実演鑑賞
満足度★★★★
重たい重たい2時間15分(休憩なし)だった
世界終末時計が再び1分30秒前まで進み、日本も武器輸出まで認めようとする今、多くの人に観て考えてほしいテーマである
もっとも印象に残ったのは、日本人が皆のっぺらぼうに近い仮面をつけて登場する演出(戯曲原作は知らない)
1990年前後に外交官のはしくれとしてジャパンバッシング華やかなりしアメリカにいて、「顔の見えない日本人」と言われるのを、いろいろなイベントなどを通じて必死に払拭しようとしていたのを思い出した
そう、まだあからさまな人種差別は残っていた
それ以前の話が中心ゆえ、「ジャップ」と蔑まれるシーンが多いのは当然だろう
しかし、それを日本人が書いたところに意義があるように思えた
原爆投下をめぐっては、アメリカでは未だに(自分がいた頃ほどではないかもしれないが)退役軍人などを中心にあれで戦争を終わらせらることができたと肯定する意見が根強くあるだろう
自分のしたことは果たして罪なのか?
謝罪は自己否定なのか?
許しはあるのか?
ふとキリスト教の概念が頭をよぎるが、戯曲の作者畑澤聖悟はキリスト教徒どうかかわっているのだろうか?
自分が1982年の社会人として最初の赴任地に広島を希望し、「広島反核テーブル」に参加していた頃のことも
思い出していた
日澤演出というか舞台のセッティング自体が劇チョコを想起させる場面が結構あった
キャスティングが絶妙で、700の応募があったというオーディション選抜組を含め皆熱演だった
特に若いメンバーは体当たりという感じがした
弛緩することなく充実はしていたが、2時間15分はちょっと長かったかな