GO HOME 公演情報 GO HOME」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    こういうのだったかぁ。
    イメージしていたより、なんか真面目で堅い感じでした。
    ちょっと肩凝ったかな。もっと破天荒な雰囲気を勝手に期待していたので、
    「あれ、普通」と思って拍子抜けしてしまいました。
    刺激を求めすぎるのは自分の良くないところかもしれませんけど。

    それはそれとして、役者さんの力演と、真摯な台詞。評判が良いのも納得。

  • 満足度★★★★

    切ない
    劇団初見。
    舞台セットが素晴らしい。
    鮭が生まれた川に戻って産卵して死ぬという一生と、人の一生が提示されて考えさせられた。
    良い作品。

  • 満足度★★★★

    洗練された舞台
    吉祥寺シアターの階層を上手に利用し、シンプルだが美しい舞台面。水面が映ったような照明も美しかった。

    ネタバレBOX

    「Go Home」という題名がまず気になる。あちら側(冥界)にいる人が「帰りなさい。」と言っているような感じだが、内容はそうでもないような・・・開幕から30分ぐらいは「何をやってるんだろ?」と、思ってしまう場面が続いたので、もう少し観客の心をここで掴んでおきたいところ。その後の展開がとてもおもしろくなったので、その辺りちょっと残念。非現実的な死者と会える森や火の鳥も必要だったか?あまり効果的には見えなかった。和博には親を食べて生きるたくましさがほしかったな。せつなくて泣けました。
  • 満足度★★★★

    やり切れない
    鮭の一生の繰り返しのような人たち。

    ネタバレBOX

    まるで鮭の一生の繰り返しのように、アル中DVの子はアル中DV、朴とつな親の子は朴とつ、結局遺伝子に支配されているような何とも重苦しくてやり切れない話。

    それでも子は、親のいいところを覚えているのかもしれないなって思わせるところが救いでした。

    奈落が少し覗き込める舞台、四層とも五層とも言える舞台、奈落に飛び込むシーンもあって興味深かったです。
  • 満足度★★★★★

    セットが圧巻
    説明に「大海をめぐり、難をのがれ、鮭たちは生まれた川に帰ってくる。」とあるが人間も同じような生きざまを見せつける。人の一生とは残酷でもあり正義でもある。そんな彼ら一人ひとりを愛しくも感じた舞台であった。

  • 満足度★★★★

    胸が詰まるラストシーン。
    早船聡さんのお話は、父と子、母と子、夫と妻(特に離婚した夫婦や、子どものできない夫婦)など、家族のモチーフが必ず出現する。人間の関わり合いの原点だからだろうか。
    鮭が川を遡るように、人生のさまざまなシーンを遡っていく。
    どうしようもない、人生の理不尽や挫折、日常などがさまざまに絡み合っていく様が、美しく紡がれていく。
    ラストシーン、絶望なのか、希望なのかわからないけれど、胸が詰まった。

  • 満足度★★★★★

    切なくてあったかい。
    期待通り。
    不思議な世界の中、だんだん見えてくる話の残酷さ。
    とっても切ない。
    でもあったかくて。
    最後は涙してしまいました。

    あ~~~サスペンデッズ、すきーー!!!

    吉祥寺シアターだから出来る空間?

    照明の素敵さは毎回テッパン!

  • 満足度★★★★★

    闇に光明を見る想い
    早船さんのお芝居を観る度、そう思うのです。

    早船さんのような演劇人が存在する限り、私はまだ演劇に絶望はしないぞと思います。

    ヒトの感情の流れを奇をてらうことなく、細密に、それでいて、一切の無駄なくシンプルに表出できる、類稀な劇作家の筆力と、その世界観を見事に体現できる役者さん達。その連携プレイの秀逸さに、何度も涙し、心身の震えが収まりませんでした。

    まるで、私にとっては、小劇場界の希望の星のような劇団です。

    もしも、私が、もっと早く、この劇団に出会っていたら、我が家の歩む道も、もっと別にあったかしら?とか考えて、胸がはち切れる想いがしました。

    息子の養成所同期の間瀬さんのご出演は、嬉しい反面、そういう個人的な思いも重なり、複雑な心境でした。

    どうか、サスペンデッズは、このままであってほしい!
    この劇団の役者さんは、本当に、恵まれていると感じます。

    これだけ、脚本と演出が的確だからか、演じる役者さん達の魅力も炸裂。

    芝居の登場人物全員に、絶え間なく好感を覚え、劇場を後にするのが、心残りでなりませんでした。

    ネタバレBOX

    昔、2000人の応募者の中から、何故か私が選ばれたFMラジオのオーディションで、私は、当時好きだったさだまさしさんを例に出し、彼の歌詞の素晴らしさについて語ったことがありました。

    彼は、歌詞に「愛してる」とか「君が好き」とかいうダイレクトな言葉を使わずに、見事に人物の心情を描く術に長けていました。

    早船さんの台詞には、その当時のさだまさしさんに共通する、心情の卓越した表現力をいつも感じます。

    今回の作品でも、真澄の和博に対する、彼女なりの愛情吐露の台詞に、何度も心を揺り動かされ、心の中で、慟哭しました。

    和博と真澄の別れの場面から始まり、二人の小学生時代の初対面の場で終る、芝居構成の巧みさはもちろんのこと、周囲の人物の描き方も、秀逸極まりなくて、それぞれの人物同士の心の流れが、作り事ではなく、一々、共感を覚えるのです。

    このストーリーのシチュエーションと酷似した作品を過去に幾つも観てはいますが、早船さんの描く人物には、生来の悪人が一人も出て来ないんですね。

    アルコール依存症で、息子に暴力を振るう父にしても、下級生を恐喝する女子高生にしても、登場人物に、しっかりと作者の愛情が注がれて、一人もご都合主義の登場人物がいないのです。

    その上、それを演じる役者さん達が、これまた素敵な演技表現をされる方ばかりで、批難すべき箇所が全く見当たらない。

    しいて言うなら、題名が、内容をイメージしにくいという部分ぐらいです。
  • 満足度★★★★

    みた
    みてよかった。
    観劇好きを自認していて、こちらの劇団を未見の方に特に勧めたい。

    ネタバレBOX

    場面転換が少し目まぐるしかったのは残念なところ。
    結末を描きすぎないさじ加減が好み。
  • 満足度★★★

    ドラマを越えていくこと。
    親から子への遺伝と、そこに生じる想いを綴った普遍的で良質なドラマであると思います。
    ただ、それ以上でもそれ以下でもないというのが正直なところです。それはこの作品でわたしは生身の人間を感じることができなかったから。

    ネタバレBOX

    上述のとおり、良質なドラマであると思います。ただ、どこまでもドラマ性を越えてこない。そこは血のつながりという意味で良くも悪くも人間の吐息や鼓動があるはず(それは作中で言えば、父親の子どもへの暴力であったり、その原因ともなる飲酒の遺伝性だとか。もっと拡大解釈を許していただけるのであらば、舞台上に延々と血の配合を繰り返してきた人間が立つということをも含めて)にも関わらず、それが情報としては伝わってくるが、曖昧に、非常に粗い描線としてでしか伝ってこない。

    なぜなのか。そこには舞台上の話であるという前提が薄い膜のように各人物を取り巻いているように思えてなりません。その事実を否定するつもりはありませんが、虚構・架空を越えていかない限り、単なるドラマでしかない。たとえば、観客にある人物に感情移入させるなり、「そうですよ、わたしは現在舞台上で演技を行っていますよ」と開きなおるところからはじめてみても。たった一瞬、観客をハッとさせるだけでもいいのですが。

    どうにかしてドラマ性を越えていかない限りは、「いいおはなしを見たな」という観客の客観性を越えていけない。ならばお金も時間もかからないテレビドラマでいいんじゃん? というところに少なくともわたしは行き着いてしまいます。

    大きく捉えれば、現在は客観の時代というのもあると思います。退屈で不安が蔓延る日常の中で、我関せず。人を他者として客観的に眺めるというのがはやっているので。なので想像も出来ないような凶悪犯罪が発生すれば目を背けるではなく、そこに引き込まれてテレビに釘付けという状況も起きる。客観性の枠を破らずにいかに安全地帯で自身を犯されず、でも面白いものを見たい。そんな我が儘を表現者は要求されているわけですから。観客を主体に、ある意味で観客にリスクを負わすようなドラマ作品を見たいし(それはもちろん観客いじりだとか、観客の身に危険を与えるとかそういう意味ではなく)、そうでなければ「なぜ舞台でなければならないのか」という、なんども問われてきたような問いにまたぶつかってしまうので。

  • 満足度★★★★

    これは芸術的な良作である
    人間の一生を、鮭の一生と重ねて描いた作品。
    芸術的な作品でありながら、とても分かり易く描かれている。
    これはオススメしたい作品。
    特に観劇初心者が、ステップアップする作品としてもオススメできる。
    舞台美術も工夫に溢れており、目を惹いた。
    上演時間1時間50分。



    ネタバレBOX

    脚本家の言いたいことがダイレクトに感じとれた(気がする)。

    「鮭は川で生まれ、死んだ親を食べ、成長したら川を下って海へ行き、
    そして川へ戻って、イクラを生んで死ぬ。」
    これを繰り返し、繰り返し、行うことで子孫繁栄を行っている。

    人も人と出会い、結婚して子供を産み、育て、そして死んでいく。
    そして、大事な親族、仲間が志半ばで死んだとしても、
    残った者は最後まで生を全うしなければならない。

    それを、当作品の物語・エピソードを通して、語っているように思えた。

    物語の設定として、どこにでもありそうなところも好感を持てた。
    自分の身近なこととして、捉えられる。

    敢えて細かいことは書かないが、それは自分で観て感じ取った方が
    良いと思えるからである。これは体感した方が良いだろう。

    脚本/演出の早船聡さんの作品は初見であったが、
    名前はしっかり記憶に留めた。

  • 満足度★★★★

    ぐっときました
    三途の川を渡るまでの回想録。最期はやっぱり故郷に帰る。泣けましたね。シリアスとコミカルが絶妙にブレンドしていて唸らされます。しかし世代を超えるアルコール依存症はやはりリアルに怖い。

  • 満足度★★★★★

    曼荼羅のような死生観
    舞台美術の美しさとスケールに圧倒される。
    BGMは終始川のせせらぎだけ。
    舞台美術に魅せられ、川を遡るような構成に魅せられた2時間。
    私は川のほとりで鮭たちの一生を見た。

    ネタバレBOX

    冒頭、長い沈黙から始まった和博(佐藤銀銀平)と真澄(橘麦)の別れ話。
    その重苦しい雰囲気から、少しずつ時間は遡って
    私たちはその沈黙の意味と重みを知ることになる。

    彼らの駆け落ちの理由、高校生の頃、さらに小学生の時の出会い。
    二人を取り巻く友人たちの死や
    父親の暴力、そして一途な片思いなど様々なエピソードが
    ひとつの川へと流れ込む。

    このストーリーの中で、大事な人はみんな川で死ぬ。
    まるで鮭が卵を産んで死ぬために故郷の川へ帰って来るようだ。
    だが人が鮭と決定的に違うのは、「理不尽な人生に対する怒り」を持っていることだ。
    そのやり場のない怒りを抱えた人々が痛切に描かれていて胸が痛む。

    佐藤銀平さん、屈託のないランドセルの小学生が本当に似合う。
    運動神経の良い人らしい軽やかな動きとテンションがヘビーな話の救いになっている。
    後の鬱々とした人生とのギャップが鮮やかで素晴らしい。

    真澄をずっと一途に思い続ける純な孝造を演じた間瀬英正さん、
    ナイーブでひたむきなキャラクターがはまって
    断られたけれど、今後彼女の支えになるのは彼だろうと思わせるものがある。

    舞台手前に深く口を開けた川へ、芳江(新田めぐみ)が飛び込んだ時
    思わず「あっ!」と声を上げそうになるほどの衝撃があった。
    何とすごい舞台美術だろう。
    地下と舞台と、上手から下手にかかる一段高い通路、
    そして正面さらに高いところには死者に会えるという噂の深い森がある。
    その上客席を見下ろす通路と、吉祥寺シアターの空間をフルに使っている。
    輪廻とか死後の世界を感じさせるスケールは、まるで曼荼羅を見るようだ。

    一人の役者が親と子と、何役も演じるので複雑に感じるが、作者の問いかけは直球だ。
    その素朴な力強さが、繊細な精神世界を超えた自然の摂理を強く意識させる。
    誰かが死んでも、残された人間は生きて行くのだ、死ぬまで…。
    それはランドセルの和博がくり返す言葉そのものだ。

  • 満足度★★★★

    美しい舞台美術にまず
    心を奪われる。吉祥寺シアターの地下まで利用した舞台は初めてみました。鮭の生と人間の生をシンクロさせながら紡がれる物語は、まるで香気ある文学作品のようだ。生や輪廻、人間の業といった形而上学的なものを上手く舞台化していたと思います。ライトの使い方も印象的。この作品に他の劇団には見られない芸術的な品格を添えていた。なんだか、「THE 舞台芸術」とでも呼びたいような作品だ。演出家の意図が明確で分かり易く、きれいに一つのトーンにまとまっている。欲を言えば、まとまりすぎて破綻が無いのが寂しいところ。これだけの舞台と役者さんなら、もう少し暗示的なシーンとか幻想的なシーン、イメージのみのシーンなど、本筋に関係ないシーンを入れても十分に鑑賞に耐えたと思う。
    ラストは感動的。まさに文学。

    ネタバレBOX

    これは完全に私の好みというだけですが、開演前から流れていた川のせせらぎや森の音、ずっと流し続けていて欲しかったなぁ。鮭の生と回帰本能を暗示する素晴らしい効果音になったと思う。また、せっかく地下まで見せているのだから、
    飛び込む為だけに使われてしまったのは残念。この地下からの幻想的なライティングなど、ぜひ見たかったです。美しい舞台でしたが、もっともっとと欲張るのは観客の常。生にフォーカスしたこの舞台、もっと芸術性を追っても十分に分かり易く、観客にアピール出来たと思います。

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