満足度★★★
エンターテインメント性のある舞踏
老舗舞踏カンパニーの創立40周年記念公演で、精神論的な方向に行き過ぎず、エンターテインメント性を大事にしていて、所々にユーモラスな雰囲気もあり、エログロ的表現もソフトな印象で、単純に楽しめました。
冒頭からかなり長い時間を床にうずくまっている男性3人や、ワンシーンの間を宙に吊されたフレームに座り続ける女性達等、静止したままで舞台美術の一部として存在する身体が美しかったです。
喜び、悲しみ、驚きといった様々な感情を想起させる、いびつで優雅な女性群舞が素晴らしかったです。麿赤兒さんのソロは凄味と滑稽さが両立していて、強い存在感がありました。全員が一列あるいは一固まりになって客席側にジリジリと歩み寄るシーンが印象的でした。
土井啓輔さんとテクノ・ミュージックの大御所、ジェフ・ミルズさんによる音楽がとても格好良く、正直舞踏だけでは少々間延びしているシーンを引き締めていました。
女性舞踏手達が着ていた青いドレスは美しかったのですが、男性が着ていたカビをイメージさせる赤や緑の小さな玉が付いた衣装は安っぽくて、残念に感じました。