満足度★★
等身大の、しかし「リアル」のない芝居
アパートもの、寮ものは、ドラマでもマンガでもたいていはラブコメだ。
しかし、この四つの部屋の住人は、互いにそんなには深く関わらない。別れはある。けれども現実のアパートの引っ越しが他の住人の生活と無関係に淡々と行われるように、この戯曲の別れもありふれた点景でしかない。
戯曲家は、あえて過剰な「ドラマ」を描くことを避けているようだ。「日常」は小さな変化の積み重ねであって、さりげなく過ぎていくもの、と考えているのかもしれない。しかしその方法論は、最も日常を表現するのに適していると思われる「現代口語演劇」の手法ではない。役者たちの演技は平田オリザ以前の大仰なもので、「日常らしさ」はない。
そこに、描かれている世界と実際の演技との間に「ずれ」が生じている。それが演劇としての緊張感を喪失させる結果になった。役者も演出も真摯だ。それは充分に伝わってくるから、嫌悪感はない。しかし真摯さだけの舞台では、やはり「演劇」には成り得ていないのである。
満足度★★
女優陣は魅力的だが
素直な印象の舞台ではじめは新鮮なのに、だんだんつまらなくなるのは、脚本に工夫がなさ過ぎるため。
その分、これからうまくやれれば、伸び代はあり余るほどある劇団かな、という気もした。
感想の詳細は、次を参照ください。
http://f-e-now.ciao.jp/20110503.html
満足度★
何もおこらない
タイトルの通り、劇中何も起こらなかった。
一応ちょっとした変化はあるが、それは劇を転換するようなことでは全くない。
日常を描いたり、若者の小さな変化(成長)を描くということなのかもしれないが、退屈すぎて時間がとても長く感じた。
まわりの席からもため息などが聞こえてきていたから多くの人が同様だったのだろう。
役者陣たちが頑張っているのは伝わるが、演技・滑舌・間が酷い。
地元(地方)劇団のほとんどに言えることではあるが、あまりにもセリフとセリフの間がなさすぎて人間の会話をしていない。
幕間の着替えに使っていた「オクラホマミキサー」の音楽もいま一つ効果的とは言えない。
照明も含めもっといろいろ工夫する必要があると思う。
アパートなんだけど
寮みたいな感じの設定と受け取ればよかったのかもしれない。
(ある時は扉、ある時は窓側とかもありよね)
照明効果は少なくストーリーもたんたんと進む中で、カーテンの活用の仕方は、観客をあきさせない意識があったに思う。
元気があるのはいいことですね。