あなたの部品 リライト 公演情報 北京蝶々「あなたの部品 リライト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    コンプレックスの果てにあるものは…、
    男って何だろう? 女って何だろう?

    ネタバレBOX

    自由に動く義肢義足、皮膚までも補える近未来の話でした。予想していたよりももっと技術は進歩していました。

    ですから、手足を失っても、歩いたり物を持ったり普段の生活は支障なくできるし、望めば健常者よりもパワーアップした手足を装備することができるという何でもありの前提でした。

    戦えない自衛隊が戦場に行くという法的矛盾が背景にあり、砲火から逃げたことによって一人だけ生き残ったという事情もあり、両手両足を失った自衛官は戦場に戻ることを希望しています。

    技師の施術によって最新式の義肢義足を使って強烈な腕力と脚力を得ることができました。と言う訳で、この前提の近未来では、さして困難なことではありませんでした。皮肉なことは、義肢義足が発達しているのは戦争をする国であり、彼の義肢義足は彼の手足を奪った国の製品だったということです。

    性転換したり、他人の顔になりたいときにも、外見上全く支障ありません。技師は女性から男性に性転換した人であり、顔を人造皮膚で覆った歌手は偽物でした。

    非力な技師が自衛官に強力な義肢義足を付けたように、自分に無い物に対するコンプレックスがより過激さを求めてしまうという指摘は当たっています。

    私も顔を陥没させるくらいのパワーがあればと思うことがあるくらいですから。その一方で、パラリンピックに出場する選手は自分の体力に自信があって旧式の義足にこだわっているという具合です。

    不自由な足を切り取って義肢に変え自由に歩きたいと思う人もいれば、さらには、足が不自由でも自分の足のままでいたいという人もいます。

    身障者を見る側の思いも様々です。昔の纏足のようなことが好きな人もいたりして、フェチにも色々あるなと改めて驚きました。

    そして、登場する役者そのものがこのお芝居の部品のように扱われ、後方で固定されたように、時には団子状態のように配置されていたのが印象的でした。

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    2010/12/16 11:33

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