満足度★★★★
現代社会の孤独と社会病理
宮崎出身の、いわゆるアラサーの3人の女性の物語。
それぞれ人生に苦労している。
エリートサラリーマンの婚約者と暮らし、一見幸福ながら、
しかし、何となく「彼」に違和感も感じている女性。
そして、一旦郷里に帰ったものの、再び東京に出てきたが、
職探しに苦労する女性。
そしてもう一人、テレビ局勤務ということで、
一見幸せそうながら、一旦退職して戻ってきたため、
セクハラ・パワハラ(?)に苦労している女性。
前半は彼女達の辛い日々が、交代に描かれる。
私にはこれが結構長く感じられた…悪い意味ではないが。
というのは、かくいう私も、サラリーマン生活に馴染めず、
(というよりは、そこから落伍して、の方がより正確かな?)
一応自営業というか自由業になれたものの、
宮仕えの窮屈さというのも、経験しているので、
私は、冷静に見ていられないんですよね。ああいうシーン。
それでまあ、最後の方で、どんでん返し(…と言ったら大袈裟かも
しれないが)があって、それまでの重苦しい雰囲気から
ちょっと解放されるのだけど、でも、それは「はじめの一歩」という感じ。
世の中、ネットに限らずあらゆる点で便利になったものだが、
しかしある意味、みんな孤独になっているんじゃないかなあ…。
この芝居を見て、そんな「現代の社会病理」(これも大袈裟)を感じました。
満足度★★★★
ナチュラルさとデフォルメの相乗効果
主人公3人の鬱屈した気持ちを舞台に映えさせる
周りのキャラクターたちのデフォルメが実にしたたか。
彼女たちの想いに
じわっと染められてしまいました。
満足度★★★★
前作とことごとく対照的
前作とは舞台設定も装置も物語の味わいもことごとく対照的だが、これはこれでまた面白い。
今回の主役はアラサー三人娘よりも彼女たちを悩ませる「憎まれ役」の面々ではあるまいか?
そのイヤらしさやダメっぷりが強烈であればあるほどラストが爽快なワケで。(まさに往年の東映任侠映画の系譜?(笑))
なお、ラストシーンの風のSEに「風に逆らう三姉妹」なんてフレーズを思い出したりも…(笑)
満足度★★★★
よかったです
三十路女の再チャレンジ。職場もプライベートも居心地はよくありません。実にリアルっぽく楽しめました。明るい未来はないかもしれないけれど、とにかく今は頑張るしかない。上京組としては身に沁みましたね。舞台は東京でも宮崎弁の会話は懐かしかったです。
満足度★★★
アラサー乙女の「青春」グラフィティー
世話物である。高校時代からのはみ出しトリオも今やアラサー。各々が事情を抱え、失敗経験も積んで故郷の宮崎に会した。各々が、自ら犯した失敗を繰り返すまい、と一所懸命に生きてゆくが、現実は、中々厳しい。
その有様を、当に現代の地方に生きる等身大のキャラクターで描いた。劇団員もスタッフも、世話物を演ずるにはまだ若いが、良く頑張っている。更なる鍛錬を続けて欲しい。そうすれば更に伸びるであろう。