口笛を吹けば嵐 公演情報 口笛を吹けば嵐」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★

    何故かレトロな味わいも
    この劇場を訪れること3回目にして初めて構造を知る。
    過去2回とは逆に道路に面した側を舞台にして、かつての入口を人物やテーブル・椅子などの出ハケに使うとは。
    また、そのことに驚く通行人が見えたり、夜だったらどうみえるか想像したり、な楽しみもアリ。
    内容的には『天井桟敷の人々』にATG映画の風味を加えたよう(←個人の感想です)な感覚に懐かしさを憶える。

  • 満足度★★★

    長大
    斬新、かつ、泥臭い。残念ながら、長さを感じてしまいました。

  • 満足度★★★

    斬新な演出
    私はメンバーが大学生のころからずっと観てきた辛口ファンなので、少し、観る目は厳しいかもしれません。
    今回の脚本(清末浩平)、かなり努力して改稿をして仕上げたと聞く。斬新な演出(川口典成)で、暗くなりすぎず、サーカス劇場・地上3mm時代に比べれば、劇としての見せ方はずいぶん進歩したと思う。
    ただ、プロデューサーがブログでしきりに「休憩込み150分の必然性」とやらを説いていたが、私にはそこまでの必然性を感じなかった。せめて2時間以内に収めれば、手腕が感じられたのだが。
    お尻が痛くならないように、シートを重ねてくれた配慮は有難かった。
    2時間20分も遣ってるのに、雑な描き方や不必要と感じる場面も私にはあり、不満が残った。詳しくはネタバレで。

    ※役者面会は喫煙者以外は会場内でさせたほうがよいのでは。全員、外で話していたが、歩道に張り出し、通行人の迷惑になっていたようなので気をつけてほしい。

    ネタバレBOX

    「三文オペラ」のパクリみたいな場面もあるが、やはり、作者・清末の好みであるアングラ調がのぞく。
    さんざん焦らせて、ケンが登場するところなど、唐十郎の「ジョン・シルバー」みたいだ。
    東大の駒場小空間でも、清末は崇拝する唐十郎の影響からか、撤収口の舞台後方を開放して、屋外へ俳優を出す演出をよく行ったが、今回はさらに、劇場入り口のシャッターを何度も開閉する(シャッターを開けたままの大音響の音楽は近所から苦情は出なかったのだろうか、と心配したが)。
    冒頭から「演劇、演劇、演劇は楽しいよ」と押し付けられ、正直辟易した。
    タイトルに冠こそないが音楽劇らしい。俳優は歌いまくる。
    離婚式の場面(「離婚式」の場合、新郎・新婦という表現はふさわしくない。「元」or「旧」が付くのでは?)。ワダ・タワーの「乾杯」が聴けたのはファンとしては得した気分だが、カラオケ場面がいかんせん長すぎる。
    こういう演出は大劇場で歌の得意なスターの見せ場を作るとき以外、あまり長く引っ張るのはいかがなものか。慣れていないらしい客は唖然としていた。
    むしろ、カラオケは続いていても、紗幕でさえぎって、幕前でケンたちの対決場面こそ丁寧に見せてほしかった。歌の場面をもう少し削っても、ケンを刺すに至った王の葛藤、金山のケンへの思いを描かなければ本末転倒の気がする。肝心の終盤にそのへんがぼやけてしまった感がある。
    金山役の八重柏は若手ながら演技が巧い注目株だが、声質のせいもあり、チンピラにしては印象がさわやかすぎた。
    手配師夫婦の羽田真、宍倉暁子がとてもいい。安心して観ていられた。若手で固めず、こういう俳優の招聘は重要なこと。
    名物化したワダの力石は不思議な役で、客演ならでは。
    坂本スミ子と唐十郎を足して2で割ったような顔のミヤコ役・小野千鶴も面白い。
    ダニースミス・プロジェクトのオリジナル曲はよかったと思う。歌詞の件。散文詩と歌詞は別物だが、歌詞の文章が字余り気味で長いせいもあり、耳に残らない。曲がよいので、口ずさめるほど主題歌の印象を残して欲しかった。
    通常は専門家による補作詞が行われてようやく歌詞が整うのであり、清末浩平は岩谷時子さんほど作詞の才能はなさそうなので、歌の多用はやめておいたほうが無難だと思う。
    ラストの場面が二段構えで、道具を撤収したあと、いったん幕を引いてからもさらに劇が続くので、いささかクドさを感じた。
    清末は昔から時系列的な描き方が不得手な傾向があり、アングラのときはそれでもよかったが、現代劇の場合は時間の経過をしっかり示してほしい。
    ケンを刺殺した王青年が突然出てきて、旅巡業に加わるが、あれから何年たっているのだろうか。スクリーンを使っているなら、有効活用して歳月を出してほしかった。
    スナックの若い酌婦が占い師の老婆に化けて街頭に立つ場面もアングラ風味だが、唐突で取ってつけたように感じた。
    音響が会場に比して大きすぎるようで、会場を出ると耳鳴りがして不快だった。
    演出では、食べかけのバナナをハケる俳優からいきなり渡された通路際の客が、連れにバナナを見せて困惑していた。花ならともかく、こういう生物は処理に困るだろう。配慮が欲しい。


  • 満足度★★★★

    群像劇は難しいのです。
    もっと上のある作品だと思う。
    でもいまでも十分に楽しめる。
    つくりものとなまのいい融合。
    この劇団のこれからで、もっと上を必ずみせてくれると信じられる作品だった。

    堂下 勝気のカーテンコールでの立ち姿が何よりも美しかった。それはただ立っていることの美しさというよりそこまでの150分の細かい感情のゆれうごきがその姿を美しくみろと命じているようなそんな美しさ。

    ところで、そもそも150分超というのは「長い」のか? 別に尺1時間あればおもしろい作品にしたてることはできると思う。それと150分が長いというのは別の話。それぞれの作品には適切な時間があると思う。先に上演時間を告げられることが当然というのは何かおかしい気がする。それは事前にあらすじが告げられる演劇もあればどんなすじだか演じられてはじめて明らかになっていく演劇もある。同様の話。この作品は先に時間を教えられるよりもいまが全編中のどのあたりということをみながら観客が個々に想像した方がおもしろい気がした。なので休憩も事前の告知もない方がよいと思った。

    ネタバレBOX

    奥のシャッターをあけるということについてはもっといろいろな工夫がありうると思う。タイミングとか速度とかにさらなる細かさが発揮できる。しかしそれをやろうと思ったらあの小屋に長期滞在するとかいまの環境では難しい準備が必要であろう。

    演者それぞれの覚悟のありようのよくわかるそれぞれの役柄になっていた。その役の中で主役になることができうるのに、奥を行き交う通行人よりも生きてきた重みがみえてこない人が何人かいて残念だった。別にその人がそれまで適当な人生しか歩んでいないから役もうすくなるとかいう話ではないと思う。みせるためにそこにいるということはとても難しい。

    俳優を育てることの難しさについて、観劇中に悩みはじめてしまった。それは同時に演出家として俳優と一緒に育つことの難しさについての悩みかもしれない。
  • 満足度★★★★★

    練り上げられた超大作!
    途中休憩ありの芝居を久々に観たが長いとは感じなかった。それ以上に作品が面白く、のめり込んで観ているうちに時間がたっていたという感じ。

    物語はロマンティック、そして言葉が詩的だ。演出ワークは細部に至るまでこだわりが感じられ、見事のひとこと。また俳優もすばらしかった。言うことなし。

  • 満足度★★★★★

    これぞエンゲキ!
    レトロな映画館で映画が始るようにジリリリリーーーと鳴るベルの音。舞台と客席の合間のカーテン。エンゲキが始るよ~♪エンゲキが始まるよ~~♪と歌うキャストら。これらの演出はお見事!という以外の言葉を思いつかないほどの絶好の始まり。舞台の合間に歌を交えて暗転させるのも◎

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    まず、普段のイワトでの客席を全て取っ払って観客は道路を向くような格好で座る。この効果は後にシャッターを開放することで、外の道行く人々と雑踏を飲み込んで今回の舞台と合致させてしまうところは流石!だから見知らぬ人々が立ち止まり、あるいは自転車をこぎながら流れる風景は臨場感があって実に見事なのだった。

    リーダーのケンが逮捕されてからの、窃盗グループの成り行きや、ケンの旧友である手配師のもとで演劇研究所などと詐欺られ、人材派遣され労働を課される新川など、若者を軸に底辺で渦巻く人間模様を描写する。

    労働、暴力、脱走、様々な思いを胸に秘めた若者たちは、ある日刑務所から出てきたケンに希望を託する。しかしそんなケンもちょっとした争いからナイフで刺されてしまう。

    労働者らが集る飲み屋でのカラオケのさまも披露しながら、「乾杯」は人生を祝福する最大の賛辞の歌だと思う。そんな歌をバックにケンは自由を求めてボヘミアンのような世界を目指し、獄中で出会ったイグナシオの言葉、「口笛を吹く兄弟」を求めて世界中を口笛吹いて兄弟を捜し歩くことを決意するも死んでしまう。

    それでも残った残党は「OSARAGIカンパニー」を掲げ、劇団を作ってブラジルに巡業すると言う終わり方。最後はこんな楽しい演劇を世界中の人に観て貰わなきゃ!という夢と希望で締めくくる。3時間と言う公演で観てる観客も体力勝負だったが、それに見合ったノスタルジックでレトロな芝居だったと思う。「蒲田行進曲」を思わせるような世界感!

    面白いと思う。
  • 面白い!
    凄く楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    驚き

    私はまだ、芝居は数えるくらいしか観賞していませんが
    この公演はスゴク役者さんとの距離が近く、
    熱が体中に伝わってきました。
    また、機会があったら見に行きたいです。

  • 満足度★★★★★

    ざん新な演出
    2時間50分の長さでありながら、ようできたオリジナルさが光った作品で飽きずにたのしめました。

  • 満足度★★★★

    キャラクターが大好き
    役者さんの演技が皆さん素晴らしく、特に男性陣の演じる
    キャラクターには観てて引き込まれるところがありました。
    前半は凄く分かりやすかったですが、
    後半のストーリー展開に若干追いつけなかったです。

  • 満足度★★★★★

    お芝居大好き感一杯!最高!!
    社会の裏側の方にいる大人と若者たちの物語、新境地!!

    新鮮な驚きを目の当たりにするためにも、これから観る人はネタバレBOXを見ないでください。

    ネタバレBOX

    客席に入ったときからいつもと違って、いつもと言ってもシアターイワトは2回目ですが、舞台の位置が逆じゃないかと感じました。パンフレットには「三文オペラ」を参考にしていると書いてあって、オリジナル本公演というイメージがあったので少しがっかりしましたが、始まると、道路側のシャッターが開いて役者の登場とあいなりまして、もういきなり楽しくワクワクしました!

    誰にでも楽しめるお芝居、それにとんがったワルと金持ちの娘の恋物語というのが「三文オペラ」のコンセプトですが、金持ちの娘の方は俳優養成所を装う人材派遣業の社長の娘でした。この会社は、役作りの実践と称して若者を騙して飯場や事務所などで働かせるあくどい会社ですが、実に頭いいですね。

    商売も兼ねて、幻の弟を探す旅に出ようとする旧来型のワルのケンさん、とんがった若者金山、社長の娘が揃って始まり始まりーでした。

    金山役八重柏泰士さんの尖ったナイフのような演技は秀逸でした。

    途中も、シャッター開けたままガンガン音楽流したり、人や物を出し入れしたりするので、道を歩く人がこちらをチラ見したりしてめちゃ楽しかったです!

    スナックの場面、刑事の離婚式で歌ったワダ姦(ワダタワーさんと藤尾姦太郎さん)のカラオケ「乾杯」は最高でしたが、フルコーラス歌ったりするので、上演時間は休憩10分を入れて3時間でした。

    誰も死なないのかなと思っていましたが、裏の世界は決してそんなこともなく、緊迫感が溢れていました。

    初日のためか、台詞が入っていないように感じた箇所もありましたが、社長の娘が会社を劇団に約款変更して、いきなりブラジル公演すると言い出すなど、ラストは演劇大好きをアピールして大団円。
  • 満足度★★★

    熱い
    社会の底辺にうごめく若者たちを熱いタッチで描いた作品でした。シアターイワトを普通と異なった客席配置にしていたのがとても効果的で、印象的なシーンを作っていました。
    物語自体はあまり楽しい内容ではないのですが、歌や映像など盛りだくさんの演出で楽しかったです。

    しかし、公式サイトや劇場のロビーに上演時間の表示がなく、開演前アナウンスでも告知しないで3時間弱(間に休憩あります)は心の準備も出来ていなくて、ちょっと疲れました。

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