Goodnight 公演情報 Goodnight」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 42件中
  • 満足度★★★★★

    劇空間としての「居心地」の良さ
    とにかく劇空間の「居心地」の良いことと言ったら! 客席にいて舞台上で起こることを観ているだけでシアワセな気分になれる、的な。
    なので敢えてどこがどう良かったとか理屈での分析はせず、その旨のみにとどめる。
    抽象的な表現になるが、「口当たりが非常に良い酒」のようかも?
    何の抵抗もなく、すいすい受け入れることができて、いつの間にかすっかり酔っている、的な?
    しかもそれでいて悪酔いはしない、みたいな。(笑)

  • 満足度★★★★★

    毎度ながらの,質の高さ...
    楽しめる作品!コメディタッチのやり取りも,どこかほのぼのとして,微笑みを浮かべつつ観ている自分を自覚してました。菅野さんの役どころが少し意外。団員お二人もいい味出してました。次回も期待です!!!

  • 満足度★★★★★

    無題405(12-148)-2
    18:30の回(雨)。初日に続いて2回目です。「りんごりらっぱんつ」も2回みていますが、「競泳水着」はそのときが初めてで、終わってすぐもう一回みたいと思い即予約。今回はというと、2回みることに決めていました。
    17:45受付でしたが、時間を間違え早めに着いてしまったのに、すでに待っている方がいらっしゃいました。17:45受付、18:00開場、下に降りると細野さんがいらして、あまりにビックリしたので話しかけることなく頭を下げつつ場内に...。
    間、1週間以上ですが、先週末、2年間携わったある地方の業務が終わりました。ひとつのけじめ。
    本作、それぞれの「決断」が描かれていて、初日には感じなかったものが観劇中湧き上がってきました。これは今までなかった感情です。同じ作品をみているのに、初日とこれほど印象がちがってくるものかと、自分でも驚いています。続く

  • 満足度★★★★★

    劇的じゃない演劇。
    面白い。個人的には賞賛を送りたいです。絶賛したい。ある意味、衝撃的でさえありました。これでひとつの作品になるのか、と。意欲作、挑戦作だと思います。理由はネタバレで。

    ネタバレBOX

    いつもと違うメンバーが集まって、トラブルが発生して、送別会が開けなくなって…。
    普通に考えたらこの後に何か一悶着あって、落としどころを見つけて「めでたしめでたし」で物語が終わる、そう考えるでしょう。しかし、この物語に劇的なことは起こらない。
     
    登場人物はちょっと変わっているけど平凡な人ばかり。今まで自分一人で決めて実行して結果を出したことがどれだけあっただろう。「あの時ひとこと言ってくれたら」「あの時止めてくれたら」人生の局面で結論を誰かに委ねたり、先延ばしにしたり、何かきっかけを欲しがったり、誰かの後押しを期待したり、理解されない事を頑なにこだわったりしながら日々の生活を送る。そんな彼ら彼女らに、一夜で人生が変わるような劇的なことなど起こらないのです。
     
    何の変哲もない日常に起きたささやかな非日常。それは、かつて時間を共にした誰かを思いながらエプロン(前掛け?ごめん。名前が分からない)をしめ直す時間かもしれなし、久しぶりに会う仲の悪い兄弟へ向かって電話越しに「大丈夫なのか?」と訊くことかもしれない。彼ら彼女らには、それだけで充分「いつもと違うこと」なのでしょう。
      
    そんな「ちょっとだけ、いつもと違う日」を通して、成り行きといえば成り行きだけど何処か必然性を感じる「今の自分」を感じてみたり、いつでも戻れそうだけど決して戻ることができない「時の流れ」を噛みしめたりする。
     
    その日を境に何かが大きく変わることもないのです。男は女に「飲みに行かないの?君が行くなら行くよ」と言う。明日、目が覚めたら何も変わっていないかもしれないし、ちょっとだけ何かが変わっているかもしれない。憎めなくて切なくてどこか親近感のある、男と女の物語です。
     
    冒頭で衝撃的と書いたのは、派手なクライマックスや劇的展開をあえて削ぎ落としているように見えたから。意欲作と書いたのは、ボタンをひとつ掛け違えたら絶望的に退屈になるであろうこのシナリオで、勝負を挑んでいるように見えたからです。
    たとえば「俺の人生、波乱万丈。昨日も修羅場があったばかり!」みたいな人が観たら退屈かもしれませんね。でも私はこの作品がとても好きです。
  • 満足度★★★★★

    わりとしっとり系
    もっとチャライのかと勝手に思ってました。トープレは別として劇団としては初見かと思ってましたが15MMで見てました。そん時も、”想いを遺す”感じだったなぁと思い出しました。
    大川さん演じる若手銀行員の描き方がよかったです、阿久澤さんもよかった。
    僕としては☆4.5位ですが、他の人とのバランスから↓にしました。

  • 満足度★★★★★

    上演前の、観客に対する心遣い。
    受付を済ませ、舞台がある空間に入ろうとすると、その手前の扉に「上演中、喫煙シーンがあります。無害のものを使用しています。」と書かれた張り紙がありました。

    「非喫煙者」といっても、「吸うのもだめだし、煙がちょっと鼻に入ってくるだけでもダメ」というレベルから、「自分は吸わないけど、自分の前で人が吸うのは平気」というレベルまで様々です。自分は前者です。

    観客に安心してもらうために、「喫煙シーンがあることの事前通知」と「使用はするけど無害のものを選んでいる」という配慮が大変ありがたかった。(喫煙シーンに関して、そういった気遣いをする劇団が他にもあるのかもしれないけど、自分は今のところ知らないです)

  • 満足度★★★★★

    好きな感じでした。
    セリフの間が独特で、おもしろかったです。
    初見でしたが、好きな感じでした。
    これからも観てみたい劇団さんです。

  • 満足度★★★★

    あたたかい気持ちが残る。
    何ということはない、日常のひとこま。そのなかで、思いがすれ違ったり、ぶつかったりする様が、とてもあたたかく伝わってきた。
    登場人物たちの視線、うなずき、しぐさなど、非言語の表現が、せりふより雄弁に心情を示していて、役者の巧みさが光った。
    決してドラマティックではなく、八方丸く収まったわけでもない結末だったが、人の心の機微があたたかく、穏やかな気持ちで劇場をあとにした。

  • 満足度★★★★

    初・本公演でした。
    昨年15mmで短編を拝見したときに「ピュアな会話劇」という印象があったので、本公演ではどのような長編が観られるのか楽しみにしていました。蓋を開けてみると、短編でのピュアさはそのままに。トラットリアを舞台に兄弟姉妹や男女関係の繊細なエピソードが積み重ねられ、100分という時間があっと言う間に過ぎてしまう楽しく温かな物語でした。役者さんがみなキャラ立ちしていて素敵。女性達の台詞一つ一つに共感し(なぜ上野さんはこんなに女性の気持ちを的確に描けるの?と吃驚)、男性の元カノへの未練たらたらさにやたらリアルさを感じて苦笑したり。温かく流れる時間の中、心が洗われた思いでした。次回公演も観たいです。観ます。

    ネタバレBOX

    友達に交際相手と別れることを薦め、実際に別れてしまったあとに罪悪感を覚える・・・人一人の人生に関わってしまったことに「そういうタイミングだったんだよ」と言った女性の言葉に救われる思いでした。多かれ少なかれ、誰にでもありますよね、この手の心に引っ掛かってること。心がチクチクしました。

    ・・・一つだけ。
    煙草を吸うシーンが何回かあり、目が痛くなったり息苦しくなったり・・・。
    演出上必要だったのかもしれませんが、辛かったです。。すみません。
  • 満足度★★★★

    適度な間が・・・
    いいところで、いい感じで笑いあり・・それぞれの人生模様が交差して・・・の感じが伝わってきました。。

  • 満足度★★★★

    竹井さんは置いといて
    絵面が美しくて見惚れちゃうね。
    最近ロマンポルノばかり観てたので、ちょっと薄味かなぁと(笑)
    しかしまぁ、間違いなく今回もウェルメイド上野です。
    役者は阿久澤菜々の破壊力と可憐な黒木絵美花がいいね。

    ネタバレBOX

    澤田&川村の設定が「プリンで乾杯」を思い出させてニヤリ。
    一夜ではなく、宵の口で終わっちゃうから盛り上がりに欠けるのかな。
  • 満足度★★★★

    素直な良作
    素直な、良い作品。
    しっかりと作り込まれており、楽しむことができました。

    劇団初見ですが、なるほど評判通りのクォリティです。
    やや素直すぎるところが若干の物足りなさをおぼえてしまいますが、劇団のカラーということであれば何も言うことはありません。

  • 満足度★★★★

    0623s
    少しコンビニネタがくどかったなぁ…
    話は好きです。

  • 満足度★★★★

    おしゃれで意外性を追求
     イタリアンレストランで繰り広げられる送別会と称して集まる人たちのエピソードが折りなす、若者たちの挫折と、今後の展望をコメディタッチで描く。

    ネタバレBOX

     レストランで水道が出ない、ガスが付かない。
     そんなあり得ない設定がおもしろい。
     けんか別れした兄弟、元カレ・元カノ、酔うと遠慮知らずに何でも言ってしまう女友だち、場違いで気弱な女子銀行員、落語家志望の元予備校講師、コンビニ好きのシェフ、バンドをあきらめきれない送別される元店員、片思いのアルバイト店員、有名店に引き抜かれてゆく女子シェフ。
     役者それぞれが良い味出している。
     街の水道破裂によって、料理がつくれない送別会が流れ解散となる。
     レストランから一人去り、二人去ってゆく。
     その余韻がなんともいえない。
     それぞれのエピソードがていねいに描いたため、平板になったきらいある。
  • 満足度★★★★

    catenaccio
    洗練された舞台でした・・。

    詳しくはネタバレへ・・

    ネタバレBOX

    会場に入ると、扉に
    「TRATTORIA IL FUTURO」の文字。

    未来派とかが好きな自分には、わりと馴染み深い言葉だったりするので、
    すぐわかって・・ああ、これは明るい話なのかな、と思って。

    イタリア料理店の話は、
    わりと昔から聞くことが多かった
    (父親の友達で料理の鉄人の人とかもいたりしたので・・)
    せいか、結構すんなりと理解できたり。

    観終わっての感想としては、
    「凄く洗練された舞台を作ったなぁ」
    ということで。

    舞台のセットの線型性を凄く巧く使っている、という気がしました。

    偶然かもしれないけれど、
    何気ない人の配置が、
    「これはこの3人の関係(三角関係とか)を示してるんじゃ?」
    と思わせたり、
    店の中と外での会話が、
    平田オリザ氏の作品のように
    同時多発的に行われそうで、
    きちんと分かれて整理されていたり・・。

    その整然とした人物の流れは、
    まさに組織化された現代サッカーのようで・・
    (別に今ユーロやってるからって訳でもないですが(苦笑

    ただ、そのカテナチオ(イタリアだけに
    に唯一組み込まれないトレクアトリスタを、
    演出家はどうやら一人配置しているようでした(少なくとも自分にはそう見えたので

    それが、主人公の男兄弟の妹役の岡田あがさ氏なのかな、と
    (自分が先日四谷で一人芝居を観た印象が強かったせいかもしれないけれど・・ちなみにこの妹が劇中で言ってるみたいに、自分の兄が松田龍平と翔太だったら良いって思ってる子って多いんじゃ(笑

    それは、最後の方のシーンで、
    ほとんど登場人物が去ってしまい、
    店の外に岡田あがさ氏と川村紗也氏、
    店の中に黒木絵美花氏と篠原彩氏・・・
    女性二人ずつのシーンが同時に展開していく場面をみていると分かるような気がする・・。

    それまで、
    舞台はほとんど男性を中心に物語が展開していくようである。

    登場する女性は、
    岡田あがさ氏以外は、銀行員の女性と、
    飲まないと初対面の人とまともに話せない女性に象徴されるように
    受け身で脆い存在のように見える。

    ところが、
    その二人と、物語を途中まで引っ張っていた男性たちが舞台を去ると、
    岡田さんが川村さんを、
    黒木さんが篠原さんを
    それぞれ引っ張るようにして、
    自由に・・それまでの男性中心の物語の流れからすると
    若干不可解にも見える女性同士のやり取り(それは女性の目から見るとすごく自然なことなんだろうけど)に移行する・・。

    それが非常にスムーズで、
    あたかも裏表のない岡田さんを先導役にして、
    女性それぞれが自分たちの花を舞台の上にぱっと咲かせているように見え、
    それが派手派手しくなく、
    それでいて非常に見事に咲き誇っているので、
    演出家の見事な手腕を
    自分も舞台の上に認めたりするのです(笑

    ちなみに、
    自分が☆5つではなく
    ひとつ☆を減らしたのは、
    本来であれば、力のある役者さんたちに囲まれて、
    トレクアトリスタである(自分がそう思っただけですけど・・
    岡田さんが、もっと伸び伸びと野放図に演じた方が、
    完全に線型性の保たれたように見える舞台を
    良い意味で破壊してくれて
    刺激的ではなかったのかな、
    と言うのがちょっと物足りなかった(苦笑
    のと、
    さきほど書いた
    女性4人のやり取り(自分にとって物語の山場はここだったんじゃないかと思われるのですが・・
    を考えるならば、
    黒木さんに物語の途中で
    ラストの伸び伸びとした雰囲気を彷彿とさせるようなシーンが
    男性のいる前でもう少しあっても良かったんじゃないかな・・
    (そうでないと、凄く我慢強い人みたくなって女性の観客も感情移入できないんじゃないカナ・・などと、男性ながら自分はちょっと想像してしまうのですが・・まぁ、取り越し苦労なのかもしれないですけど・・(苦笑
    と思ったりもしたわけで。


    いろいろ好きに書いてみましたが、
    正直、今回は思った以上に複雑で、
    自分自身モンハンやジャンプに親しんだ男子
    (この物語で言うとどっちかっていうとハカセに近いなぁ・・(笑
    でもあり、
    女性の心理はあんまり良く分かってないのは十分自覚した中で
    理詰めで分析(男性の特技のひとつ)しながら
    結局は勢いで書いてみたもので(勢いつけないと、今回は何も書けないな・・(苦笑
    かなり見落としてる部分はあるだろうな、
    ということは承知の上で恥を忍んで書いてみました。

    もう一度見れればいいのですが、
    何分ちょっと難しく・・週末また関西行こうとしてるので・・すみません(汗

    とりあえず、多少でも何かの参考になれば幸いです。

    なお、今回は役者さんたちを一人ひとり挙げることが多く、
    途中から敬称抜きで全て「~さん」づけしてしまいましたが、
    別に面識があるわけではなく、
    わざわざネタバレまで読んでくれている方々に
    見やすいようにしようとそのように記入しただけですので、
    ご了承いただければ幸いです(汗
  • 満足度★★★★

    オープニング
    佐藤佐吉演劇祭2012第一弾、劇団競泳水着。「いと愛し」以来。とにかく、とにかく素晴らしい劇団。この劇団といいTOKYO PLAYERS COLLECTIONといい、上野友之さんには毎回唸らされてしまう。ろりえの梅舟惟永さんが出られなくなったのがちょっと残念だけれども。

    んー、上手いなあ。兄弟妹、友達、恋人、同僚、師弟、ちょっと距離がある先生と生徒。これらを全て織り交ぜた作品を1喫茶店で無理なく展開できる劇作家が今どれくらいいるのか。時間の経ち方もいたって自然で、水道管の破裂もさほど無理がなく、喫茶店に皆を留まらせる要因作りに強引さがない。うん、面白かった。

    岡田あがささん・・・いいね、相変わらず。目力が鋭くてそれでいて、目力が暖かい女優さんだ。シリアスからオバカまで、幅の広さが無限に広がる女優さんを生の舞台で観させてもらえるというのは、本当に貴重、特権ですな。

    黒木絵美花さん、すごく上手くなっている。初めて観させてもらったのは劇団競泳水着第9回公演の「真剣恋愛」だったかな?あの時も印象に残る女優さんではあったのだが、存在感の幅や深みが確実に増している。2008年の佐藤佐吉演劇祭では、劇団競泳水着が大トリだったんだ。

    阿久澤菜々さん。大好きな女優さんなのだが、劇団おぼんろから脱退してしまってからは、定期的に観させてもらう事ができなくなってしまった。でも久々にガッツリと観させてもらって、あぁやっぱりいいなと。

    時間堂の菅野貴夫さん。いいな、あのヌけ方。

  • 満足度★★★★

    博士
    ライトに楽しめる群像劇。好み。

    ネタバレBOX

    従業員への理解に乏しく、意固地なレストラン経営者・朋和(竹井亮介)、朋和と腹違いの弟で朋和との確執を抱えた亮(瀧川英次)、亮の姉?でさっぱりした美人の純子(岡田あがさ)、亮と恋愛じみた関係にあった、朋和の店のコック・みのり(黒木絵美花)、朋和の店で働いていた、バンドの夢を諦めたけい(川村紗也)、朋和への反抗心を覗かせ、けいと付き合っていたコック・聡志(澤田慎司)、聡志に心寄せる就活生・遥(篠原彩)、けいとバンドもやってた堺(阿久澤菜々)、けいの予備校時代の先生・平(菅野貴夫)、朋和からの借金の取立て業務に頭と心を痛める銀行員・大林(大川翔子)らが、けいの転勤祝いのため朋和の店に集まるが…。

    朋和と亮の確執、亮とみのりの恋を中心に、いいバランスで人間が描けてた。聡志のファミマ便所とか、けいの北海道偏見とか、堺の変化球的な人格とか、コメディな色彩で笑ってみてられた。特に、平の博士っぷりが、真面目なボケって感じで、素晴らしい。確かに「今夜必要な人間」だった。
    動物園の話とか、しんみりした空気もできてたし、明るい中にビターな味のする舞台だった。

    みのり役の黒木の大人しそうで毒もってそうな表情が良い。瀧川英次もいい存在感だった。
  • 満足度★★★★

    さりげない会話で、いつもの日常にちょっとしたいい予感を見せてくれる
    そんな作品。

    とてもオシャレな感じに仕上がったレストランのセット。
    そこで、大げさなことではない、日常にある、ちょっとしたいい予感をさせ、心をほっとさせてくれるような、そんな人間関係が繰り広げられる。

    ネタバレBOX

    どこにでもいそうな、普通のいい人たち。
    頑固な兄も、実は単に頑固というだけでなく、口下手で、人に何かを伝えるのが得意ではなく、そのことを自分も知っている。バイトの子との関係もちょっとした台詞でうまく表現していた。
    弟も器用に見えて、実は不器用。
    兄弟仲も悪そうに見えて、実はそうでもなく、いい距離感でいられるようだ。
    仲を取り持つ妹がいる、という設定が効いている。

    登場人物たちは、それぞれが今の自分を生きているという感じがよく出ている。

    彼らが、出会い、すれ違い、別れていくのだが、その微妙な関係が台詞などでいい感じに伝わってくる。
    「神の視線」のごとく、すでに知っていることや、登場人物と同じ視線で見て、「そうか」と思わせたり、観客の視線のコントロールがさりげなくうまい。

    普通の物語に、ちょっとしたアクセントで、博士や銀行員が絡まってくる。
    こういう人が絡まってくると、そこまでの全体のトーンを乱したりすることが多いのだが、これは違う。トンガリすぎないようなコントロールがいい。
    特に「博士」の菅野貴夫さんは、笑いをうまい具合に引っ張ってくる役なのだが、演出と役者さんの持っているキャラの雰囲気で、違和感なく見られる。
    変に声を張ったり、「ここが面白いとこですよ」感を、演技に滲ませることがないのがうまいのだ。

    俳優さんでは、この菅野貴夫さんと、すっと背筋が伸びている立ち姿に現れてくる、役柄の表現がとてもいい、みのり役の黒木絵美花さん、蓮っ葉な感じに見せながらも、兄弟の仲をうまく取り持つ気遣いがうまい岡田あがささん、この舞台の中で、一人固い役所の兄・竹井亮介さんが印象に残った。

    無駄な説明台詞なしでの、開店後のレストラン、さらに暗転後の5年後という設定とその後の人間関係を、やはり余計な説明台詞なしに見せる巧みさ。
    その5年間に何があったのか、ということを、声高にストーリーの牽引としないところもうまいと思う。
    観客の欲しい情報を見事に散りばめていく。

    自分のやりたいことへの距離感とか、諦めたことへの後悔とか、これから向かう未来への期待とか、不安とか、そんなさまざまな想いを胸にしながら、やはり日常を生きていく。
    しかし、その日常は、決して悲観的なものばかりではない、という予感をラストに見せてくれる。
    大成功するとか、そんな大げさなものではなく、ちょっとした、例えばいい友だちができそうだ、とか、そんな程度のさりげない、いい予感だ。

    タイトルの「Goodnight」は、「いい予感がしそうな明日へ」向かって、一歩を踏み出すための挨拶であった。

    フライヤーの雰囲気も好きだが、イタリアンレストランのメニューを模したような当日パンフもいい雰囲気。
  • 満足度★★★★

    楽しめた
    舞台上のセットも素晴らしい。惜しいのは、設定上の時間の経過がわかりにくいこと、登場人物が多いこと。細かい部分では、店主である兄貴、銀行員のキャラはちょっと違和感あり。兄貴は頑固者というより変わり者になっている。もう少し職人気質的な演出のほうが途中に挟んだ笑いがさらに生きてくると思う。銀行員も、もう少し演出を変えたほうがわかりやすく、キャラクターが生きてくるかと。

  • 満足度★★★★

    良かったです
    登場人物がそれぞれ存在感があり、楽しめました。ラストは、舞台がレストランだけにスパイスがきいてたら良かったかも。次回講演も期待です。

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