんだった。
    精神を病んで、店の女主人から出て行くように言われる難しい役だが
    追いつめられて行く中で、こわばっていく身体や病的な感情の揺れを表情豊かに演じた。

    「しらみとり夫人」のムーア夫人や「バーサよりよろしく」のゴールディを演じた
    翠野桃さん、プライドとしたたかさを併せ持つ人の台詞が上手い。

    「しらみとり夫人」のワイアを演じた津本陽子さん、
    魔女のような大家の言い分にも一理あると思わせる説得力があった。

    ナビゲーターも最後に触れたように、
    1940年代という戦争前の不穏な時代は、どこか現代社会と共通している。
    家庭の崩壊、生活レベルの転落、環境の激変、そして精神を病んでいく人・・・。
    それらが私たちの生きる時代と不気味にリンクするからこそ
    今テネシー・ウィリアムズの短編を上演する意味があるのだと思う。
    ならば尚更、時代に合ったテンポで効果的な見せ方をする必要があるのではないか。
    コンパクトに凝縮すれば、“くり返すテネシー・ウィリアムズの時代”として
    まるで現代社会の底辺をオムニバスで見るような短編集になるだろうと思う。
  • 満足度★★★

    演技は
    悪くなかったのですが、ちょっと単調かな?と感じでしまうところもあったように思いました。。スイマセン。。ストーリーは観ている間はちょっと分かりづらかったのですが、観終わった後に、ああ、そういうことだったのかな、と感じるような舞台でした。あと、全般的に哀愁漂う救いようのない悲しい話なんだなと思いました。



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