獣従承知(じゅうじゅうしょうち) 公演情報 角角ストロガのフ「獣従承知(じゅうじゅうしょうち)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    妖しい壺の魔人
    まず今回のルミちゃんワールドはいつもよりおとなしめだった。毎回のエグイドロドロしさがなかった代わりにマントヒヒみたいな壺と妖怪クモ人間みたいな魔人にヤラレル。
    そして舞台セットと小道具が素晴らしい!舞台を高く積み上げたセットだったため、首が痛かった。笑)
    当日に配布されたパンフレットに配役が載ってなかったのでちょっと残念だった。

    ネタバレBOX

    主人公・鬼頭はネガティブな人間だった。結婚相手も一番好きな相手と結婚するよりも2番手の、自分より魅力の低い人間と一緒に居るのが一番落ち着く。なんていう、どこか捩じれた男だった。

    そんな彼をポジティブにしようと大きなお世話の二人組が百夜プログラムを見せて洗脳させようとした。明るい未来計画だ。鬼頭は「何でそんなことしなくちゃいけないんだよ!」と反抗するも、そんな抗いは椅子に縛りつけらえた鬼頭には何の力もなかった。

    無理強いされて勝手に見せられたお話は不条理そのものだが、鬼頭の心次第で物語がぐにゃりと変化していくさまが面白い。また、壺を擦ると「呼んだか?」と魔人と呼ぶには程遠い妖怪のような魔人が登場しちゃう!一瞬、妖怪人間べム・べラの世界観かと勘違いしたほど。笑

    でもって、いちいち登場するたびに「呼んだか?」「呼んだか?」と連呼するわけよ。ワタクシ、コメディかと思った!
    そんな、呼んだか蜘蛛魔人は早く願いを言えと焦ってる様子。その焦りは終盤に明かされるが、最後の願いを叶えた者が魔人となって他人の願いを叶えるというオチがある。願いは叶うけれど魔人になってしまうって、あなた!それって喜びから一気に突き落とされる絶望だしょ。

    初めは諦め半分でいう事を聞いていた鬼頭は「マイナスイメージ撤去法」に結局薬局、反抗し更にネガティブな思考となって百夜物語を完全にぐちゃぐちゃにして破壊してしまう。人間の性質なんて、そうそう変わるもんじゃあないという証を観たようなものだった。

    前半はスピード感がなくちょっとだらけた感が。もうちょっとインパクトのある本のほうが好みかも。それでも充分楽しめたけれど。

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    2010/12/22 21:55

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