Nazca -ナスカ- 公演情報 Nazca -ナスカ-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-20件 / 39件中
  • 満足度★★★★★

    初見
    さすが話題の劇団とだけあるクオリティー。今後演劇界を変えていく才能

  • 満足度★★★★★

    難解?いや、むしろシンプル
    銀石3回目の観劇ですが、今回が特に難解という感じはしませんでした。確かにいろいろ要素を盛り込み過ぎという感は否めませんが…解釈しようとするから反って難解に感じるのかも。オープニングの映像、ピアノの生演奏も良かった。舞台空間をフルに使った演出も見応えありました。時間を超え、場所を変え、現実から空想へ…場面が目まぐるしく変化するその中で、繰り返し問いかけ、追い求められる想い。個では抗えない大きな流れの中でさえ、それぞれのなすべき事を出来るやり方で貫いていく個の在りようが、希望を感じさせる。観劇後、心地よい余韻の残る物語でした。

  • 満足度★★★★★

    遥かなる物語
    とにかく、劇場全体を使い切っていることに驚いた。吉祥寺シアターという場所ならではの作品に仕上がっていたと思う。


    難解ということだが、確かに役者の台詞が聞き取りにくかったりとあるが、物語は至ってシンプルかと。ただ、本筋となる何か柱が薄く、そこにいるウツセミとサラの二人の演技力に難があったことが難解であったととらわれやすいのかも。

    ネタバレBOX

    なによりもオープニングのワクワク感は相当なものだ。あれだけで3000円のお芝居の域を超えていた。

    ただ、劇場空間に役者が負けていた。そこだけが残念。

    佐野、加藤の二人が役者としては良かった。
  • 満足度★★★★★

    詩的で美しい
    空間の使い方、映像、音楽が素晴らしかったです。

    特にオープニングは壮大で美しく、ドキドキしました。

    気になったのは、役者さんの技量に差があったというか、
    配役とレベルが合ってないのかな、と感じたところでしょうか。

    「もっと出てきてほしいな」と感じたかたも、
    その逆で「ん~、ちょっと苦しいかも」と感じたかたもいました。
    (ゴメンナサイ…)

    ストーリーは…

    続きはネタバレにて↓↓↓

    ネタバレBOX

    少し、『何を伝えたいのか』がわかりにくかったです。
    各エピソードが繋がらないというか、なんというか…。

    部分部分ですごく素敵だと感じたところが多い(衣装も、完成度が高かったと思います)だけに、
    いまいち腑に落ちない感じが残念です。

    なんとなく、
    色々な要素をつめこんでみたものの収集がつかなくなったような、
    軸がどこにあるのか分からないような
    印象を受けました。

    けど、何故か「また観たい!」と思う魅力があり、
    脚本家さん始め若いかたが多い劇団のようなので、
    期待感もこめて星5つとさせていただきます。

    あ、あと、吉田能さんがとっても素敵でした!
    結婚式でタクトを振っている姿も良かったです!
  • 満足度★★★★★

    訴えかけてくる熱量
    銀石さんを観るのは前回公演『ジーンズ-gene(s)-』に続き二回目。頭で理解しようとすればパンクします。感受に身を任せれば、その力強き生と、悠久の想いが心一杯に響きわたります。恥ずかしながら目頭が熱くなりました。もう一回観にいきます。皆さんも是非、体感してください。

    ネタバレBOX

    劇が終わったあと、舞台には地球とセミの声。ずっと、今この瞬間も鳴いてる。メッセージを送りつづけてるんだ… って思って、しばらく座ったまま余韻に浸っていました。解釈があってるかはわかりませんが。
    地球からセミの声…って事は、動かない客席は宇宙、座ったまま観ている客もまた、地動説によって磔にされた星座みたいだなぁ…と勝手に空想。
  • 満足度★★★★★

    セミ、とんでった
    千秋楽を拝見。吉祥寺シアター使い倒した感じで、楽日でなければもう一度見たかったです。。

    はじめ若干難解?と思いつつ、空想現実入り乱れても違和感を感じなかったしのめり込んで観てました。。
    チラシのデザインが気に入っていたので、、劇場の前のポスターとか、封筒がチケット?なところとか垂れ幕とか素敵でした。階段踊り場の垂れ幕ほしい。。映像や衣装も好みでみていて楽しかった。。

    生演奏ピアノ&生風鈴、豪華!

    ネタバレBOX

    ウツセミ、空想世界の兄さんが代わりに行ったから生きてた??

    お母さんが一人残されないかってちょっと悲しかったので、
    ご都合主義?でもよかった。

    ブーケトスの楽日だから花壊してもいいやっ!ってかんじなの?それともいつも破壊してるの??なバトル、超ウケました。

    みなさんに怪我のないことを祈ってます(笑)
  • 満足度★★★★★

    無題90
    最後列です、ここから舞台を見下ろすとかなりの高さがあることに気がつきました、綺麗な舞台、動く舞台、感情の流れを導く音楽、照明、ひとりひとりの役者さん、そうか、こんなことができるんだ、と、少しわかりかけたように思います、なぜお芝居をみに行くのか、もう一回みようか迷っています、台本を買ったのでまた追記します。8/20追記。

    ネタバレBOX

    SFが好きだった僕へ。あの夏、1日1冊は読んでいた僕。ジュヴナイルからいきなり56億7千万年の時が流れる物語へ、その果てしなき流れの果ての喪われた都市の記録として残された永遠の終わりが新たな幻影の構成となり、そこに閉じ込められた時をかける少女は、果しなき旅路を終え、夜の翼を休め、闇の左手で地球の長い午後を天のろくろのように回し続けるのでした。なんて思っていた僕、創造の世界についていけないくせに文字を追っていた僕へ。今日は2回目、君に席を譲ろう。席は少し前になった、あの頃の君に見せたくてまた来たんだよ。なぜドキドキするんだろうね。

    ほとんどの方が厳しい評価をしていらっしゃいます。他のお芝居でも同じようなことがありました。ところが、逆に、私は著名な戯曲(劇作家)がダメです。へそ曲がりなんでしょう。表通りより裏道、横道をすり抜けてみたことがないものをみに行きたい。SFはそんないい加減な者にも大きな愉しみを与えてくれました。2回目は台本を読んでの観劇ですが、1回目のときは、わかりにくいところがありました。「地球儀」と「地球木」は、なかなか聞き分けが難しい(台本17Pウツセミの「地球儀から聞き出してみよう」は「地球木」だと思うんだけど」)。いろいろな場面が入り組んで私は自分の時間を合わせ直すのに苦戦。なぜ武器を使って戦う。知(智 )の歴史は血の歴史、太古の遺跡は闘いの証なのか。星々の間に横たわる冷たい方程式、それは一方通行の時間。星座、光の王、は語りかけ、空気に揺らいで届くその光は物語を紡ぎ、願いを受け取り、たそがれに還る。それは去りにし日々、今ひとたびの幻。であれば、もうひとつの世界の物語としてもよかったのでないかと。それがたったひとつの冴えたやりかただったのかも。星座に零式戦闘機は似合わないと思う、わが赴くは蒼き大地なのだから。

    さて、いくつわかりましたでしょうか。

    映像と音楽で映画的な趣き。声はマイクでも拾っているんですね?。3人の乙女...ラインの乙女のようです。そうみると、舞台全体の使い方、昨年みた「指輪」、トーキョー・リング(キース・ウォーナ)に負けていないように思えてきます。舞台、手前と奥の使い方、白い柱の動きもよかった。
  • 満足度★★★★

    最前列
    最前列でみた。

    入り方がなかなか神秘的。
    生ピアノもいいが、演奏者がなんかすこしこわかった(笑

    某芝居でみた大森美里さんが観たくていったが、いい役でした。
    一人少し遊んでらっしゃるとこもあったような・・・

    ネタバレBOX

    戦闘機に乗っているシーンが躍動感があって楽しかった。

    全体としては、もっと迫力があると面白かったかも。
    個人的には激しいのが好きなので。

    でもきれいでテーマにあっていたのかもしれない
  • 満足度★★★★

    難解でも魅力的
    言葉遊びのような独特なセリフと難解な構成が個性になっているような劇団。

    私のように演劇を専門的に勉強したわけでもなく、頭がよくない観客にとってはじゅうぶん理解できたとは言えないのですが、私は佐野木さんが創る芝居が、理屈抜きで、ただ「好き」なんです。

    自分にとって受け付けられない難解さではなく、独特の個性があり、それに惹かれて観続けている。

    前回公演の中途半端感に比べれば、シンプルで、テンポもよく、時間も気にならなかった。

    今回は吉祥寺シアターの大舞台で、映像を駆使して縦横に使うなど、それにふさわしい空間演出だったと思う。

    「愛する者を失っても、それでも生きてゆく物語」が今回のテーマだそうだ。

    初演を観ていないのでどのあたりを改訂されたのかわからないけれど、プラネタリウムのような涼やかな空気が流れ、夏芝居らしく暑苦しさがなく、なかなか考えさせられる内容で楽しめた。

    ネタバレBOX

    前にも書いたが、銀石は野田秀樹の芝居と共通する雰囲気を感じる。

    野田さんが「最近は難解で感情移入できないから楽しめなかったと観客がソッポを向く傾向があるが、僕は昔から簡単に感情移入できる芝居を創りたくなかった」と新聞のインタビューで語っていたことを思い浮かべる。

    好みや評価が分かれる劇団だと思うが、いまよりも広く観客の心を捉えるには「難解な個性」だけでなく、解釈は人それぞれでも、何か1本スッと太い筋がより明確に伝わる工夫が必要かとも思う。
    そのへんの伝わり方が今回、何となくモヤモヤとしていたようにも感じるが、欠点はあっても、ちんまりとまとまっていない若さに期待している。

    抽象的な世界が、個々の具象的な場面によって紡がれていくという点で観客にとっては難易度が高いのかもしれない。

    場面の相関関係がいまひとつ理解しにくく、太平洋戦争の特攻隊を連想する場面もどこか戦争ごっこのように描かれ、弟と兄や父との絆がいまひとつ、シリアスに迫ってこない感もあった。

    ウツセミを演じる安藤理樹のキレのある動きと聞き取りやすいセリフ、表現力はさすが。蝉の鳴き声もうまい(笑)。

    明るくも病弱で命はかなげな妹(浅利ねこ)の隔離されたような存在も気になる。

    SF的な世界の中でゆったりとした日常を演じる母親役のながみねひとみがとてもよかった。


    ピアノ演奏の吉田能が中空で人々の営みを眺めている様子が、観客の視点と一体化しているようで、演者ではないが印象に残った。
    団扇を使っている姿が俳優だけになかなかかっこよく、面白い演出。目立ちすぎてもいけないし、難しい立場と思うが。

    「聞き出すことが危機脱すること」。今年の夏は、蝉の声に耳を傾ける人々にも昨年までとは違うさまざまな想いが去来したことと思う。

    死者の声に耳を澄ませながらも、これからの人類の未来と足元の現実をしっかりとみつめて行動しなければならないことを改めて考えさせられた。




  • 満足度★★★★

    チケットを受け取った瞬間に。
    お話は受付でチケットを受け取った時から、始まっていた。
    チケットを受け取って、お舞台を観たらきっとその答えがわかります。
    自分に出来るコトって何だろう?
    気付いたら、そのコトばかり考えていた。
    哀しいケド、最後は希望に満ちていて、私はとても好きでした。

  • 満足度★★★★

    初銀石
    まず舞台装置がスゴイ!
    映像を交えたオープニングで圧倒される。(荒船さんさすが!)
    重いテーマのメッセージも確かに伝わってきたが、それよりも洗練された演出や舞台を動き回る役者さんにセンスの良さを感じた。
    ただ、セリフが聞き取れないことが多々あり残念。

    銀石の世界観を堪能しました。

  • 満足度★★★★

    (ノ*´Д`)ノオォオォ
    「難解」かどうかってのは観る側によって異なるのでなんとも言えませんw
    正直、前回までは僕もこの団体は難解というか、世界観がいつもデカいなぁとは思っていました。

    そういう意味では劇を見慣れない人や、TVや映画みたいに想像力をあまり必要としない作品にならされている方には、少々とっつきにくいのかもしれません。

    しかし、今回の自分の評価は◎ですw
    以前の作品に比べて、寧ろわかり易い気がしました。
    それは、劇場のポテンシャルを駆使した演出が、物語の世界観の大きさに追いついたというか、物語の世界を生かせる環境が整ったように感じました。

    荒船さんの仕事と一目でわかる映像にも瞠目。

    いくつもの時間や空間をいったりきたりする作品ですが、それらが巧妙につながっていて、演劇でしか楽しめない世界の醍醐味を味わいました。

    ネタバレBOX

    物語につながるチケット(の代わり?w)も素敵なアイデア。
  • 満足度★★★★

    空間演出が見事!
    佐野木雄太は空間演出が上手い。広い吉祥寺の舞台を上から下まで、そして奥行も含めて目一杯使い切っている。そしてその空間を見事に生かす演出が随所にあり、壮大な物語を彩っている。

    BGMは生ピアノ、これがとても素敵だ。ピアノから始まオープニングは思わずかっこいいと唸ってしまった。

    役者ではなんと言っても佐野功がかっこいい。圧倒的な存在感で芝居をリードした。

    初日ゆえのリズムの悪さがあり、少し全体がぼやけた感じになってしまったが、これからどんどんよくなるだろう。

  • 満足度★★★★

    佐野木主宰も「野田チルドレン」!?
    詩的で美しい。また現代(と言っても昭和中期)の日本と(妄想内の)古代ナスカという時間と空間を自在に往き来し、人の視点から神の視点までズーミングする見せ方、この広い会場の使い方など見どころ多し。あ、衣裳もステキ。
    しかし佐野木主宰も「野田チルドレン」だったとは…。(今回初めてそれに気付いたのは、初期作品の再演だったためか?)

  • 満足度★★★★

    熱演でよかったです。
    オープニングからの装置の凄さにびっくりしました。以下、意外とチープなところはありましたが、役者の熱演で乗り切ったと思います。内容は相関図なるものなどがあるとわかり易いかと思いました。初日おめでとうございました。楽日まで身体能力、フルに使ってがんばってください。

  • 満足度★★★★

    話が分かりづらい
    劇場に入ってステージを見た瞬間から、
    何かやってくれそうな感じがした。
    広い吉祥寺シアターのスペースを全部使っての演出や演技は良かった。
    音も装置も照明もよかった。

    ただ話がちょっと分かりづらかった。

    ネタバレBOX

    2時間を超える長い芝居なのに話が分かりづらいとちょっと苦しい。
    台詞が聞き取りづらい事もあるのだけど
    いくつか並行する話と世界が、混ざりきらない。
    ナスカと手紙と生きた人間と死んだ人間と星と蝉と想像と現実。
    ちょっと詰め込みすぎかも。頭の中でなんとか繋げようと思うのだけど…。
    最初説明を読んだ時、テーマとナスカがどう関係するのか明確に想像できず、
    そのまま舞台に答えを求めたけど、舞台を見ても明確にはわからなかった。
    広がった話をひとつのテーマに向けて収束していく感じがもう少し欲しいと思います。
    長い話なら余計に腑に落ちたい。

    音楽はとてもよかったし
    装置も映像も演技も演出も照明も良かったし劇場も良かった。
    さすが吉祥寺シアターでやる劇団は制作もしっかりしていて素晴らしいです。
    他の舞台も見てみたいと思いました。

  • 満足度★★★

    エンターテインメントだ
    楽しかったです。前に観た時は小さな劇場での公演で、それはそれでゴチャゴチャがひしめく空間が楽しめたし、今回のように特徴的で広い空間でのキャラクターが飛び回っている感じもまた違った面白さを感じました。 シンプルながら変化を見せるセットも良い。反してごちゃっとした映像や音楽も、ワクワクさせてくれてとても素敵でした。 コミカルに演じる事に関してはリズム感があってはっきりしている役者さんもいるので笑えますが、感情の出方は表面的だった印象です。 段々入ってくる、答え合わせみたいな部分が少し気になりますが、言葉遊びな感じの全体は結構好きです。

  • 満足度★★★

    うーん
    人の想いの物語なのか、ある人物の妄想なのか、うーんよくわかりませんでした。
    話はどんどん広がるんだが、それがオイラの頭の中では繋げれなかったです。
    オープニングの映像や衣装や綺麗だったのですが。

    よくわからなかったが、大森美里の演技にはビックリした。
    あんな演技が出来るとは。(まあ、バナナ学園でしか見た事無いのだがww)

  • 満足度★★★

    銀石、初見です。
    高い空間まであますことなく使いあげた演出や、ピアノの生演奏の音色とそのビジュアル(黒い服を着た吉田さんが舞台を見つめる姿が美しかった、、)はとても素敵でした。しかし、様々なファクターが、個々は分かりやすいにも関わらず結局繋がらないまま時が過ぎてしまい、結果、「難解だなぁ」と思いながら見終えてしまったのが残念でした。こういった難解なお芝居の場合、どこかに落としどころがあってそれがカタルシスへと繋がり、「よく分からなかったけどいい舞台だった」ともなり得るのですが。役者さん達のセリフの聞き取りづらさも気になりました。そんな中、安藤理樹さん・加藤諒さんの存在が救いでした。いい意味で毒気がなく、ファンタジックな演技。素敵です。

  • 満足度★★★

    天と地を結ぶのは「想い」。そして、飛んで行った人たちに「呼びかける」
    アプローチがよさげな話だった。
    役者もいい感じだし、舞台の使い方もいい。
    が、しかし…。

    ネタバレBOX

    星座たち、ナスカ、そして家族へと、マクロからミクロに進んでいきながら、家族たちの、想像と妄想の世界という、さらにイメージのマクロへ広がり、さながらクラインの壺のような世界を舞台に見せてくれた。

    ストーリーは面白そうだし、興味を持って観た。
    開幕から舞台を大きく使った展開、気配を感じさせるキャットウォークなども駆使した演出も素晴らしい。

    役者もいいなと思うシーンがいくつもあった。

    また、チケットの代わりの封筒という小道具も憎い。大切なキーワードとなっていくからだ。

    ピアノの生演奏もとても良かった。

    しかし、私の心はまったく動かなかった。
    何も感じない。
    なぜだろう?

    それは、まずは、「人が描けていない」からではないだろうか。基本となる一家、母、兄、姉、弟の4人のそれぞれがもっときちんと描かれていれば、感情移入もできたのではないだろうか。
    さらに言うと、妄想物語の中心人物の2人、ウツセミ、モズの2人が、父親不在や病気というだけでなく、「なぜ妄想世界にそこまで深く入り込んでしまったのか」が丁寧に示されていたら、違った受け止め方になったと思う。
    ここは結構大切なのではないだろうか。
    各エピソードに対して、彼らがコミットしてくるのが少なすぎるのだ。もちろん、妄想世界が走り出してしまい、本人たちも預かり知らない、というのもわかるのだが、結局彼ら家族に戻ってくる話なのだから、そこは押さえてほしかった。
    それと、彼らの兄であるトビタツも重要な役割を担っているのだから、彼は何を思っているのかが、きちんと伝わってくるとさらによかったのではないかと思う。

    また、人数が多くなる場面では、必ずと言っていいほど、テンションが高くなる。それはいいとしても、その表現方法があまりにも一律すぎて、またか、と思ってしまう。それぞれのキャラクターに合った表現方法が必要ではなかっただろうか。

    さらに言うと、「特攻」のエピソードはあまりにも安直ずきはしないだろうか。「戦争」で「特攻」って…。
    せっかくの「セミ」というアイテムを活かすのならば、7日間の命と兵士の命を重ね合わせて表現するだけで十分ではなかっただろうか。
    そんな要素で、感情を煽るのは、せっかくのこの物語に合わないと思う。話が横に逸れてしまったように思えてしまう。

    それと「手紙」というキーワードをもっと有効に活用してほしかった。
    「ナスカ」だから「地上絵」というアイテムは理解できるのだから、そこと「手紙」と「想い」と「呼びかけ」といういくつかのキーワードをきちんと整理して、観客に提示してくれれば、もっと伝わるものがあったと思う。
    結局、物語の整理がきちんとされてなかったように思えるのだ。
    それは、詰め込みすぎ、ということがある。
    上に挙げたキーワードだけでもいろいろあるのだから、それをうまくまとめてくれればとてもよい作品になったのではないかと思うのだ。

    天動説と地動説、どちらにしても、天と地を結ぶのは「想い」なのであり、飛んで行ってしまった者たちをしっかりとつなぎ留めるのは、地上にいる人の「想い」だけなのだ。
    そういう、今回大切にしたい、伝えたい「想い」を「情念」として伝える、そうしたものが欠けていたのではないかと思うのだ。

    役者は、ウツセミを演じた安藤理樹さん、アンドロメダを演じた熊谷有芳さんが印象に残った。

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