起て、飢えたる者よ 公演情報 起て、飢えたる者よ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-20件 / 33件中
  • 満足度★★★★★

    心からよかった!!!
    緊迫感ある2時間で、史実をあまり知らないため、
    ありのままを受け入れる状況でしたが、時代の雰囲気を堪能できました。

    他の方の感想同様、康子の変貌部分の演技がピカイチでした!

    ライトが真正面だったため、普通では役者の表情が見えず、
    セットの柱とライトを重ねて光を遮るよう、
    首を傾けて見なければならなかったのが、少し残念でした。

    次回は、蒻崎さんのいないチョコレートケーキも見てみたいです。


    今回の一番良かったことは、蒻崎さんとようやく話せたことかな♪

  • 満足度★★★★★

    革命ごっこ
    1970年代初頭、革命と言う名のもと、闘い続けた若者たちがいた。彼らは左派同盟と赤色革命軍共同部隊として統一し『連合戦線』と名称を改める。

    その残党5人が軽井沢の別荘を占拠したてこもった10日間の出来事を追う。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    当初、理想的な新しい世界を求めて戦っていたはずの彼らはいつのまにか、警察及び警察官を権力そのものとみなして、襲撃し集団で凶暴化していったのだった。その中で彼等は、反革命とみなした同志を自己批判させ、総括(反省)させ、総括が足りないものには総括援助というリンチを決行し、死に至らしめて同志を少しずつ失っていったのだった。

    やがてその残党5人(坂上、坂内、吉田、江藤兄弟)は軽井沢の別荘に管理人・西牟田康子を人質にたてこもり革命しようとした。しかし、もうこの頃には行き場を失った彼らは仲間割れによって次々と同志の総括援助を繰り返し自ら破滅するしかなかったさまを描く。

    ここでの注目はなんといっても管理人の西牟田の存在だ。序盤、連合戦線に占領され怯えきっていた彼女はオルグと呼ばれる洗脳に少しずつ染まっていく。最終的に、逃走しようとした坂内に自己批判を要求し説教する場面の西牟田はまるでかつての指導者で主犯格の永山がのり移ったように見えた。それからというもの彼らは西牟田を永山と呼び総帥のように奉る。西牟田には革命家をその気にさせる才能に長けていたのだった。

    そんななか、西牟田を中心に彼らは一体感、連帯感の醸成に効果を発揮し革命家として高揚させ感激させ情動的にさせて、その場の誰もが西牟田の指示や命令に反射するように従うようになってしまう。隔離された環境のなか、気分を共有することで意思は完璧に出来上がってしまう事例だ。

    一方で坂内を総括援助によって殺してしまった彼らのなかには、かつての学習や討論や訓練や仲間を見殺しにしてきた経緯に疑問を抱くものが出てくる。しかし一度闘争に動き出してしまった集団は引くにひけない集団心理をも描写する。

    仲間内で疑心暗鬼になる中、自分を優位にしようと画策する者も現われるがリーダーの坂上は今までの全てを自己批判し総括しようと江藤兄弟を逃がす決意をし、逃がす。しかし、既に洗脳されてしまった西牟田康子はそんな坂上を反革命と罵り、射殺してしまう。権力と戦う前に総括で仲間を殺してしまい、たった一人になった西牟田は一人の革命戦士となって警官に戦いを挑むのだった。

    革命と言う名の大義名分によって人生を翻弄された一人の女の物語といっても過言ではないと思う。革命の先にある幻影を康子はただのまやかしとは思っていなかったろうし、何かを信じていた筈だ。今まで男に頼って生きて来た康子の最後の自らの意思による足掻きは革命戦死だった。

    キャストらの演技力を思い知らされ満足した公演だった。最近の「劇団チョコレートケーキ」の実力は群を抜いてるような気がする。頂点を極めると不安になるらしいが、前作をも上回る出来だと個人的に思う。

    緊張しっぱなしの観劇だったが観終わった後の満足感はやはり☆5つだと思う。仄暗い照明も絶大なる効果を現したと思う
  • 満足度★★★★★

    感服
    ただただすごい。演技とかすごい。あと展開が常に緊張してて身動きがとれなかった。

  • 満足度★★★★★

    娯楽性と批判を両立させて見事
    あの題材をモチーフにしている作品をこんなにも楽しんでしまうのは不謹慎ではないかと自己批判するほどに娯楽性もありながら、当時の彼らを美化するのではなく、矛盾点を指摘し**(ネタバレ自粛)まで与える描き方で娯楽性と批判を両立させており、非常に見事。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしかった!
    役者さんの熱演もあって2時間飽きずに、というかあの当時の緊迫感を疑似体験しながら観ていました。これほど芝居に入り込んで観劇したのは久しぶりかも。狭くて客席と近い舞台、無駄のないセットもこのお芝居にぴったりだったと思います。
    あとから考えてみるとこれほどクオリティーの高い舞台になった一番の要因はしっかりと練り上げられた脚本だと思う。実際にあった事件、設定をうまく生かして新しい魅力的なストーリーを作り上げたことに脱帽しました。

    次回も楽しみにしています。

    ネタバレBOX

    一貫して重い雰囲気が漂っていたし、やはり悲劇的な結末ではあるのだけれど、ラストでなんとも言えない希望、救いのようなものが感じられたことがうれしかった。
  • 満足度★★★★★

    すっごい、迫力!
    危機迫る空間と、迫真の演技に、圧倒され、引き込まれました。物語には、緊張しっぱなしでした。単純な私は、なんだか全身、軽く、筋肉痛???

    ネタバレBOX

    舞台を囲むような、コの字に座席が有り、目の前の役者さんの動きが、迫力でした。いつもだったら、場面によって、見えなかったりすると、物足りないのだが、今回は、役者さんが見えなくても、空気感が、ビンビン伝わるので、満足しました。

    あの時代は、知らない私だが、、、『革命』という同じ夢の仲間であるから、理解しあえる事、許せない事、だけど、日本を未来を真剣に、見つめてる姿には、いろいろ考えさせられた。

    全役者さん、魅力的で、6人なのに、もっと多くの仲間たちの姿も、脳裏に浮かんでしまう、演技でした。特に、菊池さんの語る瞳と、韮崎さんの語りが、印象的でした。

    擦り切れた靴下にも、コダワリを感じました。
    日めくりカレンダーのめくり方も効果的でした。、



  • 満足度★★★★★

    鎮魂歌たりうる力作
    ギャラリーなどでの番外公演は、一般的に本公演よりライトな感じの企画が多いのだけれど、チョコレートケーキの本作は違う。本公演と遜色ない1時間40分の力作。会場の特色を味方につけ、緊迫感に満ちていた。
    作品のモデルになった事件と同時代に生きた者として、これは彼らへの鎮魂歌たりうる作品だと瞑目した。
    あの時代を知らない若者にも観てほしい作品です。
    俳優の演技、脚本、演出、どれをとっても素晴しい。
    今回も古川・日澤コンビにしてやられました。
    紅一点の客演に蒻崎今日子を起用するなんて、心憎くてもう泣くしかありません(笑)。

    ネタバレBOX

    「自己批判、総括、ナンセンス」は当時、あの時代を代表する3大流行語の感があった。
    自分は、連合赤軍側の視点で映像化された作品は怖くて観ていない。
    今回の劇中で起こった惨劇は、実際のあさま山荘事件の史実とは異なるもので、全くのフィクションなのだが、彼らの会話を通して、彼らがめざし、見失ったこと、焦燥感、挫折感がひしひしと伝わってきた。演劇ならではの効果が感じられ、観終わって身震いするような感動が残った。
    出演者の演技は全員鬼気迫るものだったが、岡本篤演じる坂上弘という人物の深さが忘れがたい。
    また、山荘の管理人の妻が最初は恐怖心から萎縮し、戸惑っているのに、だんだん同化し、彼らの同志のリーダー的存在だった永山寛子(モデルはあの永田洋子)が憑依したかのように変貌していくさまを演じ切った蒻崎が素晴しい。
    以前、TVの報道番組「ニュース23」であったか、筑紫哲也があさま山荘事件で当時最年少だった元活動家・加藤倫教にインタビューしたのを見たことがあるが、本作の江藤兄弟(西尾友樹、菊池豪)の姿に、思わずあのときの加藤氏の述懐の様子を重ね合わせて胸が締め付けられたほど、真に迫っていた。
    脚本・演出をそれぞれ担当しながら、古川健、日澤雄介は俳優としても重い役を演じているのだから凄い。
    劇団チョコレートケーキはいったいどこまで登り詰めていくのか、末恐ろしくも楽しみである。

  • 満足度★★★★★

    文句のない作品
    久々に直球でずっしりとした作品を観させていただきました。

  • 満足度★★★★★

    思わぬ展開、
    そしてさらに思わぬ展開に進み、迫真の演技には魅了されました。

    ネタバレBOX

    山荘の管理人の奥さんが逃走してきた過激派から少しばかりの共産主義化のオルグを受けて正に永山寛子になったかのように豹変したその後からが俄然面白くなりました。

    ストックホルム症候群どころではないのですから。

    参院選の総括なんてことがよく言われますが、私は少し怖い言葉だと常々感じていました。今回、改めて過激派が山岳逃走中に使った総括や自己批判といった言葉の意味を再確認すると本当に怖くなります。総括援助という言葉は聞き慣れていませんでしたが、総括(反省)を促すために殴ることとは何と不気味な言葉でしょう。

    ラストシーンで死んだはずの二人も登場してきてインターナショナルを歌うのを見て、彼らは総括の過程で死んだり自殺したのではなく、全てが奥さんを洗脳するための大掛かりなお芝居だったのかと思いました。しかし、怪我を負った兄弟もラストシーンに出てきたところをみると、兄弟は奥さんが車に乗せて外出した訳ですから、あれはいわゆるイメージだったのですね。

    それにしても、過激派の雰囲気が満ち満ちていました。お尻が痛くて座り直すときも緊張しながら座り直しました。

    ただ、奥さんが公金横領して逃げているというのはどうなんでしょうか?もし本当なら夫が里帰りできるはずはないですよね。
  • 満足度★★★★★

    体験するものだ
    今、観なきゃいけない芝居。
    芝居は観るものではなく、
    体験するものだという当たり前の事実を、
    痛感させる。

    何故?
    今?
    澁谷で?
    ルデコで?

    自己批判できる人なら、
    観に行って間違いなしだよ。

    日本人なら、
    現代人なら、
    涙があふれてどうしようもない。

  • 満足度★★★★

    あの時代を知らぬ我々の代弁者
    あさま山荘事件の設定をそのまま生かしつつ、チョコレートケーキによる独自解釈に基づく、あの事件の末路を描いた力作。

    ネタバレBOX

    山荘事件を起こしたのが5人の男性であること、人質が管理人の女性であること、それぞれの登場人物の名字が一文字づつ変えられていることなどなど、事件の設定そのものは「あさま山荘事件」を彷彿とさせながらも、管理人の女性を5人が自分たちの思想に組織化しようとした結果起こる、「あさま山荘事件」とは異なる結末を見事に描きだす。
    我々、あの時代を知らぬ世代にとって、一種独特なカリスマ性を持つあの事件をなぜあの狂気に駆り立てたのかを丁寧に描く。
    過激派5人に、新たなメンバーとして管理人の女性が加わるで起こる化学反応。その結果はある種予定調和的であるものの、迫真の演技によって、予定調和感を超越し、見る者を舞台に引き込む。
    惜しむらくは、かくも女性管理人があのような思想転換を起こしたのか、より丁寧に描かれば、より説得力を持った舞台となったのではないか。
    再演時の修正に期待したい。
    また、あの時代を知る人々がどのような感想を持つのかも知りたいところである。

    役者陣では、リーダー坂上を演じた岡本と、管理人を演じた蒻崎が名演技を見せた。
  • 満足度★★★★

    その時代に生きていた
    別段共感はしませんが、その時代にそのようにして生きていたと感じる事が出来る舞台でした。
    よい舞台でした。

    ネタバレBOX

    暗い照明がその時代やその者達の心情を表しているようでよかったですね。
    (ただ少し暗すぎるかなという気持ちも少しありますが)
  • 満足度★★★★

    あと一歩
    足りない。でもこの劇場いつ来ても素敵

  • 満足度★★★★

    凄かった
    ルデコの狭さ、薄暗い照明で作られた空間・・・
    現実の事件をモチーフにしたフィクションとの事でしたが、
    実際には知ることの無い、40年余り前を見た気がしました。
    彼らの考えには共感できないけど、
    あの時代に生きた彼らが実際にそこにいるような。。。
    管理人婦人がどんどん変わっていく様は、お芝居と分かっていてもドキドキしました!
    隅っこの席に座ってしまったので、ちょっと舞台が見えづらかったのと、一部役者さんの声が聞こえづらかったのが残念です。

    ネタバレBOX

    劇中、「吉田」が「狂ってしまえれば・・・」と言っていたのが印象的です。
    殴られたり蹴られたりすれば死ぬのに、ショックな事が起こっても狂う事無く生き続ける。
    人間の脆さと強さ。。。
    意外と今と変わってないのかも。
    彼らは何に飢えていて、何に満たされたのか?
    今の時代に生きても同じような事をしたのか?
    いろいろ考えさせられました。
  • 満足度★★★★

    ずっしりと重い
    凄惨な内ゲバ殺人を繰り返した連合赤軍を描いた力作。重いです。ずっしりときます。あさま山荘事件の時は小学生だったので、全然わからなかったのですが、後年事件の概要を知ったときは驚きました。芝居のセリフを聞いたときにも思いましたが、今聞くと失笑するようなことを真剣にやって、大量殺人までいってしまうのだから、連合赤軍にしろオウムにしろ先鋭化した集団は怖いものです。難しい題材を真正面から取り組んだ劇団関係者に敬意を表します。それにしても紅一点の蒻崎さん、ゾクゾクしました。

  • 満足度★★★★

    女恐いというか…
    この公演を「観たい!」の時には「男臭いというか…」だったのでまずはこのタイトルを付けました。まったく下調べなしにこの作品を観ました。当日パンフ差し込みにある用語集も見ませんでした。帰宅後読み返し、また楽しめるこの充実感でこの料金は安い!と思いました。今日が初日とは思えないくらいしっかりつくりこまれていました。

  • 満足度★★★★

    時代が起こした事件か
    当時、新左翼は追い詰められ、先鋭化していた。総括、敗北死などの言葉の意味も判らず、テレビのニュースで見た記憶がある。

    本作も、革命を志向していた若者が隘路に陥り、内部崩壊していくさまを描いていた。

    山小屋に追い詰められ、そのなかでの狂気を役者さんが渾身の演技で魅せてくれた。観ていてどきどきしっぱなしであった。あの時代ははなんだったのであろうか


  • 満足度★★★★

    史実を見つめ、史実を超えて
    ル・デコのスペースをしっかりと作り変えて
    その空間だから作りうる
    空気の緩急を創出して・・・。

    ある種の緊張感に縛られたまま
    物語に取り込まれてしまいました。

    ネタバレBOX

    インターナショナル」が歌われて
    開場前の空気がすうっと染められて・・・。

    その空気のまま、
    山荘のシーンにすぅっと包まれる。
    恣意的に作られた
    どこかぼやけた空気のなかに
    5人の男たちが入り込み
    空気がさらに塗り替わる。
    その、ストイックな雰囲気の中で
    物語が広がり始めます。

    教条的な考え方には
    ある種の力が裏打ちされていて、
    よしんばそれが歪んだものであったとしても
    彼らの貫く不器用さには説得力がある。

    設定も冒頭からフィクションなのですが、
    そこには史実の色が深く漂っていて、
    その事件をリアルタイムで知っている世代だと
    その結末を想起しながら物語に取り込まれていく感じ。
    だから、その管理人の女性が
    捕捉された組織のリーダーに憑依していく後半の展開は意外で
    そのなかでの個々のキャラクターの姿に
    ますます取り込まれてしまう。

    5人の男たちそれぞれの
    純粋さと思惑に
    管理人のかつてのリーダーが憑依した剃刀のような理論が
    ぞくっとくるような感覚で重ねられて。

    理想を求める強さ、
    それが現実と乖離し挫折していく感覚、
    さらには教条の行きつく先がもたらす崩壊が
    皮膚感覚で伝わってくる。
    その圧倒的な説得力と
    受け取る側の脆さに息を呑む・・・。

    そこには殉じる美学があって
    でも、殉じる美学によって
    歪められ隠されるものもたくさんあって・・・。
    ラディカルな革命思想に込められた
    戦時中の標語のようなストイックさと
    そのなかでの、個々の想いの生身の部分に
    観る側までが削られるように圧倒されてしまうのです。

    思想の肌触りがとても緻密に描かれたことと
    その中で個性や想いを現わしえる
    役者たちの想いが至近距離でひりひりと伝わってくる。

    管理人の女性の描き方も実に秀逸。
    思想が入り込んでくる部分にこそ
    もう少し描き込んでほしい感じはあるものの
    イノセントな冒頭の部分の物憂い感じと
    理論武装してからの力強さの落差には
    ひたすら瞠目。

    史実を見据え、縛られることなく
    その惨劇に潜む構造をしっかりと組み上げた舞台。
    作り手の慧眼に息を呑み
    舞台美術やライティングの力
    さらには
    構造を肌合いにまで昇華させた
    役者たちの底力に圧倒されたことでした。

    ☆◎☆★★◎△△○
  • 満足度★★★★

    緊迫感
    圧倒的な緊張感と迫力でした。時代の思想と狂気を見事に見せてくれました。感服です。特に蒻崎今日子の演技が凄かった。人格の変貌はまるで女性闘士が乗移ったようで恐ろしいほど。劇団チョコレートケーキ,初見でしたが,良いです。あと,菅野佐知子さんもこの劇団員だったんですね。受付にいてビックリ。今日一番のドキドキだったかも^^;

  • 満足度★★★★

    飢えたる者は今何処
    浅間山荘事件の舞台と関係者の背景を借りたオリジナルストーリー。
    史実を知っているだけに思い切った展開に戸惑う。
    予備知識が多過ぎて、純粋なフィクションとして楽しむのは難しかった。
    とはいえ、なかなかの力作ではある。
    「浅間山荘事件なんて知らないよ」という人には密室サスペンスに映るのかも。
    菊池豪、西尾友樹の客演陣が印象に残る。
    ルデコの座席選びはいつも悩ましいが、音響ブース前の正面4席がベストかな。

    ネタバレBOX

    永山が憑依したかのような管理人の変貌が突然過ぎるかなぁ。

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