日本の問題 公演情報 日本の問題」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
21-38件 / 38件中
  • 満足度★★★★

    A班観劇
    B班に続いてA班を観ました。本日のマチネです。
    それぞれの感想は、まだ公演中なのでネタバレで。

    で、ネタバレ関係なく、終わってしまった今日のアフタートークについて言わせてください。
    私は内田春菊という人の漫画が好きで、本人に興味があり、今回チケットを購入する際も「アフタートーク内田春菊」というのに惹かれて、わざわざこの回にしました。
    ところが、始まってみたらグダグダの極み。
    あれは、事前に質問事項とか会話の手順を打ち合わせていないんですよね?
    前回見たアフタートークでは、評論家の男性が一人でしゃべっていて、それもしゃべりすぎって言うか打ち合わせできてないな~って気がしましたが、
    たった20分ほどのトークショーですから、その日話してほしいことなど事前に申し入れしておくべきではないでしょうか。
    内田春菊さんが、舞台に上がってからパンフレットをめくって、ブツブツ質問して、それを松枝さんが「今日はAチームです」とか、見てるとこ違っているのを注意してあげる始末。春菊さんからものすごく基本的な(見てリゃわかるだろ的な)質問が出で、演出家が気を使いながら答える始末。
    耐えきれなくなった人たちが、次々に途中退出していく様子にも、胸が悪くなりました。
    個人的には、一度見ると決めた以上途中退出はマナー違反だと思います。
    が、途中退出の人はそれだけ何か(たぶん私と同じ気持ちを)伝えたい、意思表示だったのだと思います。
    アフタートークでは今日のお芝居の話は全く出ませんでした。
    風邪引いたとか、最近寒いからとか、よくわからない世間話。「だったら腹出すなよ」と、心の中で内田さんに突っ込みました。内田春菊さん、ベルトの上に肉乗せて、わざわざお腹を見せたピタシャツでした。歌舞伎の腹出しじゃないんだから。風邪引いたばっかりなら、腹巻きしてください。お大事に。
    「宮崎駿はロリコンだからナウシカも嫌い」とか、そんな話を聞きたかったわけじゃないんですよ。演出家の一人がそれに対してえらく喜んでいましたが、私は別に宮崎駿の擁護じゃないですが、「それでも宮崎駿はあんたら全員よりも売れてるんだよね」とちょっと意地悪な気持ちになりました。
    それくらいアフタートークがひどかったんです。

    ごめんなさい。意地悪な感想でごめんなさい。
    芝居の感想がB班より厳しくなったのはこのアフタートークのせいかもです。

    ネタバレBOX

    「金魚の行方」

    走っている男の子が良かった。
    投げ飛ばされたりジャンプした時にフワッと空中に浮くあの感じは、熊川哲也の海賊を観た時に通じるような・・・・・・と言うのは、ごめんなさい、言いすぎでした。ま、それくらい彼の身体能力に感動しました。
    しかしながら、お芝居自体は、今一つ。
    今の日本の問題を次々にあげつらいながら、結局何にも解決していない。
    「解決できないよ」っていうのが、結論なんでしょうが。
    なんだか「俺たち、こんなに色々知ってんだよ、頭いいだろ」ってのが変に鼻について、お芝居として面白くなかったです。
    あの身毒丸の母の意味もわかりません。あのシーンは何のサービスでしょう??


    「天使なんかじゃないもんで」

    A班の中で唯一面白かったし、見て良かったと思えたものでした。
    宗教(新興含)もヤクザも日本の問題の一つですが、それを題材に入れながら、ユーモアもふんだんにあり、最後に「救い」を感じさせてくれました。
    今日の4作品の中で、私が日本の未来に救いを感じたのはこれだけでした。
    この作品があったので☆4つ。

    「ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード」

    意味のないバカ騒ぎが煩くて、演説も騒音も耳障りで、同じことが繰り返されて、退屈で……しかし、それがいまの日本の政治だと言われたらその通りなので、「日本の問題」という意味では、正しい指摘をしてくれていました。

    しかしながら、私の基準では「もう一度見たいという気持ちになるものがよいお芝居」なので、そういう意味ではこれ、8つの中でワースト1です。
    すみません。


    「博物学の終焉」

    このお芝居を見ていてふと浮かんだのが、ものすごく幼い頃に読んだ童話、アンデルセンだかグリムだか立原えりかだか(全然違うか)知りませんが、赤ちゃんが笑ったとき遠い世界で言葉の花のつぼみが開き、その中から一つのうつくしい言葉が生まれるという場面でした。
    先生が語る「言葉が生まれた意味」というのには、感じるものがありましたが、
    何故あのラストなのかというのが理解できませんでした。
    近未来的情緒的ドラマが、突然、現代のよくあるオチで終わった感、が残念です。
    20分という時間の制限が、そうせざるを得なかったのでしょうか。

    B班を観た後なので、A班に対してより期待が高まり、すごく辛口になった気がしますが、(もしくはアフタートークのガッカリ感が)、いずれにしても、こういった試みはとても面白いと思いますし、一度にたくさんの劇団を観ることができたのは、私にとって大きな収穫でした。
    ありがとうございます。

    次回は、みなさんの単独の公演を見に行きたいと思います。
  • 満足度★★★★★

    B班を観た。4本とも面白い。
    A班の後だったので、B班も同じ傾向になるのでは、と思っていたら、違っていた。
    B班は面白い。4本とも面白い。
    こういう別劇団によるオムニバスで全部が面白いというのは、なかなかない。
    20分なのに深みもある。
    これを膨らませたら本編できるのでないか、と思ったりもした。

    もし、『日本の問題』を観ようと思っていて、両方は観られないと思っている方がいたら、迷わずB班をオススメする。
    A班のみ観て「…」の方にもB班も観ては? と言う。
    もちろん、私の個人的な感想なので、「商品の効能や効果を表すものではありません」と付け加えておく。

    ネタバレBOX

    <ミナモザ『指』>★★★★★
    やや一本調子ながら、とても深みがある。
    多くの人の命が失われる中、非道な火事場泥棒をしている夫婦にとって、越えられるラインと越えられないライン。
    それは、極々個人的なものであり、「善悪」のラインとも違う、単に「モラル」という切り分けもできない、「感情」だけのラインだ。
    「誰の指だったら切れるのか」ということを考えてみると、…いや、考えたくもないけど。
    つまり、「自分のラインは、どこにあるのか?」を問う作品である。
    もちろんそれは「指を切る、切らない」ではなく、あらゆることに対しての、「自分のライン」を考えることになる。
    「善悪」ではなく「モラル」でもない「感情によるライン」のある場所を、だ。
    それはつまり、他者を思いやる感情にもつながるのではないだろうか。他者にとっても「感情によるライン」があるということだからだ。
    それが「あるということ」を「知る」ことは、社会で生活していくために、「最低限必要なこと」を「知る」と同等なのではないか。
    「日本の問題」は、そこから考え直していくべきではないか、というメッセージととらえた。
    後で述べるJACROW『甘えない蟻』と同様に、「日本の問題」と言う表層より、さらにいつにおいてもあり得る「人」のことを描いていた。
    何もない荒野の中にいる、2人が手を携えるラストは、美しい祈りのようにも見え、泣きそうになった。


    <アロッタファジャイナ『日本の終わり』>★★★★★
    テンポがとてもよく、それをあえてラストの動きのない演説に集約させていくところが憎いと思う。構造的にはチャップリンの『独裁者』を思い出してしまったのだが。
    この劇団の投げるボールは、内角ギリギリ、というか、ピンボールだ。
    「孤独死」から「一極集中」の解消を目論むのだが、「地方分頭(脳)」という(そういう言葉は出てこないが)、「地方に頭を配分しよう」という実にお節介で、思い上がった(笑)施策を考えたのだ。
    「頭脳の一極集中」は、作の松枝さんの実体験から発しているのだろうが、それを「地方に強制送還させる」というアイデアは、なかなかナイスである。
    「ナイス」と言うのは、「ピンボール」としての「ナイス」さなのだ。
    「地方に強制的に戻される」ということは、地方から出てきた者からは当然猛反対をされるだろう。もちろん、この演劇の稽古の間もそういう声が出てきただろうことは想像できる。
    また、地方から言えば、「何? 地方には頭がないだと!」いう怒りの声も上がるだろう。
    そもそも、「トップになれない、頭のいい人」というのは、その程度の人ということでもあるし、トップになることがすべてではなく、向き不向きもある。だからそういう人たちがうじゃうじゃいても、「だから?」なのだ。
    「手」「足」と言い切る人たちにも、「頭」は必要であり、逆になければ、「手」「足」だって効率的に機能しない。トップダウンがすべてではないのは、企業マネジメントを見てもよくわかる。
    そいう批判的な見方があることを、わかった上での、この作品なのだ。
    だから面白い。
    「廃県置藩」という言葉も発想も面白いと思う。のだが、いっそ、何もなくして「弥生時代に!」と言わないところが、経済の発展や近代化の歪みという導入だったところからの道筋として、いかにもロジックな印象を与えていく、という虚構への突入の仕方がうまいのだ。
    だから、この結論となるアイデアがどうした、こうした、みたいな反応は、作者としては、してやったりで、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。
    女子高生から一気に首相のもとへ向かうストーリーも、女子高生の「ありそうな不幸話」も、引っかけのひとつであり、虚構の楽しみを演じているのだ。
    よく見ると、女子高生と友だち、そして彼女たちとその母親たち、首相と秘書がきちんとつながっていて、さらに、最後は女子高生と首相がつながっていく、という様は、実は「孤独死」と「人の人との分断」というテーマを解決していくこの演劇にとって、「あり得ない」設定だ。
    ここが大きな仕掛けなのだ。
    そして、そういう仕掛けを乗せて、20分突っ走る。
    結果、「問題」として俎上に上がることが狙いであり、「日本の問題」の本質はここにある、という強いメッセージがそこにある。


    <ろりえ『枯葉によせて(仮)』>★★★★
    突拍子もないオープニング。
    いや、全編、突拍子もないのだが。
    母子2組が1人の父を巡る物語。
    信じられるものは自分しかない、という世界。
    放射能なんて知らないし、(父)親なんて知らない。
    いじめられても、誰にもすがることはできないけど、やっぱり誰かを求めてしまう。
    「血」ではなく、「想い」のみが人と人を引きつける。ラストではやっぱり「血」なのかな、と思わせるのだが、そうではなく、それはストーリー上のお話でしかない。
    グリコ事件とか、端々に面白さを散りばめながら、会話の素っ頓狂さがとても愉快。そして、乾いた笑いは、放射能汚染にふさわしい。


    <JACROW『甘えない蟻』>★★★★★
    JACROWらしいヒリヒリ感のする会話劇。
    淡々としながらも、ちょっとしたきっかけで、ギスギスしていくところがいい。
    4人の声のトーンの絡み具合(低音な母親と高音な娘の対比とか)、方言かどうかの設定等々、巧みだ。緩急の呼吸もさすが。
    4人いて、実はまったく血のつながっていないのは、母親だけであり、その微妙さがもっと底流に太く流れているところを見たかった気もする。
    PCのモニターで父親からのメッセージが流れるのだが、これは観客を意識してのサイズだと思う。しかし、ここは、観客から見えるとか、見えないとかは無視して、送り損ねたメールが保存フォルダ内にある設定でもよかったのではないだろうか。内容をどう読み上げるかは腕の見せ所として。
    とは言え、吐き出して、最後に、この状況を引き起こした父に救われるというラストがいい。
    そして、娘が辛かったときに父親から譲られた人形を、辛かった父に捧げるという、ラストシーンにはとてもぐっときた。
    ミナモザ『指』と同様に、今の状況を舞台設定にしながら、その特異な状況だからこそ見えてきた「日本の問題」の「核」となるような、「人」、そして「人と人」をえぐり取って見せたうまさがあった。


    それぞれの「問題のとらえ方」については異論はない。
    作者たちが一番グッとくるテーマを選び、かつ、演劇として耐え得るか、を考慮した結果だからだ。
    だからテーマの選び方というより、「テーマへのアプローチ方法」「見せ方」のセンスが問われていたと思う。

    しかし、及び腰になってはつまらない。何かにターゲットをきちんと絞り、「発言」してほしいのだ。

    もちろん、「問題」に対しての、劇団側(作者側)との距離感や、観客側の距離感、スタンスがあるのも事実だ。
    しかし、このテーマで「今」やることの「意義」は、大きいと思う。
    そのチャンスを、すべての劇団に活かしてほしかったと思う。

    結果としては、(個人的なものだが)「テーマの選定」よりも、「演劇として面白い」ほうに軍配は上がった。しかし、それはイコールだった。
  • 満足度★★★

    A班を観た。胸がザワつく企画だ。
    タイトル聞いただけで、ザワザワ、ワクワクする企画だ。
    しかも、今年に入ってからの企画ではなく、昨年始動したものと聞くと、その先見性には恐れ入る。

    だって、常に「日本の問題」はあるのだが、こんなに「日本の問題」が噴出した年もなかったのではないかと思うからだ。

    つまり、去年もしこの企画が行われていたとしたら、観客の受け取り方はまったく違ったものだったのではないだろうか。

    それは、もちろん上演側にとっても同じだ。

    「日本の問題」について、こんなに多くの人たちが、真剣に語っている「今」、上演する劇団側は、「果たして(この状況の中)自分たちに何が語れるのだろう」と自問自答したはずだ。

    受け取る観客にしても、まったく同様で、「何を語ってくれるのかな」と、腕組み、あるいは腕まくり(笑)して劇場に臨んだ方もいるのではないだろうか。

    まずはA班から観た。

    ネタバレBOX

    ざっくり言ってしまうと、「私(たち)が考えている日本の問題はこれだ」ということを見せてくれたようだ。
    それは「問題山積」「混沌」「心」など。
    でも、それでは…と思うのだ。

    <経済とH『金魚の行方』>★★
    とにかく役者のキレがいい。美しい。
    物語は、問題の羅列の域を出ず、いつくかのフックがあったのだが、もうひとつだった。
    物語の、長いオープニングを観ているようで、登場人物の紹介で終わってしまった感がある。つまり、1つひとつのシークエンス、あるいはキャラが、有機的に結びついていく前で終わってしまったという感じなのだ。
    「人のせいにする」「人をあてにする」ということが、「日本の問題」であると考えているのだろう。

    <Mrs.fictions『天使なんかじゃないもんで』>★★★★
    A班の中では一番好きた。
    宗教に関する勘違いは、あざとさはあるものの、ストレートに伝わってきた。
    3人の役者の佇まいがよく、キャラの立て方も素敵だ。
    「宗教には何ができるのか?」を斜めの角度から描いたと言ってもいいだろう。
    「会話すること」で生まれる「つながり」。
    「つながり」こそが「宗教」だったのではないだろうか。
    それは、「コミュニケショーン」なんて洒落た言葉ではなく「会話」だ。「話し、聞く、そして話し、聞く」という感覚のみで生まれ、解け合うものだ。
    崩壊した人のいない街で、人がいる街から、その関係が崩壊した人たちが、出会う必然。
    そして、ありきたりかもしれないが、美しい「画」を想像させるラスト。
    とてもいい余韻が残る。

    <DULL-COLORED POP『ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード』>★★
    スタイリッシュではある。
    あるが、何度も繰り返されると、ちょっとなぁ…と。
    もちろんそれが狙いではあると思うのだが、ややワンパターン。
    安倍首相の就任演説あたりから(2人目だけど)、このパターンでドジョウ首相まで、と思っていたら、そのまんまだった。
    もう少し、何かほしかった。「それは知ってるよ」「それで?」が感想だ。
    多数決から首相選び(ここが、たぶん役者にはスリリングだったのではないだろうか。演説は覚えているのではなく、読んでいるようだったので)、そして一般の人々は…ということが見えてくるのだが、首相選びの人々(議員)と一般の人が同じ役者が切り替えて演じているところに、イマイチの感じがしてしまうのだ。
    つまり、「政治」と「国民」の関係がどうなっていったのか、その関係を丁寧に見せていくことで、どう首相が変わり、それで国民はどう感じていったのか、あたりを、作者の独断でいいから、言い切ってほしかったと思うのだ。
    「無関心」一色だけに見えてしまった。
    もちろん、それが「良い、悪い」ではなく、思い切った何かを発してほしかったのだ。

    <風琴工房『博物学の終焉』>★★
    「言葉」を信じていること、作者の想いをとても強く感じる。
    「デマ」が飛び交い、「拡散」していく今でも、やはり「言葉」は大切だ。
    つまり、「言葉」があるから我々はここに存在している。それが「知性」であり、「交流」であるということ。
    「言葉」があるから、人とつながることができるのであり、それを統制するということの恐怖。
    映画『イル・ポスティーノ』の引用も効いている。
    とても真面目、生真面目と言っていい。
    ただし、それが度を超すとこういうラストになってしまう。
    このラストは、オチのようで、好きではない。
    同じ設定であっても、ブレークスルーできる道はあったはずだ。
    それを必死に見つけて、舞台の上で見せてほしかったと思う。



    A班について言うと、「なぜ思い切って言ってくれないのか?」という想いが強く残った。
    発言することの「怖さ」もあるし、「極論」を述べてしまったら「炎上」もあり得る。しかし、言うべきではなかったのだろうか。言うべきことがなければ、やるのをやめてもよかったのではないだろうか。
  • 満足度★★★★

    Mrs.fictions…☆5、風琴工房…☆4、チームAの他2団体…☆3
    Mrs.fictions→観た後、静かな幸福感を感じた。何だろう、この感じ。

  • 満足度★★★

    A・B 鑑賞。
    芝居としては、どの劇団もおもしろかった・・・と思います。

    ただ、『日本の問題』を銘打ってるからか、ボクのほうが鼻息荒くなっちゃってねえ。
    どうしても、ボク自身の政治的信条や宗教観と照らし合わせて観ちゃうもんだから・・・正直、「こんなもんか」とは思った。

    「青年の主張」くらいの低レベルではなかったけど、『日本の問題』という企画を目の当たりにして「とりあえず考えてみました」って感じを受けた(もっとも、数劇団は、問題に対する処方箋を出しているあたり、評価できるんだけど)。

    どこかしら「自分のことはさておいて・・・」って匂いを感じちゃったかなあ(←身をもって、愚かさをさらけだした「ろりえ」は、その点では、とっても良かった)。

    最近、東欧やロシアの古典を上演する劇団が増えているのは、「自分のことはさておいていないから」、とも言えるんだろうけど。

    この後、学生版の『日本の問題』が催される。

    どのような芝居を見られるのか楽しみ。

    唖然とするくらい青臭いのもイイ。

    享楽的な日常から切り込むのもイイ。

    ボクが学生なら・・・

    教授に「こんな企画の芝居があるんスけど」なんて言って、プロット作らせて・・・その教授のプロットを嘲り笑う、みたいな究極の「自分のことはさておいて」芝居を作りそうだなあ(←こんな人間が増えたから、日本はダメになった、という考えは極めて妥当)。

    ま、なんにせよ、スッゴク楽しみです!!!

  • 満足度★★★★

    B
    同じテーマならではの、各劇団カラーが色濃くでて、魅力的な企画でした。少数気鋭の役者陣も、良かったです。ただ、やはり、約25分1作品は、皆さんキツイのでは?40分3劇団とかは?・・・かえって、ハンパかな?

    中村うさぎさんのアフタートーク、良かったです。4作品の共通点や相違点と、うさぎさんの大人のカッコイイ女ならではの話も聞けて、意味と価値のある、アフタートークでした。

    ネタバレBOX

    『指』  ミナモザ…作演出・瀬戸山美咲さん
    震災後の実際にあった事件から、創った物語との事。

    震災後、持ち主がわからないとはいえ、落ちているお金を盗むのは、罪の意識がないカップル。死体の指から高価な指輪を外せないから、指を切る男に反対する女だが、葛藤の末、なんとか指から外そうとする二人。その遺体が、女の友人と気づいて、躊躇するが、やはり、外そうとする、現実の厳しさに流される人の切なさを感じた作品でした。


    『日本の終わり』  アロッタファジャイナ・・・作演出・松枝佳紀さん
    前半、現実のデータをテンポ良く見せ、後半は理想論を、女子高生の演説として見せる、劇場内バルコニーや客席等も使用して、良かったです。
    地方の優秀な人材が都会に集まり過ぎるので、地方に強制送還して地方分権と活性化、手の触れられる距離や人の絆の大切さを、訴えた。

    経済の活性化と、人情的な関わりが反比例するような現実には、疑問もあるが、個性と独自性の魅力も大切な自分にとっては、構成演出に魅力を感じたので、違う作品も見たいと思いました。


    『枯葉に寄せて(仮)』  ろりえ・・・作演出・奥山雄太さん
    ナンセンスコメディ系で、異色過ぎたが、唯一笑い声が出た作品。
    作品上の女性の言動が、ほとんど理解不能(役者さんは上手かった)だったので、私は笑う程の事はなかったが、場内は、かなり笑い声が響いたので、好みが別れると思った。

    罪を隠す人、冤罪で5年辛い思いをした人、骸骨が出てきたことで、罪が暴れるきっかけ?に、・・・なったかは定かではないが、罪にまつわる物語だったのだろうか?

    描写が下ネタチックで、好みではなかったが、場内は爆笑になる場面もあったので、テーマから重くなりがちな作品群の中、特異さも、ある意味成功だったかもしれません。


    『甘えない蟻』  JACROW・・・作演出・中村暢明さん
    自殺してしまった幸雄の妻と娘、夫の兄弟の4人が、自殺した場所での会話劇。
    そこは、幸雄の家族が幸せに暮らしていた家だが、震災で住めなくなってしまっていた。
    娘の進学等を考え、妻の実家のある東京に、妻と娘は住んでいたが、幸雄は避難所生活で頑張っていた。
    せめて、幸雄の遺書でもないかと、必死に探すが、何も出てこない。
    別居生活故に、すれ違ってしまったのか?近くに住む兄弟なら、もっと何かできたはず・・・幸雄を救えなかった無念さから、残された家族が傷つけあってしまうのは痛いが、想いがあるからこそ・・・

    喧嘩しても、なにも始まらないが、割り切れるものでもない。しかし家を後にして、又、歩いていかなければならない家族達が、見つけたのは、パソコンのスクリーンセーバー。
    <もっと、甘えればよかった。幸雄>
    の文字が・・・

    と私が書くと省略し過ぎで、すみません。もっと繊細に真摯に、創られた作品で、泣き言を言う事や、甘える事での逃げ道の大切さを感じ、今回のテーマに一番合い、なお且つ、力強いメッセージ性もあり、素晴らしい作品だと思いました。

    4役者さん、良かったです。
    特に、蒻崎さんの強くならざるを得ない、女の弱さ脆さは、特に素晴らしかったです。
  • 満足度★★★★★

    AとB
    伝えようとする言葉と、 伝わらないのではと意図されていたのかしらな言葉とか、 私にでもわかるようなひびきの言葉が、 飛んでいました。

    それぞれの団体の色が なんとなく感じられて、
    いつかどこかで やっているならば、今度はどういうことを やるのだろうかと 思ってしまうかもしれないと 思ってしまいました。




  • 満足度★★★★

    Bも観劇終了(8つの楽しさがあります)
    今回はアフタートークでゲストがお客さん目線で質問してくれるので、その主宰さんからの返事も質問も楽しめますね。B班は3つが同じ地方の話になっているのに全然問題が違う(てか1名つは突拍子ないテーマだし)見たいで書いたとおり奥山さんが「やってくれました」テーマからは離れてる気もしますがそれもOKでしょう。そしてABと連続してみたとしたら、トリの作品は開始数秒で空気が張り詰めるような作品でいい締めだったんじゃないでしょうか?各個の感想は金曜にブログをTBします。8作品全部見て見て欲しいですが、あえて片方しか見れない方、Aは論理的抒情的でBは感情的作品傾向な感じがします。特に今日のBはなんか全4作品の熱量が多かった気がします。お好きな方をどうぞ!

  • 満足度★★★★

    Bバージョンを観た。
    この日のトークは宇野常寛。誰か黙らせろ!と言いたいほど良くしゃべっていた。

    ネタバレBOX

    「ろりえ」はちょっとエロく「日本の問題」なんてどーでもいいわ、みたいな描写。正直言って、どーでもいい作品。
    「ミナモザ」があまりにも素晴らしい。人間の生命を維持するために醜い現実を受け入れて生き延びる、という感覚。実はいざという時は綺麗ごとでは済まされないこの世の物語。
    「JACROW」家族をテーマにとある家族の夫が頑張った末にポキリ・・と倒れ、残された家族の葛藤を描いた作品。強がらずに甘えていいんだよ。といったバイブルを潜める。
    「アロッタファジャイナ」日本の歴史を綴りながら優秀な人材こそ地域に戻って地元を豊かにするべき。という現在の日本が抱える問題を提起した作品。

    総合で★4つ
  • 満足度★★★★

    Aバージョンを観た
    正直な感想をひとこと。

    ネタバレBOX

    「経済とH」はニュースを観てるような感覚。
    「風琴工房」はもっと違った描写を期待していたがイマイチ、ピンと来ず終盤で絶望に。
    「DULL-COLOREDPOP」は内閣総理大臣がころころ変わる現在の日本を描写したもの。繰り返し配置される同じ光景。
    「Mrs.fictions」実はこれが一番演劇らしい演劇だった。笑いの中に人間の孤独やファンタジーが重なり、終盤は温かな心もちになれた。実は今、日本で欠けてるものは、こういった孤独を癒す何かなのだとも感じた。「Mrs.fictions」には★5つを進呈したい。総合で★4つ。
  • 満足度★★★★

    B班観劇
    劇場にはいつも開演30分前には到着するつもりで動いてます。
    この日もその計算で武蔵小金井の駅に着きましたら、たった今高円寺駅で人身事故があり中央線が上下とも運転停止、復旧時間は約1時間後の13時40分と言うじゃないですか!
    その時間からじゃ絶対に14時に中野には着かない。振替輸送のバスも中野方面には無い。呆然としましたら、一緒にいた家人が言いました。
    「ひと駅でも中野に近づいておこう」
    はい、歩きました。中央線の一駅区間って、都心と違って結構あるんですけどね。
    それで、電車時間にして5分ぶん稼ぎ、この事故を考慮して開演時間を10分遅らせていただけていたことのダブル効果で、幸いにも最初から見ることができました。
    関係者の皆様、ありがとうございます。
    会場内でお待たせしていた皆様には、すみません。

    さて、お芝居。B班から観ました。
    思っていたよりも、わかりやすく楽しめました。
    震災の後だからか、設定は似たところもありましたが、受け取るメッセージはそれぞれ違いました。詳しくはネタバレで。

    行って良かったです。歩いた甲斐もありました(笑)
    A班も楽しみです。

    ネタバレBOX

    「指」

    一緒に見た家人は「まんま羅生門じゃん」とパクリ扱いでしたが、私はそうは思いません。まさに3.11後の東北で「羅生門」に通じる行為をした人がいるという事実。それが「日本の問題」だといわれたら、その通りだと思うのです。
    最近、電車のつり革広告から「物事の善悪の基準」について、真剣に考える機会がありました。私は「他人を幸福にすることかどうか」と定義してみましたが、あっさり矛盾を突かれました。
    そんな後なので、この芝居で女が「何が良くて何が悪いことかって、他人に決めてもらうことじゃない」と言ったのが、とても印象に残りました。

    ただ、叫び合っている会話はいただけなかった。
    夜明け前のシンとした東北のがれきの中、もっと押し殺した会話の方が、濃密な世界になった気がします。
    叫びあって言い争っている時間を無くして、心理面を掘り下げてくれたら、より良い舞台になったと思います。



    「日本の終わり」

    東京には田舎の神童が集まるれれど、必ずしも全員が優秀な働きをしていないというのは、この間まで勤めていた会社で痛感していたので、大きくうなづきました。それを地元に強制送還するという発想は面白く、「日本解散」もインパクトありました。
    でも、女子高校生の「お父さんが末期癌で」のお涙ちょうだい的演説から急にシラケました。
    「触れられるところまで」が世界ってのは、どうなんでしょうか。300藩に分けても全員と触れあうのは無理だとおもいます。
    『地縁血縁が無くなってきた今だからこそのネット縁』という方が、むしろピンときます。ミク友たちとは「70過ぎたら生死確認つぶやこうね」とか言いあってます。「生きてるなう」みたいな。



    「枯葉によせて(仮)」

    本当の家族と偽の家族とか、分離と再会とか、無防備な女子高校生と完全防御の風俗嬢とか、パワフルな母さんと寝た切り父さんとか、色々と対比させているのは面白いのですが、いかんせん私は「テ●キ」とか「チン●ン」とかを連呼するような芝居は嫌いなのです。すみません。



    「甘えない蟻」

    働き蟻の法則、(パレートの法則とたまに一緒に語られますがちょっと違います)『働き蟻の中でも本当に働いているのは8割で、あとの2割は働いていない。この2割の蟻を取り除いても、今まで働いていた蟻の中から働かなくなる蟻が出て来て、結局、全体の中で働いている蟻は8割になる』というものです。
    この話を聞いたとき、最後まで働き続ける蟻というのはどういう蟻なのかなと思いました。
    幸雄さんはそんな甘えられない不器用な蟻だったんですね。
    「もっと甘えていいんだよ」「甘える自分を許していいんだよ」というメッセージは、疲れた日本人にグッとくると思います。誰にも甘えられずに自殺していく人たち、これも「日本の問題」の一つですよね。

    しかし、パソコンのスクリーンセーバーに「幸雄」の名前があったのは、興ざめ。
    あれは遺書なんですか?遺書だとしたら、スクリーンセーバーというのは奇をてらいすぎだし、幸雄の人物を想像するに、違和感があります。
    思わず漏れたつぶやきとした方が沁みます。その場合、名前は不要です。


    色々書きましたが、いつものように個人的感想です。
    面白い芝居をありがとうございました。
    20分という短い時間のなかに、これだけのメッセージを込められる皆さんはやっぱり素晴らしいと思います。
    2時間のお芝居も見に行きたいです。
  • 満足度★★★★★

    また観たい!!
    凄く良かったです。座談会を含めて良かったです。
    今回観たのがAチームだったので是非Bチームも観たいです。
    テレビに飽き飽きしていたので、興味深く観れました。
    学生の方も気になる!!

  • 満足度★★★★

    【B班】観劇
    A、Bを通して、全体としてテーマがかぶっていました。観る前はそれでもいいと思っていましたが、実際に観てみると日本の問題はそれだけかという気にもなりました。

    ネタバレBOX

    「指」、津波被害を受け誰もいない土地で、深夜火事場泥棒をしている男女。お札を拾いまくることはできても、死んだ女性の指を傷つけて指輪を盗もうとする男に対し、一線を越えることに抵抗する女。羅生門のような話で、最後は鬼になる。

    「日本の終わり」、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」的、もし女子高生がテレビで無縁社会を見て政治に目覚めたらという話。女子高生は日本を昔の藩くらいに分割して細かいところに手が届く政治にしようよという提言をし、それを受けた首相は日本を藩に分割し、優秀な人材を東京から故郷に強制送還して活気ある地方にしようと法案を提出。私も東京に住んでるもんな、本プロジェクトの企画者だけあって斬新なアイデアでした。

    「枯葉によせて(仮)」、放射能に汚染されてか、東京の風俗嬢も防御服を着ているようなご時世の東京から東北にかけての意味不明な話。プロジェクト的にはこの防御服を着用するだけでごまかしているという感じでした。

    「甘えない蟻」、津波で壊された自宅で自殺した男を巡る妻子や兄弟の話。もっと甘えて心情が吐露できれば良かったのにね。

    アフタートークで若年層の投票率の低さが問題視されていました。デフレ下でも年金が引き下げられない要因はまさにその通りだと思いつつ、私としては一票の格差是正が全ての日本の問題を解決する第一歩だと考えています。
  • 満足度★★★★

    【A班】観劇
    各劇団20分では指摘はできても解決するところまでには至らずという感じ、もっとも時間があってもどうだかですが。

    ネタバレBOX

    「金魚の行方」、ニュートリノによるタイムマシーンによって地震被害や放射能汚染は防げるかや、格差社会問題を取り上げ、経済評論家でもある佐藤治彦氏が客席からコメントするシーンもあったりして一興。

    「天使なんかじゃないもんで」、原発事故で誰もいなくなった土地に逃げてきた女性が鰯の頭も信心から的生活をしている話。鼻血の理由がアフタートークで明らかになりましたが、放射能の影響を表現したものだとか、ちょっと分かりづらかったです。髪が抜けるとかの方が分かりやすかったような気もします。

    「ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード」、首相がコロコロ変わる政治を皮肉った話。首相の空疎な演説と周囲の人達の身勝手な喧騒、ゴングなどの激しい音響が不協和音を醸し出し、息苦しく吐き気を催すほどの物凄い時間を体感することができました。

    「博物学の終焉」、三話からの間髪置かない繋がり方は良かったですが、未来の話、地上には建物と人間しか存在しないような社会、環境破壊を憂いてのこととは思いますが、はたして現代日本の問題と言えるのかと思いました。
  • まずAを鑑賞
    初日A班を鑑賞しました。
    約20分間で4劇団の公演、3.11があったので内容が寄ってしまうか?
    そう思っていたですが、予想以上に自由な飛躍的表現・題材が出て驚き
    それはそれで面白いし、アフタートークによって作り手と見る側の齟齬が
    明確に提示されたのは良かったです。
    また初日ですからどのチームがどうとか先入観を植え付けるのもマズイし
    ブログ作成とTB、評価はBチームを見てからとさせて頂きます。
    「日本の問題」って堅苦しい公演ではないし、4劇団の表現の違いを楽しめるので8作品全部見る事は必要だと思いますよ。

  • 満足度★★★

    見ました
    とりあえずBチームを拝見しまして。
    JACKROWが凄く良かった。

  • 満足度★★★★

    企画コンセプト…☆5、JACROW…☆5、チームBの他3団体…☆3
    【企画コンセプト】…大変良いと思う。政治や日本全体のことに興味があってもなくても自分達の生活に影響はあるわけだから、きちんとそこに目を向けて舞台をつくっていくという企画コンセプトはいいと思いました。

    【JACROW】…脚本、演出、役者4人全員、総じてレベルが高かった。30分に満たない舞台だったと思うが、ストーリー、場に流れる空気がとても濃密だった。決して明るい話ではないが、人物や背景がしっかりとしていると思った。チームBの4団体の中では唯一「観てよかった」と思えた作品。

  • 満足度★★★

    Aチーム観劇
    肩透かしを食った。
    「日本の問題」というたいそうなお題目で、
    20~25分の短編を作るのは難しいんだな。
    今の日本は悲惨過ぎるなぁとしみじみ思う。

    ネタバレBOX

    経済とH。日本の問題連呼されてもなぁ。古臭いなと思った。

    単純に面白いのはフィクションズ。「日本の問題?」とは思うけど。
    最近の岡野康弘はかっこいい。オンちゃんもシスター役が似合ってた。

    ダルカラはタイトルそのままの芝居。一番分かりやすいが単調で退屈。
    役者滅私奉公、プロジェクト文学の時と同じ印象。
    レストランで「体に良いから少々不味くても食え」と
    言われてるような芝居だった。

    風琴工房は長編へのイントロダクションみたい。
    まだまだブラッシュアップできる。
    一番ノビシロがあるように感じた。

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