ウイルス 公演情報 ウイルス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    「悲しみ」や「苦しみ」から逃れることができない「人」、実はそれを操っているのではないかという「ウイルス」、そしてそれらの先にある「絶対的な存在」を見つめていく
    創立40周年!
    見始めて15年ぐらいなのだが(天賦典式のほうを中心に)、いつ観ても大駱駝艦は面白い!

    ネタバレBOX

    大駱駝艦の醍醐味は、混沌と猥雑さにあるのではないかと思う。
    毎回あるテーマを掘り下げたり、イメージを膨らませたりしながら、テーマの内と外を「舞踏」で塗り固めていくという印象だ。

    今回のテーマは「ウイルス」。

    震災以降の日本の状況から、人とは? 人の営みとは? そして運命とは? という問い掛けが、麿さんの中で生まれたのではないか。
    「人」をミクロに見ていく中で、「ウイルス」というキーワードが浮かび上がり、30億年生き抜いてきた「ウイルス」にはウイルスの「戦略」があり、「人」は、「ウイルス」によって生かされているのではという命題にたどり着き、この作品の端緒となったのだろう。

    さらにその考えを進めていくと、そもそも「ウイルス」に「思考はあるのか?」「感情はあるのか?」に突き当たり、さらにウイルスの行動から、「運命」とか「偶然」というキーワードが見え、「神」とか「仏」とかという「絶対的な存在」をも視野に入ってきたのだろう。

    例えば、麿さんがフライヤー等で「全宇宙生命の創造と破壊を設計したあなたのゆったりとした微笑に私は哄笑で答えよう ヒトは大悲のウイルスとなったのだから」と述べている中の「大悲」という仏教用語からもそれがうかがえる。

    「悲しみ」や「苦しみ」から逃れることができない「人」と、実はそれを操っているのではないかという「ウイルス」と、その先にある「絶対的な存在」を見つめていく。

    そういう、ミクロからマクロへの、壮大なパースペクティブを描いた作品ではなかったのか。

    その基本テーマに「ウイルス」が置かれた。

    DNAやRNAなどといった、大昔に生物の授業で習ったような語句がシーンタイトルに並ぶ。中でもキツネのP2(FOX-P2)なんていうものは、キツネという訳が面白く、舞踏手によって再現されていたが、彼女が触ると「言葉」を発することから、言語に関する遺伝子だということがわかる(一応、後でネットで確認した・笑)、ユーモアたっぷりのシーンになっていた。

    また、「門」や「羅」は、その語句の通り、生物の分類用語であり(これもうろ覚えだっので、後でネットで確認)、ウイルスたちの反乱だったり、活動だったりが活き活きと描かれていた。
    活き活きしていたのは、このシーンを主に担当した女性の舞踏手たちだった。
    今回の特徴として、抑制された動きに感情を込めているように感じていたいつもの印象とは違い、女性の舞踏手たちの強いパワーを感じたことがある。
    特にメインに感じた高桑晶子さんともうひと方(鉾久奈緒美さん?)の弾けるような勢いとパワーの放出、そして躍動感、つまり生を感じた。
    また、1人赤い花を付けたFOX-P2設定の女性(我妻恵美子さん?)の愛らしさは、他の女性たちが踊る姿とは別の姿を見せてくれた。

    蜘蛛の巣のように張り巡らされたヒモ、ワニなどの小道具のあっさり感も含め、猥雑さ、混沌は、少し影をひそめていたようだ。例えば、麿さんの(赤い)ハイヒールは登場しなかったなど、いろんなモノをそぎ落とした印象だ。

    それは、オープニングの麿さんの姿からもわかる。立っているだけなのに、パワーがある。前に出てきて肉体で誇示するのではない。これだけで「凄いな!」と思った。
    そして麿さんのソロも実にシンプルであったと思う。細かいことはしないで、存在しているだけ、に近い感覚かもしれない。
    その姿は、公演の内容というよりも、麿さんが立っているのは、大駱駝艦であり、大駱駝艦のそのもの姿を観たような気もした。
    今回は、全体的に見ても、舞踏手たちのバランスが非常によく、そのはまり具合は気持ち良かったのだ。

    今回初めて登場した、ジェフ・ミルズの音楽は、いつもの大駱駝艦と同じ印象に感じるほどマッチして、これも気持ちが良かった。もともと親和性がよかったから選ばれたということかもしれないのだが。

    そして、カーテンコールは、いつも通りのカッコ良さ。鳥肌立つ。

    なんとなく少し変わったかも、という印象だった今回の公演。
    ここから新たな変化が訪れるのかもしれない。目が離せないぞ。
  • 満足度

    うーん
    超つまらなかった。暗黒舞踏の時代はもう終わり。

  • 満足度★★★

    69歳のキツネ
    私はダンスをよく知らないし、ほとんど観たことがない。
    友人に勧められてようやく今回大駱駝艦を初体験したのだが、
    漠然とイメージしていたよりはるかに洗練されていて、かつ
    麿赤児のしなやかさが強烈に印象に残る舞台だった。

    ネタバレBOX

    私が日頃観に行く舞台とは少し客層が違う。
    「ダンスやってる」系の若い人や、「アートが仕事」なおじさん風が多い。
    歴史あるカンパニーだからだろうか、ファン年齢層の幅広さに驚く。

    蜘蛛の巣のような太いネットが舞台いっぱいに張り巡らされ大勢の人がうずくまっている。
    やがて音楽に合わせて彼らの身体が震えはじめる。
    震えるだけで腹筋が鍛えられそうなほど長く続くその動きに
    スポーツのような肉体の鍛錬を感じる。

    次に男性が大きなワニの人形を持って踊っているうちに早くも少し飽きてしまった。
    ダンスを観るポイントを知らないからどこを見ればよいのか判らない。
    勢い、リズムとか動きの斬新さ・美しさを期待してしまうからなのだろう。

    舞踏は、静止している時の身体がそのクオリティを表わす気がする。
    鍛えられていなければ、長い時間同じ姿勢を保つことなど出来ないだろうし、
    しかもそれが美しく緊張感を保持しているところがすごい。

    麿赤児がキツネに扮して踊った時が、私的には一番盛り上がった。
    くるくる変わる表情、顔ではなく身体全体で表す表情が豊かで楽しい。
    ためらったり疑ったり、決心したり思い切って進んだり、という変化が鮮やか。
    キツネは、何を言っているのか判らない言葉をもにょもにょ言って
    そのたびに会場から笑いが起こる。
    音としか聞き取れない中に、感情が見え隠れしてひどくおかしいのだ。
    69歳の肉体が観賞に堪えるというだけでも感動する。

    大向うから歌舞伎のようなかけ声が飛んだ時にはびっくりした。
    年季の入った渋い声で
    「麿!」
    とやるのは、よほどの古参ファンだろう。

    舞踏を見慣れない者としては、公演時間がもう少しコンパクトで
    ソロと群舞が交互にあったりしたら、間延びしなくて楽しいのになと思う。
    ファンは少しでも長く観ていたいのかもしれないが・・・。

    最後の挨拶で、全員が御大を中心に楕円形を作り
    その密度と厚みを崩さずにゆっくりと舞台前方へにじり寄ってきたとき
    改めて大駱駝艦の凄さを感じた。
    個々のメンバーの完成度と全体としてのバランスが集約されている感じ。
    そしてやはり、顔といい動きといい、麿赤児さんが強烈な存在感を示した公演だった。
  • 満足度★★★★

    祝40周年
    壺中天と比べて広大な舞台だが、蜘蛛の巣でバランスよく空間を使っていた。人やセットをよく活かした作品。一部の演出は遊び心があるとみるか、余計とみるか、紙一重。座席は上の階のほうが全体をとらえやすい。

  • 満足度★★★

    うたうウイルス
    舞台面は、蜘蛛の巣の形でロープが張られている。その中で舞踏手たちの鼓動は始まる。

    ネタバレBOX

    だが、何なのだろう、この倦怠は。以前の駱駝にあったようなゾッとするようなシーンを見ることはできなかった。
    はじめは男性舞踏手4人の踊り。手に便器、大きな卵、ひまわり、ワニを持って踊るのだが、これが何とも退屈で、男たちの体に技術的なものはあるのかもしれないが、身体の闇が見られなかった。闇がなければ舞踏ではなく、単なるスポーツになってしまう。つぎの女性舞踏手たちのクネクネした魚のような群舞は、土方舞踏を彷彿とさせる面白さがあった。全体的に言えるのは、男性はみんなスポーツマンみたいで身体の趣きに欠けて、女性のほうが時に霊的なものが流れるように思えた。あくまで印象ではあるが。
    ラストでは、ロープの蜘蛛の巣が吊り上げられ、舞台全体を覆う形になる。そのなかで麿赤兒が踊るが、何なのだろう、この申しわけなさそうな踊りは。だが、最後に舞台前方に一人たたずんで、声なき歌をうたうのが、なんとも言えず感動的だった(この歌はきっと「ふるさと」だと思う。前のシーンで女性たちが独特の身体的唱法で「ふるさと」を合唱した)。これまでの舞踏シーンが、そこでひとつに集約されたような感動だった。
  • 満足度★★★

    エンターテインメント性のある舞踏
    老舗舞踏カンパニーの創立40周年記念公演で、精神論的な方向に行き過ぎず、エンターテインメント性を大事にしていて、所々にユーモラスな雰囲気もあり、エログロ的表現もソフトな印象で、単純に楽しめました。

    冒頭からかなり長い時間を床にうずくまっている男性3人や、ワンシーンの間を宙に吊されたフレームに座り続ける女性達等、静止したままで舞台美術の一部として存在する身体が美しかったです。
    喜び、悲しみ、驚きといった様々な感情を想起させる、いびつで優雅な女性群舞が素晴らしかったです。麿赤兒さんのソロは凄味と滑稽さが両立していて、強い存在感がありました。全員が一列あるいは一固まりになって客席側にジリジリと歩み寄るシーンが印象的でした。

    土井啓輔さんとテクノ・ミュージックの大御所、ジェフ・ミルズさんによる音楽がとても格好良く、正直舞踏だけでは少々間延びしているシーンを引き締めていました。
    女性舞踏手達が着ていた青いドレスは美しかったのですが、男性が着ていたカビをイメージさせる赤や緑の小さな玉が付いた衣装は安っぽくて、残念に感じました。

  • 満足度★★★★★

    震えた!!
    壮大な宇宙の中のちっちゃな世界…。すごいよなぁ。舞台セットも音楽も照明も衣装ももちろん振付もすごいよなぁ。感激!!特に今回は女性の鋳態に魅力を感じました。麿さんの鋳態にも注目です!!

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