口笛を吹けば嵐 公演情報 ピーチャム・カンパニー「口笛を吹けば嵐」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    群像劇は難しいのです。
    もっと上のある作品だと思う。
    でもいまでも十分に楽しめる。
    つくりものとなまのいい融合。
    この劇団のこれからで、もっと上を必ずみせてくれると信じられる作品だった。

    堂下 勝気のカーテンコールでの立ち姿が何よりも美しかった。それはただ立っていることの美しさというよりそこまでの150分の細かい感情のゆれうごきがその姿を美しくみろと命じているようなそんな美しさ。

    ところで、そもそも150分超というのは「長い」のか? 別に尺1時間あればおもしろい作品にしたてることはできると思う。それと150分が長いというのは別の話。それぞれの作品には適切な時間があると思う。先に上演時間を告げられることが当然というのは何かおかしい気がする。それは事前にあらすじが告げられる演劇もあればどんなすじだか演じられてはじめて明らかになっていく演劇もある。同様の話。この作品は先に時間を教えられるよりもいまが全編中のどのあたりということをみながら観客が個々に想像した方がおもしろい気がした。なので休憩も事前の告知もない方がよいと思った。

    ネタバレBOX

    奥のシャッターをあけるということについてはもっといろいろな工夫がありうると思う。タイミングとか速度とかにさらなる細かさが発揮できる。しかしそれをやろうと思ったらあの小屋に長期滞在するとかいまの環境では難しい準備が必要であろう。

    演者それぞれの覚悟のありようのよくわかるそれぞれの役柄になっていた。その役の中で主役になることができうるのに、奥を行き交う通行人よりも生きてきた重みがみえてこない人が何人かいて残念だった。別にその人がそれまで適当な人生しか歩んでいないから役もうすくなるとかいう話ではないと思う。みせるためにそこにいるということはとても難しい。

    俳優を育てることの難しさについて、観劇中に悩みはじめてしまった。それは同時に演出家として俳優と一緒に育つことの難しさについての悩みかもしれない。

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    2010/10/20 02:04

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