ガラスの動物園 公演情報 シス・カンパニー「ガラスの動物園」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    斬新かつ説得力のある演出
    様々な演出で上演されている名作を独特な表現で演出し、斬新さがありつつも演出家の自己満足に陥らない、戯曲の魅力をしっかりと伝える説得力が感じられる総合的にレベルの高い舞台でした。

    上手、下手の壁に3つずつドアがあり、舞台奥の壁に大きな窓がある、遠近法を強調した、ムラのある白い舞台美術の中、3人家族と1人の来訪者の物語が、あるときはリアルに、あるときは演劇的な非リアルな表現を伴って描かれ、戯曲の回想劇的な形式が意識された演出になっていたと思います。

    4人の役者達はオーバーに見えるラインをあえて少しだけ越えたような感じの演技で、逆に海外戯曲における文化の違いや固有名称から生じる不自然さが打ち消されていると思いました。
    演技の仕方によっては静かで悲痛なトーンが終始漂うにもなる作品ですが、立石凉子さんのおばさんっぷりや、鈴木浩介さんの快活な青年っぷりが楽しく、笑える場面が所々にあり、それによって一層寂涼感が際立っていました。

    以前に単独公演で観たときに全身タイツのような衣装と視線の強さが印象的だったプロジェクト大山のダンサー達が、この作品においてもそれらの要素を上手く用いていて、ストレートプレイにダンスを持ち込んだときにありがちな、取って付けたような違和感がなく、作品世界に溶け込んでいました。
    ただ踊るだけではなく、黒子的な役割も担っていて、衣装がセットに溶け込むような柄で、死角を用いた出捌けの場所も効果的で、まるで舞台美術が命を持って動きだしたかのように見えて、美しかったです。

    音楽や照明も目立ち過ぎることなく雰囲気を盛り上げていて素晴らしかったです。

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    2012/03/18 21:48

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