満足度★★★
深津さんの演技が、切なくて切なくて、痛くて、観ていられないほどでした。
有名な作品でしたが、実際に観たのは初めてです。
難解なイメージがありましたが、ぜんぜんそんなことはなく、
普遍的な物語でわかりやすい。
立石さんの母親の言うことは、いちいちその通り。
間違っていないのに、子とわかり合えずに対立してしまう悲しさ。
深津さんの演技が、切なくて切なくて、痛くて、観ていられないほどでした。
鈴木さんは「あの」ライアーゲームの人ですね。
そして、背景となり、人々の念となり、渦巻いていたパフォーマンスも、
また素晴らしかった。
広いコクーンの舞台を満たすための手段として、だけではなかった。
満足度★★★★★
そのろうそくを吹き消してくれ
テネシー・ウィリアムズの出世作であり、そして最も愛されていると
いっても過言ではない代表作『ガラスの動物園』。
それを、数々の演出仕事でも高い評価を得てきた長塚氏が演出を
手がけると聞いては、思わず興奮してしまいます。
作者本人が最も思い入れを持っていたと思しき作品を、美しくも
意外とシンプルに魅せてくれました。原作では、シリアス一辺倒の
雰囲気を持っていた作品が、時にはユーモラスな顔も見せるなど
別の魅力も十分に私達に教えてくれたと思います。
満足度★★★★
物語を現すかのような悪天候
ご存知のように強風、悪天候となってしまい、座席に空きが目立つ中千秋楽開演。7割程度の着席率だったでしょうか。時間ずらすなど考えて欲しかったが、3時間もかかるこの公演、帰宅時のことを思うと予定通りの開演で良かったとも言えますね。。
で、内容ですが、前半は少しくどい感じがしましたが、後半は4人の登場人物の特色をうまくミックス、希望と絶望を巧みに操り、良い感じに仕上がってました。
特に、立石、深津は流石の域に達していますね。
満足度★★★★
深津絵里の演技に見惚れた
同年代では日本一の舞台女優かもしれない。この舞台を観て、そう思いました。
トムとジムを迎えるため部屋を横切り、玄関へと向かう場面。僅かに足を引きずりながらゆっくりと一心に体を前に進めるローラの姿に、心が震えました。
満足度★★★★
追憶の・・・
観たかった立石さんが本当に素晴らしい。
瑛太は今まで観た舞台の中でも一番良かった。
最初は違和感を感じる程過度な演技に思えた深津さんは、鈴木さんとの2幕で魅力爆発。
演出の良さと役者4人の力が余すところ無く発揮されて成立した見事な空間に引き込まれた。
それにしてもこの作品、観劇途中でほんの少し見知っている作家の背景を思い出し苦しくなる。
姉のローラの行く先を思うと本当に哀しくなってしまった。
満足度★★★★
残酷物語
夫に逃げられた母、足とコミュニケーションに障害を抱える姉、家族を支えるために嫌な仕事を続ける弟(主人公)、あまりに過酷な人生を描いていて、しかも途中で夢見させた上で地獄へ突き落とすような話なので見ててきつかったです。
深津絵里の過呼吸気味な演技は秀逸でしたし、母役も機嫌にむらがある感じがうまくて最高でした。
瑛太はあまり台詞がないように感じました。芸達者な役者たちの中では普通かな。まだ舞台役者らしい身振り手振りや大げさな言い回しが足りません。
満足度★★★★
家族の回顧録みたいな
全般的に悔いや哀しさ、絶望に覆われ、爽快感はないけど不思議と嫌悪感は湧かず、むしろもう一度見たいと思わされた舞台だった。
印象派絵画みたいな舞台セットと、清廉という言葉が似合いそうな舞踊。
満足度★★★★★
とても好き。
綿密な演出、美術、照明、音楽、キャスト、ダンサー全てが私の琴線に触れ、ワクワクしながら観ていました。冒頭のトム(瑛太)のシーンからゾクゾクし、心を掴まれました。一幕目と二幕目の終わり、瑛太(トムの独白する場面)が二村周作さんの美術に同化して、絵画のようでした。
そしてダンサーたちはトムを記憶の奥に引きずり込む細胞(=気配)のようでした。
満足度★★★★★
「追」「憶」の話
長塚圭史さんの演出するテネシー・ウィリアムズの自伝的作品「ガラスの動物園」を見てきた。もちろん、ミーハーな僕であるから深津絵里、瑛太という出演者に惹かれての観劇だが、長塚圭史さん演出というのも重要。
満足度★★★
追憶のかたちが立ち上がる感覚
薄汚れたまだら模様の灰色の壁で三方囲まれた箱形の舞台装置と、壁と同色の衣装のダンサーたちの存在で、冒頭のトムの口上から、脳内の記憶が立ち上がっていくような錯覚を見事に見せてくれました。アマンダ役の立石さんが元気よく威勢よく演じるので、かえって過剰な愛と愚かさ存在のかなしさが、透明感を伴って立ち現れたように思います。
満足度★★★★
斬新かつ説得力のある演出
様々な演出で上演されている名作を独特な表現で演出し、斬新さがありつつも演出家の自己満足に陥らない、戯曲の魅力をしっかりと伝える説得力が感じられる総合的にレベルの高い舞台でした。
上手、下手の壁に3つずつドアがあり、舞台奥の壁に大きな窓がある、遠近法を強調した、ムラのある白い舞台美術の中、3人家族と1人の来訪者の物語が、あるときはリアルに、あるときは演劇的な非リアルな表現を伴って描かれ、戯曲の回想劇的な形式が意識された演出になっていたと思います。
4人の役者達はオーバーに見えるラインをあえて少しだけ越えたような感じの演技で、逆に海外戯曲における文化の違いや固有名称から生じる不自然さが打ち消されていると思いました。
演技の仕方によっては静かで悲痛なトーンが終始漂うにもなる作品ですが、立石凉子さんのおばさんっぷりや、鈴木浩介さんの快活な青年っぷりが楽しく、笑える場面が所々にあり、それによって一層寂涼感が際立っていました。
以前に単独公演で観たときに全身タイツのような衣装と視線の強さが印象的だったプロジェクト大山のダンサー達が、この作品においてもそれらの要素を上手く用いていて、ストレートプレイにダンスを持ち込んだときにありがちな、取って付けたような違和感がなく、作品世界に溶け込んでいました。
ただ踊るだけではなく、黒子的な役割も担っていて、衣装がセットに溶け込むような柄で、死角を用いた出捌けの場所も効果的で、まるで舞台美術が命を持って動きだしたかのように見えて、美しかったです。
音楽や照明も目立ち過ぎることなく雰囲気を盛り上げていて素晴らしかったです。
満足度★★★★★
追憶の物語。儚げな悲しさ。
初日に観覧しましたが役者陣の演技も良くて、暗いお話ですがとても見やすかった。そして舞台美術のセンスも良くてニヤけてしまった。
そして何より演出が面白い!! ダンサーの使い方が絶妙!
プロジェクト大山のダンサー達が舞台風景に段々溶けている様に見えてきて不思議な錯覚に陥ります。役者陣の演技を邪魔せずに存在感を保ちつつ、お芝居の不可欠なピースになっているのが驚きでした。
役者・舞台美術・照明・ダンサー・演出どれを取っても完成度の高いお芝居で、大満足でした。
物語の方はトム(瑛太)に感情移入しすぎて、アマンダにイライラしました(笑)
満足度★★★★★
美しかった
舞台美術、演出がとても美しいと感じました。
暗い物語だからと覚悟していきましたが、とても綺麗で、後味も悪くなく帰路につきました。
初舞台と思われる瑛太くんですが、とても素晴らしく、今後も舞台出演が楽しみです。
満足度★★★★★
観ること出来て良かった
演出によってこんなにも違って…。いや、違わないのかも!動く絵画(絵本)を読むように世界に引きずり込まれました。興奮冷めやらぬ、というか…。これって観た人にしかわからないよぉ!!