真夏の迷光とサイコ 公演情報 モダンスイマーズ「真夏の迷光とサイコ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    いつも通り
    事前では、「今までとは違ったモダンスイマーズを~」云々という話でしたが
    ふたを開けてみれば、いつも通りのモダンスイマーズでした。

    ただ…蓬莱さん、ひいては劇団自体が「今までとは違う」に捉われ
    過ぎてるのか、演出はものすごく力が入ってたし、構成もおー、っと
    驚かされたけど、なんかそれだけだった気が。。 散漫だったかも。。

    詳細、ネタバレに書きますが最後の展開は正直えー、そりゃ無いよ、と
    思いました。

    ネタバレBOX

    女主人たる姉は、自身の夫が交通事故で死んでからというもの
    その過去を乗り越えられず、赤の他人を雇い、それぞれに架空の
    名前を付けるに飽き足らず、その一人には自身の夫の名前を付け、
    時の止まったような屋敷で心は一人孤独に暮らしている。

    その弟であるところの作家はありがちな、「良くてそこそこ、悪くて稚拙の
    アマチュアに毛が生えたレベル」を出ない。 出版社から一応数冊本を
    出して貰えてるが、目をかけてくれていた編集者が亡くなって以来、
    その活動は徐々に先細り、本人もそれに焦る様子。

    …と、この二人の空間があらゆる局面で交差する、ここ数作の蓬莱
    作品の構成を踏襲している作風。 「雨」が急激に作品展開を加速させる
    点も含めてアル☆カンパニー「罪」を彷彿とさせます。

    というか、蓬莱さんは「雨」のモチーフが好きなんでしょうか?
    「凡骨タウン」でも、雨の場面が重要な展開ポイントだった記憶が…。

    ただ、今回は何の前触れもなく、片方の視点がいきなり宙に浮いて
    片方の数日前の行動を眺めていく、という構成になっているので
    結構お客さん放り投げちゃう感があるのは否めない。

    「凡骨タウン」には千葉・萩原としっかり作品の引き締め役がいたのに比べ、
    今作は中心となるキーマンが不在だったのも相当痛い。 
    YOUさん…演技はともかく(というか、車椅子なのでほとんどその余地が
    無かった)、最後の場面の一番重要な台詞全部棒読みはちょっと。。
    ハッと全部が腑に落ちる場面なのに、なんか白々しくなっちゃった、かな。

    それと、最後。

    姉が弟に水をぶっかけて「ここは現実の世界なんだから」と喝破した場面。
    でも、自分も架空の自分の世界に逃げて、そこで空虚な生活を弟が来るまで
    送ってきたわけだから、全然説得力無いし。

    その後、屋敷の造り物の世界をかなぐり捨てて「本当の自分を探る旅」に
    出る伏線だったとしても、それだったら弟について来い、じゃなくてこの
    車椅子を押すのはおまえにしか出来ない役目、と言って欲しかった。

    「架空のコウジロウ」さんは、二人の過去にも現在にも全然
    関係ないんだから、「現実の自分が分かって無い」のは姉妹なんだから。
    これから自分を知っていく必要があるのは、この二人だけなんだから。

    あそこで、自分の虚像に車椅子を押させても意味が無いと思う。
    二人の問題に他の人を、自分の捨てなきゃいけない過去をもうこれ以上
    介在させるべきじゃない、と感じたので強く違和感を覚えました。

    蓬莱作品は「罪と許し」「現実を見つめられない人たち」が重要なテーマに
    なっていると思うのですが、今作はそれも含めて全体的に弱く、
    ぼんやりとした作品になってしまったのが、辛く残念です。

    演出は照明の絞りに加え、実際の生演奏を導入したのが非常に功を奏し、
    その時々の人物の焦り、興奮、孤独等の隠された心情を分かり易く表現
    していたと思います。 本当に演出は素晴らしいです。

    3

    2010/07/10 23:05

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  • はじめ ゆうさん

    >蓬莱作品は幾つかの特徴的なモチーフがあるように思います。

    なるほど、そうなんですね。
    私は、蓬莱作品をそれほど観てないので、まったくわかりませんでした。

    「エネミイ」と「キャラクター」のレビュー楽しみにしています。

    2010/07/17 03:24

    >アキラ さん、

    はじめまして。 コメント頂き恐縮です。

    実は、本日「エネミイ」を観劇しに行くのですが、蓬莱作品は幾つかの特徴的な
    モチーフがあるように思います。 『雨』=過去へのターニングポイント、『ネット』=現実からの
    逃避、のような。 「314」と「エネミイ」がそういう意味でどうしても被ってならない。
    ・・・そういえば、「314」もぬるま湯みたいな日常への、突然の来訪者がストーリーの
    きっかけでしたね。

    どうも、私は以前より蓬莱作品のテーマと疎遠になってしまったような気がします。
    上記のコメントに書いた氏の作品のテーマが、自分にとり切実でなくなった、と。
    それが良いのか悪いのかは分からないのですが・・・。

    「キャラクター」のレビュー、とても面白かったです。 8月に観に行きますが
    楽しみになってきました。

    2010/07/16 08:53

    はじめ ゆうさん

    はじめまして。

    興味深く読ませていただきました。
    特に「雨」については、おお、そうだった! と思いました。
    「罪」も「凡骨タウン」も「雨」は重要でしたね。

    >あそこで、自分の虚像に車椅子を押させても意味が無いと思う。

    確かに未来に向かうには、その通りだと思いますが、私は「結局、自分の中の迷路からは抜け出すことができなかったとさ」で終わりなんだと思いました。なんかちょっとビターな感じで。

    2010/07/14 07:43

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