憧れと衝動 公演情報 小松台東「憧れと衝動」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    愛嬌
    チケットプレゼントにて鑑賞。元気が湧いてくるような話に好感。

    ネタバレBOX

    久美(大川翔子)は、演劇への想いを捨てられずに上京、紗江(異儀田夏葉)の家に居候し、以前働いていたキャバクラめいた店で働き出す。紗江の家にいられなくなった久美は、従業員の萩原(塙育大)と同居しだすも、萩原はDVっけのある男だった…。
    紗江は、両親想いの友達想い。久美を自宅に招くも、同棲しているエリート会社員・渡辺(佐藤達)は、潔癖症というか神経質で近眼な男で久美をよく思わない。そんな渡辺に合わせることに疲れつつ、結婚という夢と両親への気持ちから、自分を殺す毎日を送る紗江。そんな中、渡辺の海外赴任の話が決定する…。
    優希(板倉美智子)は、TV局のAP。Dの林田(犬塚征男)に陰鬱でノリが悪いといびられる。Dの横山(とまべちゆうこ)に庇ってもらい頑張るも、横山がレズでその想いを優希が拒否すると、今度は横山が陰険なイジメをはじめ、優希は精神的にもまいってしまう…。

    高校からの友人で宮崎出身の3人が、夢のために頑張り、人間や環境に押しつぶされそうになるも、勇気ある一歩を踏み出し始める話。三十くらいの女性を主人公に、ビターな感覚で悩みと抑圧された人間を描く。
    中盤の、3人が圧迫されはじめるあたりから面白さがグッと増す。全員演技が上手いと思うけど、各ストーリーの敵対者がいい味を出すからだろうか。佐藤達とか気持ち悪い感じがうまいし、塙も気味の悪いイライラ感がうまい。とまべちも前半の好意的な感じから一転、ネチネチした攻撃が上手い。

    主演の3人も、打ちひしがれ涙する演技がとても良かった。ついでにいえば、林田役の犬塚が、軽薄そうで筋のあるようなDを魅力たっぷりに演じていたと思う。笑えるし、横山とのやりとりとかグッとくる(この時の横山も好きだけど)。久美の働く店の店長役の根津も、萩原とのやりとりの旨さと久美への配慮とか、できた人間を力強く演じてて印象よい。

    ラスト、「扇」の「耐えろ!!」ってのに、前向きな気持ちになれる舞台だった。

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    2012/05/31 23:51

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