満足度★★★★
「一粒で二度美味しい」スタイル
冒頭では明治の人々と幕末の人々を同じ舞台に上げてオーバーラップさせるものの、以降は下手側にあるサブステージ(明治では開かずの間だが幕末では奉公人の部屋)に明治の2人がいてメイン舞台で進行する江戸パートに注釈を加えたりするスタイル。
で、時折「章の題」あるいは「小見出し」的なものが障子に投影されることもあり、幕末庶民伝的な(庶民の気位の高さなども描く)江戸パートは山本周五郎あたりの連作短編集の味わい。
が、プロローグからまさに通奏低音のようにサブステージで演じられている明治パートと江戸パートの繋がりが濃くなる(五稜郭に向かう武士とかね)終盤ではまた異なる味が出てきて「一粒で二度美味しい」な感じ。
また、中心となる男(ろく)は明治と幕末で違う役者が演ずる一方、両方に別の役で登場する役者もいて、それが血縁関係にあったりする(例外あり)のも芝居ならでは、的な。
かくて160(70+10+80)分という上演時間もさほど長く感じず。
あ、ただ、泣かせようというのが見え見えな選曲はちょっとあざといかも?(笑)
満足度★★★★★
じっくりと「芝居」を堪能。
30数年ぶりに奉公先だった旅籠『汐見屋』を訪れた「ろく」が奉公時代を追想する芝居。
今の「ろく」が、かつての「ろく」を観客の立場でみるカタチをとっている。
人物描写、舞台装置、演出・・・どれもこれもすばらしい!
いわゆる「斬新な芝居」ではない。
でも、テレビの時代劇では味わいきれない「しっとりとした雰囲気」「華やかで艶っぽくて、人情味あふれる江戸情緒」をしっかりと身に染みるまでに味わうことができます!
その雰囲気に身をまかせる心地よさと言ったら・・・終演後に思わず、隣に座った見知らぬ方と「よかったですねぇ・・・」とつぶやきあってしまった。。。
一所懸命に生きる人間の哀しいことよ。。。美しいことよ。。。
「あぁ、人間っていいなあ。。。生きるっていいなあ。。。」
追記。
ぜひとも一人でも多くの方にご覧いただきたいので・・・ちょっとばかり「情報」を。
座席は全席自由ですが・・・抜群の特等席があるのです!
それは舞台を見て左側ブロック3列目の左から3・4・5番目の座席。
劇場内には入ればわかるのですが、そこは3列目なんですが、サブ舞台の最前列でもあるのです。。。
メイン舞台で繰り広げられる秀逸な芝居に酔いながらも、サブ舞台で佇む役者さんの細かな芝居が楽しめます(メインの芝居の邪魔になるものではないので、ご安心を!)。
また、サブ舞台でも芝居が繰り広げられる場面があるので・・・この座席は最高!
開場は30分前・・・座席によって感じ方が変わってくると思いますので、観劇される方はぜひ!(座席の構成は、14日現在のものです)
満足度★★★★★
bravo!!
あの時代を、人々を堪能しました。粋、義理人情、美しい日本人がいました。原作がないのにあれぼどの本を書かれた演出/作の市村さんの才能。芸達者な役者のみなさん。舞台美術。どれをとっても上質な舞台でした。確かめたい事があるのでもう一度観に行きます!ライブって生ものっていいですね〜!皆さん、観ましょう!バリューあります!損はさせません!
満足度★★★★★
当時が生き生きと感じられ素晴らしい!
旅籠の人々や近所の人々、客との交流の様子を、部屋の障子を開け閉めすることで次の場面、エピソードへと淡々と展開させながら描いていました。
休憩を含めた2時間40分は全く長くは感じませんでした。