SHARE'S 公演情報 SHARE'S」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-19件 / 19件中
  • 映像鑑賞

    満足度★★★★★

    Antikame? 『こえを見ている』

    配信ではあるが、Antikame?を観るのは、『なんども手をふる』『じくりじくりと蝕まれていく』についで3回目。
    ストイックで内省的、静かで台詞(あるいは台詞と台詞)の行間を考えさせるスタイルが一貫している。
    そいういテイストがとても好きなカンパニーだが、(個人的には)観るときに体調というか気持ちというか、そんな心構えが必要ではある。

    以下「ネタバレBOX」へ。

    ネタバレBOX

    最初の20分ぐらいは真っ暗なので面食らった。
    しかも5分ぐらいは無音。
    配信の問題なのかと疑ったほど。

    その暗闇の中の「ない」「聞こえない」などの否定の語句がやけに耳に響く。
    「心にないことを言うけど」。
    暗闇でならば、なんとか言える「ことば」があるのか、あるいは「ことば」の背景が暗闇の中なのか。

    暗闇での「こえ(ことば)」は相手に向かって発せられているものなのか。
    「相手」とは誰? 他人? 自分?
    「見ている」のは「他人」なのか「自分」なのか。

    相手ならば「会話」であるが「自分」ならば心の内の自身との会話である。
    自身との会話であれば、いつも暗闇の中を手探りで歩いているのだ。

    誰しもわかっているようでも、何もわかっていない。

    そうした疑問がいくつも浮かぶ中で、どうやら「こえ」の先には「ワタシ」がいるのではないかと思い始めてから、舞台は徐々に明るさを増し、「こえ」の主たちが現れてくる。

    暗闇には宇宙(的)孤独がある。

    暗闇は「今」自分の周りにある「世界(社会)」の姿であり、「こえ」(ことば)はその先を見る(知る・知覚する)ための道しるべである。
    しかし、外に広がる宇宙だけではなく、自身の中の「宇宙(暗闇)」がある。
    それに意識を向ける。

    大気圏再突入が不可能なスプートニク2号は間違いなく、地球の軌道上にあった。
    あるはずなのだが、どこにいるのかは判然としない。
    「こえ」がないから。

    舞台が明るくなったのに、こえの主たちの周囲には依然として「暗闇」がある。
    こえのするほうを、すがるように「見て」も手からするりと抜け落ちてしまう感覚。
    自分のこえさえ自分に届いているのかも危うい。

    自分の手の先さえも、すでに暗闇の中にあるのではないのかという、存在感の不安。

    ウーバーの配達員は、存在するのに「いない」とされてしまっている。
    「配達」という行為があるだけで「員」という人はいないのだ。

    スプートニク2号のライカ犬も「初めて宇宙に行った動物」という事実があるだけで、生き物としての存在はあらかじめ失われている。

    私たちは、そんな場所にいるのだ。
    暗闇の中を「あっちからこっちに流れていくだけ」の存在。
    それでも「こえ」があり、「見る」ことはできるのではないか。
    それが唯一の私たちの「存在」を示しているのだ。

    カメラワークの選択は、MUとはまったく違う。
    演目ごとに変えているのはとても良い。
  • 映像鑑賞

    満足度★★★★★

    MU『変な穴(2023)』配信

    配信を見て。
    長文になったので、久しぶりに「こりっち」に書いてみました。

    以下「ネタバレBOX」へ。

    ネタバレBOX

    2011年の初演を観ていた。
    2011年には「男」「女」のそれぞれのバージョンがあった!
    (完全に忘れてたけれど)
    「こりっち」にそのときの感想を、ネタバレBOXを含めて長々と書いてる。
    https://stage.corich.jp/watch/98548/stage_comments

    さて、2023年版は2011年版とは基本的な設定は同じだが、まったく別物と言っていい。

    2011年には「お金配りおじさん」という人が現実に現れるとは思ってもみなかったし、「(露悪的であれ)バズることがエンタメとして消費できる社会」があることを知らなかった。
    しかし2023年にはそれらが存在していて、2011年に「薄ら寒い設定」と感じていた「お金と引き替えに」の設定も「それ、あるなあ」に変わってしまっている。

    2011年に私がこの舞台に感じた「虚無(感)」すらも「お手軽に動画サイト」で「薄ら笑いで消費できるエンタメ」となってしまっている。
    と言うよりは、虚無(感)は社会の至る所に「すでに(常に)存在している」状態なので、それが当たり前になっているのかもしれない。

    したがって、2011年版と同じ設定なのだが、受け取る側の感覚自体がまったく違ってしまうことによって、「穴」が空いている場所や意味さえも違っているのだ。
    「変な」の意味さえも異なっている。
    もちろん、「今」をすくい取るような調整は、作・演のハセガワさんは、彼流の切り取り方・見せ方で上手く盛り込んでいる。
    特に応募者たちの設定(造作)にそれが現れていてとても面白い。

    とは言え、この作品の中では露悪的なこと自体を欲しているのはエンタメとしてではなく、やはり自分の「穴」のためであることがラストにわかってくる。

    オノ(アガツマ)も応募者たちもお金配りおじさんたちも、ありもしない穴を埋めてくれるものを本当に欲している。

    お金では埋められないことは、観劇者の我々には最初からわかっているし、たぶん舞台の上の彼らも(本当は)わかっているのかもしれない。
    ただし、再度参加したバンドマンのように、それでも「お金でなんとかなる」と言うよりは「お金でなんとかできるのではないか」と思うこと(思いたい)という無間地獄にいるのが哀しい。

    さらに、役者としてかかわっていたつもりのオノも、お金配りおじさんたちも、「神の視線」にいるのではなく、応募者たちと同じ立ち位置にいることには気づいていないのかもしれないが。

    彼らの「穴」を巡る無間地獄は彼らが「輪廻転生」するまで、いつまでも続くのだろう。
    オノ(アガツマ)も加わってしまったし、お金配りおじさんたちもカネが続く限り回っていく(因果応報だ、とうそぶきながら)。

    バンドマンのところで気づくのだが、理容師の妻は「そこにいない」。
    妻が見えていて会話しているのは、アル中の理容師だけ。
    これに気づいたときは衝撃的だった。

    この不在感はかなり切実で、彼の立ち位置は、他の応募者たちと大きく異なっている。

    つまりそれは「妻」の存在で、彼は自分自身を、自問自答(=妻との会話)しながら俯瞰しているのだ。

    したがって、ラストにおいては、彼だけこの無間地獄から抜け出すことができたのではないかと思うのだ。それが「輪廻転生」だったのかもしれない。

    MUは衣装のチョイスがバツグンだ。
    衿が出ている理容師の着こなしもいい。

    配信は、カメラのアングル・編集や音声の良さで快適だった。
    配信をする劇団(公演)は、このレベルでやってほしいものだ。

    見終わってふと思ったのが、「配信の映像」こそ、お金配りおじさんやオノが欲していたものではないか、ということだ。
    「露悪的なやり取りを消費」していたのは、我々の観客であり、それをニヤニヤ見ているところまでを含め、座・高円寺自体が「変な穴」だったということは、たぶんハセガワさん的には当然考えていたことではないだろうか。

    私たちも、やはり「そっち側」(同じ立ち位置)にいるのだということを、ずっと見せられていたということだ。

    「観劇で己の穴は埋められるか?」というのはまた別のこととしても。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #変な穴2023
    #MU
    #青木友哉 #成川知也
    #古市みみ #波多野伶奈
    #西村由花 #木村聡太
    #森口美香 #榎本純
    #西川康太郎 #インコさん
    (敬称略)
    H千秋楽。
    とにかく古市みみさんが素晴らしかった。ソレを観られただけで満足できる。あの、押し殺そうとする感情が溢れてしまってる感じがたまらなく好き。これこそが演劇の醍醐味だと思っている。
    隣のインコさんのヤケクソな感じも素晴らしかった。
    後半にひっくり返る展開も好き。
    札束で頬を叩いてる感じや、傲慢さと卑屈さを炙り出した感じに、心地良い嫌悪感を抱く。

    久しぶりのMUを満喫した。

  • 実演鑑賞

    #令和5年の廃刀令
    #アガリスクエンターテイメント
    #淺越岳人 #伊藤圭太
    #榎並夕起 #鹿島ゆきこ
    #古谷蓮 #前田友里子
    #矢吹ジャンプ #江益凛
    #斉藤コータ(敬称略)
    G千秋楽。
    会議モノはこれまでもあった。その多くはシビアでスリリングなモノ。
    その中で、ユーモアをふんだんに盛り込んでいたものに、三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』がある。それはアメリカのテレビドラマで映画も制作された『十二人の怒れる男』のパロディ。三谷幸喜さんを崇拝する作演出家が、その法廷モノをタウンミーティングとかいう会議の場に変換して書いたのだろうことはすぐわかる。
    いや、これ以上言葉にするのはやめよう。
    盗作……オマージュ……パロディ……モノは言いようだ。
    重要なのは、明言しているか否か。その点において、以前に不信感を抱いてしまったため、もうまっさらな気持ちでココの作品を観ることができないカラダになってしまっている。東京サンシャインボーイズのメンバーによる『12人の優しい日本人』のリーディングを彼が演出することを知った時の混乱と不快さが染みついて抜けない。だから、作品についてはもう言葉にするのはやめておく。

    ただ、俳優さんには好感を持った。江益凛さんのヤケを起こす感じとか好きだ。浅越岳人さんの鼻につく評論家の感じも好きだ。

    観た回の投票結果は知らない。人に選挙へ行くように言っている身としては投票しないわけにはいかない。しかし、利用されたくないし、作品の一部に抱き込まれるのも御免被りたい気分のため、無効票を投げた。それがせめてもの細やかなる抵抗。

  • 実演鑑賞

    #背に描いたシアワセ
    #やみ・あがりシアター
    #安藤安按 #五十里直子
    #内野智 #加藤睦望
    #河原邦恵 #小切裕太
    #谷川清夏 #吉成豊(敬称略)
    E初回。
    この劇団の作品は幾つも拝見している。ココの魅力はドライブ感だと思う。そしてそれは上演を重ねる毎に増している気がする。
    そして、そのエンジンを担う加藤睦望さんも、チャーミングさを増している。
    今作は初演が90分だったモノを60分にブラッシュアップさせての上演とのこと。2/3の長さになったそれは、もうリメイクでもなく新作レベルではなかろうか。
    ドライブ感が増したのかもしれないけれど、なんだか一足飛ばしで駆けているようなソレは、凝縮されたというよりは、味を薄めてしまったように感じた。そんな、跨いでいかれた部分について考えているうちにボーッとしてしまい、終盤の、恐らく重要ではないかと思われるタイミングを聴き逃した。
    『あれっ、いま何か重要なコトを言ったかな⁉︎』という大失態で作品から振り落とされてしまった。こうなるともう理解しようとするモチベーションを上げるのは困難。

    救いは、今回も谷川清夏さんのあのフワッとした柔らかさでありながら訳アリな空気を纏う存在感を味わえたこと。好きだなぁ。

  • 実演鑑賞

    #恋の手本 #曾根崎心中
    #劇団肋骨蜜柑同好会
    #小島望 #嶋谷佳恵
    #藤本悠希 #水口昂之
    #室田渓人 #フジタタイセイ
    #岡村梨加 #辻響平
    #星澤美緒(敬称略)
    F初回。
    辻響平さんを観ることが最大の目的。今やあちこちに客演される実力の持ち主。

    古語、文語文をアップテンポで歌うように踊るように発することで何をしたかったのか、それを掴めずにグルグルと思考を廻らせてみている。いくら名の知れた作品であると言っても、古い言い回しを捲し立てるようなテンポでやって、どれほどの人がついていけるだろうか。国語教師であってもなかなかに集中力を要するハードワークではある。実際、途中で作品から振り落とされて、後はもう声を楽しむだけ。言葉を聴かず声をサウンドとして楽しむしかない。
    それを楽しめない気分で、なかなかに辛かった。

    体調不良は仕方ない。新作が書けないこともある。企画の性質上、上演中止や不参加の選択は難しいのは理解する。それでも、他の手立ては無かったかなぁ。

    もう一度チャンスが与えられるならチャレンジして欲しいけれど。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/03/20 (月) 19:00

    同企画の最終。
    #アガリスクエンターテイメント #MU を観た。66分(17分休み)62分。
    MUは5年ぶりの公演。

    アガリスクエンターテイメント『平成5年の廃刀令』
     観客をタウンミーティングに集まった区民とみての得意の会議型コメディ。確かに面白いんだけど、この劇団は論理的に見えて最後に論理が崩れてしまうので不満に思っていたのだが、論理を崩すことによる面白さを狙っているのだろうか、と思うようになった。ここを詰めなきゃダメだろ、っていうところが満載で、まぁコメディだからしょうがないか、っていうことだろうか。

    MU『変な穴』
     2007年初演で何回か公演してる同劇団のマスターピース。何回か観てる。本企画を主宰した同劇団のハセガワアユムは、こういうのを集めたかったんだろうな、と思う。ただし、本人も言っているように、大幅に改作されていて、感触は随分違う。そんなに嫌な事が起こっているワケではないのに、嫌な感触が残るあたりが面白い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    H:MU

    ※アガリスクエンターテイメントはアガリスクのページへ。。。

    ネタバレBOX

    役を演じてるうちに、それが役なのか自身なのか曖昧になっていく。
    「世にも奇妙な物語」風味を感じたのは私だけでしょうか。

    俳優さんのお名前がわからないのですが、美容院の主人役の方の怪演が印象的。背負っている過去がリアルな手触りを持つような演技でした。
    ラストがまさに、世にも奇妙な物語チックでしたが、わがまま言うともうちょっとパンチが欲しかったりするかも。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/03/18 (土)

    E:やみ・あがりシアター『背に描いたシアワセ』
    ええっ!な驚いた1時間。
    何の迷いもなく進み徐々にあれれ?と思わせて
    ドンっ!!ってすごいなぁ。面白かったなぁ。


    F:劇団肋骨蜜柑同好会『恋の手本~曾根崎心中~(令和版)』
    かなり久しぶりの肋骨蜜柑同好会、熱を感じました。熱い!!
    もう少しはっきり元の言語を聞きたかったなぁ。まぁ耳慣れしていないので分からなかったのかもだけど。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/03/17 (金)

    C:食む派『冷やし中華いななき』
    切なくて、哀しくて、でも観劇中声を出して笑っていた。
    ラストには涙。
    帰りに冷やし中華が食べたくなる。もちろん私は錦糸卵は好き。
    大好きな俳優さんたちばかりでさらに美味しかったです。


    D:Antikame?『こえを見ている』
    うん。分かるよ。でもねちょっと神経の使い所に悩み疲れました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    G:アガリスクエンターテイメント
    H:MU
    観覧。
    G:ナイゲンのような会話劇。まさかの1票差。反対に入れて良かった〜!
    H:いまいちピンと来なかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/03/18 (土) 19:00

    本企画の第3弾。#やみ・あがりシアター #劇団肋骨蜜柑同好会 を観た。どちらも観たことがある劇団。62分(14分休み)60分。
    満席だったようだが、納得の作品2本だった。

    やみ・あがりシアター『背に描いたシアワセ』
     2018年にAPOCシアターで初演された作品の再演。
    https://stage.corich.jp/stage/93799
    初演も観ている。100分あった作品を60分(実測62分)にまとめたものだが、初演の感想に「芝居のテンポは感心しない」などと書いていたのだが、今回は実にテンポ良く展開され、サイコー、と思う作品だった。昭和の嫁姑闘争と思わせて笑わせ、思わぬ展開に繋ぐ。本作品を観たくてこの企画を観ようと思った、ということは、是非とも言っておきたい。

    劇団肋骨蜜柑同好会『恋の手本 ~曾根崎心中~(令和版)』
     当初は新作を上演する予定だったのが、作・演出のフジタが体調不良で新作が書けず、2015年にPit北/区域で上演された作品を再演。
    https://stage.corich.jp/stage/69475
    何作か観た劇団だが、本作の初演は観てない。近松の曽根崎心中のテキストを現代的な身体と発話で展開するアイデアは面白い。バックに展開される物語も興味深く、面白い作品だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/03/17 (金) 19:00

    第2弾。#食む派 #Antikame? を観た。どちらも初見。57分(18分休み)60分。

    食む派『冷し中華いななき』
     初めて観たが、丁寧な会話劇コメディ。冷し中華が禁止された世界という設定で笑わせて、それに伴うアレコレを5人で展開する。松本みゆきの佇まいが良い。

    Antikame?『こえを見ている』
     実験的かつ抽象的な作品。事前に作・演出の吉田康一が出てきて、「20分ほど真っ暗です」と宣言したとおり、冒頭20分は全く照明がない状態でセリフだけ飛び交う。その後は照明が点くが、基本的にモノローグで会話と言うべきものは展開されない。興味深い作品だが私のテイストではない。耳が遠くなりつつある私には、声で役者を区別することが難しいシーンがあったりした。


     事前精算・指定席で今日もD列で、スタッフに「D列の前は通路なのか」と訊いたが、「通路ではないが、通ろうとする人に止めてくれとは言えない」と言われた。それは通路ということではないか。次回から席を変えてもらう。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #こえを見ている
    #Antikame?
    #日野あかり #青澤佑樹
    #飯智一達 #高橋壮志
    #俊えり #杉原敏行(敬称略)
    D初回。裸を超える衝撃の問題作。歴史が動いた。
    アヴァンギャルドだ。絶対に劇場で体験しなければダメだ。 30年以上の観劇人生、4000作品以上は観ているはずだけれど、コレほどの冒険を観たことがない。
    けれどコレは主宰の吉田康一さんが模索し登り続けてきた山の最高峰で、開けた視界に見えた絶景だ。
    その世界を目撃した今、作品と一心同体になって迫って来るタイトルに痺れている。

    無謀とも思える冒険の旅だけれど、その航路が間違いではなかったと実感させられる。上演前に伝えられたコトで恐怖を感じビビる人もいるかもしれないが、開演して数分でソレは消える。

    美しい散文詩が美しい肉声で届けられる美酒に酔う。

    広大な心象スケッチ
    モノクロのパステル
    眩しい暗闇
    漆黒の万華鏡
    手中にある宇宙
    粛々たる雷鳴
    耳障りな静寂
    心地良いノイズ
    愛おしい憎悪
    悍ましい優しさ
    甘美な吐き気
    凍える温もり
    幸福な孤独
    淋しい団欒
    はち切れそうな空腹
    ひもじい満腹

    わたしたちは宇宙の塵。
    アポロ11号を離れて迷子になったアストロノーツ。
    無軌道に行き先を失い、無秩序に振り回されるうちに、いつか恒星を廻る惑星のように進むべき道を得られるだろうか。
    失われた視覚によって研ぎ澄まされる聴覚。
    遮られた嗅覚は空気の手触りを刺激しているかもしれない。
    ソノ世界によって失われた方向感覚に便乗して、通常の観劇中には決して向けられない方向へ視線を投げる。
    届く声もあちらこちらに向けられ、跳ね返ったり零れ落ちたり。歩みと共に生まれた声は、文字通り迫って来る。

    それぞれの視点から眺める宇宙はどんな彩りを纏っているだろうか。向けられた視線の多くは交わることはない。だからこそ、遠くからゆっくりと彼女を追う視線に心を灼かれる。


    この企画で上演される8作品の中で、最も勝負した作品であると確信する。
    誤解は解いておくが、美女の裸なんてない。そうした衝撃作もあるが、それとは違う、それを超える衝撃を味わえる。
    9割以上のモノローグが紡ぐ魔術に酔うといい。
    コレは語り継がれる問題作。証人になれるチャンスを逃したら後悔する。


    ■追記■
    俊えりさんの声がとんでもなく可愛い。
    可愛いアニメの声優だってイケる。
    日野あかりさんの美しさは説得力があるなぁ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #食む派
    #冷やし中華いななき
    #松本みゆき #江原パジャマ
    #岩本えり #岡本篤
    #波世側まる(敬称略)
    C初回。
    🎵冷やし中華〜始めました〜
    百戦錬磨の腕利きの俳優が並び、とんでもない出来事の世界を真面目に生きる。
    登場しないソノ人が無茶を言って、みんなが静かに合戦を繰り広げる。
    決着がつくのかつかないのか。
    塩を贈るのか贈らないのか。
    贈るのは幟旗か、ポケットの中で握ったソレか。
    考え得る最善の結末ハッピーエンド……に手を伸ばす作品は星の数ほど観てきたから、そんな夢物語は要らない。
    人生は、実生活は、もっと苦く、モノトーンの、味のしなくなったガムを食むようなモノ。
    ソレを届けてくれる作品は、食めば食むほど味わい深い。
    いいモノを観たなぁ。
    松本みゆきさんの嘘がホントに繋がる姿が堪らなく美しかった。

    勝手な妄想だけれど、脳内では浅草の花やしきのあれやこれやが蘇った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    四チームのうち、唯一土日祝公演のないABチームを観てきました。にこにこちゃんは高畑さん出てるし篠原さんぽい人も出てたのでほぼナカゴーでした。
    エレファントムーンは一度みたことがあると思うけどこんな感じだった気もします。
    普段は今日の舞台の半分位のスベースに舞台・客席があるような芝居にしか出ない?カトちゃんが広い舞台に出ていて珍しいな、さすがチラベルトだなと思いました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/03/15 (水) 19:00

    1時間×2劇団を4組上演する企画の第1弾。
    #東京にこにこちゃん #elePHANTMoon を観た。58分(16分休み)51分。

    東京にこにこちゃん『またね?ばけものかぞく』
     1度だけ観たことがある劇団だが、馬鹿馬鹿しい(誉めています)コメディを力技で演じる力がスゴイと思ってて、本作もそう。終盤の飛行場面を頑張って演じるあたりは割り切り方が潔い。

    elePHANTMoon『落書き』
     旗揚げから全作品を観ている劇団だが、主宰のマキタが映像系にシフトしたために8年ぶりの公演。今回、全4組を観てみようと思ったのは、本劇団の参加が大きい(もう一つはMuの『変な穴』)。いつもながらのヒリヒリしたメンタルの痛みを感じさせてくれて、主人公の井神沙恵の存在感が見事だが、4人の役割をしっかり描き分けた脚本と、しっかり演じる役者陣が強烈。


     芝居とは関係ないが、4組全てを観ようと思って、事前精算の指定席を取ったが、それがD列で、目の前を通路として使われる。これってヒドクないでしょうか。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #elePHANTMoon
    #落書き
    #井神沙恵 #加藤なぎさ
    #菊地奈緒 #寺内淳志 (敬称略)
    B初日。8年振りの公演を披露する彼等が、今回の企画に参加する団体8組の中の目玉だと思っている。参加を知ってリアルに叫んでしまったし、もう楽しみで楽しみで仕方なかった。マキタカズオミさんが紡ぐ世界は、いつだって危険な香りが漂う。怖いけれど嫌じゃない。そのヒリッとするのに気持ちがイイ感覚は、少し早いのに瘡蓋を剥ぐような、蚊に刺されて出来た膨らみに爪で十字の跡をつけるような、ゾクッとする快感に似ている。
    その世界の真ん中に大好きな井神沙恵さんがいるのだから堪らない。
    トラウマって何だろう。幻覚って何だろう。優しさや思いやりから生まれる善意が、意図に反して誰かや何かを、ましてや救いたい対象を傷つけたり苦しめたりする結果を招いたらどんな気持ちになるのだろう。それが多くの人間に周知され、利用され悪用されたら、人は狂うだろうか、戦うのだろうか。
    この世はいつでもどこでもスケープゴートを生み出す魔女裁判の法廷なのかもしれない。そこに暗躍する黒魔術。どこかのアビゲイルによって、誰もがジョン・プロクターにされてしまうかもしれないなら、もう正義が勝つ方法はないのかもしれない。
    ヌルッとしたソレを飲み込んだ先に……アナタは何を見ることになるのだろう。
    その目で確かめて欲しい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #東京にこにこちゃん
    #またね?ばけものかぞく
    #るい乃あゆ #四柳智惟
    #澁川智代 #モリィ
    #木乃江祐希 #髙畑遊
    #鳥島明 #尾形悟(敬称略)
    A初日トップバッター。
    『日本一チケットの取れる劇団』が売り文句の彼等を最初に観たのは2018年の荻窪小劇場だった。当時から出演していたキャストも活躍し、演劇界で知られる俳優もキャスティングされ、今や人気沸騰中。それでも、変わらず作風も上演する姿勢もシャイで可笑しくて謙虚。そして可愛い。そう、この団体の持つオーラは紛れもなく『可愛い』だ。
    作演出の萩田頌豊与さんが作る世界は、心の声が漏れる世界。いや、漏れるレベルでは無い。呟くも超えて心の声を語る世界。伝える世界と言ってもいい。その『全部言っちゃう』感じ、『全部説明しちゃう』感じが可笑しくて楽しくて可愛い。
    大好きな木乃江祐希さんが躍動していて嬉しい。
    髙畑遊さんの面白さは今後の活躍に疑いの余地は無い。
    そして、作品に最もフィットし安定していて、あのクセのある台詞を自分のモノにして滑らかに届けてくれるモリィさんに惚れ惚れする。ヤバイわ。
    クセ者ばかりのクセの強い作品なのに、後味スッキリ。
    奇妙で可笑しいヒューマンドラマを観て欲しい。

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