ストレンジャー彼女 公演情報 ストレンジャー彼女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 23件中
  • 満足度★★★★

    独特の空気感に圧倒される。
    始まった瞬間からその独特の空気感と質感にしびれてしまった。一見ホラーかと思わせるような暗い作りだが、演出も務める寺十吾が出てくると、独特のユーモア感があり、不思議な魅力の作品に仕上がっている。寺十吾の存在感が圧倒的。

    母親役(クマコ)を演じた大高洋子が、どすの利いた台詞回しで芝居を引っ張っている。これまた魅力的だ。

    ただ、登場人物が多く、ひとりひとりの役どころがつかみきれなかったのが残念。たぶん、2回、3回と観ればますます面白くなっていく作品だろう。

  • 満足度★★★

    「暗黒面」に向き合おうとする真摯な作品
     霊を召喚できる一家が奇妙な難事件を解決していくミステリーとして、テレビドラマとかにシリーズ化できそう。内容が陰惨すぎておそらく無理だろうけど……。当日パンフに書かれていた通り「暗黒面」に向き合おうとする陰惨な芝居だった。世の中の悪事や犯罪を列挙し、内蔵やら血やらを描写し、加害者や被害者の心理をトレースしていくのだから、脚本を書くのは相当しんどい作業だったのではないかと想像する。わたしはこの「なぜ人を殺してはいけないのか?」という90年代の呪いみたいな問題に対して、個人的には猟奇的な面ではあまり強い興味を持ってないんだけれども、世の中のダークサイドはむしろ見えないところで拡大しているのかなとも感じています。
     照明からしてとにかく暗い舞台だけど、地底人(寺十吾)が出てくるあたりからコミカルさが投入されて面白くなる。神なのか? 悪魔なのか? 人間を遙か遠くから見下ろすこの地底人キャラには、人間社会のウジウジした日常を突き放すような痛快さがあった(かなりキャラ濃かったな……)。淡々とした表情で的確にツッコミを放つ女(とみやまあゆみ)も、探偵ミステリーにおける助手的役割として印象に残ったけれども、後半は出番が急に減って、今ひとつ全体の中での位置づけがよく分からなかった感じ。登場人物の数のが多いせいもあるのかしら? もう少し、配役や、ひとりひとりの人物造形が丁寧であってほしかった。とある人物を演じた福原冠は、感情というものを表に出さない「透明な存在」を抑制した演技で好演していたと思う。へええ、こういう演技もできる人なんだ、と驚いた。ただ欲を言うなら、もうひとつ恐ろしい狂気を見せてほしかった。神戸の関西弁としてこれで果たして正しいのだろうか、とかそんなことが妙に気になってしまった。  
     囲み舞台ではあるけれども、人物の動きがあまりないので、場所によっては見え方がどうなのか、ということも気になった。特にディスカッションの場面になってくると、動きのなさが気になった。照明が暗いのも、演出上の効果を狙ったものとはいえ、あまり役者の表情が見えなくて少し残念。音楽の使い方もややもっさり(?)している感じ。若い観客にアプローチするにはそうした面での洗練が必要だとも感じる。現状では、演劇に馴染みの薄いお客にとっては敷居がかなり高いのではないだろうか。(以下、ネタバレボックスに続く)  

    ネタバレBOX

     ラストシーンで、ビールが飲みたいから買ってこいとか、あとご飯と味噌汁を登場させるというのは、ある種の定番とはいえ生理的に訴えかけてくるものがあった。まあ、あんな暗くて死人に近い場所でご飯を食べたいとは思いませんけども……(笑)。
  • 満足度★★★★★

    ディスカッション
    実在した殺人事件の被害者・加害者による「殺人」についてのディスカッションを、芝居を見るというより一緒に聞いて考える感じでした。
    劇場の空間を最大限に有効活用した演出効果が大きく作用していたと思います。

    個人的に概要ですら読むのに恐怖を感じる、北九州の被害者が出てきた時には思わず目を背けてしまい、舞台後も心の中に大きく残りました。
    衝動的・無差別・社会への恨みといった表にでるものとは一線を画している殺人を知ると、人を殺したいと思う気持ちが根底にあるのを感じ、またこういった気持ちはなくならないのかもしれないとも。

    人を愛するということを考えるのと同じ位、人を殺すということについても考えなければならないのかなと思いました。

  • 満足度★★★★

    死者と生者が出会う場所
    「いま・ここ」にはいない人々の対話、ドラマを「いま・ここ」に呼び出す演劇は、そもそも一種の降霊会のようなものなのだと思います。それは、過去と現在が、虚構と現実が、同列に扱われ、語られる場でもあります。ですから命を扱ったこの芝居が、打ち捨てられたマンション建設現場で行われる「降霊会」の形をとっていることは、とても得心のいくことでもありました。

    降霊会の会場は天上と地底とをつなぐ鉄製のエレベーター。参加者たちは、子殺しの母・クマコと地底人・ポールに導かれ、過去の凶悪犯罪の被害者、加害者、その死霊や生霊との対話を重ねます。愛のあり方や暴力について……時には詭弁めいた意見も交えつつ、しつこいほどに続くディスカッション。動きも少なく、どうしてもやりとりが観念的に思え、うまく飲み込めない部分も少なくはありませんでした。けれど、振り返ってみれば、あのしつこさには、通り一遍の善悪を超えた、人間の業に触れようという強い意志があった気もします。

    終幕、クマコに殺された娘(の霊)は、その母を恨みつつ抱きしめます。(むろん、それもこの会に呼び出された幻にすぎないのかもしれませんが……)やはり、愛も憎しみも暴力も、一人の人間からは生まれないのですよね。他者の存在はいつも、喜びであり、哀しみでもある。

    ネタバレBOX

    鉄格子に囲まれた舞台は、まるで牢獄のようにも見えました。それは、私たち自身が抱える他者との関係のジレンマを、象徴していたのかもしれません。そういえば、檻の向こうにはいつも、他のお客さんの顔が見えていました。

    照明や音響の効果、空間設計……この芝居の醸し出す「臨場感」には格別なものがありました。あの得体の知れない静けさを持ったクマコの表情と共に、たびたび記憶の奥底から甦る、そんな芝居になりそうです。
  • 満足度★★★

    「死」を思う。
    「どうして殺しちゃいけないの」。
    現代の倫理観では論じることさえ憚られるテーマについて深めていく時間でした。死後の世界なんかない、この現世が全て…という突き放しも良かったと思います。
    寺十吾さんの地底人ポール役、飄々とした物言いに笑わされ、核心を突いたセリフにドキリとさせられましたが、ご自身で演出されて舞台に上っているのだと思うとちょっと反則かな。
    ラスト、家族で食卓を囲むシーンで、もりもりとご飯を口へ運ぶ食べっぷりに、清濁併せのむ人間の逞しさが眩しいほどに感じられ、私も明るい現実世界へ戻ってこられたように思います。「死」を思うことは「生」を考えることなのだと感じる舞台でした。
    あと私が観賞した日は、現実の世界では死刑囚の刑が執行されたことがニュースになった日で、偶然とはいえ重く心に刻まれる日となりました。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    文句なし!
    設定が面白くて、セットが良く出来ているし、個性的な役者たちに魅了された。
    良かった。

  • 満足度★★★★★

    とてもよかった
    出演者からのご紹介で観にいきました。劇自体を過去4回しかみたことがなく、今回が5回目。かなり劇の若葉マークです。感想は「とてもよかった」です。

    まずセットがユニーク。360度どこに座っても楽しめる。出演者の位置がほぼ変わらないので背を向けている出演者も常にいるのだが、それもまた、声色だけで想像することが可能なので、全く文句なし。

    気になったのは準主役の方の演技。主役のクマコの演技力が突出しているように感じたため、準主役の方との差を感じてそれが最後まで気がかりだった。例えば声量のせいか、準主役の方の声が聞き取れない。キャラ的に暗い、曖昧っていうことを抜いてももっと精度を上げられるように思った。

    あと音響に関して、最初の音楽(椎名林檎)は、、、なんであんなに長くて間延びした感じだったのかしら・・・音に関してあれだけ謎です。

    テーマは「死」が絡むために重いですが、個人的には大満足。死に関しての考え方を出演者それぞれの観点から描いている為に、観覧者自身の「死」の考え方すらも、一つの考えに過ぎないのだということを直面させてくれるのが面白かった。

    あまりに面白かったのでまた見に行きたい。あっという間の2時間だった。

  • 満足度★★★

    猥雑と滑稽のバランスの妙。誰も真似できない家族劇。
     実在した殺人事件を多数とりあげ、B級スプラッター・ホラーの要素も盛り込んだSF仕立ての家族劇という、誰も真似できない物語でした。込み入った複雑な設定を、しれっと当然のように説明して成立させてしまうのは、演技、演出、スタッフワークの賜物だと思います。

     息の詰まるような緊張感に支配された、うすら恐ろしい時間が静かに流れています。そのムードを敢えて破るように間の抜けた皮肉なギャグが挟まれ、空気が一瞬なごむのが快感!
     ただ、私が鑑賞した初日のステージについては、密室感覚や恐怖、猥雑さなどが期待していた完成度には届いていなかったように思いました。

    ネタバレBOX

     舞台は廃屋化しているビルの搬入用(と思われる大きな)エレベーターの中。降霊術を行う家族がアジトにしています。母親(大高洋子)は人を洗脳して触媒(霊魂が入る器)にするのに長けており、4人の息子たちは触媒で、娘のワカナ(亜矢乃)には降霊の能力があります。とはいえ息子たちもワカナも母親に殺された幽霊で、檻のようなエレベーターは生者と死者が混在する空間でした。エレベーターがガタガタと上下するのを照明と音響でうまく表現していて、客席に座りながら自分も揺れているように感じるほどでした。

     地底人ポール(寺十吾)が、問題を抱えた依頼人たちにぴったりの霊を呼び出します。死霊、生霊が次々と湧いて出て、さらには触媒である息子たちも霊に乗り移られて別人となり、人間の輪郭や、あの世とこの世の境界が曖昧になっていきます。いかがわしくて気持ちの悪い空気が充満する中、地底人ポールのとぼけた演技がいいスパイスになり、独特の滑稽さでバランスが取れていました。刺激的で小気味良かったです。

     降りてきた霊には凶悪犯罪の加害者と被害者の両方がいて、依頼人たちとの議論は人間とは、命とはという根源的な問いへと発展していきます。
     好きな人を殺す代わりに猫を殺す少女は、憧れの存在であるサカキバラの生霊(福原冠)と出会い、虐待を受けていた女性は、かつて自分が殺してしまった友達の幽霊と出会います。2人ともがそれぞれの救い、もしくは現時点での答えを見つけたようでしたが、特にサカキバラの件についてはスッキリ腑に落ちる顛末ではなかったです。彼が実在の有名人(の生霊)だからかもしれません。

     共感して一緒に考えたくなったテーマもありました。セックスも暴力も人間の愛の形だけれど、肌を重ねても、相手を切りつけても、人間と人間は一体には成り得ない。愛(=暴力)を求めても、絶対的な孤独を身を持って知ることになるだけなのに、それでも人間は、他者を求めずにいられない。そんな致命的なジレンマから逃れる方法はあるのだろうか・・・。スエヒロさんいわくの「凶悪犯罪とオカルト」を材料にした「ディスカッション劇」に私も参加できました。

     最後はワカナが、母親を背後から抱き締めるという意外な行動を起こしました。ワカナは自分を絞殺した母親を憎んでおり、死ぬまでとりつくと決めてそばに居るのですが、その恨みと執着は、愛情と紙一重であることがよく伝わるシーンでした。家族だんらんの食事シーンもそういう効果があったのだと思います。ただ、背筋がゾクっとしたり、何かがぐっと喉もとまで込み上げてくるほどの味わいにならなかったのが残念。きっとステージを重ねるごとに密度が増していったのだろうと思います。

     何度も笑わせていただきましたが、躊躇なく爆笑したのは母親が「(飲酒は)未成年はダメ!」と言い切ったところ。子殺し犯なのに妙なところで厳しい!(笑)
  • 満足度★★★★

    深い深い深い
    観終わった後、身体の中から、魂から、熱いものがこみあげてきました。。。

    台本・演出・出演者・スタッフ・・・全てが 重なり、スキルを煌めかせ、
    観る者にいろんな形で伝わった舞台だったと感じました。

  • やられました。
    観た後の、直後よりも数日経ってからの尾の引き方が半端ないです。
    感想としてツイッターで「人が人を殺すということ」について自分なりの考えを記していたら友達に軽くキレられました。
    あの時あの空間には人間の不可解さが確かにあったと思います。

  • 満足度★★★★★

    闇との邂逅
    クマコの演技、そして存在感。圧巻でした。劇中、人間が抱える「闇の部分」をこれでもかと見させられながらも、なぜかこころはとても静か。こころの闇は、見られないことで守られている。見られないことで、その力をぐんぐん増していく。自分の中の闇を、演劇という表現を通して見せてもらった感覚。そして・・・ひとりの人間として、なんとも謙虚な気持ちになりました。「人間として」と言うと大袈裟かもしれないけれど。

  • 満足度★★★★★

    今から
    自分のブログに向かって言葉にしようと思います。そのくらい、日常の自分の感覚と、舞台を見ているときの感覚とが異なりました。
    追いかけているわけではなく、いいなと思うと寺十吾さんの作品なので、これから定期的にチェックしようと思いました。
    色のある俳優さんと、独特の舞台演出とが、とてもマッチしていました。

  • 満足度★★★★★

    いつもいつもスゴイ
    毎年、唯一見ている劇団。スズナリではないのは初めて。
    いやー。凄かったです。内容はかなり濃いです。横の女性は下向いてました。まさに四角いジャングル状態。いつもながらあっという間の2時間。
    今年は9月にも公演があるので、今から楽しみです。

  • 満足度★★★★★

    すごかった!
    四方から見る舞台。座ったのは子どもたちの顔がよく見えるほう。
    0歳のふたりはかわいかった。クマコはすごかった。おもしろかった!
    真剣に見過ぎて疲れてしまい、途中眠くなりましたが。

  • 満足度★★★★★

    初日を観て
    設定と展開は好み。罪(と言われているもの)を題材にしているだけにどこまでいってしまうのか心配しながらも引き込まれた。空間の使い方も上手。冒頭、少し入り込めずに長く感じたのが難点。それでも2時間超観させるのはさすが。

  • 満足度★★★★★

    高揚!
    不謹慎とかその辺のことはおいといて、堪らなく高揚しながら帰りました。多分自分は完全に娯楽目線でしか見てない!

    ネタバレBOX

    名実共に、実績ある異常者の夢の競演!理解されないから社会的には孤立してる人々が高次元(異次元?)でかすかにも理解しあってて、共通の話題で盛り上がるなんて普通のことができて、まるで常人。おまえら良かったな、とりあえず人の命の尊厳はおいといて、と胸が熱くなりました。際立つ個性を探すのが難しい世の中、そういえば実在の人物でもここまではいっていた。忘れていました。気がつけて良かった。

    濃ゆい人物たち、かつ大勢にも関わらず混乱もなく、かつ印象薄いのもおらず見られたのは何故でしょう?人物を大胆に不要情報を切り捨てた照明?役者の個性?人物の背景をうっすらとでも知っていたから?振り返ると色々な妙を味わってる気もします。こういうのを指して演出というのでしょうか。素人ながらに多分これがいい演出なのだな!と思いました。

    こういうのがあるなら色々舞台を見てみたいな、と思うようになりました
  • 4月1日(日)M
    いや、こりゃすげえ。狭い劇場空間に詰め込む圧倒的な精神的暴力。感服。

  • 満足度★★

    あらすじでの惹きとのずれ
    corich舞台芸術祭の10作品に選ばれたとのことで久しぶりに観劇した。追加公演まで出るにぎわいようだった。
    近頃はスズナリでしかやっていなかったようだが、この雑遊のスペースにも雰囲気はマッチしていた。
    ビジュアル的なセンスはかなりよかったが、脚本は好みではなかった。

    ネタバレBOX

    殺人事件が多発している地域で開発中止になってしまった廃屋で行われる降霊会が舞台だった。けれどもあらすじにあったような中心人物がずっと中心にいるわけではなく、さまざまな霊たちの経験が語られ、物語としてだいぶ拡散してしまっている。思いとしての筋道が通っていないと追いかけづらい自分としては苦手分野であった。

    エレベーターでの上下の際の照明や演出には引きずり込まれるような力があった。

    作品とは別の問題だが、遅れているお客様のために10分押します、というアナウンスにはげんなりした。ただでさえ遅くなりたくない日曜夜に、早く入っている客を待たせるのはいただけない。こういうことがあるから日曜夜公演に客が入らなくなるのではないか。始まってしまうと入りにくい作品であるのはわかるのだが。。。
  • 満足度★★★★

    人災、について
    なんかいろいろ考えます。考えてます。

  • 満足度★★★★★

    ゾミゾミした
    罪を挟んだ両極のものたちがゴッチャになって入り乱れて刺し違えて分離したまま撹拌されてて。
    この世は1人の脳内の中なんじゃないかとか。
    思ったり。そんなわけないけど。感じた。
    目撃した感がすごいあって、やー、まだなんか落ち着かない。

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