品潮記(ほんちょうき) 公演情報 品潮記(ほんちょうき)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    「一粒で二度美味しい」スタイル
    冒頭では明治の人々と幕末の人々を同じ舞台に上げてオーバーラップさせるものの、以降は下手側にあるサブステージ(明治では開かずの間だが幕末では奉公人の部屋)に明治の2人がいてメイン舞台で進行する江戸パートに注釈を加えたりするスタイル。

    で、時折「章の題」あるいは「小見出し」的なものが障子に投影されることもあり、幕末庶民伝的な(庶民の気位の高さなども描く)江戸パートは山本周五郎あたりの連作短編集の味わい。

    が、プロローグからまさに通奏低音のようにサブステージで演じられている明治パートと江戸パートの繋がりが濃くなる(五稜郭に向かう武士とかね)終盤ではまた異なる味が出てきて「一粒で二度美味しい」な感じ。

    また、中心となる男(ろく)は明治と幕末で違う役者が演ずる一方、両方に別の役で登場する役者もいて、それが血縁関係にあったりする(例外あり)のも芝居ならでは、的な。

    かくて160(70+10+80)分という上演時間もさほど長く感じず。

    あ、ただ、泣かせようというのが見え見えな選曲はちょっとあざといかも?(笑)

  • 満足度★★★★★

    じっくりと「芝居」を堪能。
    30数年ぶりに奉公先だった旅籠『汐見屋』を訪れた「ろく」が奉公時代を追想する芝居。

    今の「ろく」が、かつての「ろく」を観客の立場でみるカタチをとっている。

    人物描写、舞台装置、演出・・・どれもこれもすばらしい!

    いわゆる「斬新な芝居」ではない。

    でも、テレビの時代劇では味わいきれない「しっとりとした雰囲気」「華やかで艶っぽくて、人情味あふれる江戸情緒」をしっかりと身に染みるまでに味わうことができます!

    その雰囲気に身をまかせる心地よさと言ったら・・・終演後に思わず、隣に座った見知らぬ方と「よかったですねぇ・・・」とつぶやきあってしまった。。。


    一所懸命に生きる人間の哀しいことよ。。。美しいことよ。。。

    「あぁ、人間っていいなあ。。。生きるっていいなあ。。。」


    追記。

    ぜひとも一人でも多くの方にご覧いただきたいので・・・ちょっとばかり「情報」を。

    座席は全席自由ですが・・・抜群の特等席があるのです!

    それは舞台を見て左側ブロック3列目の左から3・4・5番目の座席。
    劇場内には入ればわかるのですが、そこは3列目なんですが、サブ舞台の最前列でもあるのです。。。

    メイン舞台で繰り広げられる秀逸な芝居に酔いながらも、サブ舞台で佇む役者さんの細かな芝居が楽しめます(メインの芝居の邪魔になるものではないので、ご安心を!)。

    また、サブ舞台でも芝居が繰り広げられる場面があるので・・・この座席は最高!

    開場は30分前・・・座席によって感じ方が変わってくると思いますので、観劇される方はぜひ!(座席の構成は、14日現在のものです)






    ネタバレBOX

    最後のほうに出てくる幕府軍のの親子。。。

    あの親子の存在には、どのような意味があったのでしょうか?

    なんとなく気になりました。。。
  • 満足度★★★★★

    bravo!!
    あの時代を、人々を堪能しました。粋、義理人情、美しい日本人がいました。原作がないのにあれぼどの本を書かれた演出/作の市村さんの才能。芸達者な役者のみなさん。舞台美術。どれをとっても上質な舞台でした。確かめたい事があるのでもう一度観に行きます!ライブって生ものっていいですね〜!皆さん、観ましょう!バリューあります!損はさせません!

  • 満足度★★★★★

    当時が生き生きと感じられ素晴らしい!
    旅籠の人々や近所の人々、客との交流の様子を、部屋の障子を開け閉めすることで次の場面、エピソードへと淡々と展開させながら描いていました。

    休憩を含めた2時間40分は全く長くは感じませんでした。

    ネタバレBOX

    二十数年振りに汐見屋を訪れた元奉公人ろくが、当時の営業日誌を読み返しながら黒船が来航した頃の様子を生き生きと鮮やかに思い描く話。

    品川宿の旅籠の二階からはすぐそこに遠浅の海が見え、遥か向こうには房総半島が望めたようです。私にもそんな風景が見えてきました。しかし、黒船が来るとすぐに防衛のために御殿山を取り崩して埋め立て始めたそうです。

    ろくがなぜ汐見屋を出たのか?説明が無かったようですが、明治になってから汀という苗字を名乗ったことからすると、廃業した渚屋の芸者さんと一緒になったのでしょうか。

    刀による切り合いで障子が破れたのは予定通りだったのでしょうか。もし予定通りなら、次の場面では障子を入れ替えるくらいの配慮が必要だったように思います。

    明治のシーンで、仁平が女将になった娘きよのことをみちと呼んでいたのは不思議でした。仁平がボケ始めたのか、単なる間違いだったのか、??でした。

このページのQRコードです。

拡大