実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/27 (水) 19:00
重い年貢にあえぐ農民の不満のはけ口としてのパチンコ屋での煽り放送を担当していたバイトの若者を天草四郎とすることで、彼の言葉が神の言葉として受け入れられる過程を描き、島原の乱の裏側に迫った意欲作。
着想の巧みさが物語の展開と見事にマッチし、そこにパチンコ屋で落ちている玉を拾って聖像を造る孤児を絡ませて、息詰まる舞台を創り上げていた。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/30 (土) 13:00
実は、今回観た劇の『ナマリの銅像』は、2022年にも観ているのですが、前回観たさいは確か観客側ではマスク着用とか体温を測ったりなどの色々な制約が多い中での、更にかなり小さな会場での公演だったと思う。
なので今年の公演では、会場も大きくなったうえ、マスク着用がどちらでも良くなったり、だいぶコロナ前の状況にようやっとなってきて、前回の公演よりも観る側もだいぶ自由になってきたので、前よりもより没入感が強くなるかと思い、更に前回の天草四郎の物語よりも今回のあらすじの解説を読んだ感じだと進化するか、物語が拡がっているものとすごい期待しておりましたが、良くも悪くも前回と変わらない内容、没入感もいい意味で前回と同様だった。
ただし、前回劇公演の料金が投げ銭制だったのが、今年の公演では普通の小劇場公演で取る料金設定になっていたところが、変わっているとしたら、そういう所だと思う。
前回よりパチンコ店のマイクパフォーマンス場面での益田四郎(天草四郎)役の初鹿野海雄さんによるマイクパフォーマンスを通した人旋回術というか、そのマイクパフォーマンスの言霊が、最終的に第二次大戦以前や第二次大戦時における天皇の御言葉など、天皇を現人神へと昇華させていった。戦後も天皇という存在自体は日本において存在し、ほとんどの国民が疑問を持っていないこの危機的状況をも内包させているふうに感じ、前回以上の迫力と怖ろしさが滲み出ていて良かった。
前回より広い会場ということもあってから、所々現実に引き戻されたり、何よりも集中力が続かなかったので、やはりかなり小さい会場やまたは工場跡とかのほうが絶対に合うと感じた。あと、前回観たときと違って、劇の後半で裏切る武将の山田役がいかにも怪しい感じがでているイケオジな男性が演じていましたが、見た目からは何を考えてるか分からない感じで、しかし見るからに怪しいというか、どうせ裏切るといった感じが出ていなかったので、やはり山田役は前回のように女性が演じたほうが良いと感じた。
実演鑑賞
満足度★★★★★
いい意味で小劇場演劇の王道をいく作品だった。静かな演劇をベースとする今の若い劇団の中では異質な団体かもしれない。とにかく熱量がすごく圧倒された。
実演鑑賞
満足度★★★★★
思い切りのよい構成とスタッフワークで、一揆を思春期の人間ドラマという手に取れる形に描ききり、それぞれの人物の思惑を演じきったのが再演の見事な点だ。若さに対してストレートな芝居ができる珍しい団体であり、より大きな劇場での活躍が期待できそう
実演鑑賞
作品は再演ですが、僕は初見でした。この団体を観るのも初。団体名から「身体表現を活かした作風?」と想像しての観劇。15世紀に起きた、島原の乱、そして天草四郎をモチーフにした一作。時代物? と思ったけれど、パチンコ店などが登場し、時代をクロスオーバーさせた設定になっていました。パラレルワールド的と捉えられるかもしれないし、機械文明と魔法文明の融合のような、SF調の設定なのかも。
実演鑑賞
満足度★★★
タイトルにある「銅像」は虚像を表し、「立場が人を作る」といったことを思わせる。気弱で自分の意思をハッキリ伝えられないような青年が、いつの間にか神に祀り上げられ 島原の乱の指導者になってしまう。本人の戸惑い、困惑とその言動に振り回される人々の悲哀を史実に絡めて描く。
舞台という虚構性の中に社会性と人間性の両面、さらに過去と現代を繋げる、そんな輻輳する作品。表層的には、江戸時代初期に起こった一揆という社会ドラマ、それに否応なく関わることになった人々の人間ドラマを交錯させた描き方だ。しかし、一揆の概要を観せるだけで、敢えて深堀しなかったようにも思える。むしろ島原の乱と太平洋戦争を絡めた不条理劇が立ち上がる。人の意思など時代の趨勢に飲み込まれ、否応なしに破滅の道へ…。
公演の見所は、人間の弱さとエゴが 事態を悪化させ、取り返しのつかない状況へ追い込んでいく。その過程をテンポよく観せ、どのように物語を収斂させるのか といった興味を惹かせるところ。総じて若いキャストのキビキビとした動き、その躍動感あふれる演技が熱演のように思える。
(上演時間2時間 途中休憩なし)【Bチーム】
2024.4.2追記
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。
島原の乱と現代社会がミックスされていて、観応えがありました。
カリスマ性、宗教、洗脳等について、考えさせられる内容でした。
役者さん達の熱演も良く、特に主役の四郎を演じた初鹿野さんは、役に嵌っていて素晴らしかったと思いました。
若いパワーを感じる良い舞台でした!
実演鑑賞
満足度★★★
何というか
良くも悪くも小劇場的といった感じを受けた作品
テーマが神の担ぎ方みたいな印象でした
けっこう台詞に効果音とか
セットの移動音とかが重なって
聞き取り辛いトコが多くて
いま一つ感があったなぁ と
2時間の本作に約30分のアフタートークを付けて
お得感はUP
ただゲスト氏がMCやってたんで
新鮮さが何とも面白かった
劇団メンバーの出も多かったし(^-^)
珍しく紙のアンケートにペン付きでした
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/28 (木) 19:00
価格4,000円
中心人物となる「天草四郎」をモチーフとして、一揆から島原の乱が起きる背景を綴った本作。
身体ゲンゴロウの舞台公演を前作に続き、再び観劇させて頂きました(前作は過去コメントを辿って下さい)。今回は完全な歴史劇かと思いきや、農家がパチンコで持ち金を増やそうと奮闘したり、四郎がホーン型マイクで演説ばりのパフォーマンスを披露したりと現代的な視点を調和させながらも、またそれが嫌味ではない感覚で印象的な物語でした。
四郎役の初鹿野さんが17歳の少年を演じる訳ですが、不思議とあどけなさを持った俳優(濱田岳のような)で、役どころにハマっていたのも良かったです。
若きスターに視点を置きながらも、彼の周りを取り巻く仲間たちや時代背景がきちんと描かれている辺りが、観る側からすればグッと作品へ感情移入させやすいものにしている…と感じます。
2回目のご招待ということで、初めて物販でポストカードを購入させて頂きました。4月の長崎公演も更なるご活躍をお祈り申し上げます。
実演鑑賞
満足度★★★★★
Wキャスト公演であるがAチーム初日を拝見。初演時より内容的にも輻輳化され内容的にも濃くなっている。ベースに島原の乱を色濃く漂わせつつ、現在の日本の基層にも通じていると感じられる点がグー。
(追記後送)