真夏の迷光とサイコ 公演情報 真夏の迷光とサイコ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.9
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★

    円形舞台を生かした作品だが難解。
    「凡骨タウン」とは正反対の世界だけれど、やはりいまの環境から抜け出せない人を描いている。
    ガラス張りの豪邸という舞台設定。円形舞台に合っていると思った。「人から見られる家」をテーマに、ドーム屋根のアトリウムとガラスの外壁を持つ家を建てたある建築家を思い浮べた。きっと、この家もそういうデザインなのだろうな、と。蓬莱さんはもともと舞台美術をやっていて、この劇場で舞台美術も手がけた経験もあるそうだから、今回も円形舞台を生かす独自の演出プランを練ったことだろう。
    モダンスイマーズの作品は自分にとっては難解だ。ほかの人と意見交換してみると、自分はいつもまちがった解釈をしているらしいことに気づき、赤面する。
    「深読みするといっそうわからなくなるみたいですよ」と出演者に言われた。そうですか。この日の観劇中に起きた偏頭痛が治らず、熱まで出てしまった。やっぱり難しい。

    ネタバレBOX

    車椅子の未亡人(YOU)のもと、執事(古川悦史)、料理人ピエール(西條義将)、ドクタージョー(岡野真那美)、コウジロウ(古山憲太郎)、日常のできごとについて伝えるミミ(松山愛佳)、ドラマー(山田貴之)がそれぞれの役割を演じて生活が成り立っている。
    姉(YOU)は交通事故により、夫と両親を失い、小説を書く弟(小椋毅)と2人生き残った。弟はミタグループの御曹司と言いながら苗字が灰谷だったり、雨の中、リン(松山愛佳)とシモムラフミエ(岡野真那美)、2人の女性と同じ場面が再現されたりで、観ていて頭が混乱し、よく意味がわからない。
    弟が作家で、ミタグループの姉弟というと、三田和代と三田誠広を連想してしまうが(笑)。
    俳優では執事の古川、ピエールの西條、コウジロウの古山が印象に残った。コウジロウが車椅子を暴走させ、執事が必死に追いかけるシーンは、円形舞台を生かし、スピード感や緊迫感が出た。
    車椅子は、体が不自由な人、健常者にかかわらず、乗ってみると慣れるまでけっこう体に負担がかかるもの。車椅子でグルグル回されたり、車椅子から降りて長時間身じろぎもせずに立つなど、YOUはけっこう身体的にキツかったのではと察する。生活感のなさ、姿勢のよさ、抑揚のないしゃべりかたなど、YOUの個性を生かした役柄。
    円の軌道をはずれることなく、惑星のように位置が決められてしまう人々。結局、最後は元の役割に収まって生きていくところで終わる。当人にとっては居心地がよいのかもしれないが、何の進展もないことに絶望感を覚えた。
    「凡骨タウン」の主人公に比べ、この女主人公は必死に抜け出そうともがくこともせず、ひたすら過去の幻影の中に自らを閉じ込めて生きているようにみえる。弟も覇気が感じられない。
    こういう難解で暗いストーリーの作品が多いのに、この劇団は若い女性ファンに人気がある。不思議な魅力があるんでしょうね。
  • 満足度★★★

    初見
    気になっていた劇団だったので時間もあり観劇に…。静かで孤立した感じの演出は分かったのですが、ミステリアス??なのかどうかは分かりにくい。でも嫌いな作品ではないかな?

  • 満足度

    置いてけぼりにされた気分
    YOUさんや生演奏、きちんとした料理など。
    凝っているところと、説明すべきところなどがバランス悪かった。
    (小さいパイプイスだし・・・、お尻痛くなるし・・・)
    円形な舞台を、面白くは使っていたが。
    なんとなく作り手側の「うまく使ったでしょ」風な感じが、ダメっぽく感じられた。
    納得と共感できる点が少なすぎました。

  • 満足度★★★★

    ”ストイック”な語り口のミステリー、サスペンス。初モダンスイマーズ。
    初モダンスイマーズ、そして私の好きな青山円形劇場。
    この、最前列から間近に感じる緊張感と静かな迫力、ドラム等の生演奏、
    がたまらない。
    全体的にトーンを落とした暗めの照明と、モノトーンでシンプルな舞台装置は、
    物語全体と同様に、落ち着いたストイックな雰囲気を前面に押し出していました。

    YOUさんは、ご本人の持つ雰囲気を生かした配役。
    不幸な出来事の影響か、感情を出さず終始淡々とした物言いで。
    虚構の世界との決別にいたるまでを静かに演じる。

    ミステリアスな導入から、サイコ・サスペンス風になりながら
    軽いヒューマンで収束する。
    大仰でなく声高でなく、あくまでも静かで”ストイック”な語り口。
    暑い夏に味わう、ひんやりとしたクールな感じ。
    こういうのもいいと思った。

  • 満足度★★★

    サイコ…
    静かな運びのお芝居でした。

    サイコとあったので夏だから怖いのかな~と思いきや、怖さ・サスペンス要素はとくになかったです。。

    衣装がかわいかった。

    ネタバレBOX

    「いつも見ていた」の意味がよくわからなかった。
    心がつながっていた??

    姉&弟の役者の演じわけの違いがみられてよかったです。

    いまいち従業員たちが一流とは感じられなかったんですよねぇ…。
    もっと女主人の前と控え室とでもっと違う顔していたりするとわかりやすいのですが。。なので最後の「一流でなくてはなりません」がイマイチ響きませんでした。

    ピエールの方言はなんていってたんだろう…。
    同じ出身の人は聞き分けていたのかな。
  • 満足度★★

    蓬莱とYOU
    蓬莱作品と言えば、YOUみたいな意識を勝手に持っています。楽しみにしていたのですが、高度過ぎたというか恐らくひどい回り道をしてしまっていたように思えます。エネミイはあんなに良かっただけに残念です。

  • 満足度★★★

    もっと行けるはずの、深みにまでは到達してない感じ
    円形劇場をうまく使い、引き込まれるところもあるが、(私の個人的な)大きな期待に対しては、もうひとつだったように思う。

    ネタバレBOX

    モダンスイマーズには、台詞同士から生まれるような、ねっとりした重さを期待していたのだが、そうでもなかった。

    それは、ひつとには設定にあるのではないだろうか。
    つまり、とてつもないお金持ちだという設定が、妙に現実感を伴わない。
    それが「意図」として仕組まれていたとしても、最後にその「意図」にループして行かない感覚が残るのだ。

    現実離れをした設定が悪いというのではない。その「現実離れ」をしたと感じる要素のどこかに、現実という場所へのアンカーのようなものがあれば、観客はそれを頼りに観るのではないだろうか。
    現実離れをしていることを徹底して選んだのであれば、それを徹底してほしい気がする。それは、現実との「距離感」を大切にしながらで。
    そのバランスが、どうもしっくりこなかった。

    現実というキーワードで言えば、現実を見ることのできない姉弟の話であり、そこには「現実感」が希薄なのはわかる。
    だけど、現実との「接点」が、使用人たちや出版社の人たちなのであろうが、その人たちには、やはり希薄な印象を受けてしまう。
    下世話な話(エピソード)があるようでも、なんだか現実感が伴わないのだ。

    とは言え、円形劇場使い方は面白いし、ドラムの生演奏はとてもよかった。

    YOUさんの無機質な感じは、とてもこの舞台と合っていたと思うが、それは何かの「対比」によって際立ったのではないだろうか。そこは残念。
    弟ではなくて。

    YOUさんと他の出演者との、静かな台詞のバトルのようなものも欲しかったと思う。

    ラストで、一見、前向きに見えても、つまり、姉は外に出ることを、弟は姉について行くことを決断しても、姉弟は、最後まで現実を見ることができなかったように思える。その感じはとてもいいと思った。
    「人は簡単に変わることなんかできないんだよ」と言ってるようで。

    全体的な出来はいいと思うのだが、個人的な期待値よりは低かったという感じだ。
    だから、星はやや辛め。
    用意していた「笑い」の部分がちょっと中途半端かも。
  • 私には理解不能みたいです
    いつも、蓬莱さんが、他劇団に書き下ろす作品はこぞっていいので、自劇団もいいだろうと期待しつつ、もう5回ぐらい、モダンスイマーズを観に行きましたが、どんどん、私には不向きだという実感が募るばかりで、今回をもって、モダンスイマーズは、単位未取得のまま、中退しようと思いました。

    蓬莱さんが、何をどう描こうとされているのか、今回程、理解不能な作品はありませんでした。
    そして、いつもわからないながら、魅力を感じていた、津村さんが御出演でないので、私には、救いどころがなく、途中からは、YOUさんの心地良い声に耳だけ傾けつつ、対面で御観劇の、私が御贔屓のある女優さんばかりに見入っていました。

  • 満足度★★★★★

    初モダンスイマーズ、初 蓬莱竜太作品
    初モダンスイマーズ、初 蓬莱竜太作品、観ました。

    評価辛口が多いけれど、
    個人的には、すごくいろんな意味で緻密でおもしろかった。

    蓬莱竜太さんの翻訳劇を意識した書き下ろしだそうで、
    すごく私ははまった。引き込まれた。
    話が交差、転換、逆行する凝ったつくりだった。
    そして彼の凝りに凝った演出もすばらしい。
    円形劇場でこの作品をやる意味みたいなものが感じられた。
    円形劇場で5回ほど他作品を見ているが一番おもしろかった。

    1点ラストがすこし曖昧にかんじていたこともあり、
    お気に入りの俳優もできたので、
    もう一度、もう一度とこの後にも見に行った。

    円形劇場は席によってまったく見え方が違う楽しみも堪能。
    下手より、センター、上手よりの順で観た。
    上手よりが良かった。

    客演主演のYOUさん、、悪くない。いい。
    あのしゃがれた声が円形劇場で生きている。
    彼女にしか出せない独特の空気が不思議さを増幅させていた。

    セットと生ドラムも効果的。

    そろそろ千秋楽が近いですが、見てない人にはおすすめ。
    チケットも高くないし。観ていただきたい。

    唯一、希望としてはB5サイズくらいの小さいもので良いので
    パンフレット作っていただきたかった。

    ネタバレBOX

    客演主演の
    YOUさん、、車いすの大富豪女主人キク子役。悪くない。いい。
    彼氏、使用人に本名とは違う名前をつけて雇っている変わった女主人。
    ピッタリ。どんどん表情も命令口調もしっくり。初日は笑いが出てたけれど。
    あのしゃがれた声が円形劇場で生きている。
    彼女にしか出せない独特の空気があるし、
    ちょっと棒読みチックな彼女の台詞まわしの特徴もおもしろいかも。
    もともとYOUさんは好きなのでひいきめかもしれないが。
    衣装がすごくオシャレ。さすがYOU。
    一つだけ、YOUさん、10日の「ドラミ」、、アドリブですか?
    おもしろすぎ。なぜかダウンタウンの二人の顔が浮かぶ。

    他のみなさんは、衣装を変えずに2役の全く違った役を演じている。
    衣装を変えず、空間も変わらないので演技力が問われる。

    モダンスイマーズの3人は、
    うわさには聞いていたが、個性的でかっこ良くてうまい。
    もっと早くから見に行っていれば良かったなと後悔。
    よくチラシを見て悩んだり、スケジュールNGだったり、
    一緒に出ている女優さんが苦手でパスしたり、
    古山さんのブログはおもしろいのでよくのぞいていたが、
    いままでなぜだか観る機会がまったくなかった。
    他の作品を過去に遡ってみる方法はないだろうか?

    モダンスイマーズ主宰
    西條義将さんの方言の直らない料理人ピエール(笑)おもしろかった。
    設定が本当に個性的でおもしろい。
    途中で方言長ゼリフあり。何言ってるの??知りたい。
    まったくわからない(爆)朴訥としたかんじがいい。
    2役目の出版社の男もよかった。もっと差がついていたらより良かったと思う。

    モダンスイマーズ
    かなり個性的なAB型の古山憲太郎さん。彼氏役コウジロウ。
    あのブログを書いている方とは思えない。。だまっているとかなりカッコいい役。
    車いすで無礼講のシーンでは小学生みたいに無邪気な表情。楽しそうに演じるなぁ。
    ギャップが魅力的。友人と共に大ファンに!
    三田グループの社長のときの「てんぷら」の言い方と表情が特におもしろい。

    モダンスイマーズ
    小椋毅さん。私には今回の戯曲の要だと思うキク子の弟役。
    迫真の演技。彼の存在が今回の舞台を引っ張っているように見えた。
    けだるくて、何かをあきらめているようであきらめられず。
    ジレンマ。虚勢。胸が苦しくなった。
    3回目に観た時は特に引き込まれて、感情がゆさぶられ涙がポロポロ勝手に出た。
    小椋毅さんもいい俳優。ラストに近いシーン本物のコウジロウも演じていた?
    少しだけわからず。勘違いかな。

    客演の
    古川悦史さんはいろいろなところでお見かけする。
    執事のミクリヤにぴったりだった。すごくいい。安心して観ていられる。
    まったく違ういやらしい作家先生の役うまかった。
    衣装が同じでもまったく違和感かんじない。

    客演の
    岡野真那美さんの低音の落ち着いた声が魅力的。
    まったく違う2役だが、ちょっと差があまり感じられず。
    松山愛佳さんはウルサい使用人と、わりきった美人作家担当者。
    まったく違う2役をうまく演じていた。
    二人とも雨の傘をさしながらのシーンが印象的。

    今回の演出ですごく気になるのが、ドラームこと
    山田 貴之さんの生のドラムやパーカッション。効いている。
    感情とのシンクロ、雨、緊張した空気、サイコ感が際立つ。

    そして雨。悲しい雨。

    最後にセット、すごく美しい。好み。
    劇場に入ると上をボーッと見とれる。これはいろんな角度から見てほしい。
    高台のガラス張りの豪邸を表現するのに、woodの窓枠をたくさんシンメトリーに
    天から下げて表現。とても美しい。部屋のしきり、エレベーターなど枠と音と照明で表現。
    これによって役者が話したり、止まったりすごくおもしろい。

    モダンスイマーズに約1週間どっぷり浸かって堪能した。
    もっといろいろ知りたい。
    劇場で買った「まほろば」を読み出した。
    蓬莱氏の「エネミイ」もまだ上演しているようなので見に行こうかと思う。
  • 満足度★★

    いつも通り
    事前では、「今までとは違ったモダンスイマーズを~」云々という話でしたが
    ふたを開けてみれば、いつも通りのモダンスイマーズでした。

    ただ…蓬莱さん、ひいては劇団自体が「今までとは違う」に捉われ
    過ぎてるのか、演出はものすごく力が入ってたし、構成もおー、っと
    驚かされたけど、なんかそれだけだった気が。。 散漫だったかも。。

    詳細、ネタバレに書きますが最後の展開は正直えー、そりゃ無いよ、と
    思いました。

    ネタバレBOX

    女主人たる姉は、自身の夫が交通事故で死んでからというもの
    その過去を乗り越えられず、赤の他人を雇い、それぞれに架空の
    名前を付けるに飽き足らず、その一人には自身の夫の名前を付け、
    時の止まったような屋敷で心は一人孤独に暮らしている。

    その弟であるところの作家はありがちな、「良くてそこそこ、悪くて稚拙の
    アマチュアに毛が生えたレベル」を出ない。 出版社から一応数冊本を
    出して貰えてるが、目をかけてくれていた編集者が亡くなって以来、
    その活動は徐々に先細り、本人もそれに焦る様子。

    …と、この二人の空間があらゆる局面で交差する、ここ数作の蓬莱
    作品の構成を踏襲している作風。 「雨」が急激に作品展開を加速させる
    点も含めてアル☆カンパニー「罪」を彷彿とさせます。

    というか、蓬莱さんは「雨」のモチーフが好きなんでしょうか?
    「凡骨タウン」でも、雨の場面が重要な展開ポイントだった記憶が…。

    ただ、今回は何の前触れもなく、片方の視点がいきなり宙に浮いて
    片方の数日前の行動を眺めていく、という構成になっているので
    結構お客さん放り投げちゃう感があるのは否めない。

    「凡骨タウン」には千葉・萩原としっかり作品の引き締め役がいたのに比べ、
    今作は中心となるキーマンが不在だったのも相当痛い。 
    YOUさん…演技はともかく(というか、車椅子なのでほとんどその余地が
    無かった)、最後の場面の一番重要な台詞全部棒読みはちょっと。。
    ハッと全部が腑に落ちる場面なのに、なんか白々しくなっちゃった、かな。

    それと、最後。

    姉が弟に水をぶっかけて「ここは現実の世界なんだから」と喝破した場面。
    でも、自分も架空の自分の世界に逃げて、そこで空虚な生活を弟が来るまで
    送ってきたわけだから、全然説得力無いし。

    その後、屋敷の造り物の世界をかなぐり捨てて「本当の自分を探る旅」に
    出る伏線だったとしても、それだったら弟について来い、じゃなくてこの
    車椅子を押すのはおまえにしか出来ない役目、と言って欲しかった。

    「架空のコウジロウ」さんは、二人の過去にも現在にも全然
    関係ないんだから、「現実の自分が分かって無い」のは姉妹なんだから。
    これから自分を知っていく必要があるのは、この二人だけなんだから。

    あそこで、自分の虚像に車椅子を押させても意味が無いと思う。
    二人の問題に他の人を、自分の捨てなきゃいけない過去をもうこれ以上
    介在させるべきじゃない、と感じたので強く違和感を覚えました。

    蓬莱作品は「罪と許し」「現実を見つめられない人たち」が重要なテーマに
    なっていると思うのですが、今作はそれも含めて全体的に弱く、
    ぼんやりとした作品になってしまったのが、辛く残念です。

    演出は照明の絞りに加え、実際の生演奏を導入したのが非常に功を奏し、
    その時々の人物の焦り、興奮、孤独等の隠された心情を分かり易く表現
    していたと思います。 本当に演出は素晴らしいです。
  • NODA・MAP「ザ・キャラクター」に続き
    最後にぐっさり来ました(内容は全然違いますが)。YOUさんは生で観てもやはり可愛らしい方でした。声がいいですね~。

    ネタバレBOX

    超能力のある姉と、何からも逃げてしまう弟の話、だったのかな。

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