実演鑑賞
満足度★★★★★
非常に重いテーマの舞台でしたが、考えさせられる素晴らしい舞台でした。
人が人を殺す戦争という狂った状況におかれた当事者は、被害者/加害者の感情や差別意識をどうしても拭えないことを舞台から強く感じ、戦争経験者が少なくなった現代だからこそ、客観的に強く反戦・反核の意思を継いでいけるように思えました。
実演鑑賞
「CoRich 舞台芸術!」初のプロデュース公演。まず、長引くコロナ禍で活動が困難になっている舞台芸術業界に少しでも協力したいという思いから立ち上げたと聞いて、「なんて尊い!」と驚きました。小劇場系カンパニーの名作戯曲を探し出し、新しいキャスト・スタッフとともに再演するというコンセプトも、集客などの問題で再演が難しい小劇場界にも、短い上演期間に「見逃した」と悔しい思いを抱いていた観客にも、優しい企画。そんな記念すべき第一弾は、青森県を拠点に活動する劇団、渡辺源四郎商店の店主・畑澤聖悟の戯曲を、社会派なテーマを扱う骨太な作品で知られる劇団チョコレートケーキ主宰の目澤雄介が演出。出演は、山口馬木也、川島海荷、池岡亮介、川田希、森下亮に加え、オーディションから選抜された(700通もの応募だったとか)メンバーも含む、総勢16名。
実演鑑賞
副題の「〜原爆を作った男たちの65年〜」が正に的確で、1945年8月に日本へ投下された原子爆弾の開発に携わった米国人たちの半世紀以上に渡る物語。史実を織り交ぜて描かれる群像会話劇は、友人や家族の相関を丁寧に見せる人間ドラマ。かつ、日本人作家だからこそ書けたであろう踏み込んだ台詞も多く、良い緊張感を保ちつつ観劇することができました。
実演鑑賞
満足度★★★★
観劇後にタイトルの意味が響く。クライマックスの因果応報に泣けた。アメリカ側の視点、日本側の視点が容赦なく刺さった。いい舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
なんか混ぜるな危険な感じのモノを
原子爆弾という柱を基に集めてみせた力作という
印象を受けました
心に響いたなぁ・・・・
役者さんも上手で
引き込まれた2時間15分の作品
出演者さまから
ポテチがプレゼントされまして
ありがたく(^-^)
実演鑑賞
満足度★★★★★
重い内容でしたが、それ故に深い舞台でした。
戦争、原爆、被災者、命、差別等について考えさせられ、正しいのかどうかは別として、ひとり一人に信念があり、家族や愛する人がいる事も感じました。
役者さん達の演技も素晴らしく、ラストに近付くにつれ、客席の緊張感がすごかったです。
何とも言えない気持ちになる心に残る舞台、観る事が出来て良かったです。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/16 (土) 14:00
自分はこのサイトにコメントを書き込んだことはないのだが、この公演についてはコメントしておきたい。いまの日本の演劇界では、ある劇団に書き下ろされた戯曲が、他のカンパニーによって(修了公演などではなく)再演されることはあまりない。そのため、せっかくの力作もすぐに忘れられてしまう。こうした現状を改善すべく、CoRich舞台芸術!プロデュースが「名作リメイク」と銘打って、畑澤聖悟の2010年初演の戯曲を日澤雄介の演出で再演するという素晴らしい企画を立ててくれた。よく集められたと思うほど、キャストもスタッフも豪華である。この企画そのものを応援したく、CoRichの「観てきた!」に書き込みをする次第だ。
まず日本人劇作家の作品なのに、まるで翻訳劇のように登場人物の大半がアメリカ人であるのが面白い。舞台で口にされる台詞は日本語だが、登場人物は英語を話しているという約束である。ここへ英語が達者でない日本人が入ってくるのだが、その登場の仕方が鮮烈だった。くどくどした言葉の説明なしに、日米関係が提示される。
劇の内容は「原爆を作った男たちの65年」という副題どおりである。正直なところ、情報を盛り込みすぎで、物語の展開が性急になり、アメリカ側の登場人物の造型も単純化されすぎている印象を受ける。そのため、原爆開発への批判も類型に収まってしまう。だが、このような改善、改稿の余地が見えてきたのも再演されたからこその話だろう。また、ちょうどクリストファー・ノーランの『オッペンハイマー』が話題になっている時期に再演されたのも(評者は未見)時宜にかなっていた。
公演パンフレットで日澤は「戯曲に真っ向から喧嘩を売ってる感じ」と書いているが、自分には敬意のある演出と見えた。主役を演じる山口馬木也が、65年に及ぶ長い物語の軸をブレずに務める。彼をはじめ、誰も観客に媚びた演技をしないのがいい。
実演鑑賞
満足度★★★★
観ていて気分のいいものではありませんでした。
ですが観るべき演目だと思います。
観劇レポは下記をご覧ください。
https://ameblo.jp/minaminokaze55/entry-12844582136.html
実演鑑賞
満足度★★★★★
これは素晴らしい舞台です。物語はもちろんですが,演出,演技,舞台装置,接客,何をとっても全く隙は無かったと思います。最初から最後まで芝居に引き込まれ,2時間15分ですが,目が離せなかったです。いま,この日々に生きていて,この芝居を観る意義を感じるところです。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/16 (土) 14:00
畑澤聖悟さんの脚本を劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんが演出、
今上演する意義を改めて強く感じさせる作品。
観客を引き込む役者陣の熱量がすごい。
これが”戦争の現実”なのだ。
実演鑑賞
満足度★★★★
全出演者が役割に集中しつつ心を開いて、作品のために力を尽くしているようだった。こういう場に立ち合えたことが嬉しいし、これが芝居の醍醐味だとも思う。
日本の俳優が日本語でセリフを言って外国人を演じる芝居は珍しくない(シェイクスピア、チェーホフなど)。でもこの作品では、原爆を作ったアメリカ人を日本人が演じ、やがて日本人役も登場する。この仕掛けによって、日本の観客はどこか遠くの物語を外側から眺めるのではなく、自ずと当事者で居続けることになる。
劇中のアメリカ人は敵国人である日本人を「ジャップ」と呼び、あからさまな差別をする。それを日本の俳優が堂々とやりのけるさまに少々戸惑い、気まずさも感じるのだが、俳優それぞれが役人物として懸命に生きようとする誠実な演技のおかげもあって、私はロスアラモス国立研究所の青春群像劇に入り込んで行った。
しかし、その没入感は続かない。ある趣向によって次々に水を差されるからだ。観客は家族の物語を、研究仲間たちの人生をただ受け取るだけでは居られない。演出の日澤雄介氏が脚本の畑澤聖悟氏とのパンフレットの対談で語っていた「(戯曲に)真っ向から喧嘩売ってる」とはこのことだろう。
新型爆弾の研究者の葛藤や家族の別離など、年月を経て大きく変化していく人間模様を親しみを持って見つめ、心を寄せてともに喜び悲しんでいても、キノコ雲の下で起こっていたことが脳裏から離れない。廃墟に見える抽象美術の影響はもちろん大きい。役人物の加齢をメイクや衣裳などの外見で説明するのではなく、俳優の演技で示すことも異化効果になっていたと思う。
初演の時に固唾をのんで見守ったクライマックスと呼べるであろう終盤の場面は、今回もまた緊張感に満ちた瞬間だった。見ず知らずの大勢の観客と、あの、じりじりとした時間をともにできたことが嬉しい。副題の65年は1945年から2010年までで、2010年の場面は今から14年前、東日本大震災が起こる前だ。遠い昔のように感じる。この芝居が投げかけた問いはより差し迫ったものになってしまった。
自分が生まれ育った日本が世界唯一の戦争被爆国であることを、あらためて認識する。海兵隊役の内田健介さんがパンフレットに書かれていたように、日本が最初で最後であって欲しい。そう声高に言っていかなければと思う。
追伸:車椅子で伺ったところ、行き届いた対応をして頂き、スムーズに観劇をすることができました。ありがとうございました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
原爆を作った人たちの物語。我々と視点は違うもののそれぞれに苦悩があることが伝わる。達者な役者たちの熱が凄まじく最初から最後まで心を震わされた。
今観なくてはいけない作品だと思った。