憧れと衝動 公演情報 憧れと衝動」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    現代社会の孤独と社会病理
    宮崎出身の、いわゆるアラサーの3人の女性の物語。
    それぞれ人生に苦労している。
    エリートサラリーマンの婚約者と暮らし、一見幸福ながら、
    しかし、何となく「彼」に違和感も感じている女性。
    そして、一旦郷里に帰ったものの、再び東京に出てきたが、
    職探しに苦労する女性。
    そしてもう一人、テレビ局勤務ということで、
    一見幸せそうながら、一旦退職して戻ってきたため、
    セクハラ・パワハラ(?)に苦労している女性。

    前半は彼女達の辛い日々が、交代に描かれる。
    私にはこれが結構長く感じられた…悪い意味ではないが。

    というのは、かくいう私も、サラリーマン生活に馴染めず、
    (というよりは、そこから落伍して、の方がより正確かな?)
    一応自営業というか自由業になれたものの、
    宮仕えの窮屈さというのも、経験しているので、
    私は、冷静に見ていられないんですよね。ああいうシーン。

    それでまあ、最後の方で、どんでん返し(…と言ったら大袈裟かも
    しれないが)があって、それまでの重苦しい雰囲気から
    ちょっと解放されるのだけど、でも、それは「はじめの一歩」という感じ。

    世の中、ネットに限らずあらゆる点で便利になったものだが、
    しかしある意味、みんな孤独になっているんじゃないかなあ…。
    この芝居を見て、そんな「現代の社会病理」(これも大袈裟)を感じました。

  • 満足度★★★★

    ナチュラルさとデフォルメの相乗効果
    主人公3人の鬱屈した気持ちを舞台に映えさせる
    周りのキャラクターたちのデフォルメが実にしたたか。

    彼女たちの想いに
    じわっと染められてしまいました。

    ネタバレBOX

    主人公の3人の女性たちは
    控えめであっても貫くキャラクターがあって。
    平凡だし、弱さがあるとはいっても
    生身の女性の感情がしっかりと透けて見える演技に
    支えられて、観る側に印象をしっかりと築きあげる。

    さらに、それぞれを取り囲むキャラクターたちに
    際立ったデフォルメがあって、
    彼女たちの想いや感情を浮かび上がらせていく。
    それがあざとくなく、でも際立った部分が作り込まれていて
    しかもワンポイントではなく
    家やバイト先の居酒屋や制作会社(?)の
    世界を背負って描かれていて。

    派手な印象は特にないのに、
    でも主人公たちと支えるお芝居が
    実にしたたかに重ね合わされて、
    醸される感情がぼやけずクリアに
    観る側に伝わってきます。
    だからこそ、そこからさらに先に進む彼女たちの姿の高揚感も
    観る側が流すことなく
    そのままに受け取ることができて。

    主人公たちと周りのキャラクターを背負う
    役者たちのお芝居がブレなく貫かれているからこそ
    成り立つ感覚ではあると思うのですが、
    一方で、それらをしっかりと機能させた作り手の
    手腕の確かさを感じたりも。

    前回公演から続いての観る側が委ねうる舞台に
    この作り手の作品をさらに観たくなりまし
  • 満足度★★★★

    前作とことごとく対照的
    前作とは舞台設定も装置も物語の味わいもことごとく対照的だが、これはこれでまた面白い。
    今回の主役はアラサー三人娘よりも彼女たちを悩ませる「憎まれ役」の面々ではあるまいか?
    そのイヤらしさやダメっぷりが強烈であればあるほどラストが爽快なワケで。(まさに往年の東映任侠映画の系譜?(笑))
    なお、ラストシーンの風のSEに「風に逆らう三姉妹」なんてフレーズを思い出したりも…(笑)

  • 満足度★★★★

    宮崎と役者と
    一貫してる劇団ですな

  • 満足度★★★★

    よかったです
    三十路女の再チャレンジ。職場もプライベートも居心地はよくありません。実にリアルっぽく楽しめました。明るい未来はないかもしれないけれど、とにかく今は頑張るしかない。上京組としては身に沁みましたね。舞台は東京でも宮崎弁の会話は懐かしかったです。

  • 拝見しました
    ありがとうございました。おつかれさまでした。

  • 満足度★★★★

    愛嬌
    チケットプレゼントにて鑑賞。元気が湧いてくるような話に好感。

    ネタバレBOX

    久美(大川翔子)は、演劇への想いを捨てられずに上京、紗江(異儀田夏葉)の家に居候し、以前働いていたキャバクラめいた店で働き出す。紗江の家にいられなくなった久美は、従業員の萩原(塙育大)と同居しだすも、萩原はDVっけのある男だった…。
    紗江は、両親想いの友達想い。久美を自宅に招くも、同棲しているエリート会社員・渡辺(佐藤達)は、潔癖症というか神経質で近眼な男で久美をよく思わない。そんな渡辺に合わせることに疲れつつ、結婚という夢と両親への気持ちから、自分を殺す毎日を送る紗江。そんな中、渡辺の海外赴任の話が決定する…。
    優希(板倉美智子)は、TV局のAP。Dの林田(犬塚征男)に陰鬱でノリが悪いといびられる。Dの横山(とまべちゆうこ)に庇ってもらい頑張るも、横山がレズでその想いを優希が拒否すると、今度は横山が陰険なイジメをはじめ、優希は精神的にもまいってしまう…。

    高校からの友人で宮崎出身の3人が、夢のために頑張り、人間や環境に押しつぶされそうになるも、勇気ある一歩を踏み出し始める話。三十くらいの女性を主人公に、ビターな感覚で悩みと抑圧された人間を描く。
    中盤の、3人が圧迫されはじめるあたりから面白さがグッと増す。全員演技が上手いと思うけど、各ストーリーの敵対者がいい味を出すからだろうか。佐藤達とか気持ち悪い感じがうまいし、塙も気味の悪いイライラ感がうまい。とまべちも前半の好意的な感じから一転、ネチネチした攻撃が上手い。

    主演の3人も、打ちひしがれ涙する演技がとても良かった。ついでにいえば、林田役の犬塚が、軽薄そうで筋のあるようなDを魅力たっぷりに演じていたと思う。笑えるし、横山とのやりとりとかグッとくる(この時の横山も好きだけど)。久美の働く店の店長役の根津も、萩原とのやりとりの旨さと久美への配慮とか、できた人間を力強く演じてて印象よい。

    ラスト、「扇」の「耐えろ!!」ってのに、前向きな気持ちになれる舞台だった。
  • 満足度★★★

    アラサー乙女の「青春」グラフィティー
     世話物である。高校時代からのはみ出しトリオも今やアラサー。各々が事情を抱え、失敗経験も積んで故郷の宮崎に会した。各々が、自ら犯した失敗を繰り返すまい、と一所懸命に生きてゆくが、現実は、中々厳しい。
     その有様を、当に現代の地方に生きる等身大のキャラクターで描いた。劇団員もスタッフも、世話物を演ずるにはまだ若いが、良く頑張っている。更なる鍛錬を続けて欲しい。そうすれば更に伸びるであろう。

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