廃墟 公演情報 廃墟」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
21-32件 / 32件中
  • うんうん
    芝居っていいですね。
    やっぱり舞台ですよ。

  • 満足度★★★★

    うん
    これは面白い!
    登場人物の情けなさに共感!
    またみたいです。

  • 満足度★★★★★

    すごく面白かったです。
    戦後まもない設定が、この度起きた震災直後の今とだぶってしまいますが・・・ 女性たちの台詞が重いです。とにかく2時間半集中できたのは、演じる皆さんの上手さもありますね。表情もですが、皆さんすごくきれいな日本語を声にしてくださるので、心に響きました。
    三好十郎さんって・・面白くて可愛げのある方だったのですね(多分)
    時間堂さんの作品を初めて観ましたが、ファンになりました。

  • 満足度★★★★★

    重厚にして、圧巻。
    今までに観てきた時間堂は「限りなく優しくて癒される時間」という印象でしたが、今回は既存の脚本を用いての、緊張感に満ちた圧倒的な重厚感。それは去年夏の黒澤さん演出「ON THE WAY HOME」と同様で、正直、いつもの時間堂よりもこちらの方が私の好みだったりします。

    思想が実感に即した演技で魅せる役者さん達、特に菅野貴夫さんと酒巻誉洋さんのぶつかり合いは圧巻。2時間半という長尺ながら、音楽もなく引き込まれる濃密な時間を堪能。舞台は戦後であるけれど、震災後の今と重なり深く深く考えさせられました。

    正統派の演劇として、今沢山の人におすすめしたい舞台です。ロングランですので是非。

  • 満足度★★★★★

    三好十郎作品は、とても骨太で力強い
    そして、その骨太で力強い作品を、黒澤世莉さんは同じように力ずくで押さえ込むのではなく、無理をせずに自分の側にたぐり寄せ、等身大の感覚で、細やかにセンス良く演出していた。
    2時間30分の上演時間はまったく長く感じず、見入ってしまった。

    ネタバレBOX

    終戦からあまり時間を置かずに書かれた作品だという。以前に観た『その人を知らず』もそのすぐ後に書かれたらしい。
    それを考えると、三好十郎はいかに凄い作家なのかがわかる(『浮標』も素晴らしかったし)。
    とにかく、骨太で力強い。
    ただ、この強さは、今だからこそ受け入れられるのかもしれないとも思う。
    物語が成立しなくなった今だから、こうした力強い作品に魅力を感じるのかもしれない。

    この力強い作品を、黒澤世莉さんは、作品と同じように力ずくで押さえ込むのではなく、無理をせず自分の等身大の感覚で、細やかにセンス良く演出していた。台詞の細かい重ね方や立ち位置、移動などがとてもいいのだ。そして、最初のほうのシーンにある「生活音」の生音が、とてもいいアクセントで舞台に響いていた。
    台所の位置がよく、視線には気にならない程度の場所にある。
    シンプルだけど、家の配置や玄関、畑の位置設定もいい。奥行きが増すのだ。
    時間の変化を美しく見せる照明もよかった。

    元教授のエピソードは(たぶん)当時も話題になったであろう、判事が配給のみで餓死した事件にヒントを得ているのではないだろうか。
    その元教授の死を賭した主張には、迫力がある。つまり、「国民の1人として、1人分だけの責任がある」ということ。それは重い。誰に言われたわけでもなく、自分だけが負わせることのできる責任であり、罪なのだから。
    武田泰淳の『ひかりごけ』を持ち出さないまでも、あの時代を生きてきた方たちは、それなりのことをくぐり抜けてきたはずである。それもまた重いし、別の意味での、責任に負い方ではないだろうか。
    しかし、元教授は自らを枷にはめていく。家族がどんなに反対してもである。この姿は、『その人を知らず』の主人公にも重なって見えてきた。

    ところが、元教授とその息子・誠(共産党員)の議論が激化してくると、様相が変わって見えてくる。高潔であった元教授の頑なな姿は、議論が何のための議論かわからなくなってくる。議論のための議論、議論を楽しんでいるように見えてくるのだ。
    少々面倒な現実は、お手伝いとして暮らす女性に任せっきりにしてしまう(防空壕に逃れたりして)。つまり、現実から逃げていることが見えてくるのだ。
    息子にしても戦争を反対していたが「自分たちの力が弱かったから止められなかった」というのは、次にもし同じことがあれば、そう言って逃げてしまうことを意味している。

    さらに、息子が「今度の戦いは、再び戦わないための戦いだ」と言うのだが、それは「正義(大義ある)戦い」ということの理論であり、かつて、そしてこれからも起こっている戦争と本質的にまったく同じだということも露呈する。

    つまりのところ、元教授(父)と息子は、この戦争から何も学んでいなかったということなのだ。また、いつでも戦争を起こし、そしてそれを積極的にではないにせよ、支持する側に回ってしまう可能性を秘めているということだ。

    女性たちはそうではない。皆、地に足をつけて生きることをのみすべてとする。
    元教授の妹・双葉は、父と兄の議論に「立派な考えを持った人たちが、国民から浮き上がってしまったことで戦争が起きた」と、鋭く指摘するのだが、彼らの耳には届いていない。自らの思想や主義にがんじがらめだからだ。

    そして、ラストの刃傷騒動は、議論では結論がでなければ、実力行使も厭わないという、彼らの根底にある、まさに戦争そのものが出現したのにほかならない。
    作者をして、終戦を迎えほっとしている中で、すでに次の戦争のきな臭さを感じとっていたのだろう。
    それは、おそらく、戦後間もない頃に作家自身の嗅覚と肌感覚によって感じ取られていたことで、議論を尽くすことが戦争をなくすことにはならないという危惧かもしれないし、戦争はなくならないという諦念かもしれない。

    元教授一家と一緒に暮らす人々、つまり、戦争に荷担したかもしれない国民と反対していたと主張する国民、戦争に積極的に参加して目的を見失った特攻兵、家族を失い身体を張って生きる女、戦争で傷ついた学生などなど、は、終戦直後の人々の縮図であろう。それを「家族」というキーワードにして、家族間のぶつかり合いと関係性という見方もできるかもしれないのだが、それよりは、もっとそれぞれの立場を代表するような、人物を表しているように感じた。初演の頃の観客にとっては、イヤになるほど身近な存在が舞台にいたのではないだろうか。

    双葉を演じた高島玲さんが、優しくて芯の強い女性を好演していた。欣二の酒巻誉洋さんの若くて無謀さを装っている感じもよかった。浮浪者役の小川あつしさんは、大変だったのではないかと思う。てっきりラストに重要な台詞もしくは演技を担うのかと思っていたらそうではなかった。
  • 満足度★★★★★

    まな板の音がトントンと
    答えは見つかったか?ごらんの通り、見つからなかった。

    三好十郎の『「廃墟」について』にこう記されていました。
    「敗戦後一年ぐらいたってから書いたもの」ということは帰りの電車の中、ネットで知りました。2時間半の間、集中力を途切らせることなく、それぞれの役を、それもこれだけのボリュームのセリフがありながら、ひとりひとりのしぐさが登場人物の心情をストレートに現している。舞台上に配置されているものは、本を除けば今でも普通に使えるものであっても観ている間には気になりませんでした。それどころか、まな板を使う場面で聞こえてくるトントン..トントンという音。なぜかこの音に、ずっと昔の自分の家庭を思い起こしました。レンジの「チン」ではない音。日本の台所から聞こえてくる音。

    戦後、渦巻いたであろう、各人の立場やどのように戦争を経験したかによって
    異なる心情や希望。昭和、平成と成長し続けてきて今がある。三好は、前述の一文に『日本人と言うもの全体が持っている、ほとんど「偉大」と言ってもさしつかえのない、すぐれた本質』を感じたと書いている。それは今の日本にもきっと生きている。

  • 4月1日(金)S
    哀しくも温かい人間模様。圧巻

  • 「廃墟」感想togetterにて毎日更新中
    http://togetter.com/li/115409
    togetterにていただいた感想をまとめてます。毎日更新中。よかったらこちらもチェックして下さいね。ややネタバレ注意かも、です。

  • 満足度★★★★

    圧巻!
    お腹を満たせられる事に感謝と幸せを感じる。

    役者に魅入り、台詞に聞き入る。こんな時だから余計考えさせられる。

    ネタバレBOX

    浮浪者が不思議な存在なんだけど、案外主役かも。あの部屋の状況下の中、我関せず見てみぬ振りをする人の象徴かも知れない。
  • 満足度★★★★

    勝負してるなぁ・・・
    三好十郎なんて、また渋い選択です。
    がっつり腹を据えて勝負しているのが、ひしひしと伝わりました。
    渡し合う台詞の緊張感。空気。上質でした。
    最近は、こうしたストレートな舞台が
    少なくなって寂しい思いをしていたところなので、
    良い時間を過ごさせて頂きました。

  • 満足度★★★★

    濃厚な会話劇
    50年以上前に書かれた戯曲で、所々に出てくる単語に時代を感じさせましたが、みずみずしい演出・演技を通じて現代にもそのまま通用する内容となっていたと思います。休憩なしで2時間半という役者も観客も負担のかかる結構なボリュームに必然性が感じられ、だれることがなく、特に後半は求心力があり時間を感じさせませんでした。

    第二次大戦直後の東京が舞台で、1つの部屋に身を寄せる家族とその周辺の人たちを描いた作品で、様々な立場での戦争の反省と未来の展望についての議論が平行線を辿ってばかりな様子が描かれていて、考えさせられる話でした。

    音楽は全く使われず、いくつかの家具と照明だけのシンプルなしつらえが演技を引き立てていました。
    会話のトーンのバランスが絶妙で、大声で叫ぶ台詞もはっきり聞き取れたのが良かったです。白熱した議論の最中に議論の輪に入っていない人がする日常的な行動が度々挟まれていて(戯曲に書いてあるのでしょうか?)、単純に熱く盛り上がるのを避けていたのが面白い効果をあげていたと思います。

  • 満足度★★★★

    すごいですね!
    この長時間のお芝居で長回しの台詞。すごい!
    しかも熱い!濃い、重い。リアル。
    戦後の日本、復興。
    正統派のお芝居です。

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