ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます! 公演情報 ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
21-40件 / 51件中
  • 満足度★★★★★

    もう一度、観たい!
    おぼんろ【コベリンドンの沼】観劇。
    廃工場を一大テーマパークに変身させている。
    宮沢賢治を思わせるファンタジーな寓話は、欲望をいびつに浮き上がらせ、イマジネーションを沸き立たせる。
    何という切ない少年の魂。

    もう一度、観たい。

  • 満足度★★★★

    観客を応援団に仕立ててしまう魅力
    「参加型アトラクション公演」と銘打っているだけのことはある。
    工場跡地の舞台に、手作り感満載の美術や衣装。
    さらに観客の座席そのものも。

    ネタバレBOX

    会場に到着すると俳優さんたちが案内してくれる。
    ここまでは普通にやる劇団も多い。
    しかし、ここは直接観客に話し掛けてくる。「どこから来たのですか」などと。

    ここから「参加型アトラクション公演」が始まっているのだ。

    そして、演劇公演の開演前(!)に自分たちことや目指す目標を熱く語る。
    こういうことは、これから始まる公演の妨げになる可能性もあるのだが(虚構の物語に入る前なので)、それでも構わず、熱く語る。
    その語る姿には、単純に感動してしまう。「がんばれ」と思ってしまう。
    これがあるとないとでは、続く演劇の受け取り方も違ってくるだろう。

    そして、公演内容そのものも、熱っぽく、好感持てる真摯さがビンビン伝わる。
    ここで、またやられてしまうのだ。「応援しよう」と。

    この観客を取り込んでいく「戦略」は、観客席を走り抜け、本当に役者を間近に感じられる演出や、観客1人ひとりに語りかけるフレンドリーさ、さらに自分たちのこちをストレートに伝える熱量にある。それを実現するのに重要なことには、「(実際に)観客との距離が近い」ということがある。それには観客数が多くてはなかなか実現でしない。すなわち、「観客数はある程度に抑える」という方法が一番だ。これが戦略を遂行するためのひとつの「手法」であろう。

    彼らは、観客の動員数を倍々にしてきたらしい。そして、今回は前回600人の倍、1500人の動員を目指している。その1500人の動員を達成するのに、1回のキャパが大きな会場を選ぶのではなく、単純に公演回数を倍にした。
    すなわち、今までの「手法」(観客の数を少なくして役者との接触を大きくする)を活かすことを選択したのだ。それは、1カ月公演(!)という大きなリスクを天秤にかけての決断だ。

    これは成功したと言っていい。
    観客は自分を覚えてくれて、語りかけてくれる役者たちに感激し、リピーターになり、さらに友人・知人を誘ったりする。まさに戦略通りの展開であろう。

    観客倍々の先にはシアターコクーンがあるらしいのだが、コクーンのサイズではこの手法は、そのままでは使えない。
    つまり、1500人動員、1回の公演で最大でも40〜50人規模の現在から、コクーンに行くまでは、どうしても100人規模、200人規模等々、の会場を避けては通れないからだ。
    その規模で観客との距離を縮めるために、単に客席の通路を走り回ったり、客入れのときに役者がロビーに出ているだけでは埋めることのできない隙間が現れてくるだろう。

    それがやってくるのは、たぶん、3000人動員を目指す次の公演からではないだろうか(今回の1カ月公演を単純に倍の2カ月公演にはできないだろうから)。
    そのときには、さらに何かアイデア、手法が必要になってくるだろう。ひょっとしたら公演内容事態も今までと違ってくるかもしれない。実際、物語のつくりはそれほどでもないし。課題も多いが、期待も大きいというところであろうか。

    会場を大きくする、それが彼らの次の正念場であり、それを楽々と越えてみせてくれるだろう、彼らがとても楽しみである。

    そして、コクーンの先には何があるのか、ということも楽しみでもある。

    公演自体は、前半は少しだるいのだが、後半からのスピード感と泥臭い物語には飲み込まれた。ストーリー自体は特にどうということはないのだが、「役者が演じるから面白い」というこを実感させてくれる舞台であった。
    それだけ役者が活き活きしているし、熱いし、うまいと思う。

    ただ、いくつか書いておきたいことがある。
    1つめは、主人公の少年は、17歳という設定なのに、なぜあんなに幼い台詞回しをしているのだろうかということ。早めにしゃべるときは普通の声色なのに、ゆっくりしゃべるときだけはにぜか幼い感じの声色になる。これはずっと違和感を感じた。

    2つめは、ゴベリンドンが2階のほうからするすると降りてくるシーン。ホントにきれいにするすると降りてくるのだが、これって、結構危険ではないだろうか。もちろん本人もだが、客席のほうが問題だ。1つ間違えて手や足を滑らせたら観客の頭上に落下してしまう危険性がある。暗い中で、観客の姿も見えないであろうから、ここは(観客の)安全性を優先して、うまい方法を考えてもらいたい。これは後に書く、アクシデントを見たので余計にそう思った。

    また、どうでもいいことだが、「銃」ではなく「剣」とか「刀」にしたほうが、演劇的な見栄えがしたし、「血」との相性(笑)も良かったのではないだろうか。
    火薬と弾という疑問も残ってしまうので。

    実はこの公演で、ちょっとしたアクシデントを見た。

    役者が走り込んだ先に女性が座っていて、彼女の顔に役者の頭が激突したのだ。
    「痛い」という小さな声を上げて、女性は顔を押さえ蹲った。
    役者は当然それに気づいたが、ちらりと一瞥しただけで演技を続けた。彼女は顔を押さえたまま、劇場を出て行ったのだ。
    この公演は舞台監督もいないし、劇場内にいるスタッフは音響と照明のみ。彼らは暗いのでたぶん気がつかなかったと思う。観客も気づいた人は少なかったのではないかと思う。
    あのあと一体どうなったのか気になる。公演後のあいさつでもそのことにはまったく触れなかった。
    勢いよくぶつかったようなので、怪我をした可能性もある。
    劇団側の誰かが、フォローしたのだろうか?

    この公演に行った方はご存じだと思うが、役者が観客席を走るところにはラインが引いてあり、開演前に注意が喚起されていた。しかし、ぶつかった女性は後から入ってきたので、その注意を聞いていないと思われる。
    当たり所が悪かったら、顔に傷やアザができている可能性もあり、とても心配で、帰りもモヤモヤした気持ちをぬぐい去ることはできなかった。

    役者はラインの上を走ると言っても、ラインの上だけをまっすぐに走るわけではないので、私がイスに立てかけていたアンケートの厚紙を蹴飛ばされたりもした。たまたま横を向いていたからアンケートを蹴飛ばされたのだが、もしそちらを向いて座っていたら、私は足を蹴られ、役者はひっくり返っていた可能性もある。

    役者には照明が当たっていることもあり、観客がどこにいるのかはわかりにくいだろう。したがって、前記の2階から降りてくるシーンを含め、ラインとイスとの位置など、再度安全点検をしてほしいと思うのだ。

    なお、このアクシデントを知った知人が後に劇団側に確認したところ「出演者のお知り合いだったとのことで、丁重なお詫びをしたそうです」とのことで一応安心した。
    ただ、本来ならば、劇場内にフォローするスタッフがいないのだから、いったん公演は中断するべきではなかったのか、と思う。
  • 満足度★★

    異常なレビューにつられ
    随分沢山の人に愛されてる舞台だなとレビューを見て、是非観劇してみたいと思い、台風の中、観覧して来ました。夕方になるにつれ、風は強くなるも劇場は沢山の人。割合として女性7男3くらいでしたね。
    みなさんが素敵なレビューしてるので、期待して観させて貰いました!私が感じたこととしては、『女性が好き』と思うような舞台なのかな?と感じましたね。私は男ですけど、正直この舞台、まだまだ薄っぺらいという印象が強くて、何でもストレートに言葉で説明し過ぎてる舞台でしたね。一つの舞台として、そんな細かに状況説明を挟むことが、流れを崩してると感じ、剽軽な演技手のノリはコメディというよりは、腕の足りなさを隠すカモフラージュにさえ思えました。これらの状況から、舞台からのメッセージを受けるというよりは、演技手の熱いパッションを感じ場という感じが強かったですね。

    若くて、熱くて、青くて、がむしゃらで

    そんなのが好きな人はこの舞台から
    感じるものがあったりするんだろうと思います。

    迷ってるなら観るべきでしょう
    ここに並ぶレビューよりは
    良いモノが必ずありますから!

    どうか楽しんで下さい

    最後まで無事
    舞台をやり抜くことを祈ります

    どうか、怪ガのないように☆

  • 満足度★★★★★

    何回観てるんですか皆さん・・・。
    まぁ、そういう自分も二回目の予約はもう取ってありますけど・・・。

    昔、ミュージカルを好きだった頃、同じ作品を何回か観に行ったことがありますが、それに似た感覚かもしれません。

    実際、舞台の使い方や音楽の使い方から、昔ブロードウェイで観た『キャッツ』や『ターザン』なんかを思い出したので、きっとそういうことなんだろうなと思いました。

    ネタバレBOX

    というか正直、来ている客が何人かが可愛すぎて、そちらに意識が行ってしまい、集中できなかったので二回目に賭けたいと思ってます。

    二回目は可愛い子が来てないことを望みます。
  • 満足度★★★★★

    嫌いになれないよ。
    場所は廃工場で、駅から遠くて、一週間くらい前まで暑いと言われて、今は寒いと言われて、それでも35人以上が評価して平均4.9。なんじゃこりゃ?ということで自分の目で確かめてきました。
     
    着いた場所は本当に廃工場。「ここでやるんですか?」と思わず訊いてしまったほど。出演者たちが出迎えてくれて、しばし談笑。出入り口のシャッターが下りて、暗くなって、ちょっとの沈黙。目を開けると、先ほどまで気さくに語らっていた劇団員たちは「語り部」となり、目の前に広がる世界は「物語の中」となる。
     
    あの日は風が強くて、開始から一時間くらい経った頃かな。シャッターを揺らす音が一段と大きくなって、少しだけ気が緩んだ。帰りの電車のことをちょっとだけ考えて、あたりを見回して、そういえばここは廃工場だったのだと我に返った。「語り部」が僕のすぐ横を駆け抜けて台詞を放つと、僕の意識はまた「物語の中」に戻った。あの日僕は物語を観てきたのではなく、物語の中に入ってきたのだと思う。
     
    どんな物語かは観てのお楽しみだけど「一途な想い」の物語だと思います。これを観たらおぼんろを嫌いになれないですね。
     
    ちなみに平日20時開演だと、帰りの電車は男の徒歩で歩いて木場駅に22時30分過ぎって感じでした。

  • 満足度★★★★★

    評判どおり。
    あまりにこりっちでの評判が高いので、スケジュールを変更して観に行く。思いっきりハードルを高くして観たが、それに応えるステージだった。

  • 満足度★★★★★

    廃工場に響く慟哭の声
    いつにも増して激しい熱気と、深い感情を揺さぶられる舞台でした。ただ、観客側からすると、あちこち視線を転じなければいけないので、ちょっと忙しかったかな。ストーリーは何というか、珈琲のエスプレッソのようにお芝居のいろんな要素がぎゅっと濃縮された感じで、見応えありました。今回特に驚いたのは、ゴベリンドン役の俳優さんの身体能力の高さと声の美しさ。スクワットしたまますばやく移動したり、沼でタクマと話す時のコンテンポラリーダンスのような美しいポーズ。そしてこの時の慟哭の声の美しさ。高く、低く、切なく悲しく恐ろしく、廃工場いっぱいにハウリングする声には本当に聞き惚れました。廃工場なので仕方ないけれど、この時に舞台のような十分に効果的な照明が無かったのが悔やまれる。どんなにか美しいワンシーンになったかと思います。

  • 満足度★★★★★

    人生初めて
    一つの作品を5度に見行きました。「観てきた」の書き込みを見ても、4回5回と観ている方もいらっしゃるようですが、話を聴いたら、もっと来ている方もいるそうです。
    何故こんなにもこの作品に惹かれるのでしょう。
    作品の美しさ。語り部達の圧倒的な演技力。回を追うごとに洗練され、凄みをましていくような気がします。
    見る場所を変えるだけで、目で追う人間を変えるだけで。毎回違う楽しみを覚えます。
    目標動員が1546人とのことですが、
    たった1546人にしか見せないのは、もったいない。
    この作品はもっと多くの人に見てもらわなければならない作品であると思います。
    数日後、知人を誘い、私は人生で初めて一つの作品を6回見に行くことになるでしょう。
    もう残りの公演も少なくなってきました。
    まだ、間に合います。気になってる方は、今日にでも向かわれ事をお勧めします!早く見に行かないと、もう一度観劇を!が出来なくなってしまいますよ!

    ネタバレBOX

    小道具が増えていたり、化粧が変わっていたりが リピーターにはとてもうれしいです♪
  • 満足度★★★★★

    まだ、見ていない人、急げ!!
    今回で4回目。もう、麻薬状態。
    何回行ってもあきない。
    定期を買って観に来る人がいると聞いたけど、分かるような気がする。
    廃倉庫が行くたびに劇場らしくなって行く。
    要するに拾ってきたかもしれないゴミ仕様の小道具や舞台美術が増えていくわけだけど、それも妙に納得してしまう。
    5人の役者もさらに息がピッタリで、またしてもひきこまれてしまった。
    まだ、見ていない人、急げ!!

  • 満足度★★★★★

    ものたりない
    もっとどっぷりあの物語の世界に浸っていたかった。
    マチソワ2連チャンで観劇したけれど、まだ観たりない。
    出来ることならもう2、3回は観たい。東京に住みたい。
    観れば観るほどそれぞれのキャラクターが愛おしく思えてくるのだろうな。

    ネタバレBOX

    お面を被ったトシモリにタクマが最初と同じ台詞をはくシーン。体の中から何かがジワジワとこみ上げてくる。
    ゴベリンドンの苦しみ。タクマの悲しみ。メグミのやりきれなさ。全てを蔑むようなザビィの瞳。
    ラスト、シグルムの葉が降り注ぐ中、真っ赤な世界でのトシモリの後悔。悲しみ。嘆き。愛情。
    知らず涙がこぼれてきて、ともすれば嗚咽さえあげてしまいそうなのを必死で抑えた。
    ゴベリンドンの魂は救われたのだろうか。メグミはその後どうしただろうか。
    悲しいけれど愛おしい物語りでした。
    今もふいに思いを馳せます。
  • 満足度★★★★★

    「苦手」なんて、ない
    そう言われた気分でした。とにかく、見に行ってよかった。

    ここが、と挙げるとキリが無いくらい、苦手要素が多く、予約してからも「やっぱり、やめとこうかな?」と迷っていました。
    それでも行ったのは、観たい、観てきた、素晴らしかった、の声がとても多かったから、というのと、これは気になるな、という自分の直感を信じてみたから。
    いざ見に行ってみると、感想の言葉が選べないくらいで、感想もぐちゃぐちゃになった頭をフル回転して、震える手でなんとか書いた、という有様でした。
    こういう口コミサイトに書くのはそれこそ「苦手」で、でもなんとか感想を書いて、一人でも多くの人に見に行ってほしい、と思います。
    迷っている方、気になっている方は、是非。
    あったかで切ない物語が出迎えてくれますよ。

    ネタバレBOX

    (ネタバレというほどのものでもありませんが)
    「物語」といえば、確か、大人のための物語か童話かというようなことをお聞きしたように思いますが、私には神話めいたものも感じられました。
    物語ほど都合がよくないところ、どんな想いで行った行為であれ罪は罪という姿勢、悲劇性……などなど。どこか、神話のような要素もあったように思います。
    時折出てくる不思議な言い回しもそう感じさせる原因なのでしょうか?
    二度出てくる「悪魔」についてのセリフ、不思議な言い回しですが、大好きです。二度目で嗚咽が漏れそうなほど泣きました。
  • 満足度★★★★

    芝居が本当に好きなんでしょうね
    廃工場が舞台。セットにも思い入れを感じさせてくれる。観客に想像させ、そして参加させる。
    民話の語り部が言葉を紡いでいるようだ。
    末原さんをはじめ劇団員の皆さん(裏方さんも含めて)の思いが、ぎっしりつっまった芝居であった。
    椅子のプチプチもお知りが痛くならないような配慮もうれしかった。

    蛇足だが、終演後、バス停に行くと終バスがすでに終わっていた。周りはデニーズとセブンイレブンしかなく、どう帰っていいか途方にくれたが、何とか帰ってくることが出来た。
    江東区は少し遠かった。

  • 満足度★★★★★

    久しぶりに号泣です!
    おぼんろの存在を知ったのは、拓馬さんのブログでした!
    ・・・出会えてとても良かった(*^。^*)・・・
    と、今改めて思います。
    彼らはとにかくすごい5人!!パワフル且つ繊細な演技に、最初から最後まで引き込まれてしまいました^^拓馬さんの汗が飛んでくるほど、役者陣が近い!それがまた、自分たちもその場所(森や沼や部屋の中etc.)に居るという感覚を創り出してくれる。まさに体感型アトラクション!!!
    大人のダークファンタジーでもあるし、中3の娘でもとても感動&おもしろいと思えるストーリーです。
    廃工場出るまで号泣でした、私(>_<)。家に着いて、ひょんなところから赤い紙がでてきて(そそ、あの赤い葉っぱ)、
    「あ~~夢じゃなかったんだぁ」とまたまた熱いものが込みあげてくる次第でした。

  • 満足度★★★★★

    立ち上がるキャラクター
    主宰の末原拓馬がきれいな顔で情熱的に語るから
    その青いパッションに惹かれて人が集まるような印象があったが、
    それは大きな誤解だった。
    5人の役者の一人ひとりが創り込む登場人物が何と魅力的なことだろう。
    廃工場のシャッターの内側は、痛みを伴う大人のファンタジーの世界だった。

    ネタバレBOX

    廃工場の中が丸ごと物語りの世界になっている。
    廃材を利用したという飾り付けも、役者の衣装も、
    観る者を架空のその国へと惹き込む。
    悲劇に悲劇が重なるようなストーリーの根幹にあるのは
    人間の尽きることのない欲望と孤独を怖れる気持ち、
    そして大切な誰かを守ろうとする、身勝手なほどの愛情だろうか。

    役者がそこにいるだけで、一人ひとりのキャラクターが立上がって来る。
    ゴベリンドンを演じた高橋倫平さん、高い身体能力を生かした
    縦横無尽の動きが魔物の孤独と哀しみを一層引き立てている。
    “死ねない運命”にもがき苦しむゴベリンドンの慟哭が
    びんびん伝わって来て素晴らしい。

    死体洗いの老婆ザビイを演じたさひがしジュンペイさん、
    欲の塊のようなこの老婆は、金品も欲しいが
    実は人々から一目置かれたくて仕方がないという
    孤独の裏返しのような欲求にまみれている。
    その観るもの誰にでもある俗っぽい気持ちを
    見透かすような台詞に魅せられる。

    二人の叔母メグミを演じたわかばやしめぐみさん、
    この人のちょっとハスキーなアルトの声は本当に魅力的。
    “沼の声”として歌う所もミステリアスな感じが素敵だし、
    ちっちゃな顔で、紅一点の華やかさと母親の温かさを両方表現できる人だ。

    兄のトシモリ演じた藤井としもりさん、
    この人の表情や瞳は何か哲学的なものを感じさせる。
    魔物を恨みながらも、その魔物と契約してしまった自分を
    激しく責める気持ちがどこかあきらめに似た表情ににじんでいて
    凄惨な行為に走る心理に説得力を与えている。

    作・演出で弟タクマを演じ末原拓馬さん、
    まずこの世界観を一から作り上げたことがすごいと思う。
    ゴベリンドンの森、沼、伝説と俗世がクロスするエピソード、
    これらを目に見えるかたちにしたのがあの廃工場だ。
    純なタクマがどれほど悲しかったか計りしれないが、
    それでも大好きな兄を一人にはしないというラスト、
    小さな希望の芽を残したところに救いがあって温かい気持ちになった。
    幼さの残るタクマが少しずつ大人になっていくところがとても良かった。

    気温が下がったことに加えて扇風機もあり、劇場は大変快適だった。
    ビールケースの椅子にぷちぷちの座布団がこれまたとても良かった。
    360度スムースに向きを変えて観ることができる。
    都心のヘンな客席の劇場に持ち込みたいくらいだ。

    末原拓馬さんの前説に情熱は感じるが、
    始まりは一気に物語りに入った方が効果的かもしれないと思った。
    この廃工場へ足を踏み入れた瞬間、
    私たちは物語りの世界に引きずり込まれる。
    この劇場にはそれだけの力があるし、
    観客の想像力をもう少し信じても良いと思う。
    もちろん終演後にいろんな話が聞けるのはとても楽しい。
    5人の努力の賜物である特設劇場、
    こういう空間でいつでもロングランできたら本当にいいね!
  • 満足度★★★★★

    哀しいお話し。
    人間が誰しも持っている、一番近い愛する人を護りたいが為に引き起こされる悲劇でした。役者はキャラクターが皆異なるのに、不思議な世界観が作り上げられていました。今までおぼんろは何度か観ていますが今回の作品は会場設定も内容も演技も一つ抜け出した印象をうけました。座った場所から2階部分での演技が観ずらかったので、スケジュールが空いたら反対側からもう一度観劇したいなと思いました。劇場へのアクセスが悪くても、あんなに充実した芝居を観せてくれるのであれば料金設定をもっと普通にしても良いのではないかとも思いました。

    ネタバレBOX

    紅い木の葉か花びらか2階部分から舞い落ちてくる演出は、まるで歌舞伎の世界のようでもありました。ラストのメグミの哀しみと希望との泣き笑いの様な表情がとても印象に残りました。
  • 満足度★★★★★

    ぜひ♪♪
    すぐそばを風が駆け抜け、風が渦を巻く。汗の滴なのか涙の滴なのか、光の粒がキラキラと流星のように落ちてくる。観客と演者を隔ててるものは何もなく、手を伸ばせば、そこに演者が居る。この距離感。緊迫感。迫力。演者の全身から発せられるゴベリンドンの世界観に、観客は否応もなしに引き込まれ、喜び、怒り、哀しみ、楽しむ。上演時間は90分だというけれど、優にその時間は越えているのだけれど、飽きがない、退屈がない、無駄がない。物語に、演者に目を離すことができない、無我夢中という名の舞台観劇。 俺は2度目の観劇。これからも時間の許す限り、また観劇へ向かいます。360度を見渡す、この舞台。演者も観客達もみんなが活き活きとしていて、その一挙手一投足が俺の心を奮わせ、その表情のひとつひとつが感動を呼び起こしてくれる。奇跡という言葉を信じることができる舞台『ゴベリンドンの沼』。お薦めです☆

  • 満足度★★★★★

    やはり、とんでもない。
    初日を観劇してからのリピート。日々進化する「おぼんろ」を支えているのは紛れもなく、経験技術才能を持ち合わせた、語り部5人の力なのだと思います。ただただ圧倒されます。
    客の入りを聞いてみると、「まだまだ 薄い」とのこと。すでに2度3度4度とリピーターとして来ている参加者が何人もいるそうです。劇団四季じゃあるまいし、そんなに何度も見に来る 小劇場の劇団や作品が今まで、存在したのだろうか? リピーター料金が安いから観に来る。では収まらない。駅から歩けば軽く15分はかかるし、まともな空調もない。(扇風機の設置によってサウナのようだった初日の暑さはなくなり、昨日は快適に見ることができました!)しかし、それでも、足を運ばせる何かが あそこにはあります。
    話題を聞いてやてくる当日券の参加者も後を絶たないみたいですし、
    口コミという波が徐々に伝わってきているように思います。
    既存の劇場では出来るはずのないモノがあそこにはあります。
    演劇が好きな人は絶対に見るべき。演劇という常識を根本からひっくり返されると思います。
    おぼんろ「ゴベリンドンの沼」 奇跡を呼び起こすにはふさわしい作品。
    私もまた、あの森に向かいたいと思います。

    ネタバレBOX

    終演後のバー ゴベリンドン での語り部たちと話しながら飲む一杯も格別です(笑)
  • 満足度★★★★★

    同僚の正直な感想に納得
    初日に行ってまたリピーターで観てきた。
    やはり、思った通り、進化していたようだ。
    脚本が変わっているわけではないだろうに、役者の熱さはそのままに、芝居が昇華したようだ。
    何度見ても引き込まれてしまう。
    物語自体より、役者の演技に引き込まれてしまうのかもしれない。
    昔芝居をやっていたという同僚が観に行って、パワフルな役者たちから元気をもらったと言っていた。
    とても面白かったと。
    いまどきあんなに熱くなる連中がいることに驚き、自分も頑張らなくてはと思ったそうな。
    そうなんだ、おぼんろは見に行けば、元気になれるんだね。

  • 満足度★★★★★

    出会えたことに大興奮!!!!
    役者の『突き抜けてる』感じがほんと凄い。
    物語がどうとかもうそんなじゃない。
    この劇団がやるんだったら、カチカチ山でも桃太郎でも、私はもの凄く熱狂する。これ絶対。

    「コクーン行くまでずっと観に来ます!」って約束してきた。
    これ本気。

    出会えたってことだけで、「ああ、私の人生は成功したな!」って思える劇団は、今のところ(自分の所属劇団含めて)片手にちょっと余る程度だけど、そのうちの一つに加わった。

    要は「惚れた!!!」ってことだい♪

  • 満足度★★★★★

    刺激的
    いつもの劇場では味わえない興奮の舞台。
    360度廃工場を存分に使って、独特の世界観を見事に表現した。
    役者の熱さも伝わり場内は暑いが、一見の価値あり。
    素晴らしい。

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