獣従承知(じゅうじゅうしょうち) 公演情報 獣従承知(じゅうじゅうしょうち)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
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  • 満足度★★★★★

    加速度的なエネルギーが魅力
    最初は、幕で舞台奥と仕切られていて、いかにも狭い範囲で、いかにも現代人に多そうで神経質そうな男が登場し、その妻とのやり取りからスタートする……ちょっと窮屈すぎるかな、と思ったり、その幕に映像が(開演前からですが)映っているのですが、映し方がよくなく、この先大丈夫なのかと少々不安になりました。

     しかし、その幕が、パッと落とされて、奥行き&高さのある舞台全体が現れる演出法は非常に印象的でした。

     そして、舞台は、いくつかのブロックに厳格ではなく、何となく区切られていて、それぞれで、独立性のある話が進行していきます。

     ただ、台詞自体にも「ぬるい話だ」(うろ覚えですが)とあるように、いまいち面白くない小話がしばらく続き、これまた「このまま行っちゃうのか」と思いました。

     しかし、それから、それまでの個別の話が急速に統合されていき、ストーリーが非常なエネルギーを持って推進していき、後半は大満足!

     やや不条理な要素を残しながらも、生きていくと出会うであろう世の中の様々なこと(良いことも悪いことも)の交錯が、人生の奥深さを感じさせます。

     それから「音楽」も、一見(一聴か?)、異質な音楽が付けられているようでいながら、少し聴くと非常に効果的に思えてくる……そういう使われ方でした。

     実は、この日はアフタートークがあり、主宰の角田ルミさんも登場されました。私はこの劇団を見るのは初めてですが、ふだんはもっとドロドロした内容なのだが、今回は、特に前半は「分かりやすさ」に配慮したとのこと。
    もっとも後半は「普段のウチが出てしまいましたが」とおっしゃっていましたが。

     でも、別に私はことさらドロドロを好むわけではありませんが、しかし、少なくとも今回については、分かりやすさを意識した前半より、「普段」の後半の方が、格段に面白かったし、出来もよかったと思います。

     前半が分かりやすいと言っても、各個別の話がそうであるだけで、その関連性も見えませんでしたし、だから結局総合的には分かりやすくもなかったんじゃないかなあ。

     この劇団には、やっぱり加速度的なエネルギーが魅力なのでは、と感じた次第。

     なお、角田ルミさんは、台本の話は、「普段はもっとドロドロしていて」と、ある意味「オジサン的」でもありましたが(笑)、トークに登場した際は、お若くて、かわいいミニスカート姿でもあり、「えっ?この人が書いたの」と思ってしまいました。彼氏募集中とも言っていましたが、ドロドロ作品を作る人は意外と日常は真面目、なんていう話を聞いたこともありますから、あるいは角田さんもそうかもしれませんね……

  • 満足度★★★★

    初見でしたが...
    遅くなりましたが、こうゆう作風なのですね!
    嫌いではないです!?
    というか、見続けていくうちにハマってしまいそうな感じが...
    セットも上手く作って、使っていて、
    ぜひ次回作も観てみたいです。

  • 満足度★★★

    おもしろかった。
    ただ、まだまだ期待。

  • 満足度★★★★

    ルミちゃんテイスト満載!
    思い切りダークな…むしろホラーに限りなく近い寓話。
    元来童話が持つ残虐性やアラビアンナイトのエロティックな部分をストレートかつルミちゃん流に表現しました、的な?

    なお、ベースとなる「マイナスイメージ撤去法」があまりにもタイムリーでビックリ。

    また、断頭台のデザイン(まさかあれが刃とは)や処刑前にはなかった血がちゃんと付いている、など、美術スタッフの仕事もお見事。

  • 満足度★★★★

    前作よりマイルド
    前回より全然マイルドでした。(ある意味ちょっとビックリww)
    新たなる角田ルミワールドと言ったところでしょうか。

    マイナスイメージを持つ男の意識を改革するために、アラビアンな世界を見せる物語かな。
    物語は何故とは言えないが、不思議と入ってくる感じて面白かったです。(理解はしてないけどww)
    また、衣装もきらびやかですし、セットも凝っておりよかったですね。
    ただ、上演時間が少し長いように感じました。(終わったと思える部分が何回かあったのも影響してるか)

  • 満足度★★★★

    妖しい壺の魔人
    まず今回のルミちゃんワールドはいつもよりおとなしめだった。毎回のエグイドロドロしさがなかった代わりにマントヒヒみたいな壺と妖怪クモ人間みたいな魔人にヤラレル。
    そして舞台セットと小道具が素晴らしい!舞台を高く積み上げたセットだったため、首が痛かった。笑)
    当日に配布されたパンフレットに配役が載ってなかったのでちょっと残念だった。

    ネタバレBOX

    主人公・鬼頭はネガティブな人間だった。結婚相手も一番好きな相手と結婚するよりも2番手の、自分より魅力の低い人間と一緒に居るのが一番落ち着く。なんていう、どこか捩じれた男だった。

    そんな彼をポジティブにしようと大きなお世話の二人組が百夜プログラムを見せて洗脳させようとした。明るい未来計画だ。鬼頭は「何でそんなことしなくちゃいけないんだよ!」と反抗するも、そんな抗いは椅子に縛りつけらえた鬼頭には何の力もなかった。

    無理強いされて勝手に見せられたお話は不条理そのものだが、鬼頭の心次第で物語がぐにゃりと変化していくさまが面白い。また、壺を擦ると「呼んだか?」と魔人と呼ぶには程遠い妖怪のような魔人が登場しちゃう!一瞬、妖怪人間べム・べラの世界観かと勘違いしたほど。笑

    でもって、いちいち登場するたびに「呼んだか?」「呼んだか?」と連呼するわけよ。ワタクシ、コメディかと思った!
    そんな、呼んだか蜘蛛魔人は早く願いを言えと焦ってる様子。その焦りは終盤に明かされるが、最後の願いを叶えた者が魔人となって他人の願いを叶えるというオチがある。願いは叶うけれど魔人になってしまうって、あなた!それって喜びから一気に突き落とされる絶望だしょ。

    初めは諦め半分でいう事を聞いていた鬼頭は「マイナスイメージ撤去法」に結局薬局、反抗し更にネガティブな思考となって百夜物語を完全にぐちゃぐちゃにして破壊してしまう。人間の性質なんて、そうそう変わるもんじゃあないという証を観たようなものだった。

    前半はスピード感がなくちょっとだらけた感が。もうちょっとインパクトのある本のほうが好みかも。それでも充分楽しめたけれど。
  • 満足度★★★★

    ああ疲れた、
    って愚痴をこぼせるぐらいの社会が丁度いいのです。

    ネタバレBOX

    「マイナスイメージ撤去法」が施行されている中、真にネガティブな人間を探す国家組織の話、とでも言うような話。

    何でそういう人間を求めているのかちょっと分かりませんでしたが、迎合することが分かると殺されてしまうところなどは、ネタが尽きると殺されてしまうアラビアンナイトと同じでした。

    ネガティブといえば、前日のBONBONとこの日の王子で隣りが全く同じ人だったことでした。前日は指定席、この日はわざわざ私の隣に座ってきました。

    幅の広い男で肩は触れるは、前かがみになるので見切れてしまうはで、本当にテンションが下がりました!

    映像を映すならスクリーンはもう少しピンと張っていないと何のことやら分かりませんでした。

    アラビアンナイト風おとぎ話はとっても美人のお嬢さんで良かったですが、同じような話が延々と続き、全体でも2時間超、少し長すぎるように感じました。

    ああ疲れた!
  • 満足度★★★

    秀逸なラフデッサン!?
    こういう芝居を「問題作」というのか。。。
    それとも「名作のラフデッサン」と言うべきか。。。

    芝居って、それぞれ感じ方が違って当然!
    その「違い」「温度差」が、観劇後の食事に花を添えるし。

    ただ、少なからずのモヤモヤ感に、「アフタートーク聞きてーっ!」とは思った。

    たぶん、そこかしこに「キーワード的なものが散りばめられているんだろうな」と思わせる台詞がいくつかある(ように感じた)。

    ただ、その台詞を咀嚼できぬ間に、舞台がスピーディーに進行していくので・・・「あぁ、、、あの場面はこういうことだったのかなぁ???」という感想ですら、自宅の湯船につかってる時に初めて浮かんできたのであります。。。笑

    観劇後は「このチラシは、いったいなんだったんだっ?!」と思うばかりでした・・・

    が・・・

    今は「欲望の肯定とは?」「充足感とは?」「幸せとは?」「本音と建前とは?」

    いろいろと考えます。。。

    ・・・演出家さんの意図するところは、、、未だにわかっていないんですが。。。笑




    ネタバレBOX

    女王様の「アハンウフン」には、ニヤけそうになる顔面の筋肉を押さえきることができませんでした。。。

    無念でなりません!笑

  • 新しいカレー店のOPENか
    と思った、初めてチラシ見たときは。そうでなくとも、ハチャメチャなギャグでもやるのではないかと……。予想は良い方に裏切られた(いや、別にカレー店のOPENでも良かったけど)。会場に入るなり、テーマパークみたいな舞台美術に圧倒されたし、前半に短い劇が、みんな半端に終わるストレスも、終盤の流れで快感に……混乱を招くような人の動きとか、明るく見える中にあるダークな感じとか、主人公も、いいヤツだか嫌なヤツだかわからない感じがあるし、でも、謎も明確だし、ストーリーが追いやすいから疲れない。解りやすいストーリーを複雑に構成してみた、そんな味わいだった。

    ネタバレBOX

    舞台上に最初からある巨大な鎌みたいな形のものが、主人公の首を切り落とすときに動くのだけれど(その前も少しだけ動いていたけど)、ずっと布を巻かれていた状態なのが、なんか不完全燃焼感を感じさせた。見るからに何か隠してある風に布がかかっていて、正体を見せずじまい。あくまで形としての象徴なだけなのかもしれないけれど、あそこで、刃物が姿を見せたりすれば、首を切り落としたことへの説得力も、物語のクライマックスムードも増したのではないかと……。
  • 満足度★★★★

    さすが!
    今回、舞台美術が凄い!ルミちゃんワールド全開でした!

  • 満足度★★★★

    衝撃度ちょっとダウン
    初めて見た前作の衝撃が大きかったので、今回はややおとなしめに感じました。えげつなさや毒が感じられたのは後半になってからや〜っと。役者及び衣装、大道具、小道具(特にツボ)は充実してたので、機会があったら数年後に改訂版をやってほしい。何だかんだ言って、この劇団の病んだ作風の中毒なのよ。

  • 満足度★★★

    百夜一夜
    これはもっとクリアに中身が見えてきていいはずの舞台だと思う。全体を通して前後の因果関係や各空間の関係を上手くさばききれずにごちゃっとしながらもふわっとしていた印象。後半の一部は明確でよかったが。
    各キャラの心理の動向、次の動作や言動の動機の筋が把握できず、どうも一人の統一的な個人に見えるキャラクターが少ない。そのため大人数がいっぺんに動いているシーンを観ていても、なんだかスタイルに動かされているなーと感じてしまった。
    物語上の必然性はともかくとして、視覚は存外に楽しい。
    セットといい衣装といい視覚的な面にはかなり気を配っていたあの中での小道具の主張力。

    ネタバレBOX

    「ネガティブの倉庫」とか、いや意味は確かに伝わってはいるんだけど…と言葉の使い方も度々気になった。
    感覚的に伝わりやすいベターな言葉を逃し続けてる感が歯がゆい。
    ラストも蛇足のように思えるのだが。
  • 満足度

    色々と残念
    「マイナスイメージ撤去法」という法律によってネガティブなことを口にしてはいけない状況の中、敢えてネガティブ発言をした男が、ある施設で聞かされるアラビアンナイト風の物語を描いた作品でした。

    開場・開演が20分押したことからも、形になる前に初日を迎えてしまった印象を持ちました。自分の体調があまり良くなかったせいもあるかもしれませんが、話の内容も表現したいテーマも全然伝わってきませんでした。笑いを狙ったわけでも涙を狙ったわけでもなく、かといって前衛的な作風でもなくて、どのように観れば良いのか悩みました。役者の演技も硬いように感じました。
    理不尽な法律かアラビアンナイトのどちらかに的を絞って90分程度にまとめた方が魅力的な作品になると思いました。

    開場が遅れたのは仕方がないにしても、寒い屋外で待っている人たちに何も説明がなかったのは良くないと思います。観る前から悪いイメージを持ってしまって素直に楽しむことが出来ず残念でした。立体的なセットは色々仕掛けがあって良かったです。

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