あなたの部品 リライト 公演情報 あなたの部品 リライト」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-20件 / 33件中
  • 満足度★★★★★

    脚本と演出のシナジー効果抜群!
    うまい構成の物語を、独特のリズム感ある演出で見せる。
    その2つのシナジー効果の中で、役者も活き活きしていた。

    ネタバレBOX

    リライトというタイトルは、単に前の脚本を書き換えたというだけでなく、リライトしたい、人の気持ちをも表していた。

    自分の身体に対する違和感や、障害、そして障害者を取り巻く人々の想い、さらにイデオロギーまでちょっと浸食しつつ、実は、やはり自分自身のことが中心にあるという感覚。

    自分=身体=心というバランスが、どこかが歪になっていることへの不安。
    その不安を技術で解決しようとするということも、また歪であったというようなスーリー展開。その中に美しい夫婦のエピソードを交えるあたりが憎いのだ。
    実に見事としか言いようがない。

    物語の構成が見事というのもあるが、演出の秀逸さもそこにはある。
    登場人物たちを、舞台の後ろに常に配し、まるで見本品のような佇まいだったり、融合したりというように、ストーリーに、より意味と幅を持たせる、まるで動く装置のように使う。
    さらに、独特のリズム感と、観客のはやる心をクールダウンさせ、さらに次への期待を持たせるような手拍子などや歌。

    ラスト前の畳み掛けのうまさは、とくに凄い。
    ル・デコという場所であり、登場人物たちが、常に舞台の後ろにいるという設定もうまく効いて、ぐいぐい来る。
    その走り出し方が見事。

    そして、ラストは歪みが大きくなり出して終わりではないところ、すべてを破壊し、混沌に落とし込むことも可能であったのにそうしなかったというところが、実にスマートで、物語の厚みを増していた。

    そして、役者がとても活き活きしていたのが印象的である。
    特に、ちょっと歪んできてからの、酒巻誉洋さん、金子久美さん、森田祐吏さん、木村キリコさんが印象に残った。
  • 満足度★★★★★

    近未来に起こる?
    おもしろ怖い舞台でした。超人的な装具による悲劇。元人気歌手とストーカー。何よりそれらを作る装具士自身が抱えていた真実。見所いっぱいの舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    お見事!
    これはお見事でしたね。義肢装具士を中心にいくつものストーリーが交差する。そしてその中に複雑な人間の心情が浮かび上がってくる。共感できる部分もあれば,共感はできないけど納得できるものもある。その人間模様の中に引き込まれ,息つくことさえ忘れ,ストーリーに没頭していった。劇場がルデコだから,役者さんが近い近い。いい役者さんをそろえているだけに至近距離で見応え十分。また,出入りの演出も面白い。すべてにおいて満足の一作です。

  • 満足度★★★★★

    よかった!
    前評判や口コミの良さもあって、期待していた通りでとても満足している。

  • 満足度★★★★

    おもしろい
    開場から既に義肢装具士役の方は舞台に。
    開演からほぼずっと役者さん全てが舞台上に・・・
    しかも話が進むに連れて・・・。

    「少し先の時間」のせいか、お話自体はどことなく現実感が薄い感じもしたけど、役者さんたちの存在感!
    タイトルコールが素敵でドキドキしました。
    歪みと、それゆえにできるかたち・・・。
    どれが正解なのかは分かりません。グルグルしてます。。。

    ネタバレBOX

    後方に控えている役者さんたち。はじめはそれぞれマネキンみたいなのに、終盤は絡み合っているような支えあっているような・・・。
    いろんな人たちの歪みの入り混じったお話でした。。。

    今回の「リライト」、終わり方が台本とだいぶ変わっているとの事でチラッと立ち読み→面白そうなので初演とリライト両方購入。。。
    週末はこれ読んで過ごそう。
    ・・・なんて事を書きながらご飯食べてたら、歯の詰め物がとれた!!
    詰め物もわたしの部品なのかしら?とりあえず歯医者さん行かなきゃ・・・。
  • 満足度★★★★

    コンプレックスの果てにあるものは…、
    男って何だろう? 女って何だろう?

    ネタバレBOX

    自由に動く義肢義足、皮膚までも補える近未来の話でした。予想していたよりももっと技術は進歩していました。

    ですから、手足を失っても、歩いたり物を持ったり普段の生活は支障なくできるし、望めば健常者よりもパワーアップした手足を装備することができるという何でもありの前提でした。

    戦えない自衛隊が戦場に行くという法的矛盾が背景にあり、砲火から逃げたことによって一人だけ生き残ったという事情もあり、両手両足を失った自衛官は戦場に戻ることを希望しています。

    技師の施術によって最新式の義肢義足を使って強烈な腕力と脚力を得ることができました。と言う訳で、この前提の近未来では、さして困難なことではありませんでした。皮肉なことは、義肢義足が発達しているのは戦争をする国であり、彼の義肢義足は彼の手足を奪った国の製品だったということです。

    性転換したり、他人の顔になりたいときにも、外見上全く支障ありません。技師は女性から男性に性転換した人であり、顔を人造皮膚で覆った歌手は偽物でした。

    非力な技師が自衛官に強力な義肢義足を付けたように、自分に無い物に対するコンプレックスがより過激さを求めてしまうという指摘は当たっています。

    私も顔を陥没させるくらいのパワーがあればと思うことがあるくらいですから。その一方で、パラリンピックに出場する選手は自分の体力に自信があって旧式の義足にこだわっているという具合です。

    不自由な足を切り取って義肢に変え自由に歩きたいと思う人もいれば、さらには、足が不自由でも自分の足のままでいたいという人もいます。

    身障者を見る側の思いも様々です。昔の纏足のようなことが好きな人もいたりして、フェチにも色々あるなと改めて驚きました。

    そして、登場する役者そのものがこのお芝居の部品のように扱われ、後方で固定されたように、時には団子状態のように配置されていたのが印象的でした。
  • 満足度★★★★

    倒錯した世界
    近未来の義肢装具にまつわる話で、かなり倒錯した世界が描かれていました。扱い方の難しいテーマだと思いますが、芝居としてここまで面白くみせてくれるのには脱帽します。ただちょっと現実味に乏しく、気持ちが入り込めるものではありませんでしたが。

  • 満足度★★★★

    手作り感の圧倒
    初日を拝見。

    初演も観ているのですが
    「リライト」は看板でも誇張でもなく
    良い意味で
    似て非なる作品。
    でも、方向転換とかそういう感じではなく
    作品のコアにあるものが大きく間口を広げて
    豊かに表現されていくような感覚がありました。

    ネタバレBOX

    自分が持ち合わせているものや
    自分が求めるもの、
    あるいは捨て去りたいもの・・・・。
    そして、どこまでを自分と認識するかの、
    線引きの感覚。

    初演時は、それらが社会的な線引きや国家の概念に
    重ね合わされていた記憶があるのですが、
    今回はキャラクターたちそのものの感覚を
    紡ぎ合わせることによって
    それぞれののボーダーに対しての感覚が
    しなやかに表現されていました。

    その中に
    初演時に戯曲が内包していた作品のコアの部分が
    失なわれることなく「リライト」されていて・・・。

    それを成り立たせるための
    皮膚感覚に近い空気、
    細かい粒子に昇華したような感覚が
    役者たちによって醸し出され
    観る側に浸透していきます。

    どこか手造り感をもった質感が
    観客を包み込むように舞台に引き入れてくれる。
    役者たちの表情や台詞が
    そのまま入り込み
    キャラクターの
    感覚や温度として観る側に重なっていく。

    初演時にはひりひりとした物語の展開の中で浮かび上がっていた
    個々のキャラクターの感覚や既存のフレームへの喪失感が、
    ベクトルを翻して・・・。
    役者たちの身体から伝わってくるものが
    観る側に感覚として置かれ、
    それらはやがて組みあがり
    物語として観る側の内に形成されていくのです

    そこにはいままでの北京蝶々には
    ないテイストが残りました。
    でも、彼らがこれまでのものを捨てたという感じはまったくなく
    表現の間口がぞくっとくるほど大きく広がったように思えた。

    これまで内側に隠されていた
    彼らの力たちのいくつかが
    今回の演出家によって解放されたような感じ。
    作家にしても役者にしても
    鎖が一本はずれて、
    解放された力からやってくる広がりと豊かさが
    舞台上からしっかりと感じられました。

    単に舞台の前面にとどまらない、
    全体で作られていく空気に息を呑む。
    背景側のお芝居にも心を染められて・・・。
    物語が満ちたあとの、
    エンディングにつながるところに
    若干の空気の段差を感じたものの
    帰り道、置かれた感覚が消失することはありませんでした。

    間違いなく新しい力を得たであろう北京蝶々、
    次にはまた異なった演出家による舞台が予定されているとのこと、
    本当に楽しみになりました。







  • 満足度★★★★

    深い意味と価値を感じました
    部品と呼んでいる体の一部分を通して、その人の心の中が、透けて見えるような作品でした。後半の、まさか!・・・でも、納得してしまう、見事な作品でした。

    ネタバレBOX

    誰もが持っているコンプレックスや、こだわり、弱さ、から逃げずに直視しながら、繊細に描いた作品でした。

    失うことで、新たに得られることも事実で、その為の犠牲や、価値も様々。他人(家族や恋人)の為と言うのは、建て前だったり優しさでもあったりするのだが、実は、自分のエゴだったりする現実も、見えました。

    後半明かされる西村(坂巻誉洋さん)が、女性だった過去に驚きながらも、それまでの言動を納得してしまう演技でした。
    高原役(熊川ふみさん)も、印象的でした。

    後ろで控える役者さん達、前半はポーズでの静止、後半の絡みあうような、支えあうような姿は、とても効果的であったが、終始いるのには、疑問。狭すぎる空間で、意味を押しつけられるように思えてしまった。

    お尻は、みせなくても、充分意味は解るのに、役者さんも、ご苦労の多いい仕事と、思ってしまった。ベルトをはずす音とエプロンの下に、手を入れているだけでも、想像付くのでは?

    初めて拝見した、北京蝶々さん、深い意味と価値のある作品で、素晴らしかったです。初演も、次回作も見たいと思いました。
  • 満足度★★★★

    不思議な心地良さ
    幻肢痛にも通ずる身体の一部を喪った哀しみや艶笑風(ではあるが切実?)な部分など複数の角度から「広角」的に取り上げながらも全体をふんわりとした優しさ・あたたかさが包み込んでいるようで、不思議な心地良さあり。

  • 満足度★★★★

    面白かった
    硬派なテーマをながらも、ふわふわしながら軽妙に進んで行く感じがして、とても楽しめました。
    特にラストは、単純に救いと言っていいのか分かりませんが良かったです。

  • 満足度★★★★

    よかった
    ルデコだからを意識したのかはわかりませんが、メインの役者以外が、自分の出番以外は舞台奥でマネキンとしている、しかも物語後半になると(オイラには明確な理由まではわかりませんが)2箇所(これは柱で見えなから2箇所に分けたかな?)で重なり合うというか体をくっ付け合うという演出は面白く感じました。
    物語も面白く、またいろいろ考えさせられましたが、登場人物が少し多いかなと思う部分があったかな。でも面白かったです。

  • 満足度★★★★

    木村キリコはいいですね
    役者さんの出はけからおもしろい、おもしろいというのは変だけど、この作品ではいいなぁ、と思った

  • 満足度★★★★

    コメントが....
    遅くなってしまいましたが、
    心に響く台詞もちらほらあり良かったです。
    ただエピソードの結末がスッキリしなかったのが少しありちょっとモヤモヤしています。

  • 満足度★★★★

    劇団初見
    昔の木製の義手義足とか展示があれば食い入るように見つめる方なので行ってみた。過去の作品を知らないけど今回は黒澤さんの演出ということで役者が部品としてするする流れるように可動して気持ちが良かった。

  • 満足度★★★★

    4月も楽しみ
    硬派なテーマをライトに見やすい表現で見せてくれたのはとても良かった。

  • 満足度★★★★

    書き換えること
    義肢製作者のアトリエを舞台に、障害者、戦争、性、アイデンティティなどのテーマを描いた作品でした。体の一部を人工物と交換する行為を通じてそれらのテーマをまとめ、物語としても予想外の展開で驚かさせてくれる脚本が素晴らしかったです。

    身体障害者を扱っていますが、安易に感動に持って行かず、ブラックジョーク的な台詞も沢山出てくるバランス感覚が良かったです。

    舞台袖もないルデコの狭い空間を逆手に取った、役者の出捌けの空間的な処理も、作品のモチーフや主人公の心情の表現に関係させていて効果的でした。

    BGMなし、照明も舞台全体の明暗の変化程度の簡素な設えでしたが、それが逆に作品にリアリティを与えていたと思います。

    はっきりと結論を提示せず、観客に倫理や差別について考えさせる作品でしたが、堅い感じではなくユーモアもあって楽しめました。

  • 満足度★★★★

    ちょうどいぃ
    障害者がテーマだと話が重すぎたり
    いい話になりすぎたりしがちだとおもいますが
    重すぎず軽すぎずでちょうどよかったです。

    まぁケツ見せる必要があったかどうかは別にして(笑)

  • 満足度★★★★

    面白い!
    誰でも何処かしら換えたいものはあるはずだ。だからこの物語の着眼点にも興味が注いだが、一番面白かったのは人間の本来持っている欲や業のような本質がきっちり描写してあったところだ。
    役者らが待つマネキンの演出もお見事。

    ネタバレBOX

    マネキンを作るように義足や義手、皮膚再生、その他の部品を作って患者の要望に応える技師の西村自身が実は女だった、と後半に明かされる場面は絶妙だった。実は自分自身がかつては患者で、同僚の前川先生が西村の性転換手術をしていた経緯から、前川が西村に言い寄っていた理由も理解出来るってもんだ。笑

    すると舞台で使用した膣は西村のものってことになる。笑
    しかし、いったい、あの膣の小道具を何処から仕入れてきたのだろうか・・。笑

    岡田夫妻の関係性、車椅子に乗った障害者とヘルパーの上下関係、二組の男女のなさぬ仲は他人がどうこういう類のものではないが、利害関係を逸脱した深層心理の描写が愉快だった。特に障害者とヘルパーの愛情は、一見、純愛のように見えたえれど障害者がリライトされて立って歩けるようになると今まで優位なポジションにいたヘルパーが自分のポジションを守るがごとく作為的に工作してしまう心理の表現がお見事だった。

    リライトしても、どこまでいっても満足できない欲は個々の患者を更に憂鬱にさせる。西村自身も男になった満足感がやがて落ち着くと、今度は男らしさと強さを誇示するために新型義足を必要以上に要請するさまはむしろ悲劇を感じたが、思うに心のリライトも必要なのだ。笑

    キャストの演技力にもエロい小道具にも満足して面白がってみた芝居だった。
  • 満足度★★★★

    初北京蝶々でした。
    しかしながら黒澤さんらしい演出で、最初のうちは時間堂を観ているかのようでした。しかし噴出する「素」の人間・・・つまり、身体を欠損した障害者とその人に関わる健常者の生々しい感情と欲望に、これが北京蝶々なのか?とワクワク。次も外部劇団の演出家さんだそうですが、できれば100%北京蝶々の感性でお芝居を観てみたい。自分の心の欠損を埋めるかのように他人の義肢を作り続ける装具士役の酒巻さんの繊細さが素敵な余韻となりました。

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