高尾山へ 公演情報 高尾山へ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/05/23 (金) 14:00

    学生時代に山サークルで同期だった2人が20年以上ぶりに新宿で遭遇してそのまま高尾山に行ったエピソードを軸にそれぞれの人生(?)を浮き彫りに。
    中心人物2人の対照的な造形が演者の個性を際立たせてリアリティがあり「不惑」どころか惑いまくりの四十代を活写していたと思う。
    また、時制の前後させ方や背後の美術なども巧みだった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    まさに、人生とは?を考えてしまいました。
    あと、観る人の年代によって感じ方がだいぶ違うのかな?!とも思いましたが面白かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/05/25 (日) 11:00

    主催のかたの前説の雰囲気とても好みでしたし、「間(ま)」も笑わせてもらいました。
    ストーリーも大きな抑揚は無いものの、じんわりと考えさせられ、また自分も振り返ることができました。

    ネタバレBOX

    若者の何気ない「希望しかないっす」→きっと若者は言ったことも覚えていないでしょう。
    それが後からのかなり重要な伏線になるとは!
    そして今回の観劇のなかで私にとってキーワードとなりました。

    「希望しかないっす」は今後の私の座右の銘、そして実際口にしていきます!
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    空洞での公演は鰻の寝床のように細長いこの空間の長辺に客席を設えることが多いが、今回は空間入口側短辺に設えてある。劇空間のレイアウトが上手いことに感心させられた。先ず奥の下手側側壁、ホリゾント及び上手に分厚い壁のように置かれた大きな矩形のオブジェに樹木の写真を貼り付けて高尾山の模様を表す。同時にこのオブジェと上手側壁の間の観客席からは見えない部分を袖として用いて一旦観客席下手の狭い空僚を出捌けとして用いて板に乗った役者の溜まりにもしているのである。板状は出捌け出口に切り株を活かしたテーブルが置かれその奥にベンチ式の椅子、上手に通常の椅子。写真の貼られた空間の入口のテーブルの対角線に対し交差するような面持ちで置かれている背の高い長方形のテーブルと巨大なオブジェ手前に置かれた背凭れ無しのベンチ。
    尺は約85分。心に沁みる作品。(追記後送)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    倉田大輔氏と市原文太郎氏は大学時代、登山サークルで一緒だった。市原文太郎氏が突然辞めてしまってそれっきり。20年以上経ったある日の午前、新宿紀伊国屋近くの喫煙所で再会。どうにもお互い憶えているもんだ。特に二人とも予定はなかった。「じゃ、山行く?」「え?マジで。」高尾山なら新宿から電車で一本、一時間も掛からない。ほんの思いつきで40代のくたびれたおっさん二人の小旅行が始まる。

    役者が主催するだけあって役の振り分けが巧い。
    唇に個性ある役者を集めたようにも思えた。
    河村凌氏は身体ゲンゴロウの『ノストラダムス、ミレニアムベイビーズ。』の小学生役がインパクトあった。
    競泳水着の『暫しのおやすみ』でスター女優役だった鮎川桃果さん、天才新人女優役だった竹田百花さん。

    各シーンが書かれたカードをシャッフルしてランダムに捲ってみたような構成。捲る度に時系列が飛び、それぞれの関係性が更に深く掘り下げられていく。それを成立させるスピード衣装替えが見事。パズルのように嵌め込まれていくシーンがラスト、絶妙なステンドグラスを完成させる。

    何かどうしようもないやりきれなさに包まれて理由もなく涙ぐむ。今作を旗揚げに選んだ作家の感性にRespect。今これを観るべき人は必ずいる。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    ベンジャミン伊東とは人気バラエティー番組『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』で伊東四朗が生み出したキャラクター。デンセンマンと「電線音頭」が大ヒットした。

    倉田大輔氏は結婚13年、末期の膵臓癌。子供はなく妻には長年浮気相手がいることも知っている。それでも妻をどうしようもなく愛していた。
    急遽の山登りにスポルティバの登山靴とシングルバーナーを買った市原文太郎氏。長年勤めた制作プロダクションを辞めてきた帰りだった。
    一体何処に向かって歩いているんだろう?

    多分このホンの底流には岩井俊二の『Love Letter』が流れている筈。時空を超えた想いが伝わるラスト。ここが重要で現在と過去が気持ちによって一瞬で繋がる不思議。それは昔好きだった曲を久し振りに聴いた時の感覚に近い。一瞬であの時の切実な想いが甦る。

    アンジー「ゆきてかえらず」

    へとへとに疲れてるから見つけないで 本日は音静か
    想いは御空を越えて彷徨ってた 過ぎた日は帰らない
    哀しみの墓を建てては掘り起こして 幾らかは生き延びた
    粉々の出来事全てかき集めて 肩の荷がまた増えた
    強く掴んでも握り締めても手の中に残らない
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    人生を山登りに準えて、40歳代の中年男2人の喪失と再生、そして…を描いた好公演。偶然、大学以来の友人と再会し、何となく高尾山に登る。中年になり 人生の先が見え始め、それでも まだ頑張れるといった中途半端な年齢(不惑ではないなぁ)。その心の叫びのような思い、それを山登りの途中で出会う小学生に さり気なく言わせるところが上手い。

    現実と遣り甲斐、その実感を失った先に灰色の景色が待っている。たびたび劇中で吸うタバコ、燃え尽きたカスのような儚さと悲哀が漂う。タバコに火をつけながら、これが最後と言い、暫くして これが始まりのタバコと言い火をつける。人生諦めたようで、まだやり残したことがある。その足掻きが中年期のような。しかし、久し振りに会ったとは思えないような 飄々にして軽妙な会話、それが重たくならず 逆に滋味ある物語にしている。
    (上演時間1時間25分 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、簡素だが情景がしっかり浮かぶ。冒頭は 上手にベンチ、中央に足高テーブル そこにはザック・登山靴・登山用バーナー、下手は木製のソファと切り株のテーブルと椅子で、山イメージ。後壁には、観光 高尾山の写真を縦断したものが横並び 不規則に飾られている。場景の変化に応じて、小道具・小物を動かす。

    大学時代 山岳サークルに入っていた2人が、平日の昼間に偶然 新宿で出会って、思いつきで高尾山に登ることに。20数年ぶりの再会、伊藤(渾名がベンジャミン⇨伊東四朗のニックネームから?)と高桑はお互いの近況や思い出話をしながら歩みを進める。山での暗黙のルール「こんにちは」、それを登場しない登山者に明るく挨拶する。

    遠足であろうか 途中で出会う小学生、2人がベンチで休んでいると (登頂を)諦めたのかと訊ねる。小学生が椅子に上り、頂上に立つという達成感が爽快だと・・・やっほー‼ そこから眺める景色も最高だろう。山行に準えた人生が浮かび上がる。そしてべンチで休んでいる様子は、まさに今の2人の状況。伊藤は プロダクション勤務でクリエーティブな仕事、一方 高桑はコンサルティング。しかし、伊藤は 仕事の遣り甲斐を失い、後先考えずに退職する。高桑は余命が短い重病。

    説明にある「後日、高桑の妻と対面した伊藤。知らなかった話と…」から、何となく想像がつくラストではあるが…。人は いつかは死ぬ、それが早いか遅いかの違いであるが、その時まで精一杯生きたいと思う。高桑が妻 藤子の腕の中で「死にたくない」と嗚咽する姿が哀しい。その光景を 穏やかに流れるピアノの曲が優しく包み込むようだ。

    団体名「さよなら人生」だが、旗揚げ公演だから「こんにちは人生」だろう。これからの公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    そろそろ無理が効かなくなってきた世代の悲哀をリアルに描いた秀作。物悲しく、滑稽であるがそこは重たくなり過ぎず、軽妙な演出が全編を通して散りばめられており、最後まで観る者を飽きさせない。

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